イナズマイレブン〜中途半端な逆行〜   作:トライデント

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財前総理が拉致された時の作者の言葉。
「総理大臣を拉致って、急に王女を誘拐みたいなことしてきやがった。RPGかよ。………超次元サッカーRPGだったわ」


奈良公園にて

あれから少し経ち、オレたちは雷門中に戻って来た。

全員、親御さんたちから許可をもらって、大きな荷物を持っている。

 

 

「よし!みんな乗ったな!出発するぞ!!」

 

「はい!お願いします、古株さん!」

 

「これから、長い旅になるからな!なに、お前さんたちを乗せて、どこまでも運んでやるさ。無事に終わって、帰ってくるまでな!」

 

 

そう言ってくれた古株さんは、早速イナズマキャラバンを動かし、奈良へと向かわせた。

グラウンドでは響木さんと理事長、そして火来校長がオレたちを見送ってくれた。

次にここに帰ってくるのは、何時だったけな。

 

 

「………そういえば。悪いな、大谷」

 

「えっ?急にどうしたの、半田くん」

 

「雷々軒行くの、どんどん先延ばしになっちゃうからさ。これで2回目だから、申し訳なくて」

 

「……ああ。半田くんが悪いワケじゃないんだから、謝ることないのに。でも、楽しみが先延ばしになるのも、悪いことばかりじゃないからさ。私は大丈夫だよ」

 

「……そっか。これが終わったら、行こうな」

 

「うん」

 

 

なんか、誰かの陰謀でも働いてるんじゃないかってレベルで邪魔されるんだけど。

でも、このエイリア学園騒動が終われば、世界大会の選抜までは時間があったはずだから、今度こそこれを乗り切れば行けると思う。

…………選抜に選ばれるかどうかって話もあるけど、それは今気にしてられる状況じゃないから、置いておこう。

 

 

「………あっ」

 

「どうしたんだ?円堂」

 

「古株さん!すみません、ちょっと止めてください!!」

 

 

円堂が何かを見つけた場所は、ちょうど稲妻総合病院の前だった。

円堂の目線的に、病院の方に何かを見つけたってことだろうけど…。

 

 

「おい、円堂。急に止めてどうしたんだよ」

 

「………あそこ。6階の窓」

 

「窓って、いったい……」

 

「………あっ」

 

 

染岡が詰め寄り、それに合わせて、オレを含めたみんなが、円堂が言った病院の6階の方へ向く。

そこには、オレにとってはさっきぶりの…。

 

 

「………冬海先生」

 

「目、覚ましたんだな」

 

「しかも、頑張れって書いた紙まで持って……」

 

 

……そういや、オレだけが知ってたんだよな。

伝えるのを忘れてたけど、あえて言うことも無いか。

こうして、自分の無事をみんなに知らせたんだから。

 

 

「………というか、冬海がああやって紙持ってるの、めちゃくちゃシュールだな」

 

「……でも、無事でよかった。戻って来たら、お見舞い行かないとね」

 

「まだ入院してたらだな。お互い、どれだけかかるかは分からないけどさ」

 

 

………行ってくるよ、冬海。

全部終わったら、2回分の祝勝会、やってもらうからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よーしお前ら、奈良に着いたぞ!」

 

「長かったなぁ……」

 

「関東から関西ですからね……。この距離をバスで移動することは、あまり無いかと……」

 

「まあ、目金の言う通り、ほとんどが新幹線か飛行機だよな…」

 

 

古株さんしか運転手がいなかったこともあって、途中で休憩を挟んだ結果、東京を出発したのが朝だったのに対し、奈良に着いたのは昼過ぎだった。

高速道路が混んでたら、もっと掛かってただろうな……。

 

 

「キャラバンは古株さんに任せて、私たちは奈良公園へ向かいます。そこが財前総理が襲われた場所よ」

 

「奈良公園ってたしか、巨大な鹿の像を置こうとしてた場所じゃなかったか?」

 

「よく知ってるな、風丸」

 

「いや、ニュースでチラッと見ただけなんだけどさ」

 

「巨像の落成式が行われ、それに財前総理が出席していたはずだ。そこをエイリア学園に襲われたんだろう」

 

「ら、らくせい…式……?」

 

「………今回の場合、巨大な鹿の像の完成を祝うための行事ってことだ」

 

「とにかく、その公園に行ってみるか。像の前まで行けば、何かあるかもしれないしよ」

 

 

染岡の言葉を皮切りに、オレたちは奈良公園へと向かった。

でも、総理大臣が襲われた場所ってなると、そう簡単に入れないんじゃないか……?

 

 

「……で、これがその像か」

 

「ひどいな…。首が折られてる。というか、壊されてる」

 

 

入れちゃったよ。

明らかに現場なのに入れちゃったよ。

 

 

「壊されたとなると、傘美野中を壊したあのボールの仕業か?」

 

「その可能性は高いな……」

 

「み、みなさぁん!!こ、これ見てほしいっす!!」

 

「えっ」

 

 

後ろから壁山の声が聞こえたから、そこへ振り向く。

するとコイツ、ものすごく見覚えのあるものを持ってた。

 

 

「…………現行犯」

 

「ち、違うっすよ半田さん!そもそも、一緒に来たじゃないっすかぁ!!」

 

「これ、エイリア学園が持ってたボールでやんすよ!?」

 

「えー……。なんでそんなのが残ってんだよ……」

 

「これ、めちゃくちゃ重いっすよ!」

 

「こんなのを蹴って…は、いなかったけ。浮遊してぶつけたんだよな」

 

「どっちにしろ、こんなの当たったらタダじゃすまないぞ…」

 

 

流石に人間には当ててはいなかったけど、そもそも学校を壊してたものだからな…。

サッカーボールの形はしてるけど、ほぼ解体用の道具だろうな。

 

 

「財前総理、無事なのかな……」

 

「目的が分からない以上、そこまでは……」

 

「現れたね!宇宙人の手先!!」

 

「えっ」

 

 

後ろから女の子の声が聞こえたので、そこへ振り向く。

そこには、黒服を着込んだ、その声の主だろう女の子や、大人数名がいた。

…………たしか、財前総理のSPたちだよな。

 

 

「……………………?」

 

「後ろを向いても、お前たちしかいないよ!」

 

「……………………?」

 

「だから!自分に指を刺してても、お前たちしかいないんだって!やっぱり現場に戻って来たね、宇宙人の手先め!!」

 

「えっ……。オレたちが、宇宙人……?」

 

「地球人も宇宙人ってなる、あれでやんすか?」

 

「そのボールを持ってるのが、何よりの証拠だよ!」

 

「オレたち、今来たばっかなんだけど」

 

「どう証明するのさ!!」

 

「高速道路の定点カメラとかに映ってると思うけど。それか目立つ車で来たし、料金所の人に聞けば……」

 

「問答無用!!」

 

「なんでさ」

 

 

話を聞かないヤツだな。

………まあ、前回に円堂から少しだけ話を聞いてたから、ある程度は知ってたけどさ。

財前塔子。財前総理の娘で、前回地上最強イレブンとして、最後まで戦ってくれた女の子。

こう見ると、どこか円堂と似てるよな……。

 

 

「サッカーで勝負だよ!そんなに自分たちが宇宙人の手先ってことを否定したいなら、私たちに勝つんだね!」

 

「な、なんでサッカーになるんですか……?」

 

「プレーを見れば、ウソを吐いてるかどうかなんて、すぐに分かるよ!私たち、SPフィクサーズは、そうして来たんだから!」

 

「SPフィクサーズ……。春奈、どういうチームなんだ?」

 

「えっと………。あった!財前総理のボディーガードたちで構成されたチームです!何でも、財前総理自身が大のサッカー好きなようで……」

 

「ニュースでもよく言ってたな」

 

「ってことは、お前がキャプテンなのか?」

 

「なに?子供がキャプテンなのが意外?それとも、女の子がサッカーするなって?」

 

「そんなことないさ。子供や女の子だからって、関係無い。大切なのは、サッカーが大好きって気持ちだからさ」

 

「えっ………」

 

「………こんな時でも、変わんないな。円堂」

 

 

後ろの大人たちを見るに、オレたちを疑ってる"風"なのは分かる。

普通にサッカーをすれば、どうにか……。

 

 

「……大人相手でどこまで戦えるか、見させてもらいます」

 

「流れ的に、仕方ないか…。みんな、すぐに準備しよう」

 

「もちろんだ!大人と戦えることなんて、そうそうない。みんな!オレたちが宇宙人じゃないってこと、証明しようぜ!!」

 

『おお!!』

 

 

瞳子監督と円堂の声によって、オレたちは準備を進める。

来て早々にサッカーするとは思わなかったけど、ストレッチとかをやっとけば…。

 

 

「………ん?」

 

 

オレが見つけたのは、それぞれ足を気にする染岡、風丸、壁山の3人だった。

………お前ら、まさか。

 

 

「………瞳子監督」

 

「染岡くん、風丸くん、壁山くん」

 

「あん?」

 

「はい?」

 

「なんっすか?」

 

「あなた達3人は、試合に出てはいけません」

 

「えっ…!?」

 

「ど、どういうことだよ!」

 

「何がいけないんっすか!?」

 

 

………なるほど。話に聞いてた通り、かな。

この分なら、任せられそうだ。

 

 

「………なんだったかしら、半田くん」

 

「いえ、やっぱり何でもないです。ありがとうございます」

 

「……………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

(3人と一緒に抗議することなく、引き下がり、お礼まで言う……ね)




どんな人が仲間になったか〜ぐらいしか、聞いてないです。
なんで、具体的に何が起こったかは知らないっすね、この半田さん。
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