今回も最初の1年間は、円堂と染岡、そしてオレの3人しか部員はいなかった。
帝国の試合の時に入ってくれた風丸たちが入ってくれれば、とも思ったけど、そうはならなかった。
というのも、風丸は元々陸上部だし、マックスは今は野球部にいるし、目金は目金だし、影野は見当たらないし。いや、確かに在校してるし、何度か見かけてるんだよ。でも放課後になってからは一度も見かけたことすらなかったんだよ。そんなことあるか?
あと今思うと、マックスって色んな部を渡って、サッカーは今までやったことなかったからってことで入ってくれたけど、これもそんなことあるか?今までサッカーをやってないって、雷門は勿論小学校の体育ですらやらなかったてことか?そんなことあるか?
…いや、マックスのことを気にしてたらキリがないから置いとこう。
ということで、3人しかいないサッカー部だと、リフティング練習や簡単なパス練習やミニゲームしか出来なかった……とはならなかった。
「すいせいシュート!」
「うおおおおおっ!!」
河川敷グラウンド。そこにオレたちはいる。
サッカー部の人数が少なくても、大人数で練習する方法はある。
「すみません、会田さん。KFCの練習にお邪魔して」
「いいんだよ、木野くん。歳上との練習は、彼らにとってもいい刺激になるからね」
「いいぞまこ!この前より威力も上がってるぞ!」
「ほんと!?わたしもお母さんみたいに凄いすいせいシュートうてるかな!?」
「ああ!まこなら出来る!」
「オレたち、まこの母さんと会ったことないよな?」
たしか、まこの母さんもサッカーやってたはずだったな。一番街サリーズ、だっけ。
10年後もやってて、オレが監督してた稲妻KFCとたまに試合したんだったな。
「まあ、そこはどうでもいい。おい坊主共!オレたちも負けてられねぇぞ!」
『おー!!』
まこがすいせいシュートの練習をしてる間、染岡や他のKFCメンバーも負けじと必殺技の練習をしている。オレも負けてられないな。
「円堂!オレも頼む!」
「ああ!来い半田!!」
「いくぞ!」
ボールを空に打ち上げ、それを追うように、身体を捻りながらジャンプする。
「ローリングキック!」
回転の勢いをそのままにボールを蹴る。
「ずあああああ!!」
円堂がボールを抑え、少しの間拮抗していたが、ボールの回転は止まった。
「半田もいいシュートだ!」
「ああ!なにかもう少し加えることができれば、威力も上がりそうなんだけどな…」
「でも半田くん、必殺技のイメージが掴めてるだけでもすごいと思う。小さい頃アメリカにいたけど、この時期の中学生サッカー選手全員が必殺技を使えるってことはなかったもん」
「あー…よくビデオとかで試合観てたからさ。イメージだけならな」
まさか既にローリングキックを使えてたとは言えるわけがなく、誤魔化すしかなかった。
ただ、オレのローリングキックは、染岡のドラゴンクラッシュや、豪炎寺のファイアトルネード程の威力はない。
これは前回の時も思ってたことなんだけど、何か加えることができれば威力も上がると思うんだけどな…
「よし、今日はここまでだ!まこたちもお疲れ様!」
「はーい!またね!円堂お兄ちゃんたち!」
「明日はどうするんだ?学校のグラウンドは使えないし、ここも使えないだろ?」
たしかに今のサッカー部はグラウンドを使えないし、明日はゴールネットの交換があるらしくて、ここも使えない。
「なら、また部室前でリフティングとかしてようぜ。オレ、あの時間も好きなんだよ」
「もちろんだ!グラウンドが使えなくても、練習は出来る!」
「おぅ、分かったぜ。また家にあるビデオ持ってくるか」
「わたしもおにぎりの用意しとくね」
たしかにこういう実践的な練習も大事だけど、前回みたいに3人だけで部室前でリフティングしてたり、テニスコートの近くでのパス練とかも、あれはあれですごく楽しかったんだ。
こうして1年が過ぎ、オレたちは2年生になった。
威力が下がってるとはいえ、ローリングキックは使えます。
ただこのお話の場合、このローリングキックは未完成です。