モンスターハンター 〜全身鎧の女狩人〜   作:平均以下のクソザコ野郎

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今回は
妄想のKioku様
エルネア・フェルドー
踊り虫様
ディード・クリント
が登場します。


イスミ、任務を遂行する。

ーーーーー

ーーー

 

「...っ、ー...あぁ...」

 

目覚めたイスミが目を開くと、知らない景色が目に飛び込んでくる。

 

「(...顔がやけに)」

 

ぺたぺた、自分の顔を触ると、素肌に触れる感触がする。...このことから察すると、

 

彼女は今、鎧を装備していない。

 

「...っ」

 

「...イスミ、うるさい。顔が」

 

彼女に声をかけたのは、エルネア・フェルドー。イスミより一回り下ほどの年齢ながら、似合わない贅力でヘビィボウガン「モンテベルデ」を使用し、モンスターを屠る女ハンターだ。隣の布団に寝転び、本を読んでいた。

 

「...顔が、って...そりゃあ、どういう事だい」

 

「...そうだ。イスミはもう、狩りに行ける?」

 

「露骨に話題反らしたな。...まぁ、腕が吹っ飛んだ訳でも、骨が折れた訳でもないからねぇ。軽いもんさ」

 

「...なら、ディードが呼んでた。行ってくれば?」

 

...ディード。

同期である、金髪の優男。

スラッシュアックスを使用したデスギア装備のハンター。...嘘だと思いたいが、"格安キャンペーン"と称して、通常の依頼よりも安い値段でクエストを受ける事もある、という。

そして、なにより。

 

『あんたの顔、初めて見たがそんな顔してんだなぁ。隠してるなんて勿体ないぜ』

 

『そうかい?俺は見てて飽きないがね』

 

「...はあぁぁぁ...」

 

布団に顔を突っ伏して、深くため息をつく。

訓練所にいた時のあの振る舞いや、先程までの戦場で言われた言葉が、やけにちらつく。

 

「...ディードォ...」

 

「...時間、大丈夫?」

 

「あ"」

 

そうだ、急がねば。

あのお人好しの事だ。バカ正直に広場で待っているのかもしれない。先程思いついたものも用意しなければ。

 

「...ふふ、ふふふふ...」

「...待っていろよ、ディード・クリント...あたしをからかった事を後悔させてやる...」

「ははは、はーっはっはっは!!!」

 

勝鬨をあげるように悪く笑うイスミ。だが、そのイスミの後頭部に、丸められた掛け布団が投げつけられる。

 

「うるさい」

 

「...悪いことしたね」

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

「あぁ、イスミ!こっちだ!」

 

笑みを浮かべながら、スカルダ装備に手を振る、デスギア装備を纏った男ハンター。

飲み食いする為か頭の装備は外され、端正で柔和な顔立ちと、灰色の髪を外に晒している。

一方のスカルダ装備は、肌の露出をこれでもかと抑えたフル装備。バスターソードを背中に背負い、右手には何やら書類を持っている。

 

「ディード。...何の用だってんだい、全く」

 

「ははは、随分と元気そうだ。俺の心配はいらなかったかな?」

 

「なんだ、ボロボロな方がよかったかい?」

 

ディードはまさか、とかぶりを振ってから尋ねる。

 

「それはそうと、イスミ。時間あるか?」

 

「...バスターソードの材料か」

 

「あぁ。お流れになっても困るだろ?」

 

「こいつもそろそろボロが来ちまってるしねぇ...いい機会だ、行こうじゃないか」

 

よーし、とディードがテーブルから立ち上がろうとする時、イスミが持っていた書類を机に置く。

 

「ちょっと待ちな、ディード」

 

「どうした?行きたいクエストでも...」

 

「これは、あたしからあんたへの依頼だ。ま、読んでみな」

 

「...わかった」

 

依頼状を読み進めていくうちに、頭装備を被った上でも、ディードが焦るのがわかっていく。

それもその筈。

そのクエストの依頼状には、こう書いてあったのだ。

 

『-採集クエスト-

バスターソードの

材料を納品せよ

 

依頼者:ハンター・イスミ

 

報酬:20000ゼニー

注:依頼者本人も同行するものとする』

 

「...い、イスミ...これって?」

 

「あぁ、ウツシやら色んな同期から聞いたんだよ」

「あんた、"格安キャンペーン"やってんだって?」

 

スカルダヘッドによって見えないが、声色には、充分な程の説教じみた雰囲気が浮かんでいる。

 

「...はい」

 

すぅぅ、っと、息を吸って。

 

「危険な仕事してるハンターがっ!!」

「バカみたいな安売りしてんじゃないよッッ!!!!!!こんのガーグァ男ォ!!!」

 

「姉御にもだいたい同じ事言われましたすいませんでしたぁぁぁっ!!!!」

 

勢いよく椅子を飛ばし、綺麗な"ドゲザ"を決めるディード。

ジンオウガの雷のように苛烈なお説教を終えて、ふー、ふー、と肩で息をするイスミ。さすがに喉が渇いたのか、口だけ露出させて水を飲む。そして、ドゲザをしたディードに近づいて、地べたに座り、ディードの手を取る。

 

「...別にな。献身ってもんが悪いって言ってるわけじゃないんだ」

 

「はい、存じております」

 

「あんたの場合はね、それが度を過ぎてる事が問題なんだよ。わかるかい?」

 

「常日頃から言われております」

 

「...全く...これはね、まぁあたしからの餞別だよ」

「安売りなんかしてないで、もうちょっと自分を高く見積もった方がいいんじゃないのかい?」

 

噛んで含めるように、自分の意志をディードに伝える。

 

「...でも」

 

「でももオトモもない」

「ほら、立ちな。全く、せっかくの装備汚くしちまって...」

 

ディードの装備を、どこからか取り出した柔らかい布ではたき、ほこりを払う。

 

「で?」

「これ、受けるかい?」

 

「...受けるよ。受けるに決まってる」

 

「なら、よろしい。お金の心配はしなくていいよ。足りなくなったら食べすぎでここ出禁になったうちの女ハンターに頼むから」

 

「わかった。...その、イスミ」

 

「何さ」

 

「...ありがとうな」

 

その言葉に対し、イスミは笑ってこう返す。

 

「...何言ってんだい。ハンターとしては同期だけど、あたしはあんたより年上だよ?こんぐらい、なんてことないよ」

 

そう話しつつ、二人はクエストへと出発するための門をくぐる。

仲の良い姉弟のように、笑い合いながら。




エルネア・フェルドー
妄想のKioku様のキャラ。
12歳という若さながら、とにかくデカい事で有名なヘビィボウガン「モンテベルデ」で敵対モンスターを撃ち抜くパワーキャラ。
イスミとある程度親交が深そうだった為、病室が同じという設定で登場。
イスミの後頭部に掛け布団を投げたりと、比較的活発にイスミと交流する。
イスミは彼女を初めて見た際、教官の連れ子か何かかと思ったそう。...若年層多くない?

ディード・クリント
踊り虫様のキャラ。
自身の師匠から譲り受けたデスギア装備を纏う男ハンター。自身の村がモンスターにより全滅するという悲惨な過去を持っているお人好し。その過去から、格安キャンペーンと称して破格の値段で依頼を受けることが多々ある。今回はそれをイスミに咎められ、依頼という形で現金を渡された。
今回はカップリングというより姉弟になってしまった。...これから男性ホルモン増していくから...

ガーグァ男
現実で言う、いわゆるターゲットにされる方のカモ。
ディードに対する説教で、イスミがディードをこう称した。
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