ウルトラマンリンドウ   作:ノイズシーザー(旧ノイズスピリッツ)

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熔鉄怪獣デマーガ登場


ファーストコンタクト(後編)

【トウマ視点】

 

 

 

「…噓……?」

 

 

 

 体を恐怖で震わせながら、それを指さしてハルカが言う。

 

 

 

「………」

 

 

 

 リンドウさんは無言でそれを睨み付けている。

 

 

 

「か、怪獣…!?」

 

 

 

 GYAOOOOO!!!! 

 

 

 

 ──僕の呟きに答えるかのように、それは大きく口を開けて吠えた…

 

 

 

「きゃあ!?」

 

 

 

 その大きな声に驚き、ハルカはしりもちをつく。…それを見た僕は慌てて手を差し出そうとしたけど…

 

 

 

「…大丈夫か?」

 

 

 

「あ、ありがとうございます…」

 

 

 

 リンドウさんが先に手を差し伸べて、立たせてくれた。…ぼ、僕もお礼を言わなきゃ! 

 

 

 

「ありがとうございます、リンドウさん!」

 

 

 

「どういたしまして。…早くここから逃げるぞ、ここにいたら危険だ」

 

 

 

「「はい!」」

 

 

 

 そう言って、僕にも手を差し伸べるリンドウさん。差し出されたその手をとって、僕とハルカは言葉を返す。

 

 火を空中に噴き出す怪獣から背を向けてそのまま三人で手をつなぎながら、その場から逃げ出した…

 

 

 

 

 

【リンドウ視点】

 

 

 

 ──参ったな、まさか地球に来て早々にこんな目に合うとはな…俺の両側で手をつないで走ってる双子を横目にで見ながら、どうするべきか考える。…答えは決まっている。まずはこの2人を安全な場所まで連れて行かないと…

 

 …それにしてもあの怪獣…以前先輩に連れて行ってもらえた光の国のデータベースで見たことがある。…確かデマーガとかいったはずだ。…いざってときは目の前で変身してでもこの二人を守らねぇと…

 

 

 

「シェルターとかは近くにあるか!?」

 

 

 

 俺は隣の双子にこの近くに安全な場所はないのかと声を掛ける。

 

 

 

「シェルターは町の地下にあります!」

 

 

 

「でもここからだとすごく遠いです!」

 

 

 

 オレの問いに対して双子がそう答える。…遠いのか。…目の前で変身することも視野に入れないとだめだな。…あまりこの星の者に無用な混乱をさせたくないが、だからといってこの二人を見捨てることは出来ない。ブレットだったらきっとそうしてる、だから俺もそうする…! 

 

 そう思い立った俺は、足を止めようとした瞬間に上空から大きな音がエンジンの唸りあがる音が響き渡る。

 

 なんだと思って上を見上げるとそこにあったのは巨大な戦闘艇。あれまさかこの星の…

 

 

 

「あ、あれって!」

 

 

 

「防衛軍よ! 防衛軍が来てくれたわ!」

 

 

 

 戦闘艇を見上げて、歓喜の声を上げる双子。やっぱりこの星の防衛軍か、これは様子見か…? 俺がそう考えてると戦闘艇の先頭部に設けられたハッチが開き始める。そこから戦闘機が五機程、順番に発進されていき、町に向かって前進を続けるデマーガに翼の両側に付いているビーム砲で攻撃を仕掛ける。攻撃を受けたデマーガは怒ったのか、足を止め、戦闘機に向け火を吹いて攻撃を仕掛ける。

 

 戦闘機達はそれを華麗によけつつ、更にビーム砲でデマーガを攻撃し翻弄させる。

 

 ……凄いな、かなりの練度だ。これは俺が出る幕はないのかもしれない。

 

 

 

「いいぞー! 頑張れー!」

 

 

 

「やったー! 私達助かったんだ!」

 

 

 

 トウマは防衛軍を応援して、ハルカの方は助かった事に安堵の声を出しながらその場に座り込んだ。いやまだ安心するのは早いだろう……そう声をかけようとした矢先に、戦闘艇が俺たちの近くに着地する。

 

 

 

『そこの民間人! ここは危険だ、早くこちらに乗り込みなさい!』

 

 

 

 そう女性の声がスピーカー越しに聞こえたと同時に、ハッチが開き始める。…随分と太っ腹だな、機密情報とかあるだろうに。……いや、見せないようにすればいいだけか。

 

 

 

『ほらあなたも早く乗る! おいて行かれたいの!?』

 

 

 

「リンドウさんも早く乗ってくださーい!」

 

 

 

「早く―!」

 

 

 

 俺が考えていると、アナウンサーと既に乗り込んでいる双子が呼びかけてくる。……ちゃっかりしてるな、あいつら…そう考えて俺は戦闘艇に向かって走り出して、乗り込もうとするが、デマーガの奴何を考えたのか、着地してる戦闘艇に向けて火炎放射をしてきた! ……っ、あぶねぇ! そう思ったと同時に俺は腰のベルトのホルスターに収められた、大きな横笛型のアイテム、リンドウスパークを取り出して剣に変形させて天に向けて突き出す。すると剣から光が溢れ出して、まるで花びらのように俺の体を包みこんでいき、今の俺の本来の姿である、ウルトラマンへと変わっていく──

 

 

 

【トウマ視点】

 

 

 

 ──怪獣が僕らが乗っている防衛軍の戦艦に火を吹いて攻撃してきてもう駄目だと思ったら遅れてきたリンドウさんが剣を突き出すと、その体が光りだした! あまりの眩しさに僕らは目をつむってしまうと、そこにいたのは──

 

 

 

「デュアァァァ!」

 

 

 

 ──雄叫びを上げながら、デマーガに飛び蹴りをする巨人がいた……、飛び蹴りを怪獣に浴びせた巨人は、そのまま空中で一回転して態勢を整えると同時に土ぼこりを巻き上げながら、僕らが乗る戦艦を守るように土を巻き上げながら地面に着地する。……あれは、もしかして…リンドウさん、なの…? 

 

 

 

「な、なんなのよ…? あの巨人は…!」

 

 

 

「り、リンドウさんが巨人になっちゃった…!」

 

 

 

 アナウンスして、僕らを呼んでいたおねぇさんとハルカが驚きながら、巨人となったリンドウさんんの背中を見る。黒色と銀色の体の巨人…。…リンドウさんは、宇宙人だったんだ! 

 

 

 

 

 

【リンドウ視点】

 

 

 

 俺にけたぐられたデマーガは怒り狂いながら、俺に向かって火を噴いてくる。それに対して俺は両手を前に突き出して光の壁……ジェンリウムディフェンサーを展開し、攻撃を防ぐ。

 

 

 

『そこの巨人!』

 

 

 

 火炎放射を防ぎ続けている俺に、背後の戦闘艇から先程のアナウンスとと同じ声が聞こえてくる。

 

 俺は攻撃を防ぎながら、後ろを振り向く。

 

 

 

『──あなたは私達の味方ね?』

 

 

 

 その問いに俺は静かに頷いた。当然だ、俺はウルトラマンなんだからな! 

 

 

 

『……そう。なら、援護するわ! 総員! 彼を援護して!!』

 

 

 

『ラジャー!』

 

 

 

 俺が出てきた時から、待機していた五機の戦闘機から、一斉に返事が聞こえ、そのままデマーガに攻撃を仕掛けてきた! 

 

 

 

『協力するぜ、巨人さんよ!』

 

 

 

 戦闘機の一機から若い男性の声が聞こえてくる。俺はそれに対して感謝の念を込めて、頷と、その戦闘機と共にデマーガに向かって走り出す! 

 

 ビーム砲でデマーガを攻撃をすることで注意をこちらから逸らしてもらい、その隙に殴るかかると同時に自分の体を光に包ませる! ──直後、デマーガの巨体が倒れ込む。火と土の力を宿した、格闘戦特化の剛力形態、ヴォルカニックへとタイプチェンジを果たした、俺の拳によって地面に沈んだのだ! 

 

 

 

 GYAOOOO…!!? 

 

 

 

 それに追い打ちをかけるがごとく、倒れ伏すデマーガに五機の戦闘機が一斉にビーム砲で攻撃をしてくる。

 

 攻撃を浴びて悲鳴を上げていたデマーガも苦し紛れに火炎放射で反撃しようとするも、全く当たらない。

 

 

 

『うおぉ!? 体の色が変わって、めっちゃムキムキになった! すげぇや!』

 

 

 

 攻撃を仕掛けている戦闘機の一機から先程の男性の声が響く。…騒がしいやつだなぁ…ムードメーカーだろうな、このパイロットは。

 

 そんなことを考えていると、胸のカラータイマーが赤く音を立てながら点滅する。エネルギーの残量が残り少ないからだ。……聞いてはいたが、地球じゃ三分間しかウルトラマンになれないってのは本当みたいだな。

 

 時間が無い。だから痛みで倒れ込んだまま悶絶しているデマーガを両手で持ち上げるたまま空高く飛ぶ上がる! 

 

 

 

『おお! 飛べんのか!』

 

 

 

 その声を聞きながら上昇して、ある程度まで飛んだら、そのまま空中にデマーガを放り投げる! そして俺は胸元で両腕をクロスして、残ったエネルギーを両腕に集める。両腕をいったん離してから、両手を十字に組んで、必殺である、光波熱戦…ジェンリウム光線を放つ! 

 

 光線を浴びたデマーガはそのまま空中で爆発四散。それを見届けた後、高度を下げて地面に降り立つ。

 

 

 

『助けてくれてありがとよ、巨人さん!』

 

 

 

 降りた俺に、労いの言葉をかけてくれる、パイロット。それを合図に、他のパイロットや、戦闘艇の中にいる人たちからも、感謝の声が響き渡る。

 

 ……感謝されるのは、慣れてないな。嬉しいが照れ臭い。…そろそろ限界だな、人間の姿に戻らなければ。

 

 体が光に包まれて、段々と縮んでいき、人間の姿に戻る。

 

 

 

 それと同時に戦闘機も全機着地して、中のパイロット達も降りて俺に近づいてくる。

 

 

 

「へへっ本当にありがとな! 助かったぜ!」

 

 

 

 その中の1人が俺に手を差し伸べ、握手を求めてくる。

 

 

 

「…いや、むしろ礼を言うのは俺の方だ。──ありがとう、信じてくれて」

 

 

 

 俺は差し出された手を握りながら、感謝の言葉を伝える。礼を言われ男性を含めた、隊員達は皆、驚くも照れたように笑みをこぼす。

 

 

 

 

 

「……へへっ、どういたしまして!」

 

 

 

 男性は朗らかに笑った。……先輩、いやガイさん。…俺が来た地球も、あなたが来ていた地球に負けないぐらい、いいとこですよ……

 

 

 




リンドウスパーク
リンドウがウルトラマンへと変身する為のアイテム。
横笛型のティンバーモードから、両刃剣型のソードモードに変形する。
当然だが生身の戦闘でも使用可能。

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