イナズマイレブン〜中途半端な逆行〜   作:トライデント

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ところでここのポセイドンって逃げるんですかね(作者感


神々の聖戦④

「僕たちは…神の力を得たはずだ…!神のアクアが無くなっても、得た力が無くなったりは……!!」

 

 

アフロディの余裕が崩れ始めて来たまま、試合は再開される。

ボールを受け取ったアテナが攻めてくるが…。

 

 

「ダッシュストーム…!!」

 

『ぐわあっ!!』

 

「オレたちの必殺技が、破られるはずがない!」

 

「クイックドロウ!」

 

「そう何度もやらせは…!」

 

「ブレードアタック!!」

 

「なにっ…!?」

 

「半田!!」

 

 

染岡たちを突破したアテナは、マックスのクイックドロウまでは効かなかったが、その後に続いた土門のブレードアタックによって防がれた。

アフロディだけじゃなく、他の選手の余裕も無くなってきたな。

いや、というより……。

 

 

「……今まで、その力を振り回して来て、優越感を得ていた。たしかに、強くはなったんだろうけど…」

 

「なにを…!」

 

「お前たちの事情は、よく知らない。だけど、そんな力に頼ってばっかりな今のお前たちには、負けられない…!!」

 

 

立ち塞がったアフロディを、そのまま突破する。

ああ、そうだ。この先のお前に負けるならまだしも、今のお前にだけは、絶対に負けられない…!!

 

 

「鬼道!!」

 

「円堂!お前も上がれ!この勢いを逃すワケには…!」

 

「ああ!分かった!!」

 

「行くぞ!円堂!鬼道!」

 

 

オレからのパスを受け取った鬼道は、円堂に声をかける。

円堂がやって来る間に、鬼道は上空へボールを蹴る。

そこへやって来た豪炎寺と、円堂も合流して、3人は飛ぶ。

 

 

『イナズマブレイク!!』

 

「こ、これ以上はやらせん……!!ギガントウォール!!」

 

 

現状の雷門イレブン、単体最大威力を誇るシュート、イナズマブレイクと、ポセイドンのギガントウォール。

激しいイナズマを纏ったシュートと、巨大化したポセイドンの拳が、激突する。

 

 

「ぬ、ぬおおおおお……!さ、さっきからなんなんだ!?お前たちの、この力は……!!」

 

「今のお前には分かるまい!神となったと驕った、お前には!!」

 

「オレたちの、諦めなかった想いから生まれたものだ!」

 

「う、うおおおおおお!?」

 

 

巨大化したポセイドンをも、打ち破った。

V2とまではいかないだろうけど、千羽山の時よりも、威力が上がったイナズマブレイク。

マジン・ザ・ハンドに集中していた円堂だけど、少しでも慣れようと、練習していたからな。

 

 

『雷門怒涛の勢いで、点差が1点まで追い付いたぞ!!このまま逆転なるか!?』

 

「逆転など…させるものか……!!」

 

 

余裕が崩れると言うより、焦りが見え始めたアフロディ。

パスを繰り返し攻め込まれ、ボールはアルテミスに渡る。

 

 

「いくら奪いに来ようと、突破さえしてしまえば…!ヘブンズ…」

 

「それをさせる前に、動きを止めればいいんだろ!?」

 

「なっ…!?」

 

 

そこに、土門と風丸、影野が現れ、アルテミスを囲む。

3人はアルテミスの周りを走り出し、竜巻を作り出す。

 

 

「西垣…。お前の技、使わせてもらうぞ…!!」

 

『ハリケーンアロー!!』

 

「ぐうっ!?」

 

 

木戸川清修のディフェンス技、ハリケーンアロー。

土門が主軸となって、身に付けた技だ。

 

 

「風丸、頼む!」

 

「ああ!」

 

「さばきのてっつい!」

 

「喰らうものか!ぶんしんフェイント!!」

 

「なっ…!どれが……!!」

 

 

さばきのてっついを落とそうとしたアポロンだったが、風丸のぶんしんフェイントによって、翻弄される。

みんなも、この時のために新しい必殺技を身につけていたんだ。

 

 

「半田!!」

 

「やらせはしない…!」

 

「アフロディ……!」

 

 

風丸からのパスを受け取ったオレに、アフロディが立ち塞がる。

 

 

「その程度の技より、僕たちの力が劣るだなんて…!」

 

「お前の力じゃないだろ…!!」

 

「なんだと…!?」

 

「今のお前の力は、神のアクアで付けた力だ!」

 

「力に、本物も偽物もあるとでも言うつもりか!」

 

「さっきも言ったけど、お前たちの事情なんてオレは知らない!だけど、お前たちだって、最初からそうだったワケじゃないだろ!!」

 

「何が言いたい…!!」

 

「お前たちだって、最初は地道に頑張って、みんなで頑張って、上を目指していたはずだ!0から必殺技は生まれない。神に関係する必殺技ばかりなのは、そういう想いがあったからなんじゃないのか!?」

 

「知ったようなことを……!いったいキミに、僕たちの何が分かると言うんだ!!」

 

 

そう言い合ってる間にも、オレとアフロディの攻防は続いていたが、今のアフロディの言葉が引き金となり、タックルのぶつかり合いとなった。

 

「……っ!知らないって言っただろ!でも、少なくともこれは言える!今オレが言ったことを、お前は否定しなかったな!だったらお前は、その時の自分に言えるのかよ!与えられた力で自分は強くなったって、胸を張って言えるのかよ!今のお前は、自分が積み上げたものじゃ、ここへは辿り着けないって言ってるようなものじゃないのか!?」

 

「なっ……!?」

 

 

オレの言葉に、アフロディの動きは鈍くなった。

過去のお前の事情なんて、オレは知らない。

それでも、オレは知ってるんだ。

少し先の未来のお前は、韓国の世界代表に選ばれるまでになるって。

その先でも、お前はサッカーに関われるって。

そんなお前が、神のアクアなんかに溺れるところを、2度も見たくは無いんだよ……!!

 

 

「これで目を覚ませ!ジグザグスパーク!!」

 

「ぐぅっ……!!」

 

「お前は神なんかじゃない!オレと同じ…。力を求め続けて、目標を見失って、迷った先の闇に溺れただけの、ただの人間だ……!!」

 

「なに……!?」

 

「半田!!」

 

「ああ、頼んだ!!」

 

 

ジグザグスパークでアフロディを止めたオレに、後ろから声をかけられる。

一ノ瀬と土門、そして円堂の3人と、その後ろには豪炎寺も走って来ている。

 

 

「半田の言う通りだ!オレたちは、今まで頑張って来たからこそ、ここにいる!」

 

「オレたちは、自分を裏切るようなことをしない!どんな逆境に立っても、最後の最後まで、全力で走り続ける!!」

 

「最後の1秒まで、ボールを追い掛けて、全力で戦う!」

 

『それがオレたちの……!!』

 

「サッカーだ!!」

 

 

3人が呼び出したザ・フェニックスを、豪炎寺のファイアトルネードでエネルギーが叩き込まれたシュートが、ポセイドンに向かって突き進む。

 

 

「う、うおおおおおお!!」

 

 

つなみウォールも、ギガントウォールも使う余裕が無かったのか、自分の手だけで立ち向かったポセイドンだったが、すぐに吹き飛ばされた。

……逃げはしなかった、か。

 

 

『ゴォォォオオル!!雷門、ついに同点!あの大きな差を埋めて、追い付いたぞおおおお!!』

 

「…………………」

 

「アフロディ…」

 

 

今までと違い、色んな感情が混ざったような顔をしたアフロディが、ポジションへと戻って行く。

余裕が無くなったのは分かったけど、あの感じだと……。

 

 

「まさか、あの差を埋めて来るなんて……」

 

「オレたちの力は、神の力は……」

 

 

……それより、他のメンバーがだいぶ来てるみたいだな。

ポジションには戻っているが、その表情は死んだも同然だった。

だが、そんな状態でも、試合再開の笛は鳴らされる。

 

 

「………まだだ」

 

「えっ……?」

 

「まだ試合は終わっていない…。同点に追い付かれたなら、もう1点取るだけだ……!!」

 

「ヘブンズタイムなら、もう対策してるぞ!!」

 

 

ドリブルで攻め込んで来たアフロディを、再び土門たちが囲む。

いつでもハリケーンアローを使えるが……。

 

 

「ならば、それよりも前に…!」

 

「なっ……!?」

 

 

3人が走り出す前に、アフロディはボールを蹴り上げ、それを追う。

また打って来るか……!

 

 

「今度は、壁山くんしか障害はない!これを止められるものか!ゴッドノウズ!!」

 

「少しでも…!ザ・ウォール!!」

 

 

最後のディフェンスの壁山が、少しでもゴッドノウズの威力を封じてくれた。

その間に、オレと染岡が…!

 

 

「今度こそ、止めてみせる…!ゴッドハンド!!」

 

『うおおおおおお!!』

 

 

なんとか、円堂を支えるまでは間に合った。

だが、それでもゴッドノウズの力は絶大だ……!!

 

 

「ぐ、ぐぐぐ……!!」

 

「くそ…!これを止めれなきゃ……!!」

 

 

何とか、抵抗してはいるが……。

 

 

『うわああああ!!』

 

 

止めることは叶わず、ゴッドハンドは砕け、オレたちは吹き飛ばされる。

くそ…!ここまで来たってのに……!!

 

 

「ファイアトルネード……!!」

 

「なにっ……!?」

 

「ご、豪炎寺!?」

 

 

そこへ豪炎寺がやって来て、ファイアトルネードでゴッドノウズを防いでいた。

お前も、ここまで下がってきてくれたのか……!

 

 

「はああああああ…!」

 

 

何とかゴッドノウズの威力を抑え切り、蹴り上げる。

ボールはゴールの後ろへ行ったが、豪炎寺の決死の護りで、ここはどうにかなったな……。

 

 

「あ、ありがとな…。豪炎寺……」

 

「あ、ああ…。ぐっ……!」

 

「豪炎寺!?お前、今ので足を……」

 

「大したことにはなってない…。だが、オレはここまでみたいだな…」

 

 

一応、豪炎寺の足を見てみたが、たしかに大きな怪我にはなっていなかった。

でもどちらにせよ、今まで豪炎寺はたくさんのシュートに参加し続け、今ので体力を使い果たしたようだった。

 

 

「交代…だな。染岡のワントップになるけど、さっきみたいに、ザ・フェニックスにオレが混ざれば……」

 

「……いや。円堂も次の攻撃を防ぐ頃には、そこまでの余裕は無くなるだろう」

 

「……まあ、否定は出来ないけど…。でも、それ以外に……」

 

「……半田」

 

「な、なんだよ」

 

「お前がフォワードに立て」

 

「……………」

 

 

オレが、フォワード……か。

 

 

「……分かった。絶対に、決勝点を取ってくる」

 

「………任せたぞ」

 

「豪炎寺さん。あとはオレも‥!」

 

「ああ…。少林も、頼んだぞ」

 

 

豪炎寺に代わって、少林が入る。

少林のポジションはオレのところになり、オレは豪炎寺がいたところ、フォワードになった。

皇帝ペンギン2号が止められてるなら、オレたちのシュートに賭けるしかないってのは、薄々感じていたことだった。

それよりも前に、このコーナーキックを乗り越えなきゃな…。

 

 

「アフロディ…!」

 

「この距離で、防ぎ切ることなど出来るものか……!!ゴッドノウズ!!」

 

 

ヘラが蹴ったボールはアフロディへと渡り、すぐさまゴッドノウズへと移った。

アフロディの言った通り、ゴールに近いこの位置では、壁山のザ・ウォールは使えない。

防げなかったとなると、壁山が吹き飛ばされ、円堂もそれに巻き込まれる形になるからだ。

 

 

「それでも…!!」

 

「オレたちなら、行けるから…!!」

 

「ああ…!少しでも削るぞ!!」

 

『スピニングカット!!』

 

 

鬼道たちが、スピニングカットを張ってくれた。

3人はすぐに正面から離れ、巻き込まれないようにしてくれた。

あとは、オレたちだな。

 

 

「……なあ、染岡」

 

「……分かるぜ、半田」

 

「えっ…?どうしたんだよ、2人とも」

 

「大介さんのページに書かれてたゴッドハンドトリプル。あれ、本当はゴッドハンドを使えなくてもいけるってことだと思うんだ」

 

「今までは、オレたちが後からお前を支えてたけど、今は違うだろ」

 

「あっ…!そうか!今の状況なら、最初から……!じゃあ、頼んだぞ!半田!染岡!!」

 

「ああ……!行くぞ!!」

 

「おお!!」

 

 

スピニングカットの壁を突破して、ゴッドノウズが突き進んでくる。

だけど、今までのオレたちとは違う。

オレと染岡の手にも、円堂に反応するように、黄色いオーラが宿っている。

3人がゴッドハンドを使う必殺技じゃなくて、3人が共にゴッドハンドを作る必殺技…。

それが、この技の正体だったんだ……!!

 

 

「ゴッドハンド!!」

 

『トリプル!!』

 

 

円堂がゴッドハンドを掲げた後に、オレと染岡も腕を掲げる。

すると、ゴッドハンドがさらに巨大なものとなる。

 

 

『うおおおおおおお!!』

 

「3人で……神の手を作り上げるだと……!?」

 

 

……今度は、止め切ったぞ。アフロディ。

 

 

『と、とととと、止めたああああああ!!あの猛威を振るったゴッドノウズを、円堂と染岡、半田のゴッドハンドトリプルで、防ぎ切ったぞおおおおお!!』

 

「すごいですよ!ゴッドノウズを止めるだなんて!!」

 

「ふふっ。あの3人なら、どんなことだって出来ちゃうよ。ね?つくしちゃん」

 

「………うん!」

 

 

たしかに、オレたちは止め切ることができた。

あとはオレたちが、得点を奪うことが出来れば、勝てる。

 

 

「…………………」

 

 

………オレにも分かるぞ、アフロディ。

その、時計を睨み付けるその目。

お前はまだ、諦めちゃいないんだな。




逃げませんでした(作者感

やりたかったこと②と③
イナズマブレイクでポセイドンを吹っ飛ばす。
この3人のゴッドハンドトリプル。
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