イナズマイレブン〜中途半端な逆行〜   作:トライデント

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前回のラストが鬼道のセリフと思われてますね。
いや、たしかに自分でも見返してみると、鬼道のセリフとしか見えないですわね。HAHAHA

ん?じゃあアレ、誰のセリフかって?
いやまあ、いるじゃないっすか。トラックに轢かれたら人は死ぬって、一番理解してる人が。HAHAHA


影山の罠

響木さんの短期集中練習を乗り越えて、いよいよ決勝戦を迎えた。

 

 

「………悪かったな、大谷。約束守れなくて」

 

「気にしてないよ、半田くん。あんなことがあったら、仕方ないもん。また今度、待ってるよ」

 

「ああ。必ずな」

 

 

改めて、大谷と約束する。

これに勝てば、響木さんがご馳走してくれるそうだから、それ以降になるな。

そう考えると、どの辺りになるかな…全国大会中は厳しいだろうから、フットボールフロンティアが終わってからか?エイリア学園が来るまで、少しは時間あったし。

 

 

「よし、じゃあ出発だ。向こうに着くまで、気を抜くんじゃあないぞ」

 

『はい!』

 

 

響木さんの声で、オレ達は駅へと向かった。

その間は、大した話もなかった。

まあ、強いてあげれば……。

 

 

「帝国の練習ってどんなだったんすか?」

 

「やっぱ四方八方から来るミサイルをドリブルで避けたりするんですか!?」

 

「いや、大砲から撃たれたボールを撃ち返すんだって!」

 

「いやいや、襲ってくる恐竜から逃げ回るでやんすよ!」

 

「お前ら帝国をなんだと思ってんだ?」

 

 

土門が帝国のスパイと分かった時は、誰も責めたりはしなかった。

むしろ1年達からは、帝国学園ってどんな所なのかと質問攻めにあっていたし、今もなってるな。

少林と宍戸のは百歩譲れるとして、栗松のはまず無理だろ。過去から連れて来たりでもしなきゃ。

 

 

「そうだぞ、お前ら。帝国を化け物だとでも思ってんのか」

 

「染岡……」

 

「やっぱ帝国って言ったら、あの雷門に来た時の派手な車から逃げ回るに決まってんだろ」

 

「お前もかよ染岡ぁ!?」

 

 

そんで誰かが悪ノリするまでがセットなんだよ。

今回は染岡だったけど、マックスとか風丸もノってた。

 

 

「あっちもそうだろうけど、オレ達も相当練習積んだからな。もうグラウンドの砂を味わったりはしないぞ」

 

「あれ、屈辱とかより新鮮さのが勝ったんだよね。たしかに僕とか筆頭に素人だったけど、差がありすぎてさ。あと半田のそれは、帝国のグラウンドは人工芝ってことでツッコミ待ちでいいの?」

 

「……………味わったりはしないぞ」

 

「まっ、僕も色々頑張ったからね。ちょっとは目に物見せてやりたいってね」

 

「マックスだけじゃないぞ。オレや影野も、1年達も響木さんにしごかれたからな。絶対に勝つぞ」

 

 

風丸やマックスもやる気充分。

と言っても、まだ帝国学園にすら着いてないから、燃え尽きないか心配ではあるけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「失礼致します」

 

「……何の用だ、鬼道」

 

 

試合が始まる前。この時間しか、総帥に会うことは叶わなかった。

土門の密告後、オレは何度か総帥に連絡をしたのだが、何かと理由をつけられ、断られていた。

だがこの時間は何もないということは伝えられていたため、最終調整の時間を削り、ここへ来た。

 

 

「雷門中サッカー部の顧問である冬海卓が、交通事故に遭ったというのは知っていると思います。なぜ、彼をここへ呼びつけたのですか」

 

「大したことなどない。雷門には監督がいないとなると、顧問を呼ぶ以外ないだろう」

 

「答えになっていません。何故わざわざ、呼びつけたのですか」

 

「お前に話す必要はない。そんなことを聞きにくる暇があるのなら、最終調整に回せ」

 

「…………なにも、仕組んではいませんね?」

 

「何のことだ。ああ、わざわざここへ来たんだ。選手達に伝えておけ。試合が始まった後、攻め上がることは勧めないと。雷門は攻撃中心だったが、そこをカバーしにくるだろう。最も、お前に言う必要はないだろうがな」

 

「………失礼致します」

 

 

その言葉を聞き、オレは立ち去る。

ここまで具体的なことを言われるのは、今までになかったことだ。

………そう考えると、やはり……。

 

 

「………待て、鬼道」

 

「…総帥?」

 

 

静止の声を聞き、振り返る。

今まで誰かへの手紙を書き続け、オレの方を見ていなかった総帥は、そのサングラス越しに、オレのことを見据える。

 

 

「………………いい。行け」

 

 

短くも、長く感じたその間。

この間に何の意味があったかは分からない。

唯一分かったのは、総帥がオレのことを、焼き付けるかの様に見てきたということだけだ。

そう言い、再び手紙に意識を向けた総帥を確認したオレは、今度こそこの部屋を立ち去る。

 

 

「………今日は、やけに沢山書いていた気もしたが…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあお前ら!何をしてくるか分からないところだ、気を付けろよ!壁が迫ってくるかもしれん!」

 

 

帝国学園に着いた途端、響木さんがそんなことを口にした。

それを聞いた1年たちがそこら辺の壁をチェックしている。真に受けるなって……

 

 

「響木監督、あんまウチの後輩で遊ばないでくださいよ」

 

「俺はそんなつもりはない。……実際、被害を受けた人がいるんだ。俺が警戒していればいい話ではあるんだが、お前達自身も、少しは警戒してくれ」

 

「…分かってますよ」

 

 

フィールドの雷門側ベンチに着き、準備をしていたところ…。

 

 

「……なにやってんだ、お前ら」

 

「急に宍戸がオレの腹を〜!」

 

「緊張してたから、それを解そうと…いてっ!?」

 

「なんすか宍戸、なにに…いたぁ!?」

 

「お前らどうした…うわっ!?」

 

 

壁山が宍戸を投げ飛ばしていたので、動機を壁山に問いただしていたところ、3人揃って上から降って来た何かに当たっていた。

 

 

「いった…なんですこれぇ…」

 

「おいおい…ボルトかこれ?大丈夫かよ宍戸」

 

「アフロじゃなかったら大変だったでやんすね」

 

「怪我がなさそうなら、よかったけど…」

 

「………たしかに、2人ともアフロみたいなもんだね」

 

「オレは言うほどアフロじゃないっすよ〜!」

 

「オレなんか普通の髪型だろ!」

 

 

……なんで上からボルトがって、そういえば…!

 

 

「……響木監督。この上から、こんなものが」

 

「……………影山め。やはり…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホイッスルが鳴った途端、分かるな?」

 

 

あれから試合が始まる前、鬼道から試合が始まる瞬間、センターサークルから離れるように言われた。

最初染岡とかが反発してたが、オレと円堂。そして響木さんの言葉により、それに従うことになった。

そして、試合開始の笛が鳴り、豪炎寺と染岡が急いで離れる。

 

 

「…………まさか、これを忘れかけるとは思わなかった」

 

 

この声は、目の前の轟音によって、かき消されている。

ホイッスルが鳴った途端、上からたくさんの鉄骨が降り注いできた。

もしあのまま、試合を始めていたら大変なことになっていた。

降って来てから少し経ち、舞っている煙が晴れると、相手の帝国学園のプレイヤーも、顔を青くしていた。

鬼道も、察してはいたんだろうが、まさか本当にこうなるとは…という気持ちのが大きいんだろう。複雑な顔をしている。

 

 

「……円堂、鬼道に着いていくぞ。オレ達も文句言いに行ってやる」

 

「あ、ああ……分かった。みんなは…」

 

「あまり大勢で行く必要もないし、どうなるか分からない。ベンチで待っててくれ」

 

「……そうだな」

 

 

鬼道たちがフィールドの外へ行くのに、オレ達も着いていく。

向かう場所は、影山のところだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「総帥!これが貴方のやり方ですか…!」

 

 

鬼道たちの後を着いて行くと、影山がいる部屋へと着いた。

 

 

「…………勝利こそ全てというのは、帝国の精神だったはずだ」

 

「あれが勝利のための手段だと言うなら、貴方は間違っている…!オレ達を信用していないとでも言うのですか!もう、貴方の指示では戦いません」

 

「オレ達も、鬼道と同じ意見です!」

 

「オレ達は、オレ達の意思で戦います!」

 

 

オレと円堂が入る時には、既に鬼道と、一緒に着いて行った源田と佐久間達が影山と決別していた。

 

 

「………そうか。好きにしろ」

 

 

そう言い、影山は立ち去る。

文句言いに行くと言って来たけど、このままでいいか…刑事さんたちの足音も聞こえるし。

いや、冬海のこととかさっきのこととか、言いたいことはあるんだけど、円堂はともかく、オレが言ったところで影山は何も気にしないだろうしな。

 

 

「…………」

 

 

立ち去る時、部屋に入っていたオレと円堂を見る。

円堂はまあ、大介さんのことがあるだろうから、何か思うことはあるんだろう。

さっさと行けよ。この後、神のアクアに繋がるんだろ。

 

 

「……………」

 

 

…………なんでオレの事見るんだよ。さっさと行けよ。

 

 

「…………ふん」

 

 

今度こそ、影山は立ち去った。

オレのことを見た後、鬼道達のことも見てから、アイツはいなくなった。

 

 

「………さっきは、すまなかった。今回のことは、お前達の不戦勝でいい」

 

「何言ってんだ。そんなこと、認められるか。だろ?円堂」

 

「ああ!お前達に勝つ為に、練習を積んで、ここまで来たんだ!それがこんな形で、しかもお前達に奪われてたまるか!」

 

「円堂…半田……」

 

「……それに、これはオレ達だけじゃない。他のみんなも、血気盛んでな。どういう形であれ、お前達と戦わなきゃ気が済まないだろうからな」

 

「………やはり、雷門はサッカー馬鹿の集まりだな」

 

「ああ。そりゃキャプテンが円堂だし、オレなんて……」

 

 

そこまで言って、思い出した。

鬼道が杉森に、オレのことを中バカと言い表したことを。

 

 

「…………中バカって言ってくれたらしいしな、鬼道くん?」

 

「お、おい…半田……?」

 

「何をもって中バカって言ったかは知らないけど、ていうか本当に中バカってなんだよ。大バカはまだしも中バカってなんだよホント」

 

「と、と言うわけだから、オレ達はもう行くからな!ほら行くぞ半田!」

 

「大丈夫大丈夫。別に怒ってるけど狂ってるワケじゃないから。ただホント中バカって初めて聞いたからいったいどういう」

 

「……………………」

 

「………鬼道お前。アイツのことそんな風に言ったのか」

 

「……試合が終わったら、謝るさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鬼道を打ち抜くって言った覚えあるけど、そういや鬼道ってキーパーじゃなかったな」

 

「そうなんだよ!だから杉森みたいにローリングキックで打ち破るのは無理なんだって!鬼道じゃなくて源田打ち抜いてくれよ」

 

「だったらオレがジャッジスルー覚えればいいのか」

 

「なんでだよ!?」

 

「大丈夫大丈夫。ムーンサルト覚えれたんだからいけるいける」

 

「だからってアレを覚えちゃダメだろ!」

 

「まあ、流石に冗談だって。覚えたい技は、ほかにあるから」

 

「………本当か?」

 

「ああ。帝国の技には変わりないけど、ジャッジスルーじゃないって」

 

「なら、いいけど。とにかく、早く戻ろうぜ。みんな待ってる」

 

「…………まっ、そうだな。行こう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ!フィールドの修復も終わり、いよいよフットボールフロンティア地区予選決勝戦!雷門中学VS帝国学園の試合が始まります!!」




というわけで、次回から帝国戦です。
前回の予告通り、ぶっ通しでやりますので、かなり時間がかかると思われます。
その分、満足の出来るようなお話になればなと思いますので、楽しみに待って頂けたらなと思います。
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