あっ、お気に入りが700を超えていました。
まだまだじわじわと伸びていってくれてるので、嬉しい限りです。
これからもよろしくお願いします。
染岡、風丸、壁山を除いた8人で、試合が始まる。
公式戦じゃないからな。この人数でも、試合は出来る。
「監督!なんでオレたちが試合に出てはいけないんですか!」
「こっちは8人だぞ!?オレたちが出れば11人だろ!」
「それに、ほとんどが大人っすよ!?人数差があったら、厳しいっす!」
風丸たちは、瞳子監督に抗議を続けていた。
あの様子だと、あの3人が出てくることはないはずだ。
こっちは8人だけど、なんとかするしかない。
「目金。久しぶりの試合だけど、頼んだぞ」
「は、はい!僕も練習はしてましたので、少しは力になれるかと!」
「知ってるさ。点はオレたちが取りに行くから、他を任せた」
目金が出るのは秋葉名斗との試合ぶりになるのかな。
OBの時とも、試合に出ることはなかったから。
その間でも、マネージャーの仕事を手伝うだけじゃなく、しっかりと練習をしてたのはオレたちも知っている。
コイツも立派な雷門のサッカー部員ってことに、変わりはない。
「どういう意図かは知らないけど、3人も人数差があって、私たちに勝てるつもり?」
「宇宙人の手先って言ったわりに、こっちの心配してくれるのか」
「別に。負けた時、それを言い訳にされるのがイヤなだけだよ」
「……ふーん」
財前…だと総理と被るな。塔子って呼ぶか。
話しかけてきた塔子に、オレはそう答える。
まあ、オレがそう言ってる間にも、鬼道とかが監督に不信感を抱いてるようだけど。
「………なぜ、監督はこんな指示を」
「理由も無しにこんな指示は出さないだろうけど、それにしても…」
「あー……。鬼道、一之瀬。あの3人は…」
「こら!宇宙人の手先!喋ってないで、さっさとポジションついて!」
「……わ、悪い。あとで話す」
「あ、ああ……」
「……初対面なんだけど、あんなふうにされると、自然と体が動いちゃうよ」
一之瀬の言う通り、塔子の声が聞こえた途端、なんか勝手に体が動いたかのようになった。
SPフィクサーズのキャプテン務めてるってのも、納得ではあるんだけど……。
3人が怪我してること、言いそびれちゃったな。
「さあ!ここ奈良公園にて、雷門中学サッカー部対、SPフィクサーズとの試合が、まさに始まろうとしています!!」
「えっ、角馬くん!?」
「いつの間にいたんですか!?」
「……まさか貴方、その自転車で来たの…?」
「ここ、奈良県だよ……?」
ウソだろ。なんでお前がここにいんだよ、角馬。
東京からどれだけ距離あると思ってんだ。
もし本当に自転車でここまで来たんだとしたら、お前将棋部じゃなくて自転車部行った方がいいぞ。
それかサッカー部に来い。お前鍛えたら絶対いいとこまでいけるから。
「………よし。さっそく始めよう。宇宙人の手先じゃないって証明したいなら、私たちに勝つんだね!」
「おい、オレたちが宇宙人の手先になるなら、あの東京から奈良まで自転車で来たアイツも宇宙人の手先になるけど、いいのか」
「………それだけ聞いたら、だいぶ宇宙人の手先だと思うけど」
「よし。じゃあ勝てばいいんだな。8人でも絶対勝ってやる」
「墓穴掘ったからって無理やり誤魔化そうとしたな!?」
なんか塔子がやいのやいの言ってるけど、気にしないで行く。
8人のフォーメーションだけど、豪炎寺のワントップ、オレと鬼道、一之瀬のオフェンス。栗松と土門、そして目金のディフェンス。キーパーは円堂。
目金がディフェンスにいるのは、自己申告によってだった。
たしかに、ワントップとなるとオフェンスの負担も大きくなる。
オレたちの3人のうち誰かがディフェンスに行くよりは、目金が行ってくれたほうが攻めやすい。
「目金!そっちは任せたぞ!」
「は、はい!」
「よーし!人数が少なくても、全力で行くぞ!!」
『おお!!』
3人少ない分、やっぱり声の響きも違う…か。
オレたちからのキックオフで、試合は始まった。
豪炎寺が後ろに回したボールは、オレへと渡る。
「行かせないよ!ザ・タワー!!」
「ぐっ…!」
攻めようとしたオレに、塔子が立ち塞がった。
地面が光が漏れ出したと思ったら、突然タワーが生える。
頂上にいる塔子が雷を叩き落とし、オレは吹き飛ばされた。
「そうそう突破なんてさせないよ!」
「やるな…!」
「舞!」
塔子が前に送ったボールは、ミッドフィルダーの館野へと渡る。
……心の中とはいえ、年上を呼び捨てで呼ぶのも気が引けるけど、いつも通りでいこう。
「通させませんよ…!」
「極火!」
「ああ!」
突破はさせないと立ち塞がった目金。
久しぶりの試合とは言え、気合いは十分だったようで、そこはオレも嬉しかった。
ただ、そこへ同じくミッドフィルダーの極火が合流して……。
『あい!』
「えっ」
『き!』
「えっ」
『どう!』
「えっ、あっ、うわぁ!?」
………なんか、この、なんだろう。
館野と極火の2人が、突然シンクロした動きを見せたと思ったら、突然2人でソニックブームを打ち出して、目金を転ばせた。
言えることは、それ全然合気道じゃないだろってことしか言えないんだけど。
とにかく、なんかすごい珍妙なドリブルに、目金は抜かされた。
マジで災難だな、目金。
「加賀美!」
「いくわよ、木曽久」
「ああ!」
ボールを渡された加賀美が、ボールを打ち上げると、空中で4つの鍵でボールを固定する。
そのボールは回転し、周りの鍵を巻き込んでエネルギーを纏う。
そこへ木曽久が追いつき、かかと落としでボールを蹴る。
『セキュリティショット!!』
「風丸と壁山がいないから、あらかじめ準備はしてたさ…!マジン・ザ・ハンド!!」
円堂の言葉通り、2人がシュートを打つ前から準備してたことから、マジン・ザ・ハンドが間に合った。
ゴッドノウズを止めたマジン・ザ・ハンドは、そう簡単に破られはしない。
「行け!栗松!」
「はいでやんす!」
「やらせるか…!」
「たまのりピエロ!鬼道さん!」
ボールを渡された栗松は、ドリブル技で先手を突破。
それからすぐにボールは鬼道へと渡された。
「行くぞ!一之瀬!半田!」
「ああ!」
「任せて!」
オレたち3人となると、やることは1つだけだ。
初めてやった世宇子戦では、点を奪うことは出来なかったからな。
八つ当たりってワケじゃないけど、今度こそ決めさせてもらう。
「皇帝ペンギン!」
『2号!!』
「セーフティプロテクト!!」
相手のキーパーの鉄壁が、警察たちが使うライオットシールドを召喚し、皇帝ペンギン2号を止めようとする。
だけど、それぞれにペンギンが突き刺さり、止めることは叶わず、シールドごと吹き飛ばされる。
「……やっぱり。噂は間違いなかったね」
「決まったあああああ!!鬼道、一之瀬、半田の皇帝ペンギン2号が炸裂!雷門、初得点を奪い取った!!」
「……これぐらいは、やるようね」
「やったな、鬼道。一之瀬」
「うん。この前は、止められちゃったからね」
「ただ、やはり人数差は気にした方がいい。攻めるなとは言わんが、積極的に行くことは出来ないな。豪炎寺、負担は大きくなるが、このままワントップで行かせてもらうぞ」
「……………………」
「……豪炎寺?」
「………あ、ああ…。構わない」
………東京でキャラバンに乗る前から、豪炎寺の様子がおかしかったのに、オレは気付いていた。
他にも気付いてる人もいるだろうけど、やはり試合中も、色々と考えているようなことが多かった。
後から話を聞いただけなんだけど、この原因は、たしか………。
「……オレたちも攻めるときは攻めるからさ。その時は、シュートを打ってくれよな」
「………ああ」
……今のオレたちには、どうすることも出来ない。
それから、大きな苦戦をすること無く、試合は終わった。
その間に豪炎寺がファイアトルネードを打っていたけど、それはしっかり決まっていた。
この試合に限っては、大丈夫なようだった。
でも、問題はこの後……だよな。
あの距離チャリで来たのも化け物だし、車で来た円堂たちにわりとすぐ追い付いてるのが一番化け物です。