ウマ男 新たな歴史を創る者   作:アフターヌーンティー

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 この話はサイレンススズカと主人公の出会いの話になります。






  それでは、どうぞ


私の初めてで最初のお友達

 

 

  〜中等部一年〜

 

 「ここが、日本トレーニングセンター学園。通称“トレセン学園”…!」

 

  桜の花びらが舞い散る中、私は目の前に広がる大きな校舎に目を奪われていた。私、サイレンススズカは今日からこの学校の生徒になるウマ娘です。

 

 「凄い…、ウマ娘が、いっぱいいる…」

 

  周りには私と同じ耳と尻尾の生えた女の子、ウマ娘がたくさんいました。私の故郷には、余りウマ娘がいなかったのでびっくりです。

 

 「(は!いけないいけない…。まずは、教室に行かなきゃ)」

 

  と私は足早と自分の教室へと向かいました。

 

 

  〜教室・1−A〜

 

 「し、失礼…しま、す…」カラカラ…

 

  と教室の扉を開けると既に教室には30人近くの生徒が集まってお喋りをしていました。

 

 「(わ、私の席は…。あ、あった)」

 

  と自分の席を見つけたのですが…。

 

 「へぇ、〇〇さんって〇〇出身なんだ〜」

 

 「〇〇さんも〇〇から来たんだね。────。」

 

  と一人のウマ娘が私の席に座ってお喋りをしていました。

 

 「あ、あの…「それでね、───はさ〜。───。」そ、そこ…私の席、なんですけど…

 

  と話して見ても私の声が小さいのか、グループのウマ娘達の話し声にかき消されてしまいます。

 

 「新入生のみなさん、席についてください」ガラガラ

 

  と教師の人が教室へと入って来ました。すると、私の席にいたウマ娘も自分の席に戻って行き、やっとの思いで自分の席に座ることが出来ました。

 

 「私は今日から貴方達の担任になります〇〇と申します。よろしくお願いします」

 

  と教壇に立つ女性教師挨拶をしてくれました。

 

 「まず、皆さんには入学式の流れを説明します。自己紹介は入学式の後に行いますのでまずは『ガラガラッ!』ん?」

 

  と教室の扉の開く音がしました。

 

 「…」

 

  扉のところには一人の男の子(・・・)がいました。え?

 

 「(お、男の子…!?)」

 

 「えっと、君…どこから入って来たのですか?ここはトレセン学園っていうところで「知ってる」え?」

 

  と男の子は教室に入るなりこう言いました。

 

 「俺、ここに入学する生徒だから」

 

 「(え…?)」

 

 「えぇぇぇぇぇええええッッ!!!!」

 

 

 

 

  ──────これが、サイレンススズカと風間燈馬との出会いの始まりだった。

 

 

 

  〜お昼休み〜

 

 「ねぇ、あれって…」コソコソ

 

 「うん。確かに男の子だよね…」コソコソ

 

 「(嘘でしょ…。よりにもよって、何で隣の席(・・・)なのォオオオッッ!!)」

 

 「……」

 

  入学式も無事?に終わり、今はお昼休みの時間です。…なのですが、クラスの皆が私の隣の席にいる男の子に視線が集まっています。一刻も早く抜け出したい。早く一人になりたい。ですが、当の本人はというと─────。

 

 「……」シャカシャカ

 

  と男の子は平然として音楽を聴いていました。名前は確か…。

 

  ガラガラ…!

 

 「このクラスに風間燈馬君という生徒はいる?」

 

  と黒色の長い髪に同じ色の耳と尻尾の生えたウマ娘の上級生が入って来ました。

 

 「ねぇ、あれって…!」「うん!英雄“ディープインパクト”先輩だ!」「カッコいい…!」「凛々しいね…!」

 

 「(ディープインパクト先輩、無敗でクラシック三冠を制覇。さらにトレセン学園では生徒副会長を勤めていて、学園内でもトップクラスの実力者)」

 

  そんな先輩が風間君、だったかな。何しに来たんだろ…。

 

 「……あの子ね」トコトコ

 

 「(こっちに来た…!)」

 

  とディープインパクト先輩がこちらに近づいてくる。

 

 「君だね、風間燈馬君は」

 

 「……誰?アンタ」

 

 「生徒副会長のディープインパクト。風間燈馬君、生徒会長が呼んでる。私と一緒に来て」

 

 「(せ、生徒会長…。何したんだろう…)」

 

  チラリと風間君の方を見る。

 

 「……ッ」←めっちゃ嫌そうな顔してる

 

 「「(うわ、めっちゃ嫌そうな顔…)」」

 

  この時、恐らくディープインパクト先輩と私の思ってた事が一致した瞬間だと思います。

 

 「…君が嫌なのも分からなくもない。けど、あの人は拗れると面倒なの。顔でも見せてあげて」

 

 「…」ガタ

 

  と風間君は面倒くさそうに席を立って教室を出て行ってしまいました。

 

 「…ごめんね、急に来て」

 

 「い、いえ!全然そんな…

 

 「あの人も自分勝手で大変なの…。貴方は見たところ新入生かしら」

 

 「はい、そうです…

 

 「そう。充実した学園生活を送ってね、それじゃあ」

 

  とディープインパクト先輩は教室を去って行きました。

 

 「かっこよかったね〜!」「私も先輩のようになりたいな〜」

 

「指導とかしてもらえるのかな?」…。

 

 「(風間君ってどんな子なんだろう…)」

 

  クラスの皆がディープインパクト先輩の話をしている中、私だけは風間君の事を考えていた。

 

 

 

 

 

 

  〜数週間後〜

 

 「よし、次!」ピッ!

 

 「「ッ!!」」ダッ

 

  入学してから数週間が経ち、学園にも慣れてきました。学園には美味しい料理がたくさんあったり、授業もわかりやすくて充実した学園生活を送っています。ただ…。

 

 「それでね〜、─────。」キャッキャッ

 

 「なにそれ〜」キャッキャッ

 

 「この前、可愛いコスメがあったんだけど帰りに寄らない?」

 

 「ホント〜!行く行く!!」

 

  と仲良くお話しをしているクラスメイト。そして、一人ポツンといる私。そう、私はこの数週間でお友達を作ることが出来ませんでした…。

 

 「(いいな〜、私もお友達と何処かに行ってみたいな…)」

 

  と私は遠巻きにクラスメイトを見ていました。

 

 「(けど、私は走ることが好きだし、コスメとか流行りの物とかも分からない…)」

 

  私は走ることが好きです。走っていると、とても気持ちが良いし何より自分が走る景色を独り占めしたくなるんです。

 

 「次、サイレンススズカ」

 

 「は、はい…」

 

  と先生に呼ばれてスタートラインに立ちます。今日の授業は体育で500m走をしていました。

 

 「あとは…、風間。…おい、風間はいるか?」キョロキョロ

 

  と先生が風間君の名前を呼ぶも風間君は出てきません。

 

 「あいつ、また(・・)か…」ハァ…

 

  と先生は大きな溜め息をつきます。

 

 「仕方ない。サイレンススズカ、悪いんだが一人で走ってもらって「すいません、遅れました」…噂をすれば、遅いぞ風間」

 

  と風間君はトレセン学園指定のジャージを着て小走りでターフにやってきました。

 

 「風間、これで何度目だ?授業には遅れるなとあれ程言ったではないか。授業に遅れるとお前の成績に響くんだぞ」

 

 「……」

 

 「全く。その様子では、反省しているのかすらも分からんな。まあいい、説教は後でたっぷりとしてやる。まずは、サイレンススズカと全力で500mを一緒に走れ。いいな?」

 

 「…うっす」

 

  と風間君は私の隣に来て軽くストレッチをし始めました。

 

 「…ッ。何?」グッグッ

 

 「え!?えぇと…、その…

 

 「ていうか、誰?お前」

 

  嘘でしょ…。さっき先生が私の名前を言ってたじゃん…。

 

 「わ、私は…サ、サイレンス…スズカ、です…

 

  と私は自分の名前を言いました。すると────。

 

 「お前何言ってるか全然分かんねぇ」

 

 「……」ピシ

 

  私は風間君の一言で身体が硬直してしまいました。何ででしょうか、無償に腹が立ちます。

 

 「お前ら、準備はいいか?始めるぞ〜!」

 

  と先生がスタート合図を出そうとします。この人は…。この人だけには──────!

 

 「(ゼッッッッッッッッッタイに負けたくない!)」

 

 「な、なんだ…?サイレンススズカのオーラというか、闘争心というか「先生、始めて下さい」お、おう。わかった」

 

 「(この人が追いつけないくらい差で勝ちます…!!!)」

 

 「それでは、スタート!!」ピッ

 

 「ッ!!!!」ダッ

 

  と私は右足を力一杯に蹴り、風間君との差を大きく広げます。

 

 「(これだけ差を広げればあの人は追いつけない…!)」

 

  それに加えて、相手は人。人間です。ウマ娘のトップスピードに人間のあの人がついて来れる訳がありません。

 

 「(このまま差を広げ続けていれば──────。)」

 

  そう思っていた矢先でした。

 

 

 ビュンッッッ!!!!

 

 

 「え────。」

 

  何者かが私の隣をものすごいスピードで通り過ぎて行きました。

 

 「(嘘、なんで…!?)」

 

  考えたくはありませんでした。だって不可能であるからです。

 

 

人間がウマ娘に勝つことは出来ないのだから

 

 

 「か、風間31.6秒!サイレンススズカ32.7秒!」

 

 「ハァハァ…」

 

  走り終わった私は膝に手をついて肩で息をしていました。

 

 「……」ハァハァ…

 

  と風間君の方を見ると彼も少し息が上がっていました。

 

 「……」チラ

 

  と息を整えた風間君は私の方をチラリと見てくるなり、何も言わずにスタートラインの方へと戻って行きました。

 

 「……ッ」グッ

 

  悔しい。その時、私が一番に抱いた感情でした。普段は悔しいという感情を抱くことはなかったのですが、彼に…風間君に負けて初めて悔しい気持ちになりました。それに────。

 

 「(私の、私だけの景色を彼に盗られてしまった)」

 

  それが何より悔しかった。私の走る景色は私だけのものだから─────。

 

 「(次は、次は必ず勝ちます…!)」

 

  その頃から、私は風間君を意識し始めたのでした。

 

 

 

  〜その夜〜

 

 「(もっと、もっと速く…!)」タタタッ!

 

  日が完全に沈みきった頃、私は一人学園のターフで走っていました。もちろん、私だけの景色を楽しむ為ではありますが何より…。

 

 「(彼に…勝ちたいッッ!!)」

 

  初めて味わった敗北という二文字。私が走ってきた中で感じたことのなかった感覚。寮長には外出届を出していますので思う存分走れます。

 

 「ハァハァ…、フゥ…」

 

  と私は走るのを止めて息を整えます。やっぱり走るのは気持ちいいです。

 

  ザッザッザッ…

 

 「?」

 

  と私以外の誰かがターフの中に入って来ました。足音のする方を見ると予想外の人物がいました。

 

 「(な、何で彼が…ここに…!)」

 

  その人物とは、授業で私と併走した風間君がいました。彼はホームルームが終わった後、すぐに帰ったはずなのに…。どうして。

 

 「……」グッグッ タタタッ

 

  私に気づいていないのか、風間君はターフに入るなり準備運動を始め、走り始めました。

 

 「(風間君ってどんな走りをするんだろう…)」

 

  私は風間君の走りに少し興味がありました。ウマ娘と同等のスピードを持つ彼がどんな走りをするのか────。

 

 「(あれ?どうしたんだろう…)」

 

  風間君の走りを観察していたのですが、走りにキレがありません。フォームもバラバラで動きづらそうに走っていました。

 

 「(疲れてるのかな…)」

 

  そう思いながら私は彼の走っている姿を見続けていました。

 

 

 

  〜翌日〜

 

 「─────この方程式はですね、一見難しそうに見えますが実はそうではありません。まずは───────。」

 

  日付も変わり、私は教室で授業を受けています。今は4時限目の数学の授業を受けていて、クラスメイトの表情も真剣そのものです。

  ただ…。

 

 「zzz…」

 

  ただ、私の隣りにいる風間君だけは教科書とノートを広げずに机に顔を突っ伏して寝ていました。風間君は1時限目からずっと寝ていて起きる気配が全くありません。

 

 「────では、次の問題を…風間、解いてみろ」

 

  と先生が風間君をあてます。

 

 「風間はいない…寝ているのか、全く。サイレンススズカ、すまないが彼を起こしてやってくれ」

 

 「は、はい…」

 

  と私はペンを置いて彼の肩を揺らします。

 

 「か、風間君起きて…。せ、先生が呼んでるよ…」ユサユサ

 

  と風間君の肩を揺らすも彼は起きません。

 

 「(えぇ〜〜!!ど、どどどうしよ…。皆も見てるし、ど、どうしたら…)」

 

 「はぁ〜…。仕方ない、サイレンススズカ。悪いが君が風間の変わりに解いてみてくれ」

 

 「(え、えぇぇぇえ!?!?!?!?)」

 

 「な〜に、間違えても構わないさ。この問題は少し特殊だからな。私が教えた通りの解き方をしてみてくれ」

 

 「は、はい…」ガタッ

 

  と私は立ち上がって黒板に書かれた問題を解いていきます。

 

 「(どうして、私が…!)」

 

  私は風間君に対する想いを抑え込んで問題を解いた。

 

 

 

  〜放課後〜

 

 「凄いわね、あの子…」

 

 「あぁ。あんなにも迫力のある走りをするウマ娘を見たことがない」

 

 「(なんで…、なんで私なのよ!!!)」タタタッ

 

  私は今日あった風間君に対してのイライラや不満をトレーニングにぶつけていました。

 

 「(問題は変わりに解かないといけないし、日直の仕事や掃除はサボるし、すぐにどっか行っちゃうし…!いくら何でも自分勝手過ぎない!?他にも…)」

 

  と私は風間君への不満が無くなるくらい走り続けました。

 

 「ハァ、ハァハァ…、ハァハァハァ…」

 

  走り終えた私はそのままターフの上で寝転がっていました。

 

 「(ターフを約10周、こんなにも沢山走ったことはなかったわ…)」ハァハァ

 

  今までは自分が納得するまで走っていましたが、不満事やイライラをトレーニングで吹っ切れるまで走るのも悪くないと思いました。

 

 「(星、綺麗だな〜…)」

 

  気づけば日は落ち、空には星が輝いていました。

 

 「この景色も、私だけのもの…」

 

  ここにいる私だけ、この景色を独り占め────。

 

 「ん?なんだ、誰かいるのか?」ザッザッ

 

 「え…」

 

  と起き上がって声のする方を見る。

 

 「か、風間君…。どうしてここに…」

 

 「どうしてって、走りに来た」

 

  と風間君は荷物を置いて靴を履き替え始めました。

 

 「確か、お前隣の席のサイレンススズカだっけ?」

 

 「そ、そうだけど…私に何するの?」

 

 「別に何もしねぇよ。走るからどいてくれ、それだけだ」

 

 「…」イラ

 

  と私は風間君の言葉に少し苛立ちを覚えました。言い方っていうものがあるんじゃないの?…そうだ。

 

 「いいよ、わかった」

 

 「それなら早く「私に勝ったらね」は?」

 

 「私に勝ったら、ここを退いてあげる」

 

  と私は風間君の前に立って、そう宣言しました。

 

 「お前、確か授業の時に俺に負けたよな?それにさっきまで走ってたんだろ?結果は目に見えてると思うが?」

 

 「走ってみないとわからないと思う。それとも、負けるのが怖い?」

 

 「…いいぜ、受け立つ」キッ

 

  と風間君は少し睨んだ目をしてスタートラインに立つ。

 

 「レースの設定は?」

 

 「2000mの左回り。このターフ1周で勝った方の要望を聞く」

 

 「…」

 

 「風間君が勝ったら、私はここを去る。けど、私が勝ったら風間君がここを去る。いい?」

 

 「いいだろう」

 

 「スタートの合図はあの時計が7時になったらスタート。今は6時59分」

 

 「わかった。なら、早くスタートに着くぞ」

 

  と風間君はスタートの構えをします。私も一息を入れてスタートの構えを取ります。

 

  カチカチと秒針が10を11に差し掛かり、そして───。

 

 

   カチッ。

 

 

 「「ッ!」」ダッ!

 

  私と風間君は7時になった瞬間、スタートをしました。

 

 「…ッ」タタタッ

 

 「…」タタタッ

 

  私は前へと飛び出して、風間君から逃げる展開となっていて風間君は私を追う形となっていました。

 

 「(差は開いてる、これなら…!)」グッ

 

  と私は第2コーナーを曲がり、直線に入ったところで加速をする。

 

 「ッ!」

 

  後ろを見ると風間君は少し驚いた表情をして私を追いかけて来ました。

 

 「(譲らない、譲らない…!先頭の景色は私だけのものなんだからッッ!!)」タタタッ

 

  と私は加速をしたまま第4コーナーを曲がり最後の直線へと入っていきます。風間君はまだカーブの途中にいました。

 

 「(私が、勝つんだからッッッ!!!)」

 

  私は最後の力を振り絞り、ゴールテープをきった。

 

 「ハァハァハァ、ハァハァ…」

 

 「ハァハァ…。クッ…」

 

  と風間君も遅れてゴールしました。

 

 「ハァハァ、私の…勝ち、だよね…」

 

 「…っ、あぁ」ハァハァ

 

 「じゃあ…」

 

 「わかってるよ。お邪魔虫の俺はさっさとここから消えるさ」

 

  と風間君は荷物を纏めて、ターフを去って行きました。

 

 「勝ったんだ…。私、風間君に勝ったんだ…!」

 

  嬉しかった。悔しい思いをして、ずっと不満だった彼にギャフンと言わせることが出来たのだから。

 

 「今日は気分が良いからこのまま走っちゃおうかな♪」

 

  と私は満足するまでターフを走りました。

 

 

  〜さらに翌日の夜〜

 

 「よう、サイレンススズカ」

 

  と風間君がまたやってきました。

 

 「…なに?」

 

 「この前のリベンジ」

 

  リベンジ…。あぁ、昨日の。

 

 「もしかして、根に持ってるの?」

 

 「負けず嫌いって言って欲しいな」

 

 「ふーん」

 

  やっぱり、根に持ってるんだ。

 

 「それで?俺もここを使いたいんだけど」

 

 「いいよ。けど、私に勝ったらね」

 

  と私と風間君はスタートラインに立つ。

 

 「ルールは?」

 

 「昨日と一緒。勝った方の要望を聞く」

 

 「うん、わかった」

 

  そして───────。

 

 

  カチッ。

 

 

 「「ッ!!」」ダッ!

 

  と風間君と私は同時にスタートしました。

 

 「ッ!」タタタッ

 

  私は昨日と同じように先頭に立ち、風間君が追う。

 

 「(これなら、昨日と同じように…!)」ダッ

 

  と昨日と同じように直線で加速し、そのまま第3,4コーナーを通過する。

 

 「(また、私の勝ちだね)」

 

  その時だった。

 

 

ビュンッッ!!!

 

 

 「え…」

 

  私の隣を凄い速さで駆け抜けいく姿がありました。

 

 「(なんで…、どうして…!)」

 

  そう、風間君です。風間君が私を抜かし、先頭に立ったのです。

 

 「(嫌だ、嫌だ!それは私だけの…、私だけの景色なの…!!)」

 

  必死に追い付こうとした私ですが、追いつけずゴールしました。

 

 「ハァハァ、ッハァハァハァ…」

 

 「…俺の、勝ちだ」ハァハァ

 

 「…ッ」ギリ ハァハァ

 

 「そんな表情(カオ)しても、ルールはルールだ。安心しろ、明日の夜(・・・・)までは俺が使うからな」

 

 「…」

 

  私は荷物を纏めてターフを出ました。

 

 「(悔しい…、悔しいッッ!)」グッ

 

  産まれて初めてこんなにも悔しいと思ったことはありません。とにかく、悔しかった。

 

 「…」チラ

 

 「…ッ、…!」タタタッ

 

  振り返ると風間君はターフで走っていました。

 

 「(負けない、今度こそ!!)」

 

  と私は風間君に再び勝つことを心に決めた。

 

 

  〜次の日の夜〜

 

 「(今日こそ、風間君に勝つんだ…!)」タタタッ

 

  と私は職員室に行き、鍵を貰おうとしたのですが…。

 

 「鍵?あぁ、鍵ならさっき他の生徒が取って行ったよ」

 

 「え…」

 

  と誰かが私より先に鍵を持って行ったそうです。

 

 「(一体誰が…、行ってみようかな)…わかりました、ありがとうございます」

 

  と職員室を出て、ターフへと向かいました。

 

 

  〜⏰〜

 

 「(私以外にターフを使う娘なんていないはずなのに…)」

 

  夜は基本的に走るウマ娘はいません。走ると言っても寮長からの外出届を出さないと走ってはいけないからです。

 

 「(一体誰が…あっ)」

 

  私はターフに着くなり、一人の人物に目を奪われました。

 

 「か、風間君…!」

 

  そうです、風間君が私より先にターフで走っていたのでした。

 

 「(あ…!)」

 

  昨日!風間君が言っていました。明日の夜(・・・・)までは俺が使う、と…。

 

 「(じゃあ、私が来ることを見越して…)」

 

  もし、本当にそうなら─────。

 

 「…!」

 

  私は急いでジャージに着替えて風間君の元へと向かいました。

 

 「か、風間君!!」

 

 「あ?」

 

  と休憩していた風間君が私の方を向きます。

 

 「なんだよ」

 

 「…この前のリベンジ」

 

 「なんだ?昨日のこと、根に持ってんのか?」

 

 「違うよ、根に持ってるんじゃなくて負けず嫌いって言って欲しいかな」

 

 「ふーん」

 

  と風間君は軽く準備運動を始めます。

 

 「それでどうするの?私もここ使いたいんだけど」

 

 「いいぜ。けど、俺に勝ったらな」

 

  と私と風間君はまたターフを賭けて勝負をしました。もちろん、今日は私が勝ちました。

 

  次の日も…。

 

 「俺の勝ちだ」

 

  また次の日も…。

 

 「私の勝ち」

 

  また次の日も…。

 

 「俺の勝ちだ」

 

  また次の日も…。絶えることない私と風間君の勝負。いつしかそれは、私の日常の一部になっていきました。

 

 

  〜数週間後〜

 

 「「ハァハァ、ハァハァハァ…」」

 

  私と風間君は今日もターフを賭けて勝負をしていました。

 

 「…今日は、私の勝ち、だね」

 

 「クソッ」チッ

 

  と勝負を終えた風間君は荷物を持ってターフから出ていこうとしていました。

 

 「ま、待って!」

 

 「?」

 

  と私は風間君を呼び止めました。

 

 「(言うんだ、今日こそ言うんだ…!)あ、あのね…、よかったらなんですけど…」モジモジ

 

 「?」

 

 「い、一緒にトレーニングしみゃせんか…!///」

 

 「しみゃ…?」

 

  か、噛んじゃったぁああ!!!私ってどうしてこういう時に限って噛んじゃうのよ〜!

 

 「今日はお前の勝ちだろ。お前が好きにトレーニングすればいいじゃねぇか」

 

 「じゃ、じゃあ、私のトレーニングに付き合ってくれませんか?」

 

 「いいのかよ、お前の勝ちなんだぞ」

 

 「う、うん…。いいよ…」

 

 「そうか。ならお言葉に甘えて付き合わさせてもらおう」

 

  と風間君は荷物を置いて私のところにやってきました。

 

 「それで?何すんだ」

 

 「えぇっと…、走る?」

 

 「主導権を握ってるお前が疑問形でどうすんだよ…。まあいいか、取り敢えず走るか」

 

 「う、うん…!」

 

  と私と風間君は2人並んでターフを走りました。

 

 「─────ちょっと休憩するか?」

 

 「う、うん。そうだ…そうですね」

 

  と私達は少し走った後、ターフの上で座って休憩をしました。

 

 「そういやお前、走るの好きなんだな」

 

 「ど、どうしてですか?」

 

 「どうしてって、顔見りゃ分かんだろ。座学よりも粋々してんぞ」

 

 「そ、そうなんですね…」

 

  私って結構顔に出てたりするのかな…?

 

 「か、風間君も走るのは好き…なんですか?」

 

 「俺か?俺は…そうだな」

 

  と風間君が少し考えてから…。

 

 「走ることもそうだが、身体を動かすのが俺はいいと思ってる」

 

 「身体を…?」

 

 「あぁ。スポーツしたりトレーニングしたり色々あるが、それを踏まえて俺は身体を動かすのがいいと思ってる」

 

  風間君って身体を動かすのが好きなんだ。

 

 「それと」

 

 「?」

 

 「敬語、やめろ」

 

 「ど、どうしてですか?」

 

 「簡単だろうが。俺ら同級生だぞ?敬語なんて堅苦しくて仕方ねんだよ」

 

 「う、うん。わかり…わかった」

 

  と私は風間君に敬語を止めるよう指摘された。

 

 「そんなんだから友達がいねぇんだよ(・・・・・・・・・)

 

 「…」ピク

 

  今、なんて言ったの?

 

 「ねぇ風間君、今何て言ったの?」

 

 「あ?そんなんだから友達がいねぇんだろって」

 

 「〜〜〜〜ッ!!!!」

 

  もう、限界ッッッ!!!!

 

 「わ、私にだって友達いるもん!!!

 

 「例えば?」

 

 「えぇと、ほら…。あの〜…」

 

  ダメ、全然出てこない…!(友達0人)

 

 「…」

 

 「そ、そういう風間君は友達いるの!?」

 

 「いるけど?元いた学校に。今でも連絡取ってる」

 

 「…」ズーン…

 

  嘘でしょ、絶対にいないと思ってた…。

 

 「で、でもこの学園じゃないでしょ!?だったら友達いないじゃん!!」

 

 「お前と違ってすぐに出来るよ」

 

 「私のほうがすぐ出来るもん!」

 

 「どうだか」

 

  と風間君は立ち上がる。

 

 「まあ、今のお前ならすぐに出来るよ。友達なんてな」

 

 「え?」

 

 「最初の頃のお前はずっと遠くから眺めてるような感じの奴だった。自分からアクションを起こすようなことをしなかった」

 

 「…」

 

 「けど、今はどうだ?自分からアクションを起こせるようになって、感情的にもなれて…。意見も言えるようになってる。それこそ、友達作りの第一歩なんだよ」

 

  と風間君は私の方を見て、こう言った。

 

 「些細なことがきっかけで友達になれたりするんだよ。例えばクラスにいる奴に挨拶とかな。それだけでも変わるものがあるんだよ」

 

  と風間君は自分の荷物を持つ。

 

 「もう時間だ。お前も早く寮に戻れ。鍵は俺が閉めといてやるよ」

 

 「う、うん。ありがとう…」

 

  と私も自分の荷物を持って寮へと急いで戻った。

 

 

  〜翌日〜

 

 『些細なことがきっかけで友達になれたりするんだよ。例えばクラスにいる奴に挨拶とかな』

 

 「(挨拶…、挨拶…)」

 

  と私は風間君に言われたことを寮に戻ってからずっと考えていました。挨拶って、おはようとかでもいいのかな…。

 

 「(う〜ん、挨拶ってこんなにも悩むものだったっけ…)」

 

  と私は校舎の周りを歩いていると…。

 

 「Hmm,what should I do.」ガサガサ

 

 「(あれ?あの子、どうしたんだろう…)」

 

  と植木のところをゴソゴソとしているウマ娘がいました。

 

 「…ヨシ」

 

  と私はその娘に近づいて…。

 

 「こ、こんにちは…!」

 

 「?」パッ

 

  と植木からウマ娘が顔を出しました。

 

 「Oh! Hello,my name is Taiki Shuttle! Nice to meet you」

 

 「な、ナイストゥーミートゥー…」

 

  と植木から出て来たウマ娘は立ち上がって手を差し出して来ました。私は少し戸惑いましたが彼女の手を取り、握手をしました。

 

 「え、えぇと、今何をされていたんですか…?」

 

 「? Excuse me. I just came to Japan and don't understand Japanese.」

 

 「ど、どうしよう…」オロオロ

 

  この娘は間違いなく外国のウマ娘。日本語が理解出来ないと思います。でも、私も英語が話せる訳ではないし、彼女の言っていることが理解出来ません。

 

 「Hah! I can't stay this way!」ガサガサ

 

  と彼女は何かを思い出したかのように再び植木の方へと顔を向けて、また植木をゴソゴソとしていました。

 

 「(な、何かを探しているのかな…?)」

 

  と私は彼女に近づき、何をしているのかを聞いてみました。

 

 「えぇと…な、ナニをシテルんデスカ…?」(本人はめっちゃ英語を喋ってる感じ)

 

 「Um ... I actually dropped the earrings I got from my mom ... I have to find it early.(あの…、実はママからもらった耳飾りを落としてしまって…。早く見つけないといけないんです。)」

 

 「そ、ソウナンですネ…!(何言ってるか、全くわからないわ…)」

 

  よく分からないけど、何かを探してはいるみたい。

 

 「て、手伝うよ…!」ガサガサ

 

 「?」

 

  と私は彼女の隣に座って落とし物を探しました。

 

 

  〜⏰〜

 

 「ん?これって…」スッ

 

 「!That! That one! What I was looking for was that earring!(それ!それです!私の探していたのはその耳飾りです!)」

 

  と私は緑の星型の耳飾りを彼女に渡す。

 

 「どうぞ」ハイ

 

 「Thank you!! 」

 

  と彼女は耳飾りを右耳につけて、とても嬉しそうでした。

 

 「じゃあ、私はこれで…」

 

 「! Stop!!」パシッ

 

  と私は彼女に手を掴まれました。

 

 「I haven't heard your name yet. What's your name?(まだあなたの名前を聞いていませんでした。あなた、名前は?)」

 

 「ネイム…名前かしら。私は、サイレンススズカって言います…」

 

 「Silence Suzuka ...! Thank you Suzuka! You are a lifesaver for me!(サイレンススズカ…!ありがとうスズカ!あなたは私にとって命の恩人です!)」ダキッ

 

 「え…、ちょっと!急にそんな…。く、苦しい…」

 

  私は彼女に急に抱きつかれ、息が出来ません。

 

 「だ、誰か…、助け…」

 

 「お前ら、何やってんの?」

 

 「?」

 

  この声、もしかして…。

 

 「か、風間君…?」

 

 「そうだが?」

 

 「か、風間君…、助け、て…い、息が…」

 

 「…」

 

  と風間君は抱きつく彼女の肩に手を置いて…。

 

 「苦しいってよ。離れてやれ」

 

 「?」ギューッ

 

 「風間君、その娘…、外国の、娘なの…」

 

 「…。This guy is painful. Let go.(コイツが苦しいってよ。離してやれ。)」

 

 「! Oh,sorry.」パッ

 

  と彼女は私を開放してくれました。…苦しかった。

 

 「What's your name? What are you doing in a place like this.(アンタ、名前は?こんなところで何してる。)」

 

 「I'm the Taiki Shuttle! I dropped my earrings and had Suzuka help me find them!(私はタイキシャトルです!私は耳飾りを落としてしまって、スズカに探すのを手伝ってもらってました!)」

 

 「なるほどね」

 

  と風間君は頷きながら彼女の話を聞いていました。

 

 「風間君、もしかして英語喋れるの?」

 

 「まあな。んで、タイキシャトルは見たところ留学生か?」

 

 「???」

 

 「Taiki Shuttle, are you an international student at this school?(タイキシャトル、お前はもしかしてこの学園の留学生か?)」

 

 「Taiki is fine! Yes, I'm an international student from the United States!(タイキで結構です!そうです、私はアメリカから来た留学生です!)」

 

 「な、なんて言ってるの…?」

 

 「コイツはここの留学生だとよ。名前はタイキシャトル」

 

 「そ、そうなんだね…」

 

  と私は風間君の凄さに唖然としていました。

 

 「Taiki, if you're an international student, you have to go to the chairman's office, right?(タイキ、お前留学生なら理事長室に行かないと行けないんじゃないのか?)」

 

 「Ah! That's right!(あ!そうでした!)」

 

  とタイキシャトルさんは走り出しますが、すぐに止まってしまいました。

 

 「Um ... can you guide me to the chairman's office?(あの…、理事長室まで案内してくれませんか?)」

 

 「…サイレンススズカ、タイキシャトルを理事長室まで案内してやれ」

 

 「え…?私?」

 

 「あぁ、いい機会じゃねぇか。お前に友達が出来るかもよ」

 

  と風間君は私に理事長室までの案内を託して、何処かに行こうとしました。

 

 「Let's all go together!(じゃあ、皆で行きましょう!)」

 

  とタイキシャトルさんは私と風間君の腕を掴み、校舎の中へと入っていきます。

 

 「ちょ、ちょっとタイキシャトルさん!?」

 

 「Suzuka is also good with Taiki! Because we are friends!(スズカもタイキでいいですよ!私達は友達ですから!)」

 

 「ふ、フレンド…?」

 

 「Yes! We are already friends! That's true? Boy(はい!私達はもう友達ですよ!そうだよね?ボーイ)」

 

 「…まあ、サイレンススズカからにしたらそうじゃないのか?」

 

 「…友達」

 

 「言ったろ?些細なことがきっかけで友達なんていくらでも出来るって。お前とタイキシャトルがそうじゃねぇか」

 

 「…」

 

  友達、私の友達…。

 

 「By the way, what's your name?(そういえば、あなたの名前は?)」

 

 「Touma Kazama」

 

 「Then it's a Touma! Nice to meet you!(でしたら燈馬ですね!よろしくです!)」

 

 「はいはい、nice to meet you too」

 

  と私と風間君はタイキシャトル、基タイキに引きずられながら理事長室まで案内しました。

 

 

  〜放課後〜

 

  私はいつも通り風間君とトレーニングをしていました。今は休憩でターフの上で座っています。

 

 「…今日のあのウマ娘、タイキシャトルだっけ?なんつーパワーしてんだよ」

 

 「そうだね、理事長室の扉が壊れるくらいだったね…」

 

  あの後、理事長室の扉を思いっ切り開けたタイキは理事長室の扉を壊してしまい、私と風間君とたづなさんで直す作業をしました。理事長室の扉って結構頑丈に作られてたような…。

 

 「それに、よかったじゃないか。お前の初めての友達だぞ」

 

 「なんか、バ鹿にされてるような気がするんだけど…」

 

 「さあな」

 

  と風間君はそっぽを向く。

 

 「まあ、この調子でどんどん友達作っていけば?いずれ出来るかもよ、友達100人」

 

 「風間君はいいの?」

 

 「俺にはもういるし」

 

 「でも、この学園じゃないでしょ?」

 

 「…」ポリポリ

 

  と風間君が頭を掻く。いいことを思いついた。

 

 「じゃ、じゃあ、私が風間君の友達になってあげよっか…?」モジモジ

 

 「は?」

 

 「だ、だって風間君は友達いないでしょ?だから、私が風間君の友達になってあげうかなって…」

 

 「別に、無理に気ぃ使わなくていいよ」

 

 「無理になんかじゃないよ!」バッ

 

  と私は勢いよく立ち上がって風間君の前に行く。

 

 「風間君が言ったんだよ、些細なことがきっかけで友達になれるって…。私と風間君の出会ったきっかけはターフをかけたレースなの。だから…、だから私達は友達だよ!!」

 

  自分でも何言ってるかわからない。けど、タイキは私達のことを友達だって言ってくれた。それなら、風間君と私はもう友達のはず…!

 

 「だから、風間君私と…、私と友達になってください!!」

 

 「…」

 

  ダメ…、だったのかな…。

 

 「な〜にが友達になってくださいだ」スッ

 

  と風間君は立ち上がって準備運動を始める。やっぱり、ダメだったのかな…。

 

 「お前が言ったんだろうが、俺とお前は友達って。そんなこと言わなくてもいいだろうが」

 

 「じゃ、じゃあ…!」

 

 「あぁ。よろしく頼むぞ、サイレンススズカ」

 

  嬉しい…。私は目から出そうになった涙を堪える。だって、風間君は私にとって“最初で初めての友達”だから。

 

 「…うん、よろしくね!」

 

  と私は風間君の傍に寄る。

 

 「ねぇ風間君、風間君のこと…、下の名前で呼んでもいいかな?私のことはスズカって呼んでほしい」

 

 「下の名前ねぇ…、いいぞ」

 

 「ホント!じゃあ「ただし」?」

 

 「俺に勝ったらな」ダッ

 

  と風間君は勢いよく走り出して行った。

 

 「な、何よそれ!ま、待ってよ〜!」ダッ

 

  と私も走り出し、風間君を追いかけました。

 

 

 

  〜数日後〜

 

 「おはよう、燈馬君(・・・)!」

 

 「あぁ、おはようスズカ(・・・)

 

  と私は風ま…、燈馬君に挨拶をする。

 

 「今日、燈馬君って日直だったよね?ちゃんと仕事しなきゃダメだよ?」

 

 「お前は俺のおかんか。ちゃんとやるよ」

 

 「そう言ってまた、サボってたじゃん。私も手伝うから一緒にやろうよ」

 

 「…」

 

  と燈馬君は私が指摘すると窓側を向いてしまった。

 

 「ハ〜イ!スズカ、トウマー!!」ガラガラ!

 

 「おはよう、タイキ」

 

 「グットモーニングデ〜ス!スズカ、トウマ!ん?トウマはどうして外を見ているのデスか?」

 

 「燈馬君、最近日直をサボってるの。だから私と一緒にしよって言ってたの」

 

 「Oh!トウマ、サボりはノーノーデスよ!ワタシも手伝いマ〜ス!!」

 

 「あのな、それくらい一人で出来る。俺はお前らのガキじゃねぇんだからな」

 

 「じゃあ燈馬君がちゃんと日直をするか見ておくわ」

 

 「…好きにしろ」チッ

 

  と燈馬君は顔を突っ伏してふて寝をしてしまった。

 

 「そういえば、スズカ!また日本語を教えてくだサ〜イ!ワタシ、もっと日本語勉強したいデ〜ス!!」

 

 「えぇ、わかったわ。また昼休みね」

 

 「約束デ〜ス!トウマ、アナタもちゃ〜んと来てくだサイね〜!」

 

  とタイキはそのまま教室を去って行った。

 

 「(毎日がとっても楽しいな)」

 

  初めて友達が出来て、この上なく楽しい学園生活を送る私でした。そして─────。

 

 「(燈馬君、貴方は私にとっても初めてで最初の友達。そして、初めての“ライバル”)」

 

  燈馬君はそう思ってはいないと思う。けど、私にとっては燈馬君はライバルそのものだった。だから、私は燈馬君に勝つ為に燈馬君を超えるために頑張るから!!!

 

  私はこの学園に来て初めての友達と初めてのライバルを手に入れることが出来た。

 

 

 

 

 

 

  〜そして現在へ〜

 

 「へぇ、スズカ先輩と風間先輩にそんな過去があったんすね」

 

 「えぇ、私もスズカ先輩のそんな話、初めて聞いたかも」

 

 「そうね、このことは誰にも話してなかったから」

 

  私はお見舞いに来てくれたトレーナー達に私と燈馬君の出会いの話をしていた。

 

 「今の私があるのは、燈馬君のおかげだと思ってるの。燈馬君はそんなことないって思ってるかもしれないけど、私にとっては燈馬君がいなかったらずっと一人だと思うくらいなの」

 

  燈馬君が私を変えてくれた。今の私があるのは全部燈馬君のおかげ。燈馬君には本当に感謝してる。

 

 「(だから、早く会いたいな。燈馬君)」

 

  私は心の中で彼との再会を願った。




 読んで頂きありがとうございます。

  スズカと主人公の出会い、どうでしたか?タイキの英語の部分、めっちゃしんどかったんだけど…。

  それでは皆さん、次回もお楽しみに〜


  それでは、また〜
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