それでは、どうぞ
〜トレセン学園・シンボリルドルフside〜
「ハァハァハァハァ…、ハァアアアア!!!!」ダダダ!
「ブライアンの奴、やけにトレーニングに励んでいるな」
私達、チームリギルはトレセン学園にてトレーニングを行っていた。近々、タイキシャトルやヒシアマゾンがG1レースが控えている為私達はそれに付き合っていた。私やエアグルーヴも自分達のトレーニングを終えてタイキシャトル達の手伝いをしていた時にブライアンが珍しく真面目にトレーニングをしていたのがふと目に入った。
「そうだねエアグルーヴ。あんなにも真面目にやっているのは久し振りに見たかもしれないな」
しかし、あそこまで真面目にしてる理由はなんだろうか。いつもブライアンについて回っている“マヤノトップガン”になにか焚き付けられたのか?それとも姉のビワハヤヒデか?はたまたオグリキャップか…。
「(む、ブライアンが丁度休憩のようだな。少し話を聞いてみるか)」
「会長、どうされたのですか?」
「いや、少しブライアンと話をしようかなと。そこまでトレーニングに打ち込む理由を」
「なるほど。私もついて行って構いませんか?」
「構わないよ」
とエアグルーヴも連れてブライアンのもとへ向かう。
「ブライアン、少しいいか?」
「…なんだ、冷やかしなら帰ってくれ」
「ブライアン!お前と言うやつは「まあまあ落ち着いてくれエアグルーヴ」…」
「冷やかしではないんだ。ただ、どうしてそこまでトレーニングに打ち込んでいるのか理由を聞きたくてね」
「そのことか。それはもちろんアイツに勝つことだ」
「アイツ?それは一体誰だ?」
「アイツはアイツだ。燈馬だ」
「燈馬が?…あぁ、この前の模擬レースか」
前の燈馬とオグリキャップとの模擬レースでトレーニングに打ち込むようになったのか。
「あのレースは惜しかったな。1バ身近くまで詰めれたがその後の燈馬の末脚が強かったな」
大阪杯の後の燈馬を1バ身まで詰めたのはやはりG1ウマ娘と言うべきだな。
「惜しかった?ハッ、そう思うなら会長様には眼科に行くことをおすすめするよ」
「おい!ブライアン、会長に向かって何を言っているんだ!」
とエアグルーヴがブライアンに近づく。
「なんだ?私は事実を言ったまでだ。何が悪い」
「言葉遣いを直せと言っているんだ!」
「まあまあエアグルーヴ落ち着いて」
と私はエアグルーヴをなだめる。
「しかし会長!」
「いいんだ。それでブライアン、さっきことはどういうことか説明できるか?」
エアグルーヴをブライアンから離し、ブライアンの話を聞くことにする。
「そのままの意味だ。あのレースは惜しいとかそういう意味じゃない」
「つまりどういうことだ?」
「私は…いや私達は弄ばれたんだよ。アイツに」
「弄ばれた…?」
「そうだ、アイツは私達があそこで1バ身になるよう走っていただけだ。だからアイツは…」
〜東京レース場・立花side〜
『シノン逃げる!シノン逃げる!2位と大きく差を開いて今ゴールイン!!圧倒的走り!!』
ザワザワ、ザワザワ…
「(うそぉ…)」
フェブラリーステークス。マイル1800mのレースなのだが、今まで走ってきたレースとは少し違ってこのレースは“ダートレース”なのだ。ダートレースは芝レース程の人気や知名度は少ないが活気やレースでの情熱は芝レースにも負けない程のもの…なのだけれども。
「(これは…、圧倒的だね…)」ハハ…
結果で言うと燈馬君の一人勝ち。しかも大差且つレコードタイムという驚きの勝ち方。こればかりは燈馬君が凄いとしか言いようがない。
「ねぇトレーナー。燈馬っていつダートのトレーニングなんてしたの?」
「いや〜…、実はねタイシンさん…。
「「「「えぇ!!?」」」」
今回のレースはダートのトレーニング一切なしのぶっつけ本番。そりゃあ、みんな驚くよね〜…。僕も実際に驚いてる。
「でも、トレーニングする機会なんていくらでもあったでしょ!なんでトレーナーのアンタが知らないわけ!?」
「僕も燈馬君がこのレースに走るって聞いたのつい最近だからね?たづなさん経由で知ったし…」
僕も急遽知らされたことでもあるし、なによりなんでトレーニングなしでダート走れるのか知りたいんだけど…。
「トレーナー」
「やぁ燈馬君、お疲れ様」
レース終わりの燈馬君がこっちに歩いてきた。
「次行くぞ」
「え、次って…」
「たづなさんから伝わってないのか?次は“高松宮記念”だ」
「高松宮記念…、え?
あぁ、と頷く燈馬君。高松宮記念は中京レース場で行われる芝1200mのG1レース。大阪杯での事も相まってレースが開催予定日がずれてしまったいるため、この後に出るとするなら連続出走となってしまう。
ただ連続出走というのは余り勧められたものではない。身体の調整や疲れが抜けきっていない状態で走らなければならないので言ってしまえば万全な体制挑めないのだ。だから僕達トレーナーは連続出走はしないしさせないんだ。
「仮に連続出走するとして燈馬君は大丈夫なの?身体の痛みとか疲れとか」
「ない。早く行くぞ」スタスタ
「え、ライブは!?」
「出るわけないだろ。それよりもレースだ」スタスタ…
と燈馬君はレース場から姿を消していった。
「ライブ出ないってアイツ理事長に何言われるか知らないわよ」
「そうですね〜。大丈夫なんでしょうか〜」
「とりあえず中京レース場に向かう準備をしようか」
「「「「は〜い」」」」
クリークさんとタイシンさんが心配する中、僕達は次の場所へと向かう準備をした。
〜次の日、中京レース場〜
『シノンが先頭!シノンが先頭!!誰も寄せ付けない走りで今ゴールイン!!』
「まじかぁ…」
走れちゃってるよ、な〜んにもしてないのに。なんでなの?
「アイツって本当に何者なの?短距離もダートも走れて意味分かんないんだけど」
「僕も知りたい」
「これは少し聞いてみる必要がありますね〜」
「そうだね。帰りの車で聞いてみようか」
〜帰りの車にて〜
運転席・・・立花
助手席・・・クリーク
後部座席・・・左:タイシン 真ん中:燈馬 右:オグリ
最後部座席・・・シービー、ライス
「ねぇアンタ、いつダートのトレーニングしてたのよ」
「随分前」
「随分前っていつ?具体的に言って」
「中等部の頃の最初のほう」
「中等部?嘘でしょアンタ、それからダートのトレーニングはしてないって?笑えない冗談言わないでよ」
「事実なんだがな…」
レース終わり僕達はトレセン学園へ帰る道で燈馬君に今日とこの前のレースについて質問していた。マイルは兎も角、ダートや短距離はトレーニングしたことないし、隠れてトレーニングしていたら別に隠す必要はないと思うんだけど。
「最近になって短距離やダートのトレーニングなんてしてないし、どうか
「
「…」
「そういえば燈馬、前に走ったことなかったっけ?」
とシービーさんがオグリさんの言葉に思い出したかのように言った。
「そうだったか?」
「そ、そうなんですか?シービー先輩…」
「そうなんだよライス。いつだったかな?結構前に走ってたような〜…」ウ~ン
とシービーさんが思い出そうとこめかみ当たりに指を置く。
「まぁ勝てたんだし問題ないだろ」
「「「問題大ありだ(だよ!)」」」
「(ライスさんまで問題視してたんだ)」
とライスさんまで気になってたのには驚いたな。
「アンタには根掘り葉掘り聞くことがあるからね」
「そうだな。今の私はタイシンと同じ意見だ」
「……」コクコク
とオグリさん達が燈馬君から情報源を聞き出そうと燈馬君に詰め寄った。
「勘弁してくれ」
「(もう正直に話しちゃった方が身の為だと思うけどな)」
「賑やかですね〜」ウフフ
「そうだね」
それ以降、燈馬君は3人からの質問の嵐に耐え続けていたのだった。
〜とある場所にて〜
トレセン学園より遠く離れた場所で多くの男達がゾロゾロと集まっていた。手には木刀やバットといったものが握られていた。
「おい、そっちはどれ程集まった?」
「約400近くだな。そっちは?」
「600近く集まったよ」
「合わせて1000ってことか、これぐらいで十分じゃない?」
「そうだな、いくらガキでもこの数にゃあ勝てねぇだろうな」クヒヒ
「あぁ、早く来ねぇかな〜。待ち遠しくて仕方ねぇよ」
「そうだな。あの人のもとにコイツの首を持っていけばなんでも願いを叶えてくれるんだかなぁ」クヒヒ
「俺はウマ娘を自分のものにしてぇな〜。そうして〜、俺以外の命令を聞かなくするんだ〜」キャハハ!
「まぁお楽しみは最後まで取っておくことだな」アハハ!
と各々の男達がゲラゲラと笑いながら会話をしていた。すると一人の男が壇上に立つ。
「諸君!今日は集まってくれて感謝する。今日集まってもらったのは他でもない、このガキを殺す為に集まってもらった」
ザワザワとしだす男達。すると壇上の男が口を開く。
「このガキはどうやら相当の切れ者らしい。だが!数でかかればコッチのものだ!!必ず殺せ!!」
「行くぞ野郎ども!!場所は“トレセン学園”だ!!!」
「お前等!準備はいいな!!!」
『オオオオオッッッッッ!!!!』
「待ってろよ〜?必ずお前をズタズタにしてぶっ殺してやる…」
読んで頂きありがとうございます。
短い理由は内容の通りです。話のテンポ早くね?なんか今回の話、淡々としてね?と思っているかもしれませんがそうしないと話が進まないのでは?と思ってしまっているのですみませんがお付き合いして頂くと嬉しいです。
それでは、また〜