俺の好きな人は破滅フラグがあるらしい…   作:とうふ

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アニメ観てたんですけど、やっぱりはめふら面白いですね!

今、アニオリ展開を入れるか迷ってる……どうしようかな。


14話 お菓子は美味しい

 俺が父から自由に行動していい代わりに出されている条件は『他者から見た場合、公爵令息として誇れる人であること』だ。

 それは、俺の行動も、学園での成績でも。

 学園に入学して数週間経った今、学問と魔力のテストが行われてその結果が発表された。俺の結果は7位。もちろん上からだ。これで父さんに何か言われることはないだろう。

 正直にいうと、上位7位までのテスト結果はそれ以降とレベルが違う。俺と8位の人で点数は50点以上違うのだ。そして俺より上にいるのは俺の友人。

 そして、例年通り生徒会に入ることになるのだが俺は不満に思った。

 

『生徒会の仕事に時間をとられカタリナと会えない』

 

 カタリナは生徒会に入ることはなかったから、仕事に手間取られカタリナと遊べなくなってしまう。それは本当に困る。

 

「僕は少し教師と話してきます」

「私も行きますわ」

 

 そこで、同じように考えていた友人たちで学園の先生の元へ行くことにした。

 ジオルドが先頭で職員室に入る。生徒会に入ることになっている成績上位組が揃って職員室に来るものだから先生たちも驚いていた。

 

「カタリナ・クラエスも生徒会室に入れる許可をください」

 

 ジオルドがそう言うと、深刻な内容ではないことの安心感と、とんでもない内容である不信感で先生たちは困った顔をしていた。

 

「ジオルド様。クラエス様は生徒会に任命されていません。なので許可はできません」

 

 しかし、先生は断る。理由は当然な内容だが、それで納得できるわけがない。

 

「では、僕は生徒会に入りません」

「僕もです」

「俺も」

「私もですわ」

「私もです」

「もちろん俺も」

 

 全員の意見の一致。先生たちはどうするべきか考えているようだった。

 

「しかし……」

 

 名誉ある生徒会にカタリナが入っていいものか考えているのだろう。

 しかし、悪いわけがない。カタリナが仕事をするわけではないし、俺たちはカタリナがいることによりやる気が上がる。

 ダメなところなんて一つもないじゃないか。

 

「いいと思いませんか。()()()()()()

 

「え゛……」

 

 俺は最後の一押しの為エレットに声をかけた。話をそばで聞いていたエレットは顔を顰める。これぞ上司の強み。

 バルスリア騎士団魔法学園教師担当エレットくん。もしかして、上司(オレ)の言ったことに反対しちゃうの?

 

 俺の一種の脅しに、そばで聞いていたヨレットはドンマイと言った視線をエレットに向けていた。

 

「ま、まぁ。生徒会の仕事に支障が出るわけではないでしょうし、いいのではないですか?」

 

「————そうですね。分かりました。カタリナ・クラエス様の生徒会室の入室許可を出します」

 

「はい、ありがとうございます」

 

 こうして、カタリナは俺たちと一緒に生徒会室に入れるようになった。

 

 

 

⬜︎⬜︎⬜︎

 

 

 

「うぅ、強い……」

 

「カタリナ様はまだまだですね」

 

 楽しげに「チェックメイト」とソラがカタリナをチェスで負かしていた。その時、ルビアは忙しそうに書類を見ている。

 

「カタリナさん。お茶をどうぞ」

 

「あっ、会長。ありがとうございます」

 

 シリウスは紅茶を淹れてカタリナに出した。とても優しい味のするシリウスの紅茶をカタリナは大好きだった。

 

「ソラ様は本当にチェスが強いですね!私じゃまだまだ勝てなさそう」

 

「俺に敬称はいりませんよ、カタリナ様。それと、カタリナ様も前回に比べて上達しています。俺じゃあすぐに抜かされそうだ」

 

 愉快そうに笑うソラを見てカタリナは何度も貴族らしくないと思っている。カタリナはソラはバルスリア家で生活している平民だと聞かされている為、いつも笑顔を見て納得する。

 ソラは魔力の才能がないが技量が良かった。頭の良さに、弱いながらも巧みに使う魔法で成績上位。その為生徒会メンバーに選ばれた。

 そして、ニコル争い後も残った3人のうちの1人。

 

「よしっ、終わったぁ‼︎キャンベルさん、差し入れで貰ったお菓子を開けようよ」

 

 大きな声を上げながら仕事を終わらせたルビア。その耳にはピアスがない。

 ルビアはこの生徒会では誰一人として人見知りせずに会話できるようになっていた。

 

「召し上がってください。きっと、会長の紅茶と合いますよ」

 

 マリアは微笑みながらお皿にお菓子を出して机に置いた。

 ルビアとカタリナは目を輝かせてお菓子を食べる。

 

「んん〜っま!会長の紅茶と本当に合います」

 

「それは良かったです」

 

 歓喜の声を漏らしながらルビアは美味しそうに食べる。

 それを反面教師とし、カタリナはいつもと打って変わって上品に食べる。真意は「ルビア様はいつまで経っても子供ね!」だ。

 

「本当に、紅茶とよく合います。美味しいです」

 

「とても美味しいですよね。学園の生徒さんが生徒会への差し入れでくださったものなんですよ。紅茶はいつもの会長の紅茶ですね」

 

 マリアが答えた。シリウスは誰よりも多い仕事を今も励んでいる。

 忙しいにも関わらず、生徒会室に訪れる人には必ず紅茶を用意する。今この場にいる、ソラ、マリア、カタリナ、ルビアの全員にはシリウスの淹れた紅茶がそばにあった。

 シリウスとは優しい人なのだ。それが紅茶の味にも出ていた。

 

「キャンベルさんはお菓子を作ってこられないの?」

 

 お菓子を頬張りながらカタリナはそう言った。その言葉にマリアは驚いていた。マリアは誰にも話していないことであってなぜカタリナが知っているのかと言う疑問を抱いていた。

 そして、カタリナは焦る。「お菓子作ってきなさいよ」的な脅しに聞こえてしまったのではないかと焦っている。

 

「いや、無理して作ってこいと言うわけじゃなくてね?……そのー」

 

「どうして私がお菓子を作っていることを知っているのですか?」

 

「え~と、そ、その、食堂のおばちゃんにそのような話を聞いて……」

 

 脅しと感じていないマリアだがなぜ知っているのかという指摘にカタリナは戸惑ってしまう。素直なマリアはカタリナの話す嘘を信じた。

 

「私の作るお菓子は皆様に出せるようなものではありません……」

 

 申し訳なさそうにマリアは顔を伏せた。生徒会では誰もマリアを平民だと見下す人はいない。しかし、目の前に広がる高級菓子を見てマリアは自分の作るお菓子は出してはいけないと感じる。

 

「そういえば、クラエス家のメイド頭さんの作るお菓子を思い出したよ。あれ、美味しいよね」

 

 思い出したというようにルビアがそう言った。クラエス邸を我が家のように行き来するルビアはクラエス家のメイド頭が作る手作りお菓子を何度か食べたことがあるのだ。その味は素朴だからこその美味しさがありルビアもカタリナも大好きだった。

 カタリナがマリアの手作りお菓子の話をするので、ルビアは手作りお菓子の味を思い出し恋しく思った。

 

「御二方は手作りお菓子を召し上がるのですか?」

 

 マリアが驚いた顔をする。それは当然、二人の身分は公爵家であって一般的に手作りのものを食べるような身分ではないからだ。

 マリアの驚いた顔に二人は微笑んで言う。

 

「あのお菓子の味が恋しくて……。キャンベルさんさえ良ければ作ってるお菓子を少しだけでいいので分けてもらえたら嬉しいのですけど、材料費もあるでしょうからお金もちゃんと払わせて貰うから」

 

「うん。俺も食べたいな、手作りお菓子。カタリナに同じくお金は払うよ」

 

 二人は目を合わせながら「お金はあるから」と笑う。お金を払ってまで食べたい二人の執着を感じる。

 マリアは初めて自分の作ったお菓子を食べたいと言われた喜びから、笑顔になった。

 

「材料は学園の調理場で余ったものをいただいてるだけなので、お金はいりません!……本当に素人の趣味で作っているだけですので、御二方のお口にあうかどうか分かりませんが……近いうちに持ってきますね」

 

 恥ずかしそうに、嬉しそうにマリアは言った。

 マリアのその返事にルビアとカタリナは手を取り合って喜んだ。

 

 

 

⬜︎⬜︎⬜︎

 

 

 

 生徒会は意外と多忙だった。思ったより自由な時間が少ない。そもそも二年生の生徒会員が三人の時点で仕事量と比になってない。

 おかしいでしょ!シリウス会長の机を見てよ、ほら大量のプリント。あの量を毎日こなす会長もだいぶとおかしい。

 

 しかし、今日は許そう。なぜならマリアさんの手作りお菓子が食べれるのだからな!

 ふふふん♪楽しみだなぁ。最近ではカタリナがマリアさんのお菓子の美味しさをたくさん聞かせてくれたから、より楽しみに感じる。

————あれ?カタリナはどうして食べたことのないマリアさんのお菓子の美味しさを知っているんだ?

 まぁいい。とりあえず早く仕事を終わらせよう。えぇ?悩み相談だあ?やれやれ、生徒会は相談係じゃないんだぞ。

 

「終わったぁ‼︎って、あれ?カタリナもキャンベルさんもまだ来てないんだね。いつもはもういる時間なのに」

 

「ジオルドが様子を見に行ったからそのうち来るだろ」

 

 アランが仕事に手をつけながら教えてくれた。

 そして数分後三人はやって来る。

 

「ルビア様、ごめんなさい!」

 

 直角に頭を下げてカタリナは俺に謝った。なるほど、なるほど。訳を聞くとマリアさんのお菓子が美味しすぎてカタリナが全て食べてしまったらしい。

 

「まぁ、いいよ。その代わり、次用意してもらうキャンベルさんのお菓子は俺が多めに食べちゃうからね!」

 

「はい……」

 

 カタリナは少ししょんぼりしていた。それほどまでにマリアさんのお菓子は美味しかったのか……。

 カタリナが席についていつも通り課題を始めた。俺は既に仕事を終えていたのでマリアさんの仕事を手伝う為マリアさんの隣に座る。

 

「あの、バルスリア様。クラエス様は私がダメにしてしまったお菓子を食べたのです。クラエス様は何も悪くなくて、私が悪いんです」

 

 先程、俺がカタリナに言ったことが気になっていたのかそう言った。

 いや、俺はカタリナにもマリアさんにも怒ってないけどね。

 

「キャンベルさんのお菓子はカタリナが気に入ったみたい。俺に作り方教えてくれないかな?」

 

 カタリナの胃袋を既に掴んだマリアさんのお菓子を俺が作れるようになれば、よりカタリナと近づけるだろう。ふふふ、婚約者の座を奪う未来はそう遠くないぜ。

 

「もちろんです。私なんかで良ければ」

 

「うん!じゃあ次にお菓子を作る時、声をかけて!」

 

 こうして、俺のマリアさんお菓子作り講座への参加が決定した。

 

「あの。バルスリア様の言った通り、クラエス様は本当にお優しい方ですね」

 

 顔を少し赤らめてマリアさんがそう言った。ん?こんなような状況になった時は決まってこうなる。

 

「……うん、キャンベルさんも仲良くなれそうでしょ?」

 

 あぁ、マリアさんもカタリナのことを好きになってしまうだろう。そりゃあカタリナは素晴らしい人だから仕方がないけど、うーん。強敵になりそうだ。




ソラは魔力の才能がないけど、なんとか頑張って生徒会に入りました!
努力家ですねー。私も見習いたい。
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