俺の好きな人は破滅フラグがあるらしい… 作:とうふ
反省します。
そして、ルビアの絵をオリキャラ説明のところに載せておきます。
参考程度に見てください。ほんと上手くないので参考程度に……。
13話 太陽みたいな笑顔
「今からカタリナ会議を始めます!!」
「「「「はい!」」」」
カタリナの脳内に5人の分身が出現する。それぞれメガネや気弱など様々な個性があるが、実は中身は変わらない。
それでも、毎回議題に対してはどうにかなっているのが、このカタリナ会議。
「今回の副題は『チュートリアルでマリアちゃんに告白したルビア』です」
「そうよね。チュートリアルを思い返してみると、ルビアはマリアちゃんに入学式の日に告白しているわ!」
「ゲームではそこでチュートリアルが終わってそのままストーリーに入っていったからマリアちゃんは返事をしてない状態なのよね」
「もし、返事をしているのなら断っているでしょう。選択肢がなくて返事ができなかったから、展開的に断っていると考えていいと思います」
早くも告白したルビアはフラれているという結論が出た。4人の視線が議長カタリナに注がれる。
その視線を見て議長カタリナはわざとらしく咳払いをして話し始めた。
「私が言いたいのは、マリアちゃんとルビアが付き合うことになればカタリナの破滅フラグは無くなるのではないか?ということです。ルビアはチュートリアル担当であってライバルキャラもいないですし」
「「「「なるほど!!」」」」
「ルビアがフラれた原因は初日に告白したことよね!誰だってその日に告白してきた人と『はい、付き合います』ってOKするとは思えないもの」
「じゃあルビアには遠回しに告白するなって言う?」
「こう言いましょう!告白するなら相手との距離を縮めてからって!それならその日に告白することはないはずよ」
「さすがね!カタリナ!」
「おまけに、困ってる女性には手を差し伸べて!って言いましょう。そうすることでルビアはマリアちゃんを助けるし、マリアちゃんだって優しくされたら好きになると思います」
「では、ルビアに告白するなら距離を縮めてからということを教えて、困ってる女性には手を差し伸べてあげてと伝えましょう。いいですかな?」
「「「「意義なし!!」」」」
こうして、学園に入る前最後のカタリナ会議は幕を閉じた。
⬜︎⬜︎⬜︎
俺がその子を見たのは本当にたまたまで、廊下を歩く彼女に目を奪われた。
そして、一瞬で理解する。彼女がカタリナのいう『FORTUNE LOVE』の主人公、マリア・キャンベル嬢なのだと。
——————で、どうしてこうなったんだっけ。
俺は今、学園の中庭にあるベンチに座っていてその隣には例の
あっれ〜、なんで俺マリアさんと座ってんの?
思い出してみると、何やってんだ俺という羞恥心で消えたくなった。
『こっち行こう!』
『え?』
そう、俺は食堂で注目を集めるマリアさんの隣にたまたま座って。
最近カタリナに困ってる女性には手を差し伸べるという事を何度も聞いていたからか、視線に戸惑っていたマリアさんの手を引いて中庭に逃げ込んできたんだ。
「ごめんね、引っ張って。すごい注目浴びてたから嫌かなって。貴族の中には平民を低くみる人がいるから……。あっ、もちろん俺はそんなこと思ってないよ」
正直に話したが、最後のところがわざとらしくなってしまった。これでは俺も平民を下に見るようなやつだと思われたかもしれない。
「いえ、ありがとうございます」
マリア・キャンベル。平民出身の光の魔力保持者。その噂は既に学園に広がっていて、カタリナから聞かなくても俺の耳に届いていただろう。
それくらい、彼女は周りから浮いていた。
「そういえば自己紹介がまだだよね。俺はルビア・バルスリア。貴方は?」
俺は彼女の名前は知っているが、初対面の人に名前を知られているのは恐怖しかないはずだ。だから俺は一から関係をもつために自己紹介をする。
うん。ピアスをしているおかげで、冷静な俺でいられる。自己紹介も初対面の人にも自然にできているだろう。ふぅーよかったよかった。
「マリア・キャンベルです」
「うん、よろしくね。キャンベルさん」
「「………」」
そして流れる静寂。おぉーい、なんとかしろよ俺!ここにマリアさんを連れてきたのは俺だろう!会話、会話を。
えっと、会話って何するんだ。空が綺麗?君は綺麗。あなたは美しいっ!—————落ち着け俺。普段の俺じゃない。
そっとピアスを触り、もう一度冷静な俺になる。よしっ、落ち着いた。
カタリナとの会話を思い出そう。いつもなんの話してるっけ。
最近見つけた美味しいお菓子とか。オセアンから取り寄せた土の質とか。旬の野菜とか。
—————よし、野菜の話をしよう。
「そういえば、そろそろ夏野菜を植える時期だね。キャンベルさんは畑とかで野菜を育てたことある?」
「え!?野菜ですか!?」
「うん、野菜」
反応が微妙だな。もしかして変な話題だったかな。いや、でもカタリナとはよく野菜の話をするし……。
あ、そういえば貴族は野菜を自分で育てないんだっけ!?カタリナが作業着とほっかむりをかぶって畑を耕してるもんだから、忘れていた。
「昔は実家の方でやってましたけど、ここ数年は全くやってないですね。バルスリア様は畑をやっていらっしゃるのですか?」
「うん、親友とね。一度やってみると、中々楽しいんだ」
「そうなんですね」
マリアさんの顔を見ると最初は苦笑いをしていたが今は普通に笑っている。
よかった。連れ出してしまったから怒っていたらどうしようかと思ってたけど、大丈夫だったみたい。
「驚いた?貴族はそういう仕事を自らやろうとしないからね。変なところで綺麗好きなんだ。カタリナは……親友は変だよね。楽しそうに畑を耕してる。面白いけどさっ」
「バルスリア様は、その親友とおっしゃったカタリナ様のことが———好きなんですか?」
「ん?あぁ。……えぇ!?」
突然、マリアさんはそんなことを言う。確かに俺はカタリナのことが好きだがどうしてバレたんだ?どこか変だった?ええ?
初対面の人にバレるとか、そんな分かりやすい!?
「す、すみません。突然失礼でしたよね。ただ、カタリナ様の話をする時は普段の時と違って、とても笑顔でしたので」
普段の顔と違うかー。あれだな。
俺は自分で言うのもなんだが極度の人見知りだから。ピアスをつけれてば演技をしているからなんとかなっているが、今日の入学式はつけていなかったから真顔だったのだろう。
それで、ピアスをつけているのに加えてカタリナの話をしているから笑顔になっていたんだ。
「カタリナは、本当に素敵な女性だ。キャンベルさんも仲良くなれるよ。むしろ、カタリナの方から声をかけてくるかもね」
「それは、なんだが申し訳ないです」
「どうして?」
上手い具合に話が逸れてカタリナの話になる。
マリアさんはカタリナと仲良くなることに少し抵抗があるのか、眉を顰めた。
でもそれは、カタリナと仲良くなるのが嫌なのではなく、言葉の通り申し訳ないと思っているようだ。
「バルスリア様の仰るカタリナ様はカタリナ・クラエス様ですよね?」
「そうだね」
「バルスリア様もですけど、クラエス様は大貴族です。私のような平民が仲良くしていいような人ではない様な気がして……」
仮にもここは魔法学園。みんなが平等に学ぶべき場所だ。マリアさんがそんな風に思う必要はないだろう。
それに、カタリナや他の友人だってそんなことは気にしない。そんな人たちじゃない。
もしかして、カタリナから聞いていたマリアさんが悪口を言われるというのは今日からなのか?
既に誰かから悪口を言われていて、平民と貴族の身分の違いを気にしているのかもしれない。
「キャンベルさん、大丈夫。きっと学園生活は楽しくなるよ。いや、一緒に楽しく過ごそう」
俺がそういうとマリアさんは今までで1番の笑顔を見せた。その笑顔はカタリナとどこか似ていた。
そう、例えるならカタリナは
「ありがとうございます」
「校舎に戻ろうか」
俺はカタリナにこの事を話すことにした。俺がマリアさんと出会ったこと。それとカタリナの話をしたこと。
⬜︎⬜︎⬜︎
憂鬱な気持ちで入学式に出た。どうしても、魔法学園に対して楽しみという感情を持てなかった。
私、マリア・キャンベルは光の魔力を持っている。だから今日から魔法学園に入学する。
1人寂しく歩いていると一際目立つ集まりがあった。全員が綺麗な格好をしていて佇まいからも気品が溢れていて地位の高い貴族なんだとすぐに分かった。
遠くから見ていただけだけど、やはり私はこの学校に相応しくない様な気がしてもっと憂鬱になった。
「あの子が平民の————」
「平民の癖に光の————」
聞きたくもない言葉が聞こえる。私だって欲しくてこの魔力を持っているわけじゃない。むしろ、もっと相応しい人が持つべきなのに。
そんな気持ちで学食の席に座った。そこにいることは廊下を歩くことより苦痛に感じる。
私に、たくさんの視線が集まっている。どこからか聞こえる言葉は、すべて自分の悪口の様に聞こえて苦しかった。
「こっち行こう!」
突然、手を引かれて中庭に出る。そのままベンチに座って、私の手を引いたその人も隣に座った。
食堂で隣の席に座ってたみたいだけど全く気が付かなかった。
「ごめんね、引っ張って。すごい注目浴びてたから嫌かなって。貴族の中には平民を低くみる人がいるから……。あっ、もちろん俺はそんなこと思ってないよ」
その人は、さっき目立つ集まりの中にいた1人だった。会話した時の印象は落ち着いていて、いつも冷静そうな雰囲気。
その人は私の手を引いてここまで連れてきたことに対して謝ったけど、私はその行動をありがたいと思ったからお礼を言う。
「いえ、ありがとうございます」
「そういえば自己紹介がまだだよね。俺はルビア・バルスリア。貴方は?」
ルビア・バルスリアと名乗った彼を私は知っている。もちろん会ったこともないし知識として知っていただけだけど。
貴族の集まる学園に入学するのだからと有名な貴族はすべて名前を覚えたけど、それがこんなところで役立つとは。
バルスリア様はバルスリア公爵家の長男。やはり大貴族だった。
「マリア・キャンベルです」
「うん、よろしくね。キャンベルさん」
表情はあまり変わらないがフラットに話すバルスリア様。すごく優しそうな人。さっきの言葉通り私のことを平民とかじゃなく、1人の人として見てくれていると感じる。
「そういえば、そろそろ夏野菜を植える時期だね。キャンベルさんは畑とかで野菜を育てたことある?」
「え!?野菜ですか!?」
「うん、野菜」
突然、野菜の話になった。本当に唐突に。驚いて聞き返して聞き返してしまったけど、やはり話題は野菜の様だ。
うーん。そういえば昔は父が畑をしていたな。本当に昔、私がまだ小さい頃。
「昔は実家の方でやってましたけど、ここ数年は全くやってないですね。バルスリア様は畑をやっていらっしゃるのですか?」
「うん、親友とね。一度やってみると、中々楽しいんだ」
そう言ったバルスリア様の顔は、落ち着いていてあまり表情の変わらない顔が
「そうなんですね」
「驚いた?貴族はそういう仕事を自らやろうとしないからね。変なところで綺麗好きなんだ。カタリナは……親友は変だよね。楽しそうに畑を耕してる。面白いけどさっ」
私の中でバルスリア様の印象がガラリと変わった。バルスリア様は落ち着いていつも冷静な人だと思っていた。
でも、バルスリア様はよく笑う人だ。カタリナと言った親友の話をする時は特に。まるで
さっきまでの落ち着いた様子と違う笑顔がなんとなく、カタリナ様のことを好きなのかな、なんて思ってしまった。
「バルスリア様は、その親友とおっしゃったカタリナ様のことが好きなんですか?」
「ん?あぁ。……えぇ!?」
やっぱり突然こんなことを言うのは失礼だった。バルスリア様の様子から地位の高い貴族だと言うことを忘れてしまう。
「す、すみません。突然失礼でしたよね。ただ、カタリナ様の話をする時は普段の時と違って、とても笑顔でしたので」
「カタリナは、本当に素敵な女性だ。キャンベルさんも仲良くなれるよ。むしろ、カタリナの方から声をかけてくるかもね」
否定もしないし、肯定もしない。だけど、やっぱりそれは間違ってないと私は思う。だって、カタリナ様の話をする時はすごく優しい笑顔になってる。幸せそうな笑顔。
バルスリア様はクラエス様が私に声をかけてくれると言ったけど、やはり私は平民。クラエス様だって、もちろんバルスリア様も大貴族だ。私なんかが軽く口をきいていいとは思えない。
「それは、なんだが申し訳ないです」
「どうして?」
素直に言ったけど、バルスリア様は不思議そうな顔をした。この人は本当に優しい。私はバルスリア様の様に高貴な身分ではないのに。
「バルスリア様の仰るカタリナ様はカタリナ・クラエス様ですよね?」
「そうだね」
「バルスリア様もですけど、クラエス様は大貴族です。私のような平民が仲良くしていいような人ではない様な気がして……」
バルスリア様は少し悲しそうな顔をする。どうしてバルスリア様が私より悲しそうなのだろう。
この人は私の考えも、私の気持ちも見抜いているのかもしれない。そして、自分も同じ気持ちになっている。
「キャンベルさん、大丈夫。きっと学園生活は楽しくなるよ。いや、一緒に楽しく過ごそう」
バルスリア様のいう『学園生活は楽しくなる』ということは不確定な未来だ。でも、この人は一緒に楽しく過ごそうという。
この人はやっぱり私を1人の人として見てくれる。身分なんて関係ない。それが、今の私には心の底から嬉しかった。
⬜︎⬜︎⬜︎
「と、いう感じで俺はキャンベルさんと仲良くなったんだよ」
「で、告白したんですか!?」
そもそもジオルド達のマークが強すぎて、2人っきりになった今はあの入学式の一週間後だ。
既にマリアさんとは何度か話しているし、美人な人だとは思うが好きにはなってない。だから告白もしていない。
どうしてカタリナは俺が告白したのだと思ったのだろうか。
「俺は好きな人にしか告白しないよ」
「えぇ!?やっぱり告白してしまったのね?」
「えぇ?してないよ」
なぜか告白したと勘違いされて。訂正したけど、どうにも聞いていない。これじゃあ誤解されたままになってしまう。
俺が好きなのはカタリナだ。それは、これからも変わらないのに。
「カタリナ」
「はい—————!?」
声をかけて後ろから抱きしめる。季節は春。まだ肌寒さが残るこの時期、カタリナは暖かい。
「人肌を感じると心があったかくなるでしょ?カタリナはまた畑を耕してる。それは破滅からの逃げ道を作っているということだ」
「マリアちゃんの魅力が予想以上で」
「俺はあったかい?大丈夫。俺はカタリナを本気で守るさ」
その為に騎士団を作って忍ばせて。それはもう全力で対策をしてきた。ここで守れないのなら俺のいる意味がない。
「ありがとうございます。あったかいですよ」
「俺もあったかいよ」
カタリナは俺を振り解かない。そのまま数分、お互いの温かさを堪能した。
カタリナとルビアは似ています。
カタリナは前世を思い出して太陽みたいに笑って、カタリナに影響されたルビアも太陽みたいに笑う。
類は友を呼ぶと言いますしね!だからこそ、2人は仲良しです!!