ReviseダンガンロンパXX《ダブルクロス》 作:ナーガ工場長
ダンリデとの同時進行ですがよろしくお願いします。
Part.1
………時間になりました。これより、起動準備を始めます。
バイタルチェック開始。………
体温異常なし。
脈拍異常なし。
脳波異常なし。
他、身体的異常はみられません。
オールグリーン。
対象人物16名の異常確認完了。
コールドスリープの解除を許可します。
Prologue.
『
main()
{
printf("Hello,New World!\n");
}
』
………変な夢を見た。『異常なし』とか『コールドスリープの解除』だとか。やたら機械的な事を告げる夢だった。
まぁ、それはともかく今日は学校だし早く朝ご飯を食べて学校へ行かないと。
「ふわぁ〜〜。それにしても、変な夢だったなぁ〜〜。」
いつも通り、ベッドから起きて部屋のドアを開けた………つもりだった。
「お母さんおはよ〜〜…………あれ?」
ドアを開けた先は変な機械がいっぱい置いてある無機質な白い部屋だった。
そもそも私が寝ていた部屋もわたしが寝ていたいつもの部屋じゃなくて、その変な機械だった。まるでカプセルみたいな形だな。同じものがわたしのものも合わせて全部で16個ある。
「…ん?…ん??…んん???」
ここ、どこだろ?というか、わたしの服もパジャマじゃなくて制服になってる!?
「お、落ち着け落ち着け…。こういう時はあれだ。素数を数えないと。」
2.3.5.7.11……頭を落ち着かせながら周りの様子を探る。
カプセル?が全部で16個あってわたしの物以外は全部開いている。
……ということは、ほかにわたし以外に最低15人はいるって事かな?
「私の他に人がいるんだとしたら…その人達ならこの状況を知ってるかも。……なら!」
誰かいるとしたら呼びかけないと!
「……すぅ………………すいませーーーん!!誰かいませんかーーーー!!!いたら返事してくださーーーーーい!!!」
わたしはありったけのボリュームを振り絞って大声で叫んだ。
大きさ、それにトーンは十分なはず。お願い、誰か気付いて…!
すると
「こっちから声がしたんだけどなぁ…。」
「つっても、誰もいないじゃねぇか。」
「お前なぁ…もうちょっと探す努力をしろよ。……おーーい!誰かいるのかーー!?」
扉の向こうから声が聴こえた。
「…!こ、ここです!!」
「レイ、こっちだ!こっから聴こえるぞ!」
「あれ?ここって例のカプセルの部屋か。って事は…?」
「多分、最後の1人なんじゃねぇか?まだ開いてないのがあったろ?」
「あぁ、なるほど。…声の感じからすると女子だな。」
「良かったじゃねぇか。可愛い子かもしれねぇぞ?」
「別に男子だろうが女子だろうが関係ねぇだろ!誰であろうとオレは受け入れるだけだ!」
「まぁ、いいや。…っし!早速ぶち破るぞ!!」
「いや、その必要ねぇよ!普通に開ければいいだろうが!」
「分かってねぇなぁ。冗談に決まってんだろ。真面目かお前。」
……いや、早く入ってきてよ!なんで扉の前でコントみたいな事してるの!?1人放置されて寂しいんですけど!?
「ちょっと!!早く入ってくださいよ!状況がさっぱり何ですけど!!」
「おぅ、悪りぃ悪りぃ。じゃ、入るぞ。」
そう言って中に入ってきたのはメガネと白衣を身につけた男の子とグレーのスーツを着たオールバックの男の人だった。白衣の子はわたしとそんなに年は変わらなそうだな。
「…と、アンタがこのカプセルに入ってたやつか。」
「そ、そうです。」
「これで16人目か…。何でこんなに集められてんだ?」
「そ、それはわたしも分からないですよ。家で寝てて起きたと思ったらこんな所にいたんですし。」
「手掛かりになる情報も知らなそうか…。で、アンタの『才能』は?」
「さ、『才能』?何の事ですか?」
「どうやら、今この場にいる人間は全員『趙高校級』って言われる才能を持ってるんだ。だから、アンタもそうだと思ってたんだけど…違うのか?」
「そ、そうは言っても私に何かあるわけじゃ…。」
そう言いかけた時、ふと頭の中にある映像が映った。
ーーアニメを見ている姿。そして、そのアニメに声を入れている自分…。
「…『声優』?」
「?何か言ったか?」
…そうだ、
「…わたしは『超高校級の声優』
「湊…?アンタ、あの湊優奈か!?」
「そ、そうですけど何か…?」
「レイ、知ってるのか?」
「当たり前だろ!あの『天裁戦隊アルティメイジャー』の悪役『ヘラ将軍』の声を演ってたんだぞ!それだけじゃねぇ!その一年前には『ラブ♡キュア』では主演を務めてて…同じニチアサ内で連続レギュラー、しかも悪役というまさかの抜擢…。その天才的な演技力で話題になってる声優なんだ!…オレ、アンタのファンなんだ!握手してくれ!」
「は、はぁ…。」
「まーたオタクトークかよ…。そんなだからモテねぇんだよ。」
「だからほっとけっての!筋肉が恋人の奴に言われたくねぇよ、この脳筋!!」
「…あ?テメェ、もう一回言ってみろ。脳筋だと?テメェにはこの肉体美が分からねぇのか?…っと、んなヒョロガキのオタクには分かるわけねぇよな、悪りぃ悪りぃ。」
「…随分と言ってくれるじゃねぇか。もう許さねぇからな…。荒れるぜ…止めてみな!!」
ま、また喧嘩!?どんだけ仲悪いの!?
「ちょ、ちょっと!まずは自己紹介くらいはしませんか?そこから先はその後でもいいかなって…。」
「……だな。アンタは特に何も知らない訳だし。……って訳だ、テツ。お前覚えとけよ。」
「こっちのセリフだ。とりあえずレイ、お前からしな。」
と、とりあえず仲裁出来た…のかな?
「さて、改めて自己紹介すっか。オレの名前は
……と、随分とまぁ大袈裟な身振り手振りを交えながら、白衣を着た男の子は自己紹介をした。
「コイツは再現不可能と言われた永久機関の制作に成功した奴なんだ。『インフィニティ』って言えば分かるんじゃねぇか?」
「あっ、ニュースで聞いた事あるかも。」
「だろ!?けどまだまだあんなのオレからすりゃ序の口だ!オレの目標はヒーローになる事!その為に変身できるベルトやブレスレット、合体出来る巨大ロボをマジで作るつもりだぜ!」
「あとは話を聞いたら分かる通りガチガチのオタクだ。」
オタクさんかぁ。なら、わたしもアニメ好きだしウマが合いそうだな。
気が合いそうな人で良かった。
「次は俺だな。俺は『超高校級の物理学者』、
「え、物理学者!?それに高校生なの!!?」
おじさんみたいな見た目だし、てっきり年上だと思ってたよ…。それから『鉄心』と『武怜努』…。だから、『テツ』と『レイ』か。
「おう、この見た目で高校生で物理学者だ。そして、物理学者たる所以はこの俺自身だ!」
「は、はい?」
「まぁ、分かりやすく言うとだな。コイツの肉体は物理学によって最適に鍛えられた身体なんだってさ。それ故に『歩く物理法則』って呼ばれてんだ。」
「最強の頭脳!そして、最強の肉体を体現したこの俺様こそ全てにおいて最強って訳よ!ハッハッハッハッハッハ!!」
凄い……のかな?
「…とまぁ、自己紹介はこんなもんでいいだろ。じゃ、よろしくな湊。」
「は、はい。よろしくお願いします!」
「あぁ、待て待て。そんな畏まらなくていいって。どうせここにいるのみんな高校生なんだからさ。」
「う、うん分かった。……じゃあよろしくね!…えーと……レイくん、テツくん!」
「……お、おう。」
「………そうだなー。はやくいどうするかー…。」
「?どうしたの?」
「しょ、初対面でレイくん、テツくんか…。」
「普段言われ慣れてるやつ以外から、しかも満面の笑顔でとは…。破壊力パネェな。お前がファンになる理由、何となく分かるな。」
「…だろ?」
何か変な事言ったかな?
「で、結局ここどこなの?」
「うーん、すぐ説明してもいいけど場所の説明も兼ねてラウンジに行くか。そこの窓を見たら一発で分かるし。」
「ふーん。じゃあラウンジに行こうか。案内お願いしてもらえるかな?」
「おう、任せろ!」
いざ、移動しよう!…そう思った瞬間、
『生体認証完了。生徒番号13、湊優奈。』
突然変な音声が鳴り響いた。
「う、うわわ!な、何!今度は何の音!?」
「腕だ、腕見てみろ。」
「う、腕?」
言われた通り腕を見るとブレスレットのようなものが巻かれていた。
ブレスレットというよりこれはスマートウォッチのようにも見える。
「な、なにこれ…?」
全く知らない間に巻かれていた物体を触っていると突然空中にディスプレイが浮かび上がった。
「おぉ……すごぉい。えーと『MonodroidⅡ』…。ものどろいど…えーと何て読むんだろ?それになんでわたしの顔とプロフィールが?」
「『モノドロイドツヴァイ』だな。よく分からんが、ここにいる奴は全員巻かれてるみたいだ。外す事も出来ねぇ。」
「まさか、外そうとすると中に仕込まれた毒が…!」
「そんな危険なもんは多分ねぇと思うが、とにかく外すのは無理だ。俺の力でも千切るのは出来なかったからな。」
「にしても、空中ディスプレイか。技術的には出来なくないが、こんな小さな物から大量に、ってのはまだ出来ないんだがな…。第一、そんなに普及してる訳でもないし。これ作った奴は何なんだ?」
ふぅん、『これ』はかなり技術が進歩してるってことか。分かったような分からないようなそんな感じだ。
「さて、ここで油売ってる場合でもないし早く出るか。湊、行くぞ。」
「う、うん。」
そう促されたので、2人が入ってきた扉へと向かう。
今更だが扉は当たり前のように自動扉だ。
白を基調としたメカニカルなデザインになっていて、さながらSF映画にでも出てくる宇宙船ような扉だ。
見れば見るほど普段生活している中だとまず見かけないような異質な空間になってる。…まさか、未来へ来ちゃった?いやないない!この短時間で驚くことばっか見てるんだし、これ以上驚くことはでしょ。…多分。
ーー廊下を歩いてる途中、無言で歩いているのもなんか気まずかったので、適当に話題を振ることにした。
「ね、さっき二人はお互いのことあだ名で呼んでたでしょ?二人は知り合い?」
「ん~そうだな~。知り合いっつーか…腐れ縁?」
「違いねぇな。俺がガキの頃からチョロチョロしてやがったしな。」
「チョロチョロって、お前が絡んで来てっからだろうが!」
「ん~?何のことだぁ?知らねえなぁ、お前みたいなチビは。」
「あ~マジムカつく!!コイツ幼稚園の頃からこんなんなんだよ!大体、お前からしたらほとんどの人間がチビだろうが!」
…まさかの幼稚園からの付き合いか~。それは最早『腐れ縁』じゃなくて『幼馴染』って言う気が…。
「でも、いいなぁ。知り合いがいるの。こんなよく分からないところで1人ってすごい心細いし。他の人たちでわたしを知ってるって人、誰か合わなかった?」
「いや、合わなかったなぁ。」
「う~ん、そっかぁ。ちょっと残念だな。…ま、仕方ないか。友達がいないんなら新しく作ればいいんだし!それに一生のお別れって訳でもないと思うし、その内会う事だっ「スキありーーーー!!!」ひゃあああああああ!!」
突如、後ろからスカートをめくられたと思ったら私たちの間を小さい子供がすり抜けていった。
「へへん!『ゴウ』兄ぃ、オレを捕まえてみなー!」
「…………えっと、はい?」
全然の脳の処理が追い付かない。
と、そこへ。
「そこの3人組!ちっちゃい子がこっち来なかったっスか?」
声を掛けてきたのはスポーツウェアを来た男の子だった。
「えっと、わたし達の間をすり抜けてあっちの方へ行ったよ。」
「了解っス!…ったく『ハルカ』のやつ、オレから逃げれると思ったら大間違いっスよ!…あ、ちょっとこれ持ってて欲しいっス。」
「あ、はい。」
と、上に着ていたジャージを手渡されてクラウチングスタートの構えをとった。
「…っし本気で行くか。位置に着いて、よーい……ドン!!」
掛け声と共に駆け出したかと思ったらものすごい勢いで走って行ってしまった。
「行っちゃった…。」
「台風みてぇなやつらだったな…。」
「それよりこれどうしよう…。ってちょっと!さっきパンツ見たよね!?」
「見てないぞー、なぁ?」
「そうだなー、見てないぞ。」
し、白々しい…。
「………ホントに?」
「ホントホント。」
「………何色だった?」
「水色。あっ。」
「もう、やっぱり見てるじゃん!早く忘れて!!」
「い、いててて…。悪かったって。」
「バカ正直に答える奴がどこにいるんだよ…。」
「黙っているのも問題です!!」
「わーった、わーった。悪かったよ。」
…わたしだけ損したのなんかムカつくなぁ。
「すいません!ちっちゃい子とスポーツウェアの子、見てないですか!?」
もう…今度はなに?
「見たぞ~。真っすぐ廊下を走ってったぞ。」
「ふむふむ…。となると、直にハルカはゴウに捕まえられますね。よかったですね、カスミ!マフラーはすぐ返ってきますよ!」
「……ん。」
1人は元気な雰囲気のチャイナ服、もう一人は白髪の無口な感じで見事なまでに真逆の雰囲気の女の子たちはどうやらさっきの二人に用があるみたいだった。
「え~と、さっきの二人は何?わたし、スカートめくられて一方的に損したんだけど。」
「なんと!それは災難でしたね!後でハルカにちゃんと謝ってもらわくては!」
「……ウララ。……先に自己紹介せんと。」
「おっと、これは失礼しました!アタシは『超高校級の拳法家』、
「………ん。
「カスミは、すっごい狙撃能力を持ってることで有名なんですよ!糸で吊られた5円玉の穴を傷つけずにライフルで通過させたとか…。あとアタシは国内外合わせて30000人の門下生がいる中国拳法の流派
「…ウララ、うるさい。」
…自分ですごいって言っちゃうんだ。でも、確かに常人離れした能力を持ってるって感じがする。
「…で、アンタは?」
「わ、わたしは『超高校級の声優』湊優奈です。」
「声優……ふぅん。」
そう言って極門さんはわたしのおでこに指を突き立てた。
「…え?」
「スキだらけ……アンタ、今死んだよ。……一瞬でも私の前でスキ見せないほうがよか。死にたくなかいでしょ?」
「え?……え?」
「カスミ、ちょっとからかいすぎですよ。ユウナ怖がってますよ?」
「……フフッ。…ちょっと遊びすぎたかな。大丈夫、そげんバカみたいに殺すこたなかよ。」
呆然としてる私をよそに笑っている。……ん?「よか」「なか」ってもしかして…方言?
意外と、極門さんってお茶目?
「で、さっきの二人に何の用だったんだ?」
「実はさっきのちっちゃい…えーと、『ハルカ』って言うんですけど、あの子にカスミのマフラーを取られちゃったんです。それを『ゴウ』が追いかけてて、今それをアタシたちが追いかけている状況ですね。」
「………寒か。………死ぬ。」
「いや、そんな寒くないでしょ!?」
「………アンタたちはそうでも、私は無理。………家帰ってこたつ入りたい。」
家か………うーん、すぐに変える事出来るのかな?
とそこへ、
「霞~うらら~。捕まえたっスよ~。」
「お、噂をすればなんとやらですね!お疲れさまでした!」
「こんなもん朝飯前っスよ!ほら『ハルカ』、ちゃんとマフラー返して謝れよ。」
「うぅ~。『ゴウ』兄ぃ早えよぉ…。」
さっきの小さい子の首根っこを掴んで男の子が帰ってきた。……まるで猫みたい。
「……はい。」
「ん。………ありがと。」
「そういやお三方、さっき挨拶できなかったよな?ちょっと急いでたんで申し訳ないっス!『ハルカ』もちゃんと挨拶しろよ?」
「も~。分かってるってばぁ。……『超高校級の曲芸師』
背も小さいし、名前もそれっぽいから女の子だと思ってたけど男の子だったんだ。まぁ、女の子ならスカートめくるわけないか。
「………ってさっきどさくさに紛れてスカートめくったの謝ってよ!わたしだけ無駄に損したんだけど!?」
「え~?そうだっけぇ?ま、いいや。ごめんなさいっ!」
「ひゃあ!」
謝ると見せかけて今度は胸を触ってきた。
「おぉ、意外とデカい。」
「………コラー!!」
「うわ、逃げろ!」
「逃がさねぇっての!!」
「わわっ!」
「…秒殺か。」
逃げる間もなく一瞬で捕まってしまった。
「………アンタ最低………これだから男は嫌い。………またいたずらしたら、撃ち抜くから。」
「は、はい…。」
極門さん………めっちゃ怒ってる。怖い…。
「しゃーねぇな、遥はオレが見とくっス。それよか次はオレの番っスね。オレは
「轟ってあの轟豪?天才的陸上選手って今話題の…。」
「いやーやっぱあんだけニュースになってるとみんな知ってるっスよね!そう、あの轟豪っス!でも天才って言われるのなんか恥ずかしいっスね…。オレはただ楽しくて走ってるだけなんスけど。」
『楽しくて』か。凄いなぁ、如何にも天才って感じだ。でも、何となくその気持ち分かるかも。わたしも楽しいから声優やってるんだし。
「じゃ、こっちは挨拶したし次は…って思ったけど、そう言えば鉄心と武怜努はもうしてたっスね。残ってるのは……えーと、さっき胸揉まれた人。」
もうちょっとマシな覚え方ないの!?
「えーと、ゴホン。『超高校級の声優』湊優奈です。」
「声優っスか。……うーん、すまねっス。オレあんまアニメ見ないからコメントしようが…。」
「だ、大丈夫。気にしないで。とにかく、よろしくね。」
「っス!!よろしくっス!……それで、アンタらはこの後どうする予定っスか?」
「とりあえず、湊を案内するつもりなんだけど…。」
と話していると、
『ピーンポーンパーンポーン♪当船にお乗りの皆様、大変長らくお待たせしましたー♪これより、船長及び添乗員のご挨拶を行います♪十分後に開始しますので、それまでにラウンジにお集まりする様、お願いします。尚、お集まり頂けない方の命の保証はしませんので、時間までに集合をしてくださーい♪』
何やら可愛らしい女の子の声のアナウンスが聞こえて来た。最後に聞こえた言葉がえらく物騒だった気がするんだけど…?
「丁度いいタイミングだな。ラウンジに行くとするか。」
「………ん。」
「『当船』って言ってたけど、わたし達は今船に乗ってるの?」
「船…か。」
「当たらずも遠からずって感じですね。」
「寧ろ、『普通の』船だった方がよっぽど良かったッスね…。」
「ち、ちがうの?その含みのある言い方は何?」
「ラウンジに行けば分かる。そこなら窓もあるしな。」
含みのある言い方、それに得体の知れない不安を感じながらラウンジに向かう事にした。