俺の好きな人は破滅フラグがあるらしい… 作:とうふ
理由としては、はめふら本編に載ってるからですね。幼少期編じゃないし、学園でもないし、と思って閑話に入れました。
12話もよろしくお願いします!
「カタリナ。誕生日おめでとう。そのドレスすごく似合ってるよ」
「ありがとうございます!ルビア様」
クラエス邸で開かれたカタリナの誕生日パーティー。いつもとは違うオレンジのドレスに身を包んだカタリナはとても綺麗で可愛かった。
いやほんとかわいい。このまま抱きついてしまいたい。ま、出来ないけどさ。
そのままパーティーは進んでカタリナはジオルドとダンスを始めた。
やはり、婚約者の座を奪ってしまおうか。1番最初のダンスが婚約者だと言うのは決まりだけど本当に悔しい。
「すごい顔してますよ、ルビア様」
「メアリ。すごい顔って?」
「それはもう、すごい顔でした」
メアリが横に来てすごい顔と指摘するけど、すごい顔ってどんな顔だよってね。メアリの今日のドレスは水色でいつものオレンジの印象だから雰囲気が変わる。
え?カタリナとメアリってドレスの色逆じゃね?まさかわざとそうしたの?えぇ、やだ俺遅れとってるじゃん。
「メアリはアランと踊らなくていいの?」
「えぇ、主役と同じタイミングで踊るのは
憚れるなんて言うけど、実際はカタリナのダンスが見ていたいんじゃないだろうか。ほら、ドレスのスカートがひらひらってなるところとかすごい可愛いし。
————-あっ!!ジオルド、あいつカタリナの首にキスしやがった!!
キースが曲終わりのタイミングでカタリナのところに行くけど、許すまじ。ほんとにけしからんやつだ。
「おい、ジオルド。キスはないだろう!」
「あぁ、ルビア。カタリナは僕の婚約者ですよ?キスくらい別に問題ないはずですが」
理解はできるから悔しい。くそ、その婚約者という座から引きずり下ろしてやりたいわ。
ま、一番仲の深い俺はカタリナの方からスキンシップしてくれるけどね。だから許そうじゃないか。
「じゃあ次は俺がカタリナとダンスをしてくるよ」
アランとカタリナのダンスが終わり俺はカタリナの手を取る。
「カタリナ。俺と踊ってくれますか?」
「もちろんですわ!」
すごい可愛い笑顔で了承してくれる。ほんと、今日のカタリナはいつもより美人だな。
破天荒さが落ち着いて大人の女性という感じがする。
「カタリナ。学園に入学するね。何があっても俺が守るよ」
「ほんとうに、頼りにしてます!いつも助けてくれて感謝しかないです」
正直、今のカタリナに破滅フラグはないだろう。騎士団の状況は完璧だし、そもそも破滅フラグとなる人物はカタリナの事が好きだ。
でもカタリナには教えない。俺って実は意地悪なんだよね。教えたらカタリナはみんなにもっと心を開いてしまうから、俺との距離が遠くなってしまう。それは残念だ。
「そうだカタリナ。昔からしている、元気の出る
「分かりましたわ。おまじないですね!」
ダンスのフィニッシュでオリジナルを入れる。俺たちは破滅フラグで心配がある時、
でも、それでもジオルドのように一方的なものではなく、カタリナの方からも抱きしめてくれる。
あったかい。カタリナのいい匂いが直に分かってすごく好きだ。
ダンスで違和感が出来るだけ消せるように俺がカタリナを抱き上げて回転する。ふむ、これでダンスの違和感はないな。
「よしっ、がんばろうな」
「はいっ!ありがとうございます!」
ダンスは俺たちが最後で次の曲が流れてくることはなかった。しかし、俺たちの元へは大勢の人くる。
あぁ、覚悟せなば……。
「カタリナは僕の婚約者ですよ!」
「なに、抱き合ってたんですか!義姉さんを騙したんですか⁉︎」
「お前はいつも、カタリナと距離が近い!」
「ルビア、婚約者がいる令嬢にそれは良くないだろう」
「ルビア様!そういうのは禁止と言ったじゃないですか!」
「本のシーンみたいで素敵でしたけど、女性役はカタリナ様以外にしてください!それか、男性役をお兄様にしたください!」
「ええ!?みんなどうしたの?」
カタリナは鈍感だからみんながなにに騒いでいるのか分かってない様子だった。
ふふっ、俺はみんなより一歩リードしているのだよ。
「カタリナ、みんなはダンスで疲れてるのかもしれない。休憩しようか」
そして俺はみんなの方を向いて舌を出す。
「(俺の勝ち)」
そんな俺の様子にみんなは腹を立ててたみたいだけど、今日は見なかったことにしてあげよう!なんてったて気分がいいからね!
⬜︎⬜︎⬜︎
その時の僕は少し機嫌が悪かった。いや、少しじゃないかもしれない。
まず、カタリナと一番にダンスができたのは良かった。でもそれは婚約者として当然。ダンスを踊ってる最中に婚約破棄についてカタリナが持ちかけたときはつい、首にキスをして僕のものだと目印をつけた。
でもそれはカタリナの
さらには最後にダンスをしたルビアはカタリナと抱き合っていた。
カタリナの方から恋愛感情はないだろうがルビアは違う。ルビアは間違いなくカタリナのことが好きだ。
2人で抱き合っている様子は側からみれば婚約者そのもので、僕とのダンスより様になっていたのが心底悔しい。
そもそも、ルビアは昔から気に食わなかった。最初は物静かで自分から喋り出すことはなかったが、交流を持てば持つほど元気で、明るい人なのだと分かった。
僕がカタリナと出会ってから、ルビアからは定期的に手紙が送られてくる。内容は決まってカタリナのこと。
『カタリナは、ジオルドに好きな人ができても絶対に邪魔しないような謙虚な性格だよ』
とか。最初は本当にふざけてるのかと思ったが、何度も送られてきて本気なのだと分かった。
正直ルビアのことはいい友達だと思っている。下町に遊びに行けば楽しいし、僕の中では第二のカタリナだ。
だけど、やっぱりカタリナと仲がいいのは気に食わない。
どうにかできないか……またキースやメアリと相談をすることにしよう。
⬜︎⬜︎⬜︎
もうすぐ春を迎え、学園に入学する。既に気温は暖かくなってきて今にも咲きそうな桜の芽が見えた。ここはクラエス邸。俺の第二の我が家と言っても過言ではないほど通っている場所。
クラエス邸の綺麗に整えられた庭にはここ数年でさらに大きくなった畑がある。その畑を耕し終わった直後、春風に俺の好きな人の髪が揺れた。
「はぁ……可愛いなぁ」
「変態ですか。ルビア様は義姉さんを見ちゃダメです」
カタリナを見ていたらキースにそんなことを言われる。だがしかし、可愛いのは事実であって俺が変態呼ばわりなのはどうなのか。
キース?お前も可愛いと思うだろう?じゃあ君も変態だ。
「それにしても、学園入学まであと少しだねー」
「そうですわ!とても楽しみです」
俺の声にメアリが反応した。カタリナとソフィアも俺たちのところに来る。メアリの言葉にカタリナは苦笑いだった。
まぁ、カタリナは(絶対にあり得ない)破滅フラグがあるから学園に行きたくないんだよね。
「楽しみです!だってカタリナ様とずっと一緒にいられるんですもの」
「ん?確かに」
ソフィアの声にカタリナは少し学園が楽しみになっているようだ。
俺は今までクラエス邸には頻繁に来ていたからほとんど変わらないけど、寮で部屋こそは違えど一緒に過ごせるのは楽しみだ。
「カタリナ。誕生日パーティーの時も言ったけど絶対大丈夫だよ」
カタリナにだけ聞こえるよう囁くようにそう言った。きっと他の人たちには聞こえなかっただろう。
「そうですわね。少し楽しみなところもありますし」
他の人に聞こえない声で喋っていても、常に監視の目を光らせている友人たちには敵わなかったようで、また問い詰められた。
ほんと、いい友人を持ったな。カタリナが繋げてくれた友人も多いけど、学園でもみんなと仲良くできれば嬉しい。
桜が咲き誇る頃には是非、婚約者の座を奪わせていたただこう。
俺は友人たちに問い詰められながらカタリナの方を向いてニッコリと笑う。
次回から魔法学園編入ります!!
マリアちゃん出てくるよ!嬉しい!
オリキャラのイラストを描くとして、誰を描いて欲しい?(ルビアは描きます)
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イラストなんていらねぇ!
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メイドのトル
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エレット・ヨレット
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ディンク
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アディア
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フォイ
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リン
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スーノ
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リオン