俺の好きな人は破滅フラグがあるらしい…   作:とうふ

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見切り発車で正直続かない自信がある。
とりあえず1話できたから投稿してみたって感じです。

よろしければ最後まで読んでください。


頭痛の幼少期編
1話 出会い、そして未来


 本当にゲームの世界か……。

 

 俺は、目の前に広がる学園の門を見ながら思った。

 信じられないな。まぁ、そもそも信じられる要素なんてなかった。ただ俺が彼女を信じたいだけ。

 俺のその気持ちの正体なんて、幼馴染対する友情か、はたまた別の感情か。今の俺には明確に説明なんてできないけど……。

 

 

 俺のすることは一つだけ———

 

 

 『カタリナを破滅から守る』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クラエス公爵家の長女、カタリナ・クラエス嬢だ。仲良くするんだよ」

 

「ん」

 

 こくりと首を動かして頷いた。

 目の前に立つ少女はすこし吊り目な水色の瞳を持っていて、綺麗に整えられたドレスや髪が気品のある人物だと感じさせる。

 

「カタリナ、こちらはバルスリア公爵家の長男であるルビアくんだよ。仲良くしてね」

 

「はいっ!もちろんですわ」

 

 頬をピンク色に染めながらカタリナ嬢はそう答えた。

 何が嬉しいのか分からなかったけど、その表情は笑顔。令嬢として塗り固めた笑顔ではなく、心からの笑顔。

 その笑顔は見ていて気持ちが悪くならなかった。

 

 

 では、どうして俺がカタリナ嬢と挨拶する状況になったかというと。

 5歳になる俺は、父さんの紹介で父さんのの友人であるクラエス公爵とその娘、カタリナ嬢にクラエス邸へ招待された。

 うん、それだけ。

 現在、クラエス邸に着いて早々挨拶をし両親らの計らいか、気まぐれか。「カタリナ嬢に案内をしてもらいなさい」なんて言われた時は困った。

 その場では「はい」と答えるしかなく、カタリナ嬢に庭を案内してもらっている。

 

「ここは我が家自慢の花壇ですわ。季節ごとに咲く花が変わるんです」

 

「はい、素敵です」

 

 自分でも思う。なんてそっけない対応なのだろうか。いやぁ、本当はちゃんと話したいよ。俺だって楽しく会話したい。

 俺は右腕にくっついている彼女のことが嫌いだからそっけない対応をしてしまう。

 

 

———と、いうわけではない。

 俺は()()()()()()()なのだ。

 どうしても緊張してなにを話せばいいのかわからなくなる。貴族に最も必要な能力が僕には欠けているのだ。困る。本当に困ってる!

 ねぇ、だって聞いて?この前お茶会に参加したんだけどさ、初めて参加するもんだから大勢の人が挨拶に来て。

 めっちゃ怖いの!!

 ほんとに怖いんだよ。そのまま上手く会話もできずお茶会は終わった。俺だって人と楽しく喋りたかった!

 

「ルビア様はどんな花が好きなんですか?」

 

 一人心の中で喋っていたらカタリナ嬢が綺麗に咲く花を見————ることもなく、俺の顔を見つめながらそう聞いた。

 少し恥ずかしかったけど可愛い女の子に見られて嫌な気持ちはしなかったのでその質問の答えを考える。

 花に詳しいわけではない俺だが、クラエス邸の庭に咲いている花はどれも綺麗で、庭師の腕が素晴らしいことがわかった。

 その綺麗に咲く花の名前は一つもわからなかったが頭の中には一つの花が浮かび上がった。

 

「俺はカーネーションが好きですね」

 

 母さんの誕生日に、父さんが優しそうな笑みを浮かべながら母さんにピンクや白といった綺麗なカーネーションをプレゼントしているのを見たことがある。

 母さんの笑顔はとても嬉しそうで、俺の中でカーネーションは幸せの花みたいな立ち位置だ。

 

「まぁ!私もカーネーション大好きなんです!お揃いですわね!」

 

 右腕にかかる力が強くなった。カタリナ嬢がより強く掴んだのだろう。

 全く痛くなかったけど、俺の心には攻撃をしてきた。恥ずかしいではないか!

 腕を組まれることは別に平気だったが、強くくっつかれると恥ずかしい思いが出てきてしまう。

 俺は、歳の近い人と一対一で交流を持つのは初めてだった。だけど、カタリナ嬢のように自ら会話をしてくれる人は本当にありがたい。

 この前のお茶会で失敗した要因は、集まる人にうまく受け答えできなかったことだな。うん、反省しよう。

 

 一通り庭回った後、俺はふと思った。

 さっきまではカタリナ嬢が全て話を振ってくれたのだから一度くらい俺から話を振ろう!と。

 そうすることにより俺の人見知りは改善され、カタリナ嬢にも負担を減らせる。これぞ相互利益ってやつ?

 なんて言えばいいんだ?えっとー、庭がとても綺麗でした?って感じでいいよな?よしっ!

 

「カタリナ嬢!」

 

 俺は初めて自ら振る会話で勢い余ってしまったようだ。

 

「きゃっ!」

 

 俺が勢いよく振り返ったことによりすぐそこにいたカタリナ嬢に俺の頭が当たる。ということは、俺の頭がカタリナ嬢に当たったことにより、カタリナ嬢は体勢が崩れて転びそうになるということだ。

 

「あ、だ、大丈夫でしょうか。申し訳ございません」

 

「いえ、大丈夫ですわ」

 

 これでも剣術などで体を鍛える機会があったからか、ギリギリのところで支えることができカタリナ嬢が転ぶということは免れた。

 

 しかし現状は最悪だった。俺がまだしっかりとしていないばかりに、片膝を地面につけた俺が、カタリナ嬢を抱え込む形でなんとかカタリナ嬢が倒れるのを防いだのだ。

 と、いうことは。俺がカタリナ嬢を誘惑して抱きかかえたような体勢なのだ!

 カタリナ嬢の顔は目の前にあるし、本当に申し訳ないことをした。これは紳士としてあるまじき行為だ。

 

「あ、あの。カタリナ嬢……」

 

 改めて謝罪をしようとカタリナ嬢の方を見ると、そこには初めて挨拶をした時以上に頰を赤に染めていたカタリナ嬢がいた。

 

「どこか具合が……」

 

 俺が頭に衝撃を与えてしまったせいで、体調が悪くなってしまったのか?それは、まずい。本当に悪いことをした。

 心配になり声をかけるとカタリナ嬢はそれを遮りより一層、頬を赤らめた。

 

「いえっ!ルビア様のお陰で倒れ込みませんでしたし、本当に素敵ですわ!///」

 

………いや、どういうことだろうか。

ん?俺のせいで転びそうになりそれを俺が支えるのは当然の行為だ。

 それなのにキラキラとした水色の目を向けて、素敵だというカタリナ嬢を見ていると何故か不思議と笑いが込み上げてきた。本当に良くないことなのは分かっていたが、どうしても笑いを抑えられなかった。

 

「ふはっ!あははっ、面白いですね、()()()()

 

 これが俺とカタリナの出会い。

 まるで笑い話な素敵な出会いだ。

 

 

 

⬜︎⬜︎⬜︎

 

 

 

「カタリナ〜!お見舞いにきたよ!」

 

 母さんに何度「公爵子息としてなっていない」と叱られたことか。クラエス邸で大きな声を上げながら考えた。でも、俺はこの態度を直すつもりはない。いや、もちろん他人に迷惑をかけない範囲でね。俺は俺らしく生きると決めているのだ。その方が楽しいし幸せじゃん。

 

 

 ところで、なぜ俺がカタリナのお見舞いに来たのかというと、少し話は長くなる。

 

 5歳の頃から交流を持ったカタリナとは何度も会ううちに、その度に打ち解けていった。

 カタリナはわがままで使用人をよく困らせていたが、人見知りの俺にはわがままなくらいがちょうどよくて。

 人見知りの俺を見かねた父さんがたくさんの人との交流の場を設けてくれた。そして俺は何度か会話すれば打ち解けられて緊張しなくなる!ということに気がついた。

 と、まぁそんな感じで今年で8歳になりカタリナとは3年の付き合いというわけだ。

 そしてお見舞いに至った訳とは。

 こちらも付き合いが1年目くらいになるこの国の第3王子ジオルド。 

 クラエス公爵が城へ行くのにカタリナがついて行くことになりカタリナの相手をジオルドがすることになった。

 

 そこで事件が起きる。

 

 カタリナは、石に躓いて転び頭を打つ。そして血を垂らす。まぁなんてことでしょう。カタリナは高熱で数日間寝込んでしまいました。

 というわけで熱引いてきた今、俺はクラエス邸へカタリナのお見舞いに赴いているのだ。

 

「ルビア様。ようこそいらっしゃいました。カタリナ様は自室で休まれております」

 

「ありがとうございます」

 

 なぜ俺がこんなにも近況に詳しいかについてだけど、決してスパイを潜り込ませているわけではない。

 お茶会でカタリナのエスコートをするくらい仲の良くなった俺は一週間に一度の頻度でカタリナにクラエス邸へ招待されている。

 しかし最近招待の手紙が来なくて手紙を出したところ近況についての手紙が返ってきたわけだ。

 

 執事にカタリナの自室まで案内をしてもらう途中で、ある人物とすれ違った。

 

「久しぶりだね。ジオルド」

 

「そうですね、ルビア」

 

 彼はこの国の第三王子ジオルド・スティアート。彼も父さんが関係を持たせてくれた人物で俺の遊びに付き合ってくれる優しいやつだ。一見、真面目でお堅いやつだが案外ノリがいい。

 

「あなたもカタリナ様のお見舞いに?」

 

「うん。少しよくなったと聞いてね」

 

 世間話にも満たないくらいに会話をしたあと、ジオルドと別れた。

 城で怪我したと聞いたのでジオルドがお見舞いに来ることはおかしなことではない。

 だけど、何となくジオルドの感じがお見舞いだけじゃないような感じがした。例えば婚約とか。婚約を申し出る令嬢に嫌気がさしているジオルドならカタリナと婚約を結ぼうと考えるかもしれない。

 でも、根拠もないしただの勘だけどね。

 

「ルビア様、お久しぶりです。カタリナ様は中でございます」

 

 カタリナの付きのメイドが室内へ案内してくれた。体調が悪い中何人もの人が来られるのは疲労となり回復に影響が出るかもしれない。

 俺はお見舞いの品を渡したらすぐに帰るとしよう。

 

「カタリナ。体調は大丈夫?」

 

 極力、大きな声を出さないようにカタリナに声をかけた。

 カタリナの方を見るといかにも体調が悪そうな感じで呆然としていた。

 その表情は心ここに在らずといった感じで、俺が声をかけたことにも気づいていないかもしれない。

 体調が少しは回復したと聞いていたのに……。悪化したのだろうか。それともジオルドが何かやらかした?それは許せないな。

 

「ごめん。体調、大丈夫じゃなさそうだね。もう帰るよ。お大事に」

 

 いつものカタリナならここで「待ってくださいルビア様」なんてうっとりとした目をしながら呼び止めるだろうが、あれほどまでに体調が悪そうな感じなので呼び止められても帰ろう。

 

「ルビア様」

 

「俺は帰るよ……ん?」

 

 やはり声をかけられたか、と思いながらカタリナに断りの言葉を告げている途中にカタリナを見る。

 カタリナはいつものうっとりとした目ではなくまっすぐと俺を見ていた。

 

「わざわざお見舞いにありがとうございました。お礼はまた改めてさせていただきますわ」

 

「———!?」

 

 軽く頭を下げながらカタリナ丁寧な口調でそういった。

 俺は目を前ぱちぱちさせながらカタリナの様子を確かめる。

 え!誰?カタリナは、失礼だが相手に敬意を持つような人ではなかったのに。

 メイドの方を見るとそのメイドもわからないと言ったようにこちらを見てきた。

 頭をぶつけて脳に何かが起こったのだろうか?これは医者にもう一度診てもらうべきだ。我が家からも派遣させよう。脳に異常、いや性格的には良くなってるから正常?まぁ、とりあえず!医者にもう一度見てもらうべきだ!

 

「カタリナ。とりあえず、安静にして、よく寝るんだよ」

 

 絶対安静を言い聞かせて俺は自分の家へ戻った。

 

 

 

⬜︎⬜︎⬜︎

 

 

 

「第一回()()カタリナ会議を始めます!」

 

「え⁉︎どういうことよ!さっき会議をしたばかりじゃない!」

 

「これは緊急会議です。あることを思い出したのですよ。重要な……」

 

「「「重要な……」」」

 

 5人のカタリナが緊急会議を始めた。

 ジオルドがお見舞いにきたその後に行われたカタリナ会議では魔力の特訓と剣の稽古をするということで話し合いが終わっていたが。

 今現在、通常の(まだ一回しかしてないが)会議を終えたカタリナは重要なことを思い出したのだ。

 

「勿体ぶらないで早く教えてよ!」

 

「ええ、『FORTUNE・LOVER』をプレイする際に()()()()()()()として攻略した人物を覚えていますか?」

 

「もちろんよ!本編にも出てきたしお助けキャラとして主人公を助けてくれてたわ!紫色の髪の毛の元気系イケメン!」

 

「本当にかっこいいわよね!本編の攻略対象にはなってなかったけど、人気が高くて攻略したいっていうファンがたくさんいたし!」

 

「ジオルドの攻略に何度助けられたことか……。きっと彼がいなかったら私はジオルドの攻略ができないまま死んでしまっていたわ!」

 

「ほんと!本編で唯一カタリナにマイナス印象を抱いていない人物だもの」

 

「カタリナの幼馴染で、名前は……」

 

「「「!?」」」

 

 会議らしさゼロの楽しげな会話の中カタリナ達は重要なことが何か気付いた。

彼はカタリナの幼馴染であり、カタリナに対して唯一マイナス印象を抱いていない人物。

 

「彼の名前は———()()()()()()()()。バルスリア公爵後継ぎのカタリナの幼馴染」

 

「そうよ!思い出したわ!さっきお見舞いに来てくれたルビアはそのルビアなのね!どおりで美形だと思った」

 

「本編でもカタリナが国外追放になっても、死んでも、心から悲しんでくれた人物。攻略の邪魔をするカタリナの牽制をしてくれたわ!」

 

 きゃっきゃと再び盛り上がる5人。

 議長カタリナがそこで声をかけた。

 

「と、いうことは。破滅ルートを進む私たちだが、()()()()()()()すれば身の潔白を証明してくれるかもしれない」

 

「そうね!わがままだった私が腕に引っ付いても楽しげに笑ってくれるような優しい人だったもの!」

 

「でも、どうやって仲間にするの?ルビアは攻略対象とも仲が良くて、わざわざカタリナの仲間になるメリットなんてないわよ」

 

「「「たしかに……」」」

 

「でも!『FORTUNE・LOVER』の話をしてでも味方にするべきだと思うわ!私の破滅を知ったら優しいルビアは仲間になってくれるはずよ!」

 

「そうね。でも逆に変な人だと思われて嫌われるかも……」

 

「————皆さん考えてみてください。主人公を堂々といじめてた人を、腕に引っ付き虫のように常にくっついていた人を、そんな人を嫌いにならなかった彼が、この話をして私のことを嫌うと思いますか?せいぜい変人だと認識する程度でしょう!」

 

「「「たしかに……!」」」

 

「危険ではあるものの賭けに出る価値はあると思うわ」

 

「それもそうね」

 

 ざわざわと騒がしかった5人が静かになり議長がまとめ始めまた。

 

「では、ルビアにゲームのことを話し仲間になってもらうようにお願いをする。ということでよろしいですかな」

 

「「「はい」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぶへくしょん、ぶへくしょん……誰かに噂されてる?」

 

 俺ってそんなにモテるかな?いやぁ、照れるなぁ。

 

「何変なことを言ってるんですか?昨日肌寒い中布団を蹴っ飛ばして寝ていたので風邪をひいてしまったのでは?」

 

「むっ。布団だと暑いんだよ」

 

「それと、ルビア様。ルビア様は将来、人の上に立つ存在になるのですから、そのくしゃみの仕方では威厳がなくなってしまいますよ」

 

 と言いながら、俺の付きのメイドがいいながらミルクを用意してくれた。

 確かに俺は将来公爵家を継ぐだろうが、まだ8歳だぞ?でもまぁ幼い頃からの英才教育は大切なのか。

 『ぶへくしょん』、だと威厳がないんだよね。じゃあくしゃみの後に『だ』とか『だぞ』とかつければいいのか。

 『ぶへくしょんだ』『ぶへくしょんだぞ』う〜ん。これからこうしてみるか。




キャラクターデータ


ルビア・バルスリア
 
バルスリア公爵の一人息子。バルスリア公爵跡継ぎ。『FORTUNE・LOVER』のお助けキャラ兼チュートリアル担当。紅桔梗色の髪と瞳を持つ元気系イケメン。人見知りだが仲の良くなった人にはとことん気を許す。ゲーム本編で唯一カタリナにマイナス印象を抱かなかった人物。自由奔放な性格で何かに縛られるのが嫌い。
 
 
好きなもの: 自由な時 友人
 
苦手なもの: 厳しい人 魚
 
魔力属性: 水『?』
 
特技: 木登り 剣術 魔法
 
性格: 自由奔放 明るい 人見知り
 
 
Q: 恋人、結婚相手にして欲しいことはありますか?

 俺は自由が好きだから、俺のやりたいことを否定しない人がいいなぁ。それとなんでも一緒に楽しめる人!やっぱ楽しくないと人生生きてけないっしょ!
 お互いに好きという気持ちを正直に話せる人ってのもいいよね。俺は甘い恋がしたい!
 
 
【Power gauge】 五段階
知力   4
パワー  5
体力   5
魔力   5
カリスマ 1(一部を省き)
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