イナズマイレブン〜中途半端な逆行〜   作:トライデント

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タイトル思い浮かばな過ぎて勢いでやったら某軽音楽部みたいになったぞ。


600人以上のお気に入り登録、ありがとうございます。
ようやく無印編の終わりが見えて来ましたが、これからもよろしくお願いします。


合宿!!

アフロディが茶々入れに来た翌日。

あれから色々あったが、いま何をしてるかというと…。

 

 

「よーし!坊主。野菜切ったか!?」

 

「はい!おかげで涙止まらないです!」

 

「玉ねぎはいっぱい入れた方がいいからな。あくまでオレのレシピだが」

 

「備流田さん。肉の炒めどうですか?」

 

「おう。そんぐらいで大丈夫だ。あとは煮込む内に火が通るからな」

 

「では、玉ねぎを炒めてくれ。キミ達は辛い方が好きかな?それとも甘い方かな?」

 

「辛い方!!」

 

「甘い方っす!!」

 

「普通の!!」

 

「……三種類にしておこう。炒める時間によって味が変わるからね。甘い方はこちらがやるから、半田くんと…」

 

「あっ、じゃあ私がやります」

 

「ん。じゃあ大谷くん…だったかな?頼むよ」

 

「はい。会田さん」

 

 

カレー作ってる。

まあ、なんでこうなったかと言うと…。

 

 

 

 

 

 

 

「はっきり言おう。今のお前たちじゃ世宇子に勝つことは出来ない」

 

「えっ……?」

 

「…………そう、ですか」

 

「ああ。絶対に不可能だ」

 

 

アフロディが去った後、響木さんがそう言った。

あのシュートが、神のアクア込みの力までは分からないとはいえ、圧倒的だったことに変わりはないしな…。

 

 

「絶対なんて、そんなこと…!」

 

「言ってるだろう。"今の"お前たちでは、と」

 

「……………」

 

「あんなものを目の前で見たのだから仕方ないが、今のままでは力が入り過ぎるに決まっている。そんなことでは、試合までに燃え尽きたり、空回りすることになるぞ」

 

「…………たしかに。否定はできません」

 

「だから、合宿だ」

 

「が、合宿………?」

 

「学校に皆んなで泊まり、料理でも作る。それ以外は練習になるが、気分転換にはなる。いいか?雷門夏未」

 

「………ええ。理事長には、私から話を通しておきます。あの人なら許可してくれると思いますから」

 

「そういうことだ。作戦会議ならば止めはしないが、今日はもう練習はするな。明日からの土日で、合宿をする。親御さんたちに報告して、着替えなどを持ってくるようにな」

 

 

そう響木さんに言われ、その日は解散となった。

戻って来てからだと、初めての合宿になるな。楽しみ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「合宿している暇なんて……」

 

「響木監督も言ってたじゃねぇか。気分転換って」

 

「それに練習だってするともな。しかし、半田はどうした?」

 

「たしかに、半田さんだけいないっすね」

 

「体調崩したなんて連絡も来てないし、遅刻だと思うけど…」

 

「悪いみんな。ちょっと遅れた」

 

「来たか半田。怪我とかも無さそうでなにより……?」

 

 

校門前。遅れてやって来たオレに反応した鬼道が、少し固まった。

それに釣られて、他のみんなもちょっと固まってる。

 

 

「どうしたんだよみんな。オレの顔になんか付いてるか?」

 

「いや、顔じゃなくて……。なんだよ、その大荷物」

 

「ああ。これ?買い物行ってたんだよ」

 

「大袋4つてお前。母ちゃんの買い物でも中々見ねえぞ」

 

「んや、これだけじゃなくてもっと増えるぞ」

 

「えっ」

 

 

そうオレが言うと、後ろから軽自動車がやって来る。

運転席や助手席からは……。

 

 

「おう、お疲れさんだ。半田の坊主」

 

「商店街からそこそこ距離があるはずなんだが、やはり若いな」

 

「備流田さんに、会田さん…?」

 

「ギリギリ車に乗り切らなかったもんでな。そうしたら坊主が持って行くって言うもんだからよ」

 

「母さんとの買い物に付き合うこともあるから、大丈夫って言ったじゃないですか」

 

「その言葉が通るなら、キミは一体普段からどれだけの荷物を持たされてるんだい?」

 

「秘密です」

 

「その様子だと、あまり遅れてはいないようだな。よかった」

 

「う、浮島さんまで……?あの、そのリアカーは一体?」

 

「これか?見た通り、デカい鍋とその他だ」

 

「響木からお前達が合宿をすると聞いてな。助っ人に来たということだよ」

 

 

そこへリアカーを引き摺った浮島さんも合流した。

オレ達が材料の買い出しに行き、浮島さんは道具などを用意してくれていたワケだ。

 

 

「今日の夕飯は、コイツらで作る特製カレーだ。レシピはオレ達が保証する。女子もいるが、どうしても男が多いとこれになるんだわな!」

 

「すごく簡単に言えば、切って炒めて煮込めば出来ますからね。量の調節もしやすいですから。ちなみにこれ、オレのリクエストなんだ」

 

「えっ、そうなんですか?」

 

「オレもカレーは大好物っすけど、半田さんもそうなんすね!」

 

「まあ、嫌いな人はあんまいないだろうけど。ほら、みんなで作るとなると、そこまで複雑な料理は出来ないだろ?その点、さっき言ったけどカレーは切って炒めて煮込むだけ。本格的なのはもっと作業が必要だろうけど、そういうのはこんな機会でやるものじゃない。しっかりレシピ通りにやれば、美味しくも作れるしさ」

 

「たしかに。初めて料理を作るならカレーがいいって、家庭科の先生も言ってたね」

 

「そうそう。オレも昔からよく母さんに言われてさ」

 

「昔からって…。アナタ、よっぽど昔からお手伝いしてたのね」

 

「えっ?あ、ああ………。まあ、そうだな」

 

「なによ。その変な誤魔化し方」

 

 

いや、ウソは付いてない。

オレの母さんって、子供の頃からこういうことを言ってたから。

ただ、今オレ完全に大人目線で言ってたな。危ない危ない。

 

 

「まずは練習からだ。腹ペコで料理というのも酷だろうから、希望者は途中で切り上げて作ると良い」

 

「オレが希望したし、もちろんオレは参加しますよ」

 

「マネージャーも全員ですね。予め監督から聞いてたから準備も出来てます!」

 

「オレもやるかな。この前雷々軒で作ってから、妙にハマっちまってさ」

 

「今立候補しなくても、後から参加という形でも構わん。では、早速始めるぞ。着替えて来い」

 

『はい!!』

 

 

 

 

 

 

 

「よし。ではまず、2人でシュートを打ってみろ。ページのことが気になるだろうが、最初はそこからだ」

 

「はい!行くぜ、染岡」

 

「おう。合わせろよ」

 

 

オレと染岡の前に、ユニフォームに着替えた響木さんがゴールで構えている。

備流田さん達からもらったページの必殺技の練習をしているところなんだが、まずはオレ達の連携を鍛える必要があった。

たしかに、守護者のことも気になるけど、土台を整えなきゃな。

 

 

『せーの!!』

 

 

イナズマ1号のフォームとは違うが、オレと染岡のツープラトンシュート自体は打つことが出来た。

 

 

「…………ふむ」

 

 

だが、響木さんに簡単に止められてしまった。

必殺技でもない、ただの2人同時に打ったシュートなんだから、予想はしてたけど……。

 

 

「威力はまだまだだが、息は合っているな」

 

「………まあ、サッカー部が始まった頃からの付き合いですからね」

 

「ただ威力が足りねえな。もうちょっと工夫が必要そうだぜ」

 

「工夫……か。色々試してみるか」

 

 

他にも走りながらとか、オレが蹴ったボールを染岡が蹴ったりとか、色々試してみたが、どれも大した成果にはならなかった。

 

 

「………他の連携シュートとなると、炎の風見鶏やツインブースト、イナズマ落としになるけど、参考になるかな…」

 

「オレと豪炎寺のドラゴントルネードもあるけどよ。ただ、2人で同時に打つのなんて、炎の風見鶏ぐらいだろ?方向性違う気するんだよな」

 

「……いや。一応あるぞ。3人ではあるが、元々2人でやる連携シュートが」

 

「3人だけど、2人……?」

 

「………あっ、イナズマ1号落とし」

 

「………ああ。高さを加えたイナズマ1号だもんな。たしかに、上から落とせば威力も上がる……。なあ、半田」

 

「……それだ。染岡。試してみようぜ」

 

 

その後も、オレと染岡が飛び上がり、空中からボールを撃ち落とす形のツープラトンシュートの練習を続けた。

一応、威力は上がりつつあるけど、まだまだ足りない。

威力……と言うより、高さな気もするけど。

 

 

「………さて。そろそろ夕飯の時間だ。お前達は備流田達と合流するんだろう?着替えに行って来い」

 

「あっ、もうそんな時間か。行こうぜ、染岡」

 

「おう。んじゃあ、半田の手並み見せてもらうか」

 

「そんな大したもんじゃないっての」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………」

 

「…………………」

 

「…………………」

 

「…………………」

 

 

…………なんか、マネージャー達からの視線が痛い。

穴が開くほど見られるって、こういうことなんだなって、身を持って体感してるんだけど。

 

 

「………えっと、どうした?そんなにジッと見られることしてるか?」

 

「………いえ、そういうことじゃないんですけど……」

 

「………半田くん。包丁さばき、上手なんだね」

 

「上手って言うか、普通ぐらいじゃないか?」

 

「………たしかに、私が言うのもなんだけど、普通ぐらいってのは分かるのだけど…」

 

「………女子として、敗北感が……」

 

「……………」

 

 

いや、本当に普通ぐらいだって。

普通に自炊をしてる社会人ぐらいの腕前でしかないぞ。

そんなに敗北感とか抱かれるもんじゃないだろ。

 

 

「いや、素人から見たら普通に上手いだろ。半田って普段から料理とかしてるのか?」

 

「普段からはしてないぞ。母さんにレシピ聞いたりとか、手伝うことはたまにあるけどさ」

 

「レシピ聞くって、珍しいな」

 

「そうか?仮にオレ達が大人になって自炊するとして、そういう時ってやっぱり馴染みのある味のがいいだろ?親の作る好きな料理とかって、なかなか食べれなくなるんだから」

 

「………お、おう。たしかに、言われてみりゃそうだな」

 

「なんだか、実感がこもった言葉だね……」

 

「……………」

 

「そういう意味じゃ、中学卒業したりしたら、大谷の作る漬け物も食べれなくなるな。ちょっと寂しいな、それ」

 

「えっ……」

 

「………いやいやいや!でも半田さん!レシピは教えられませんからね!!」

 

「えっ。なんで音無が言うんだよ?たしかになかなか教えられるものじゃないってのは分かるけど」

 

「ですよね大谷さん!?あれって作るの相当難しいですよね!!」

 

「いや……。あれって他の漬け物と変わらな……」

 

「む ず か し い で す よ ね !」

 

「…………う、うん」

 

「えっ、なにあれ染岡。なんか音無が怖いんだけど」

 

「あー…………。オレに言われても困るだけだから、聞いてねぇことにする」

 

「私に言われても困るからね。半田くん」

 

「一応、私もよ」

 

「オレも困ってるんだけど?」

 

 

そんなことは言ってる間に、各自練習を終えた皆んながやって来た。

とくに円堂がボロボロになってたけど、ほんの少し、マジン・ザ・ハンドを掴めた気がしたらしい。

円堂もがんばってるんだ。オレもがんばらないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は勝利しか望まない。だが泥まみれの勝利など、敗北も同然。完全なる勝利。圧倒的な勝利を欲している。その勝利をもたらすものだけが、神のアクアを口にするがいい」

 

 

試合が近づくこの時間。

総帥はその言葉を述べ、我々に神のアクアをもたらせてくれるのだ。

この神のアクアがある限り、我々は総帥に報いることが出来る。

無名でしかなかった世宇子中に、圧倒的な神の力を授けてくれた、総帥に。

だが最近、ふと思う。

いつも総帥は、同じ言葉を発する。

勝利しか望まない。泥まみれの勝利など望まない。完全、圧倒的な勝利のみを欲する。

勝利を望むのは、感じる。

敗北を求めて戦う人など、いるはずはない。

しかし、勝利しか望まないと言う割に、敗北のことを忌み嫌うようなものは感じないのだ。

私の他に神のアクアを飲み干した者たちは、それを感じることはない。

ただ、自分が抱いた力に歓喜し、頂点に登り詰めることしか考えていない。

私もその1人ではあるのだが、どうにも気になってしまう。

………総帥。貴方は一体、何を隠している?

 

 

 

 

 

 

 

 

『さあ全国の中学サッカーファンの皆様!遂に、遂にこの日がやって参りました!!フットボールフロンティア全国大会決勝戦!!ここ世宇子スタジアムにて、戦いの火蓋が切られようとしております!!』




はい。次回からいよいよ世宇子戦のお話になります。
長かった。主に更新頻度のせいですけどここまで長かったです。
最初にちょっと小話を挟んでから、試合パートになります。
年内中には無印編を終わらせられるよう、がんばリーヨ。
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