俺の好きな人は破滅フラグがあるらしい…   作:とうふ

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やっとストーリーが進むよ!
前回なんか全部オリジナル展開で本当申し訳なかったです!
今回はバリバリ原作キャラ出てるよ!!嬉しい!

8話もぜひ最後まで読んでください。


8話 俺に勝ってから挑め!

 いやぁ!久しぶりのクラエス邸だ!

 じい様の飴と鞭という言葉がふさわしい特訓を乗り越え、父さんとの騎士団会議を終え……。

 俺は一回り大人になってクラエス邸に一歩踏み出す。

 

「カタリナーー!!久しぶり〜!!!」

 

「あっ!ルビア様!待ってました!!」

 

 馬車から降りて門をこえるとカタリナが出迎えてくれた。

それは約1ヶ月ぶりのカタリナで、その服装はよく見る作業服にほっかむりという格好ではなく、きちんとしたドレスだった。

 カタリナはとても笑顔でそれはそれは可愛くて。

俺の貴族としての自制心が折れカタリナに()()()()()しまった。

 

————時すでに遅し、それを目撃していたキースと、なぜかいるアラン王子が口を開け驚愕する。

 ミスった!いつもなら耐えるのに、今日はつい勢いで抱きついてしまった!一回り大人になったはずなのに、キースやアラン王子はきっと「貴族としてなってないっ!」と怒るだろう。それはもう母さんのように。

 

「うわぁー!ルビア様!義姉さんから離れてください!」

「おいっ!お前カタリナから離れろ!」

 

「そうだよね!ごめんっ!カタリナ!」

 

 そのまま2人に剥がされながら離れ、カタリナの様子を見る。

 怒るかもしれないと思っていたが、何故かカタリナは目をキラキラさせて嬉しそうに口をほころばせていた。

————え?

 その様子にはキースもアラン王子も口をあんぐり。

 

「ルビア様!そんなにも木登りがしたかったのですね‼︎確かにこの1ヶ月ほどは一緒に木登りができていませんもの。ルビア様っ!木登り仲間も増えましたし、一緒に木に登りましょう‼︎」

 

「あ、えっと……うん!木登りしたい!」

「義姉さん、何でそうなったの……」

「カタリナ……大丈夫か?」

 

 正直訳が分からなかったけど、カタリナは怒っている様子ではないことに安堵して、そのまま木のそばに移動した。

 しかし、何故かさっきから隣にいるアラン王子が俺のことを睨んでくる。ほぼ初対面と言っても過言ではない相手と会話をするなんて俺には無理。だから睨まれてるけどなんもできない。

 カタリナ!助けてくれ!

 

「あっ!すみません、アラン様とルビア様は初めて会いましたよね?アラン様、こちら私の幼馴染であるルビア様です」

 

「あ、はじめまして」

 

 本当はお城ですれ違ったことはあるのだが、訂正するのも面倒なのでそのままにする。

 

「ルビア様、こちらはジオルド様の双子の弟である第四王子のアラン様です」

 

「あぁ、はじめまして」

 

 アラン王子もどことなく気まずそうでなんか申し訳なくなった。

 

「じゃあ挨拶も済んだことですし、木に登りましょう‼︎」

 

 きっとカタリナの頭の中は木登りでいっぱいで、その水色の瞳に映るのはきっと目の前の木だけだろう。

 なんか悔しい。木に嫉妬するのは初めてだよ!

 

「おいカタリナ!今日こそは俺が勝つんだからな!ルビアとかいうお前も、邪魔すんなよ!」

 

「え?勝負してるの?キースどういうこと?」

 

 アラン王子の意味不明な言動の説明をキースに頼む。

 カタリナに教えてもらうのが正しいのだが、今のカタリナは頭の中が木でいっぱいだからきっと上手く説明してくれないだろう。

 

「えっと、先日アラン様がうちにやってきて、義姉さんに勝負を挑んだんです。そうしたら義姉さんは木登りで勝負と言って、こうした状況になってる訳です」

 

「なるほど、わかった。いや、わからないけど」

 

 うーん、やはりカタリナの思考は読めない。どうしたら王子との勝負が木登りになるのだろうか。もっと別のがあるだろうに。そもそもなんでアラン王子はカタリナに勝負を仕掛けたんだ?

 勝負するにしても、アラン王子もなんで木登り勝負を受けた?執事やメイドは止めなかったの?いや、止めようとしたけど止めれなかったのかな。

 カタリナ、俺はきっとクラエス夫人がいつか雷を落とすと予想するよ。

 

「アラン様、何度やっても私には勝てませんよ。そろそろ諦めたらどうですか?」

 

「くっそぉ〜!俺はまだ負けてないぞ!」

 

 ふむ、俺はアラン王子が許せない。なんでかって?

 

「おいっアランーー!俺だってカタリナに木登り勝負、勝ってないのに、なぁ〜に勝手にカタリナに勝負挑んでんだ!!俺に勝ってからカタリナに勝負を挑め!!()()()()()!」

 

「な、お前、俺を()()()()()と言ったな!撤回しろ!俺は王子だぞ!」

 

「撤回しねぇよ!ばかやろう!カタリナと勝負する前に俺と勝負しろ!」

 

「あぁ、受けて立つぞ!俺が勝ったらばかやろうって言ったことも撤回しろよ!」

 

「「ふんっ」」

 

 お互いにそっぽを向く。アランめ、木登り勝負なんて勝手にしやがって羨ましすぎるぞ!

 木登りにおいてカタリナを超えられる逸材は俺だけだというのに。

 絶対にこの勝負、勝つ!

 

「えぇ〜!2人だけで勝負するんですか?私も混ぜてほしいです‼︎」

 

「「カタリナ!俺たちの勝った方がカタリナと勝負だ!」」

 

「……はい、わかりました」

 

「えっと…?じゃあ僕は審判するよ」

 

 俺が言い出したが、なんでこうなったかよくわからなかった。

 まぁ、悪いのはカタリナに勝負を挑んだアランで、俺は悪くない。

普通カタリナと木登りの勝負をしている人がいたら腹が立つよね!?うん、俺は悪くない。

 

 

 

⬜︎⬜︎⬜︎

 

 

 

「————おいっ!ルビア!今日は俺が勝つぞ‼︎それでカタリナにも勝つ!!」

 

「はぁぁ?今日の俺はアランに勝つよ!それでカタリナに勝負を挑むのは俺だよ!!」

 

「じゃあ、いつも通りに……位置について、よーいどん!」

 

 俺とアランの対決は未だに決着がついていない。

 審判としてキースがいるが見たところ同じタイミングで登りきっている。執事やメイドにもジャッジを聞いたが返事はドロー。

 最近の俺の日課にはアランとの木登り対決が入っている。

 

「くっそ!今日も決着がつかないのか!」

 

「しょうがないですね!じゃあ()()()()()()私が教えてあげますわ!」

 

 カタリナは胸を張ってそう言う。

 アランとの対決が終わったあと行われるのがカタリナによる木登り指導。どこに手を置けばいいか、どうやって早く登るのか。

 なかなか為になることを教えてくれる。どうしてか、この時のキースの顔は微妙な感じ。

 

「流石に決着がつかなすぎですから、別の内容に変えた方がいいんじゃないですか?」

 

「確かに一理あるね」

 

「俺も賛成だな。ルビアに勝てないままじゃ、カタリナにも勝てない」

 

「僕も、そろそろ審判疲れたよ」

 

 これも恒例の木登り後のティータイム。美味しいお菓子と紅茶を飲みながらただ喋る。

その時間に勝負変更の話が上がった。

 俺としてはカタリナと木登り勝負をされるのが嫌だっただけなので「あ、じゃあどうぞご自由に」と言えばいいのだが、なんかかっこわるい。

そんなことしたらきっとアランには「はっ、俺に負けるのが怖いのか!」と言われるに違いない。

 だから俺も当然のように勝負に参加する。

 

「ピアノなんてどうでしょう!」

 

「まぁ、俺は別にいいよ」

 

「俺も構わない」

 

 正直自信があった。父さんにどうしたら好きな子と両想いになれるかと聞いたことがあった。父さんの返事は「音楽ができる人は昔から人気だったよ」と言う。

 その言葉を聞いた時から俺は音楽にはそれなりに力を入れている。正直、脳筋そうなアランには負けない自信があるね。

 

「これは3人がそれぞれピアノを演奏して、誰が一番上手だったかでいいんじゃないかな?」

 

 キースがそう言った。もちろん反論は出なかった。それが一番いい勝負方法だろう。

 ふむふむ。これはなかなかいい機会ではないか。俺の完璧な演奏で、「くそっ、俺の演奏じゃルビアの演奏の足の爪の先にすら及ばない!」とアランに言わせ、「ルビア様!ピアノすごい上手なんですね!私、ルビア様のこと好きになっちゃいましたわ!」とカタリナと両思いになる。

 完璧だっ!よしっ!早く勝負を始めよう!

 

「誰が一番最初に演奏する?」

 

「じゃあ私が一番に演奏しますわ!」

 

 カタリナがそう言って演奏を始めた。カタリナの演奏はスムーズに進んでいてミスもない。見本のような演奏だった。

 

「すごいっ!カタリナ演奏上手いね!」

 

「ありがとうございます!これでも教わってるんです!」

 

 嬉しそうにカタリナが笑った。よしっ!次は俺が演奏するか!

 

「ルビア様の演奏楽しみです!」

 

 そして始まる俺の演奏。できるだけ滑らかに、楽譜にある強弱記号に気をつけて、お手本通りに。

 そして演奏が終わる。自分的にはまぁまぁだったと思うがこれでカタリナが俺を好きになってくれるかはわからない。

でも、アランに勝負を諦めさせるくらいはできるんじゃないかな?

 

「すごい上手です!」

 

「まぁまぁだと思うぞ」

 

 な ん だ と !!

 カタリナが俺を好きになっていないことはともかく、なんでアランは平然としているんだ!まさか、アランの方が上手に演奏できる??嘘だろ……。おい、やめてくれよ?

 

 そして始まるアランの演奏。その演奏は3人の演奏の最後を締めるには完璧でそれはそれは素晴らしい演奏だった。

————ま、負けた。これは完全敗北だ。

 

「くそっ!すごい上手ですだよ!悔しい!これは俺の負けだ」

 

「本当上手でした!素晴らしい才能ですね!」

 

「僕も感動しました!同じ曲とは思えないです」

 

 キースの言う通り、アランの演奏はまるで別の曲だった。カタリナや俺はあくまでも曲を模範して演奏している。

 だけどアランは違う。強弱だけには及ばず曲を崩さず多くアレンジを入れている。しかし、音自体は変えていないので違和感もない。

 

「才能なんて……俺はジオルドには及ばない」

 

 ジオルド?どうして今ジオルドの名前が出てきたのだろうか。

 確かにジオルドはなんでも完璧にこなす。だけどアランも似たようなものだろう。木登りなんて俺と並ぶくらい上手いし、音楽に関しては完敗だ。

 

「どう言うことですか?」

 

「俺はジオルドの残りかすなんだ。ジオルドにいいところを全部持ってかれた。ジオルドはあれだけ完璧なのに」

 

「そうですか?私はアラン様も素晴らしいと思いますけど。それに、ジオルド様にだって()()あるんですよ?ね!ルビア様」

 

 急にアランのテンションが下がったがカタリナの言葉に俺のテンションは上がる。

 カタリナの言うジオルドの欠点とは。最近手紙で破滅フラグ回避に役立つということで教えてもらった。

 

「ねぇ、俺いいこと思いついちゃったー!みんなでやろうよ」

 

 今の俺はきっと悪役の顔をしているだろうか。まぁそんなことは関係ない。

 ジオルドには普段からギャフンと言わせたいと思っていたからいい機会だ。待ってろよ、ジオルド!!

 

「俺たち4人がおもちゃにしてやろう」

 

 俺とカタリナは面白さから、悪い顔をする。アランも訳は分かっていないが、楽しそうだ。

 

「え、僕も入ってる?」

 

 ただキースは巻き込まれていた。

それでも不満はなさそうだったが。




聞いてくださいよ!

「おいっアランーー!俺だってカタリナに木登り『勝』負、『勝』ってないのに、なぁ〜に『勝』手にカタリナに『勝』負挑んでんだ!!俺に『勝』ってからカタリナに『勝』負を挑め!!ばかやろう!」

このセリフに『勝』って言う字6つも使ってるんですよ!びっくり!


さーて来週のジオルドくんは、
「そこで何やってるんですか?(暗黒微笑)」
ですね!

騎士団設立の話ってどのくらいの長さがいいですか?

  • しっかり、がっつり
  • そこそこ、深く
  • さくっと、ちゃちゃっと
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