そういえば1,2,3のお話って、全部1年間の出来事なんですよね。濃密すぎません?
オレたちが2年生になり、新入生も入学して来た。そうなると…
「し、宍戸佐吉です!」
「しょ、少林寺歩!」
「く、栗松鉄平でやんす!」
「か、壁山塀吾郎っす!」
『サッカー部入部希望です!(でやんす!)(っす!)』
部室で木野を含めたいつもの4人でサッカー雑誌を読んでいると、ガッチガチに緊張した4人の新入生、宍戸と少林と栗松に壁山が部室に入ってきた。
『よっしゃあああああ!!!!』
そりゃもう、揉みくちゃにしてやった。
染岡なんか宍戸のアフロもげるんじゃないかってレベルで揉みくちゃにしてるぞ。そういうオレも少林のこと揉みくちゃにしてやってるんだが
前も言ったけど、3人でやって1年間も楽しかった。
でも、それとこれは別と言うか。やっぱり仲間が増えるっていうのは嬉しいことだ。
「じゃあ、さっそく練習だ!河川敷まで行くぞ!」
「おいおい待て待て!服はジャージでいいとしても、スパイクが無いだろ!本格的な練習は出来ないんだから、河川敷行ってもKFCの邪魔になるぞ?」
「あっ、ああ…そうか…。じゃあ今日は、軽い練習だな」
「宍戸くんたちって、希望ポジションは?」
「ミッドフィルダーです!」
「オレも!」
「オレはディフェンス希望でやんす!」
「オレもっす!」
「ミッドフィルダーとディフェンダーが2人ずつ増えたな」
「フォワードはいねぇのかよ。まぁ、雷門の点取り屋はオレだけどよ」
「ワントップはあんまオススメしないぞ?」
そこから円堂を筆頭に、7人なのに何故かフォーメーション談義になった。
気持ちは分かる。すごく分かる。3人から一気に7人になったんだ。早る気持ちはめちゃくちゃ分かるぞ。オレも乗り気だったし。
でも7人じゃ試合は出来ないと気付いたのは完全下校時間になってからだった。なんだったんだこの時間。無駄ではないけど。
「3人から一気に7人ですか…試合はまだ出来そうにないですが、この調子で増えれば、少なくとも部としては機能します。部員が増えるといいですね」
なぁ、これ誰だと思うよ?
雷門?ちげーよ、この時期まだマネージャーじゃないし。
音無?もっとちげーよ。音無がこんな大人しいワケないだろ。
じゃあ誰だよ?って、そりゃあ…
「あっ、冬海先生!」
「外まで声が聞こえて来ましたよ。歓迎するのはいいですが、あんま揉みくちゃにしないようにしてください」
誰だよってなったわ。冬海だぜ?これ。
入学当初は名前忘れてた気がする。流石に対面すれば思い出したけど、これ本当に冬海か?たしかに前回も最初の頃はちょくちょく顔出してたけど、この頃になると全然顔出さなかったはずだぜ。今思うと、その頃から影山と繋がってたんだろうけど
しかもなんか、ちゃんと顧問してるんだよな。サッカーはあまり詳しくないから監督は出来ないらしいけど、ちゃんと顧問してる。
よく考えると、そこも前回と違うか?一応前回は肩書きだけ監督もやってたはずだし。
「それよりも、もう下校時間ですから、さっさと帰ってください」
「おう、じゃあ先帰るわ。お前らもとっと帰れよ」
そこから染岡を皮切りに、みんな帰っていった。オレも帰るかぁ。
「………ああ、半田くん。ちょっといいですか」
「ん?なんだよ、冬海」
「あの、一応本人が呼んでて、しかも本人が目の前にいるのに、それは流石にどうなんですか」
「あー、すみません。冬海センセイ。なんですか?」
「…帝国学園との試合は、存分にやりなさい」
「………はい?なんで帝国が出てくるんだよ。それに、まだ試合は出来そうにないだろ」
「いえ、とくに理由はありませんよ。夏未お嬢様が、そのようなことを言っていたというのを小耳に挟んだだけですから。どちらにせよ、部員は集めておいた方がいいですよ」
「そりゃそのつもりだけどよ。ていうか、アンタってそんなやる気あるようなセンセイだったけ?そりゃ協力的なのは嬉しいけど。まあ、とにかく帰りますわ」
「ええ。さっさと帰りなさい」
今のところは大丈夫だろうけど、地区予選が始まったら、要マークかな?明らかに前回と同じ人間と思えないんだけど
「…………貴方達が優勝するところぐらいは、せめてこの目で見たいですからね」
部室を出る時、何か聞こえた気がしたけど、扉を閉める音にかき消されてほとんど聞こえなかった。
そして色々あって、帝国学園との練習試合が決まった。
いよいよ試合が始まります。