モンスターハンター 〜全身鎧の女狩人〜   作:平均以下のクソザコ野郎

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イスミ、出立。

『うえぇーん!おかあさぁーん...』

 

『こっち見んなよ〜!怖いだろー!』

 

『..あっちであそぼうぜー』

 

 

泣く子。嘲る子。認めない子。

子供の放つ、無意識のナイフが、あたしに向かってくる。今のあたしが当時を振り返れば、「あぁ、これか」と。指にできたささくれをいじるようなものだったが、まだ、何も知らなかったあたしにとってそれは、太刀で真っ二つにされるような衝撃だった。

 

 

『だいじょうぶ。おねえちゃんは、とっても___』

 

 

...あぁ、また、また、これか。

 

 

あたしの目の前で潰されたそれは、ただの肉塊だった。

さっきまで喋りかけていたそれが、一瞬にして____

 

 

ーーーーー

ーーー

 

「...っ、....」

 

朝日に包まれ、起き上がる。

ニケの里が起き始めるまだ少し前に、ハンターのイスミは、汗にまみれて起床した。全身を覆うインナーで過ごすにはいささか寝苦しく、また、先程まで見ていた悪夢によってかいてしまった汗を流しに、拠点に備え付けられた浴室へと足を運んだ。

 

ーーーーー

ーーー

 

自然豊かだが、様々な人達が行き来する中継地点、ニケの里。ハンターであるイスミは、この中継地点を年下の先輩ハンターと共に守っていた。

 

「...おはようございます」

 

「おはおは、イスミっちー!今日もよろしクシャルダオラー!」

 

「...あんたの愉快な顔を見て朝飯食う気が失せちまったじゃないか、アンネ」

 

「え〜!?それは大変だぁー!おかゆなら食べれる!?」

 

双剣...のようなごっこ遊びのおもちゃをかちかちと鳴らしながら、バタバタと騒がしくイスミの周りを走り回る、EXレウス装備の女性ハンター。赤く長い髪をツインテールにし、大きな瞳と長い睫毛が特徴的な少女だ。アンネと呼ばれた彼女こそ、イスミと共にこの里を守る年下の先輩ハンターである。

 

「食わない。...はぁ...なーんであんたみたいな天才と、あたしの二人組なんだ...あんただけで十分だろうに...」

 

「私褒められた?やったー!」

 

能天気そうに笑ってぴょんぴょんはね回るアンネ。ため息をついて頭を抱えていると、受付嬢が、依頼状を手に、2人に向かって走り寄って来た。

 

「イスミさーん!」

 

「ん?」

 

「名指しでのご依頼です!どうぞ!」

 

受付嬢が、勢いよくイスミに依頼状を手渡す。

 

「...アンネじゃなくてあたしに?何かの手違いじゃないのかい」

 

「手違いじゃありませんよ?依頼人はカムラの里に居住のハンター、ウツシさんです。確か同期でしたよね?」

 

ウツシ。自分の同期であるその名前に少しの懐かしさを覚えながら、イスミは依頼状を手に取り、まじまじと見る。

依頼内容は、『建設中の砦を、百竜夜行から防衛する』...というものであった。

 

「百竜夜行...!?...こんな大物の依頼をあたしに...」

 

「どうでしょうか、イスミさん。受けて頂けますか?」

 

「...」

 

「イスミさん?」

 

イスミは、悩んでいた。

百竜夜行といえば、大型モンスターが大量に現れる大災害。そんな所に、自分のような新人が行って役に立つのか。自分の代わりに、アンネを行かせた方が___

 

「イスミちゃん、行ったら?」

 

思考が中断される。

 

「は?」

 

「イスミちゃん、よく言ってるじゃない。『新人だって言うのが、助けない理由にはならない』って。で、イスミちゃんはその通りの事をやってきた。勝てないとしても、子供を逃がす為に大型に立ち向かったり、死にかけた私の前に飛び込んで助けてくれたり」

「そんなイスミちゃんが、ここで迷うなんて嘘だよ」

 

「...でも」

 

「でももオトモもない!それはイスミちゃん宛に届けられたの!行くのは私でも誰でもない、イスミちゃんだけ!...それに私カムラ行けないし」

 

「は?あんた何やったんだい」

 

「うるさーい!!早く支度して行けー!!!どうせ腹が決まってる癖にー!!!!!」

 

そう言うと、自分がもっている双剣のおもちゃを勢いよく打ち鳴らし、威嚇行動のように歯をむき出しにする。

 

「...ははっ、わかったよ。じゃあ受付嬢さん」

 

「はっ、はい!」

 

「この依頼、受けます。あたしへの名指しなら、ほっとく訳にはいかないからね」

 

「わかりました、お気をつけて!」

 

「あ、イスミちゃん!」

 

「...なんだい」

 

「いい男見つけたら紹介してね!」

 

「自分で見つけなこのハジケイワシ!」

 

...ニケの里、ハンター。

イスミ、カムラへ向けて出立。

 




イスミ
企画に応募した私のキャラ。
きつい顔立ちをした女性ハンターで、自分の家以外ではスカルダシリーズを常に装備しており、その顔を隠している。

アンネ
突然生えてきたオリキャラ。
「天才の後輩(先輩)と秀才の先輩(後輩)っていいよね!!!」ってとこから作りました。
モチーフは転生ものとかでいる『噛ませ転生者』と『ギャルゲーの後輩キャラ』。双剣のおもちゃをかちかちしてた事から双剣使い。
姿に似合わぬ健啖家であり、カムラの里の飯屋を食べ放題のごとく食い荒らしてしまった為出禁になってしまった。
私はケンカばっかしてるバディものが大好きなので、それっぽさが出てたら幸いです。
言っておきますがアンイスもイスアンもありません。つまり百合じゃない。

ニケの里
イスミとアンネが住み、守っている里。
本編中にあった通り、様々な村や里への中継地点がそのまま村となっているので人通りが激しく、その分監視や治安維持が重要視されている。
名前の由来は勝利の女神、ニケ。

夢の子供
それぞれ、イスミが少女時代にであった子供。

ディード
故郷なきクルセイダーにて、カップリングさせて頂いたキャラ。
今回は出せなかった。本当にすまないと思っています。
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