イナズマイレブン〜中途半端な逆行〜   作:トライデント

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振り返ってみると、この特訓けっこう重要なものじゃね?となりました。


特訓in北の大地

白恋中サッカー部との試合が終わり、今は交流の時間となっている。

みんな吹雪と話がしたくて堪らなくなってるな。

 

 

「すごい動きだったな!攻撃と言い守備と言い、全国クラスだ」

 

「たしかに。吹雪個人の動きは、凄まじいものだとは感じたな」

 

「ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいな」

 

 

鬼道の言う通り、吹雪の実力は確かなものだった。

そこは疑いようもなくて、オレもこの目で見て感じたものだ。

でも、やっぱりオレの記憶との違いで、一番気になるのは……。

 

 

 

 

 

 

「吹雪!なんなんだ、今のプレーは!」

 

「…?だって、僕って今までずっとこうしてたし…」

 

「白恋じゃ良くても、ウチじゃ良くねぇんだよ!」

 

 

瞳子監督のスカウトを受けた吹雪を迎え、オレたちは紅白戦をしていた。

紅チームが吹雪、中谷、鬼道、一ノ瀬、、栗松、壁山。

白チームがオレと染岡、目金、風丸、塔子、土門だった。

紅チームの吹雪のプレイを見た、対する白チームの染岡が一時ゲームを中断させ、吹雪に詰め寄っている。

………まあ、オレも同じ気持ちだから、染岡を止めることはしないけどさ。

 

 

「………やっぱり、こうなるか…」

 

「半田。お前もこうなると思っていたのか」

 

「まあ、な…。たしかにさっきの試合で、吹雪の力がすごいってことはよく分かったけど。ただ、それ以外がな……」

 

「他の白恋中のメンバーと連携を取るところが見えなかった、か…。それはオレも感じていた。個人の動きが良くても、そこの課題は見えていたが…」

 

「辞めてよ、染岡くん。そんな汗臭いの、疲れるよ」

 

「ああ!?」

 

「…流石に止めるか。行ってくるよ、鬼道」

 

「………ああ」

 

 

吹雪と爆発寸前の染岡の所へ、オレも混ざる。

………これ、なんだよな。オレが感じてる、吹雪の最大の違い。

 

 

「なあ、吹雪。瞳子監督の誘いに乗ってくれたのは嬉しいけど、雷門に入ってくれたからには、ある程度オレたちに合わせてくれないか?せめてパスを求められたら、無視はしないでくれよ」

 

「………うん。たしかに、無視は良くなかったね。ごめん」

 

「おい、お前…!オレの言いたいこと、まだ完全に理解してねえだろ…!!」

 

「まあまあ、落ち着けよ染岡。オレが言ってもまだ我関せずな態度だったら問題だったけど、そうじゃなかった。それに、吹雪は雷門に入ってくれてすぐなんだぜ。初っ端から争い合うのは良くないって」

 

「……………」

 

 

完全に納得してはいないものの、頭が冷えてくれたのか、矛を収めてくれた染岡。

吹雪も改善の兆しが見え……たかどうかは分からないけど、少なくともこの場はどうにかなった。

吹雪のプレイスタイルは、オレも予想外だったんだけどな…。

 

 

「でも、エイリア学園からボールを奪うには、あのスピードは必要だな」

 

「…そう、だな」

 

「なあ、吹雪。お前のそのスピードって、何か秘訣でもあるのか?」

 

「……………」

 

「ど、どうしたんだよ?半田。そんなにオレのことをガン見して」

 

「い、いや…。悪い。気にしないでくれ」

 

「気にするなって…無理ないか…?」

 

 

………風丸のことも、ちょっと心配なんだよな。

 

 

「そうだね。キミたち風に言うなら、ボクの特訓に付き合ってもらおうかな」

 

「吹雪の特訓か!いったい、どんな特訓なんだ?」

 

「おいでよ。キミたちを風にするから」

 

「………???」

 

「キャプテンの後ろに、宇宙が広がって見えますね…」

 

「どんな特訓?って聞いて、風にするって言われたら、思考停止も止む無しじゃないかしら…」

 

「あっ、ブラックホールが見えてきた…」

 

「円堂くん円堂くん。吸い込まれる前に帰ってきて」

 

 

そんなこと思ってたら、円堂が木野に引っ張られてた。

なんか円堂の後ろに宇宙が見えた気がしたけど、気のせいだよな?

円堂が木野に引っ張られて、吹雪の後を追ったから、オレたちもそれに続く。

アイツが行ってるの、白恋中の校舎裏だよな?

そんなとこに何が…。

 

 

「すごい!学校内にゲレンデがあるんだね!」

 

「学校内にゲレンデがあるの?」

 

「一之瀬の言葉に質問するな」

 

「そして、これで特訓するのさ」

 

 

そう言って吹雪が取り出したのは、スノーボードだった。

………ああ。風になるって、そういうこと?

 

 

「吹雪くんは小さいころから、スキーやスノーボードが得意なんだよ!」

 

「なんでサッカーやってるでヤンスか?」

 

「………まあ、約束があってね。とにかく、キミたちも準備して。雪がボクたちを風にしてくれるんだ」

 

 

荒谷の言葉を聞いた栗松の率直な疑問が、一瞬だけ吹雪の顔色を変えた。

………そういうとこは、オレも知らないんだよな。

正直、栗松の疑問はオレも思ったことだし。

で、吹雪の特訓か。もちろん、参加させてもらうぞ。

 

 

「よし。じゃあ吹雪の特訓、オレたちもやるぞ!」

 

「オレはいい。そんな遊びじゃなくて、しっかりした特訓を…」

 

「まあまあ染岡。やってみようぜ?」

 

「おい半田。オレはいいから…」

 

「まあまあ染岡。やってみようぜ?」

 

「いや、だから半田。オレは…」

 

「まあまあ染岡。やってみようぜ?」

 

「さっきから同じことしか言わねえな!?分かったからそれ辞めろ!怖ぇから!」

 

 

なんか吹雪の特訓に参加しないとか言い出す染岡がいたから、無理やり参加させることにした。

いや、どう考えてもこの特訓、必要だろ。

だって前回にこの特訓をしたお前たちがイナズマジャパンに選ばれて、参加してなかったオレが選ばれてなかった…。

 

 

「…えいっ」

 

「わぶっ」

 

「危ねっ!?おい大谷!狙うなら半田だけのときにしとけよ!オレが居る時にやるんじゃねえ!」

 

「ごめんね。染岡くん」

 

「オレを狙うのはいいの?」

 

 

その先を考えようとしたときに、大谷に雪玉を投げられた。

…まあ、そのおかげで思考は止まったんだけどさ。

 

 

「じゃあ荒谷たち、お願いね」

 

「うん!じゃあ雷門のみんな、頑張って避けてね!」

 

「なんの話?」

 

「これは話が読めないときの言葉ですね」

 

「わたしたちが大きな雪玉を作って、丘の上から転がすから、それを避けるんだよ!」

 

「えっ、なんの話?」

 

「これは話を聞いたけど理解できなかった時の言葉ですね」

 

「目金さん!解説してる場合じゃないッスよ!」

 

 

荒谷からとんでもないセリフが聞こえたけど、聞き間違いじゃなかった。

…まあ、死にはしないだろ。多分。

みんなから離れてるところで、身体を抑えて震えてる吹雪に気付かないまま、オレたちは準備を進めた。

 

 

 

 

 

 

「死ぬかと思った」

 

「ほぼ初めてって言ってたもんね…」

 

 

本当に雪玉が襲ってきたのを辛うじて逃げ切ったオレは、ゲレンデの麓で大谷と一緒にみんなの様子を見ていた。

一之瀬と土門、そして塔子と鬼道は経験者だったようで、すんなりとスノボを乗りこなしている。

他のみんなは、まあ、うん。

 

 

「あっ、転がってる壁山くんに、栗松くんと目金くんが巻き込まれてる…」

 

「でっかい雪玉が出来て、正体に気付かれずにみんな避けたな。まあ、正体分かってもみんな避け…」

 

「ゴッドハンド!!」

 

「受け止めるヤツいたわ」

 

「おい半田!人を無理やり誘っておいて、サボってんじゃねえぞ!」

 

「悪い悪い!どうだよ染岡。感覚つかめてるか?」

 

「分かんねぇよ!始めたばっかってのもあるし、スノボなんてやったことねぇしよ!」

 

「そりゃそうか。じゃ、行ってくるよ」

 

「うん。頑張ってね」

 

 

オレも慣れてるワケじゃないしな。

早いとこ、乗りこなすまでは行かなくても、慣れないと。

 

 

 

 

 

 

夕飯が終わりしばらく特訓し、風呂も入り終わり、あとは寝るだけなんだけど…。

 

 

「…声が聞こえると思ったら、こんなとこにいたか」

 

「あっ、半田」

 

「………」

 

 

キャラバンの屋根の上に上がると、そこには円堂と風丸がいた。

お悩み相談ってとこかな…。

 

 

「円堂、風丸に何言ったんだ?いつも通り、何か言ってくれたんだろ?」

 

「ああ。"人に変われって言う前に、自分が変わらなきゃいけない"ってさ。吹雪に賛同したのも、自分が歯向かう資格無いとか思ったみたいでさ。そんなことは、絶対ないだろ?」

 

「…耳が痛いな。でも、お前らしい。そら、風丸。円堂にも言ったんだろうけど、オレにもぶつけろよ。何に悩んでんだよ」

 

「…吹雪のスピードに、圧倒されたんだ」

 

「それはオレたちも一緒だ。アイツの速さは、とんでもないよな」

 

「エイリア学園は、まだいいんだ。2度戦って、差を理解させられた。でも、吹雪は同じ人間なのにって、思ってしまってさ…。自分でも、情けなくなる」

 

「………まあ、オレたちの中で、一番の快足はお前だったしな。風丸。でも、吹雪の特訓、始めたばっかだろ?実際、少しだけやっただけだけど、スピードを感じたような気がしてるんだ。お前もじゃないのか?風丸」

 

「………それでも、アイツのスピードには、届きは…」

 

「よし。風丸。強制連行だ。こっち来い」

 

「は、半田?」

 

「おっ、なにするんだよ?オレも混ぜろよ!」

 

「円堂も来るか?じゃあ、お前も来いよ。今から雪まみれになるぜ」

 

「えっ」

 

 

そう言って、風丸を連行したのは、白恋中の校庭。

見事に雪まみれで、玉には困らないな。

 

 

「悩み抱えてんだろ?パスのぶつけ合いもいいけど、せっかくの雪国なんだ。雪合戦と行こう…ぜっ!!」

 

「うわっ!くそっ…!やったな半田!くらえ!」

 

「オレも混ぜろって!くらえ半田!」

 

「えっ、2対1なの?こういうのってロワイヤル形式じゃぶべっ」

 

『あっ』

 

 

2人が投げ続けた雪玉は、オレの顔面に見事にヒット。

よし。こいつらしばいてくか。

 

 

「………は、ははは…。はははの半田さんってな」

 

「は、半田…?その、2人で顔面に当てちゃったことは謝るから、怒りを収めて…」

 

「そ、そうだぞ、半田…。はははの半田さんって、意味分かんないこと言って…」

 

「お、おい!円堂…!」

 

「ローリングスノーボール!!」

 

『うわあああああ!!』

 

 

ムーンサルトの回転を活かして、すごい勢いを付けて投げた雪玉が2人を襲う。

雪玉の貯蔵はばっちりでな。覚悟しろお前ら。

 

 

「おっ、なにやってんだアイツら。中谷。オレたちも混ざるぞ」

 

「ほ、本気で言ってる…?混ざるって、どっちに…?」

 

「もちろん、円堂側に決まってんだろ。暴走した半田を抑えるのは、オレたちの役目だからよ」

 

「そ、そっか…。じゃあボクは、応援してるから…」

 

「逃がすワケないだろ」

 

「ひいいいい…」

 

「んじゃあ、オレたちも混ざりますかね。1年たちはどうする?」

 

「じ、自分たちは遠慮しとくッス…」

 

「あとでバレたら、痛い目みそうでヤンスし…」

 

「ボクも遠慮しておきます。返り討ちは目に見えてますし」

 

「半田はそういうの気にし無さそうだけどね。じゃあ、行こうか!」

 

「では、オレも混ざるとしよう。少しぐらい、痛い目を見るといい」

 

「恨みでもあるの?鬼道」

 

「いや?全く無いが」

 

 

気付いた時には、タメの2年たちにボッコボコにされたオレがいた。

………まあ、風丸の悩みも一旦吹き飛んだみたいだし、別にいいか。

とりあえずお前ら、あとで覚えてろよ。とくにあとから参加した染岡たち。




初期退場かつ風になってないのに、代表候補に選ばれたマックスisなに?
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