ウルトラマンリンドウ   作:ノイズシーザー(旧ノイズスピリッツ)

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あらすじでもいいましたが息抜きで書いている作品です。



ファーストコンタクト(前編)

 ──ある宇宙の、ある惑星の荒れ果てた地で1つの戦いが起こっていた……

 

「────ッ!」

 

 珊瑚を彷彿とさせる赤い装飾が印象的な怪獣……否、とある異次元人の怨念が生み出した怪獣兵器……〝ミサイル超獣ベロクロン〟は咆哮をあげながら、敵である〝銀と黒の巨人〟に向けて己の異名の由来であるミサイルを体中の珊瑚から発射する。

 無数のミサイルが雨のように巨人に降り注ぎ、辺り一面が爆炎に包まれる。

 それを見たベロクロンは自分の勝利を確信したのか、まるで高笑いするかのように咆哮する。

 ……しかし、燃え盛る炎の中で光が漏れ出し、その中から銀の部分がオレンジ色に、黒い部分が赤く染まり、筋肉質で力強い姿となった巨人が地響きを鳴らしながら駆け抜けてきて、そのまま拳を振りかぶり、ベロクロンを殴りつける。

 姿が変わった巨人に殴られたベロクロンは倒れ込み、そのまま地面に沈む。その隙を見逃さないと言わんばかりに巨人は倒れるベロクロンの上に跨り、ひたすら殴り続ける。……勿論ベロクロンも口から火炎放射を吹かし、巨人の顔に浴びせたり等して抵抗するも、火と土の力を宿した姿となった今の巨人には全く通用しない。

 火炎放射を浴びされる中、巨人はミサイルの発射口である赤い珊瑚と金縛り光線と光弾を発射できる両腕を順番に掴み引き千切る。

 火炎放射以外の武器のほとんどを破壊されたベロクロンはもはや満身創痍だ。

 だが巨人はそんなことは関係ないと言うようにベロクロンの尻尾を両手で掴み、そのままベロクロンをジャイアントスイングの要領で振り回し、空中に放り投げる。

 放り投げたと同時に巨人は胸の前で両腕をクロスする。

 するとみるみる巨人の両腕に限界までエネルギーが溜まり、両腕を一旦離してから、今度は相手に向けるように両手を十字にクロスし……そこから光線が放たれた。

 放たれた光線はまっすぐベロクロンに向かっていき、見事に命中。

 空中のベロクロンは内側から爆発四散。パラパラとその残骸が巨人の周りに散らばる。

 ベロクロンを葬った巨人は光線の構えを解くと同時にその体をまたしても光に包ませる。

 光に包まれた巨人の体はみるみる小さくなっていき、やがて人間大のサイズまで縮んだと同時に光が消え、人間の青年の姿になる。

 さっきまで巨人だった青年は周りに散らばるベロクロンの残骸には目もくれず、ある場所を目指してこの場を走り去っていった。

 

 

「……はぁ……はぁ……っ!」

 

 息を切らしながらもなんとか目的の場所まで辿り着いた青年はある山の頂上にいた。……そこに居たのは、仰向けで倒れている明らかに人ではない怪物の姿。

 

「ブレットっ、しっかりしろ! 目を開けろっ!!」

 

 青年が名を呼びながら怪物……ブレットの名を呼びながら駆け寄る。だが青年がいくら呼び、体を揺すってもピクリとも動かない。それはそうだろう、何故ならブレットは既に事切れていたからだ。

 青年はそれに気づきながらも呼びかける事を止めない。諦めたくないからだ。

 やがてブレットの死を受け入れ呼びかける事を止める。

 だが青年はブレットの亡骸を両腕で抱き抱えながら、涙に濡れている瞳を怒りに染め上げ、顔を上げて空を睨みつける。

 ──怒り、涙に濡れた顔で空を睨みつけるその瞳には青く輝きを放つ巨大なリングが映っていた。

 

 

 とある宇宙の地球……そこにある小さな町、華道町。

 日が沈む夕暮れ時に、双子の姉弟が追いかけっこしている。男女にしては珍しくそっくりな双子だ。学校帰りなのだろうか、制服を着ている。

 

「待って! 待ってってば!?」

 

 汗だくの少年……ヒュウガトウマが息を切らしながら疲れた様子で双子の姉であるハルカに制止の言葉をかける。

 

「や〜だよ〜だ!」

 

 同じく笑顔でイタズラっぽく舌を出しながら、少女……ヒュウガハルカは双子の弟に答える

 

「そんな〜……」

 

 少女の言葉にしょんぼりとし、肩を落とす少年

 

「ほーら! 早く帰らないと冷蔵庫にあるプリン、アンタの分まで食べちゃうからね、トウマ!」

 

「えぇ!? いくら何でもそれは酷いよ、ハルカ!?」

 

「なら早く追いつく! 駆け足ぃ!」

 

「ちぇ、仕方ないなぁ! 待て〜!」

 

 そんなやりとりをしながら 2人は帰宅路を進み、自宅に帰宅した。

 

「「ただいまー!」」

 

「お帰り! ご飯もうすぐできるから、2人共先にお風呂入りなさいね!」

 

「「はーい!」」

 

 ドアを開けて、元気よくただいまを告げる。するとエプロン姿に、片手におたまといった如何にも食事の支度中といった、格好の女性が2人を出迎える。2人の母親である、チナツだ。

 チナツは自分の子供達に風呂に入るよう伝え、双子は声を揃えて元気よく返事をして、どちらが先に風呂に入るかをジャンケンで決める。……結果はハルカの勝ちであった……

 

 ──帰宅してすぐに、2人は順番に入浴し、それを終えて食卓に座って、エプロンを外したチナツも着席。そのまま3人で家夕食を楽しんだ。

 

「……」

 

「どうしたのよ、トウマ? ずーっとテレビ見てて?」

 

 食事を済ませ、鼻歌を歌いながら食器を洗っているチナツを尻目に、テレビを齧り付くように見ている弟に言葉を投げかける。

 

「ああ、近くにある大きな山にUFOを見たってニュースが報道されてさ。気になっちゃって……」

 

「へぇー、アンタ相変わらずそういうの好きねぇ……」

 

 どうやらニュース、それもオカルト関係の奴を見ていたらしい。

 ニュースの内容は華道町の近くにある山で謎の光る玉のような飛行物体の目撃情報が多数あるという話題で持ち切りになっていた。

 そのニュースの内容を流し見しつつ、ハルカは弟の幼い頃から変わらない趣味に思わず笑いそうになる。

 

「悪い?」

 

 そんな姉を見て勘違いしたのか、ムッとした顔で姉を睨みつける

 

「ぜぇーん、ぜんっ! 明日休みだし、なんなら一緒にその湖にいく?」

 

「いいの!?」

 

「だからいいって言ってるじゃん」

 

「やったぁ!」

 

 自分には良さが理解できないが、だからといって弟の趣味趣向を否定的になる理由がないのだ。

 だからその現場に行くことを提案する。姉としていい格好がしたいから。

 

「ふふっ……」

 

 そんな子供達を見守るように、チナツはにっこりとふふっと笑いながら子供達を見ていた……

 

 

 翌日、リュックとチナツのお手製弁当と水筒を持って、双子は例の山に向かっていた。

 

「……ここがその山? UFOが出たっていう?」

 

「うん。……UFOらしき飛行物体が目撃されたっていうのはこの山だね」

 

 そびえ立つ山を見上げ、ハルカは弟にしか聞こえない程小さく呟く。弟の為とはいえ、やはり退屈そうだ。

 そんな姉の心情を理解して、思わずトウマは苦笑いを零すが

 そのすぐ後に真剣な表情になり、何らかの痕跡がないかと辺りを見回し始める。

 

「……ほんと好きねぇ」

 

 そんな弟を見ながら、ハルカは気持ちを切り替えて共に痕跡を探そうと──

 

「こんなところで何をしている?」

 

「「えぇ!? 誰っ!?」」

 

 ……したが、自分達ではない第三者の声が聞こえ、ハルカは勿論、トウマも驚き唖然とする。

 

「……落ち着け。大きな声をだすな」

 

「「は、はい……すみません……次からは気をつけます」」

 

 そんな2人に人差し指を口に当てて青年は注意する。2人も、山に来てるのは自分達ぐらいだと思ったていたから、驚いただけなので素直に青年に謝る

 

「……ならいい。……俺はヒカリリンドウ。お前達は?」

 

「双子の姉のヒュウガハルカです。現役JCでーす!」

 

「弟のヒュウガトウマです。……リンドウ、さんでいいですか?」

 

 お互いに自己紹介を始める。どうやらこの長身の青年はリンドウというらしい。

 

「ハルカにトウマだな。……で何故子供だけでこんなところに?」

 

「えーっとそれは……」

 

 ハルカはリンドウにここにきた経緯を話す。気のせいか、それを聞いたリンドウの顔が多少引きつっていたが子供だけで来るなんてとかそういう理由だろうと思い、話を続ける。

 

「……なるほどな。UFOね……」

 

 話を聞き終えたリンドウは深くため息をつく。何故かは分からないが先程と比べると疲れているように見えた。

 

「あのっ、リンドウさんこそどうしてここに?」

 

「僕も気になります、教えて下さい。……出来れば、ですけど……」

 

「……俺はここには、まぁたまたま近くに寄ってきただけだ」

 

 双子の質問になんの抵抗なくはっきり答え、自分のカバンから水筒を取り出して蓋を開けてあおろうとしたが突如地震が起こり、激しい揺れに水筒を落としてしまう。

 

「あっ、水筒が……」

 

「ど、どうぞ!」

 

「ああ、済まないな。ありがとう」

 

 コロコロと水筒が転がり、トウマの足元までいく。それを拾い上げ、リンドウに手渡す。

 水筒を拾ってもらった事でしっかり礼をいい。その後に改めて水筒をあおり、中のラムネを飲み始める。

 一通り飲み終えた後、リンドウは2人にある事を聞く。

 

「最近、地震が多いのか?」

 

「何言ってるんですか? もしかして外国人?」

 

「いや違う。(まぁ、ある意味外国人ではあるな……どちらかと言えば、外星人というのが正しいだろうが)」

 

「なんだ……」

 

「ここ最近、やたらと地震が多いんです」

 

「……なるほど。ありがとう」

 

 地震が多いのか? という妙な質問に対して、双子は首を傾げるも、真剣に答える。

 それを聞いたリンドウは休憩はおわりだと言わんばかりに立ち上がり山の奥へと進もうとするが、再び地震が起きる。

 

「ぐっ!?」

 

「「あ、待ってください! ──わぁ!? さっきよりずっと強い!?」」

 

 立ち上がれないほどの地震と共に、山の頂上から火が噴いた。

 

「「えぇえええぇえ!?」」

 

「っ!? お前達は今すぐここからにげろ!」

 

 火山ではない筈の山から火が噴いて、双子は思わず呆気に取られる。

 何かを感じとったリンドウが逃げるように双子に伝えるが、既に遅かった。

 山から突き出るように巨大な怪物が現れたのだ。

 ──頭にトサカのような黄色い発光体が特徴的な怪獣……その名も熔鉄怪獣デマーガが現れた! 

 

 

 




ウルトラマンどこー?(白目)
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