イナズマイレブン〜中途半端な逆行〜   作:トライデント

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背景を一旦無視すると、ただの悪ガキでしかないです。


あけましておめでとうございます。
とんでも不定期かつ亀更新ではありますが、失踪だけはしませんので、ごゆっくりとお待ちいただければと思います。
活動報告にも載せてますが、pixivにもこの小説を載せてます。
まあ、とくになんだというワケではありませんが、作者が自分ということも兼ねて、報告だけ。


悪ガキとの出会い

 漫遊寺との試合…手合わせか。が、終わって、選手間で話してる時間が流れる。

 オレのひとりワンツーについて市川が色々聞いてきたけど、本当に大したことじゃないから、そこまで聞かれても困るんだけどな…。

 

 

「あんな技、いつの間に身に付けたんだよ!」

「技でいいかは、本人ながら物凄く疑問符を浮かべるけどな。技術の域を出ないだろ」

「応用が効きそうではあるだろう。お前のシュート…。ローリングキックだって、木戸川清修のムーンサルトを組み合わせて、パワーアップを果たしたんだからな」

「まあ、やりようはありそうってのは、オレも感じてるけどさ…。てか、よく覚えてるな、そんなこと」

「必殺技のパワーアップ方法が斬新なものだったからだ。ひたすらに練習を積んでパワーアップというのは何度もあるが、必殺技を組み合わせるというのは、目から鱗だったぞ」

「オレだって、大谷が木戸川の試合の映像持って来てくれなきゃ、思い付かなかったよ」

 

 

 本当に、あの時大谷が持ってきてくれなかったら、そんなこと思い付かなかった。

 入手したのは音無だったけ?マネージャーに支えられてるよ。

 その内、お礼とかしないとな。

 

 

「他の必殺技も、お前の観点からでパワーアップとかは出来ないのか?今のメンバーなら、複数の必殺技を覚えている選手は珍しくないが」

「うーん…?他のみんな、か…。パッと思い付くのは出ないな。もっと深く考えれば、何か閃きそうでもあるけど」

「そうか。なら別の機会でもいいが、オレや一之瀬も混ぜて、色々と考えてみないか?」

「いいぞ。三人寄れば何とやらだし、な」

 

 

 正直なところ、オレはいまウソを付いた。

 鬼道と一之瀬がイリュージョンボールを覚えてるなら、練習すればあの技を覚えることは可能だと思う。

 ただ、あれをオレたちが使うのって、ちょっと抵抗あったりするんだよなぁ…。

 そんなことを言ってられないってのも分かるけど、この後がイプシロンだとして、その後に闘うのは……。

 

 

「改めて。手合わせ、感謝致します。先ほどの非礼のお詫びというワケではありませんが、我がサッカー部のマネージャーが、食事を用意しています。よろしければ、ご同席頂いてもよろしいでしょうか?」

「えっ!いいんですか!?」

「でも、京都と言えば精進料理ってよく聞くっすけど…」

「たしかに普段はそう言ったものを食べてはいますが、練習や試合の後は、皆様のお口に合うような料理を食べますよ」

「な、ならオレもぉ!」

「壁山なぁ……」

 

 

 オレや染岡が呆れたような顔をするが、漫遊寺の人は、壁山の性格とかを分かってくれていたようで、嫌な顔はしていなかった。

 極端な話、そちらの文化にケチを付けるようなもんだから、相手が相手なら激怒待ったなしだからな…。

 

 

「では、ご案内致します。こちらへ…」

「ありがとうございま…」

『おおおおおっ!?』

「す…。えぇ…?」

 

 

 お礼を言い終わる前に、漫遊寺のみんなは、オレたちの前から姿を消した。

 いや、正確には落ちて行ったって言うのが正しいんだけど、なんでこんなところに、落とし穴が……。

 

 

「やーいやーい!引っ掛かった引っ掛かった!!」

『木暮ぇえええ!!!』

「やっべ!!にっげろー!!」

 

 

 ……ああ。考えてみれば、コイツしか原因いなかった。

 

 

「なんだ…?あのクソガキ…」

「ク、クソガキって、半田くん……」

「やってることで言えば、とんでもない悪ガキではあるけどね…」

「今時落とし穴って…。しかも、土とは言え、ある程度は舗装された道だぞ…?それを、あんなピンポイントで、こんな深さって、何者だよアイツ…」

「…………………プロだ」

「落とし穴のプロって何よ…」

 

 

 みんな木暮を不可解なもの…とまでは行かないけど、変なのを見る目で見ている。

 ファーストコンタクトが、落とし穴に落としてはしゃいでるとことなると、然もありなんって感じだな…。

 

 

「あのユニフォームを着ていたとなると、あの子もサッカー部ってことですよね」

「そうだろうな。まあ、詳しくは垣田たちに話を聞いた方がいいんじゃないか?」

「そう、ですね」

「……なんだ?気になるのかよ、音無」

「そりゃあ…。あんなの見たりしたら、大なり小なり、気になりますよ」

「まあなぁ…。あの感じ、何度も仕掛けてるっぽいし」

 

 

 そういえば、前回も音無が木暮のことを気にしてたっけ。

 詳しいことは聞いてないから理由は知らないけど、何か感じるものがあったってことなんだよな。

 なら、音無に任せた方がいいのかな。

 

 

 

 

 

「アイツには困ったものでして…。何度言っても、あのような悪戯を辞めることは無いんです」

「はぁ…。たしかに、そんな感じはしますね」

 

 

 それから少し経ち、木暮を捕まえた一部のメンバーを除いた漫遊寺の人たちが戻って来て、みんなでご飯タイムを過ごしている。

 音無が垣田から話を聞いていて、オレは市川から話を聞いている。

 任せた方がいいかと思ったけど、オレも少しは聞いた方が良さそうだよな。

 

 

「ですので、その報いを受けさせるべく、雑用をやらせています」

「雑用…?例えば、どんな?」

「ここの床の雑巾掛けや、天井を拭いたりでしょうか」

「ええ!?ここのとなると、とんでもない長さじゃないか!」

「そうですね。そうなると、かなりの忍耐力や体力が必要となります」

「…うん?」

「………お気付き、ということで?」

「………忍耐力や、体力が必要となると、そういうことか?」

「これは、キャプテンである私の指示で行っているもの。と言えば、お分かり頂けるでしょうか?」

「…なるほど。でも、これって本人に伝わってないんじゃないか?」

「いつかは、教える時が来ると思います。ですが、それは今ではないのです。これはなるべく、木暮自身で気付いてもらいたいのです」

「………」

「………我儘、なのでしょうか?」

 

 

 たしかに、市川たちの考えは理解出来る。

 それを木暮が理解してない以上は、あまり意味が無いと思うし、その結果があの落とし穴というのも、想像が付く。

 でも、そんなことは、落とし穴に落ち続けてる市川たちが一番分かってるはず。

 それを敢えて放置して、これを続けてるってことは…。

 

 

「………何かしら、事情があるってことか」

「………これを知ってるのは、キャプテンである私と、監督のみなのです。他のメンバーは、これが悪意を持っての行動ではないというのを、知ってるだけ」

「聞かせてもらっても、いいか?なるべく本人から聞けばいいんだろうけど、初対面で、多分だけど、同じ立場にいないオレには、絶対に話してくれないだろうし」

「………では、監督のもとへ参りましょう。これを察した貴方なら、お教えしてもよろしいかと」

「そんな、大層なことじゃないと思うんだけど…」

 

 

 

 そんなことを言いながら、オレは市川の案内で、漫遊寺の監督のところへ行った。

 そこで聞いたのは、木暮の過去のこと。

 ………なるほど、な。

 前回は聞かなかったけど、まあ…。なんと言うか。

 そんなこと、わざわざ言うことは無いよな。

 

 

 

「でも、オレに教えてもよかったんですか?こんなの、プライバシーの塊というか…」

「………市川から、木暮に雑用をやらせているというのを聞いて、初めに何と感じた?」

「えっ?そりゃあ、理由も無しにそんなことをするとは思いませんでしたよ。だって、そんなことを続けていたら、監督の耳どころか、他の生徒や先生の目に届くでしょう?にも関わらず、市川たちはそれをし続けて、監督はそれを咎めもしなかった…。は、オレの考えですから、実際はどうかは分かりませんけど」

「……………」

「それに、本当に雑用しか出来ないような選手なんて、言い方悪いですけど、長く置いといたりしないでしょう。心身を鍛えることに重きを置いてる漫遊寺なら、尚更。退部にもならず、あの雑用…。いや、特訓をさせられているなら、気にかけられているってこと。これは、市川から話を聞いて、思ったことですけど。少なくとも、悪意を持って、木暮にあんなことをさせてるとは、オレは思いませんでしたよ」

「………君は、賢いな」

「………そんなこと、無いですよ。オレなんて、ただのサッカー部ですから」

「そうだろうか。君なら、数多の選手を、導くことが出来そうだが」

「私もそう思いますよ。選手と言うより、貴方の眼は、指導者のように見受けられました」

「………まあ、経験が無いワケでは、ありませんから」

 

 

 ………指導者、か。




中身が大人なので、気にしいさが大きくなってしまう。
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