好きだけどサブタイ採用はお預けです。
「お前、ポジションは?」
「い、一応、ディフェンス…」
木暮のポジションを問いただすと、返事を聞けた。
ディフェンスなのは変わらないか。
「となると…。オレ、今回はベンチスタートでいかせてほしいです」
「いいのか?宍戸」
「はい。準備はしますけど、ベンチから応援します!」
「そう言われたら、お前の分まで頑張らないとな」
「最近風丸さんって、疾風ディフェンダーってより、疾風プレイヤーって感じがしてますから!」
「それは応援…なのか…?」
「それなら、ボクもベンチでいいよ」
「アタシも!」
「……………オレも」
「中谷と塔子に、影野もか。揃って申告って、どうした?」
「いや、ボクたちよりも、隣の…」
「心得を伝授してくれた皆さんを…!!よくも…!!」
「すっごい暑くてさ…」
「……………燃えちゃいそう」
宍戸や中谷たちの申請もあって、ポジションは固まりつつある。
少林の燃えっぷりが凄まじいな…。
「染岡と吹雪のツートップ。中盤は半田と鬼道、一之瀬と少林。ディフェンスは、風丸に壁山と土門、そして木暮か」
「こう聞くと、人数増えたな。ここまでメンツ入れ替わるなんて」
「全国行脚をするとなると、もっと増えるだろうさ」
「別に公式戦じゃないんだし、人数増えることに気にすることはないでしょ。試合前には決める必要はあるかもだけど」
「宇宙人なんだし、あっちがそんなの気にしないとか言いそうだけどな」
「そうだな。公式戦でない以上、その辺りのルールを追求するつもりは、私にはない」
「なんでこういうことには、アイツ返事するんだよ…」
「ていうか、なんで聞こえてるんだろう…」
デザームのデカい声を聞いて、オレたちはフィールドへと向かうことになった。
サラッと会話に混じるなよな…。
「よし!漫遊寺のみんなのためにも、負けられないぞ!」
『おお!!』
「割って入ってきたのだ。少しは楽しませてもらおうか」
「さあ!雷門イレブンと、エイリア学園イプシロンとの試合が、いま始まります!」
試合開始の笛と共に、染岡と吹雪が攻める。
初めてのイプシロンとの試合だ。
コイツらの動き、少しでも見極めないと…。
「ふむ。レーゼたちを下した瞬間を見ていたが、少し力をつけたようだな」
「漫遊寺の人たちが、付き合ってくれましたからね…!」
ボールを持った少林が上がり、攻め込もうとする。
「きゃはっ!それって要するに、雑魚の馴れ合いってやつでしょ?」
「なっ…!?」
「反応出来なかった?そんなので、よくジェミニストームを倒せたね。いや、アンタはいなかったけ?」
「くっ…!」
しかし、突然現れたマキュアに、ボールを奪われる。
そんなことを言われた少林は顔を歪ませるも、振り切られてしまう。
「まずは1点取っちゃいな!ゼル!」
「任せろ。ガニメデプロトン!!」
マキュアからボールを受け取ったゼルが、ガニメデプロトンを打ち込む。
どう見てもシュートとは言えない必殺技なのに、なんて威力だ…!
「すまん…!カットが間に合わない…!」
「初めて受けるシュートだ、仕方ないさ…!マジン・ザ・ハンド!!」
シュートブロックが間に合わず、円堂だけでシュートを受けることになってしまう。
なんとかマジン・ザ・ハンドを出そうとするも、身体を捻り、力を込める都合上、完全な魔神を呼び出すことが出来なかった。
「ぐっ…!うう……!!ぐわぁ!!」
「はっ!案外大したことはないな」
「イプシロン、ゼルが先制!あの強烈なシュート…?が、ゴールを奪ったぁ!」
流石の角馬も、あれがシュートなのか一瞬疑問を抱いたようだが、それを気にする余裕は無い。
オレは円堂のそばへと、近寄る。
「すまない、円堂。何も出来なかった…」
「いや、気にするな!あのスピード、フィールドの外から見た時と全然違った…」
「……そのせいで、マジン・ザ・ハンドが間に合わなかったな」
「どうすれば、いいかな…」
「そのことは、後で考えよう。もう少し早く、オレたちも戻れるようにするから」
円堂に声を掛けて、元の位置へと戻る。
正直、今回で勝てるとは思ってはいない。
だけど、奈良でのジェミニストームとの戦いのように、ここで何かを掴み取る。
その想いで、オレたちは望んでいた。
「ふむ。無謀な目ではなく、ただこちらを見据える目か。悪く無い」
「……なんでその位置から、オレの目が見えるんだよ」
「なに。貴様らの戦いは見ていたからな。日本一となる瞬間も、この目で見たさ」
「そりゃどうも…」
デザームの言葉を右に流し、試合を再開させる。
「こうなったら、やるしかねぇな…!ワイバーンクラッシュ!!」
なんとか攻め込んだ染岡が、ワイバーンクラッシュを叩き込む。
「……ふむ」
しかし、それも簡単に止められてしまった。
「くそっ…!」
「次はオレの番だ。オレにボールを回せ」
「吹雪…」
「ほう…?ならば、ふん!」
「なに…?」
今度は吹雪にボールを集めようと会議していたところ、なんとデザームが吹雪に向けてボールを投げた。
「お前、なんのつもりだ?」
「貴様のシュート、一度受けてみたいと思っていた」
「へっ…!だったら、吹っ飛ばしてやるよ!!」
「やれ!吹雪!」
「エターナルブリザード!!」
現在の雷門イレブンの最高クラスの威力を誇るエターナルブリザードが、デザームに向けてつき進む。
これなら、少しは…。
「…………」
「なっ…!?」
またしても、アイツは片手で止めてしまう。
流石に、これは予想外だな…。
「ケンビル」
「くそっ、まだだ…!」
「吹雪…!」
ケンビルへ向けて投げたボールは、吹雪がカットする。
もう一度、エターナルブリザードを打とうとしていた。
「オレのエターナルブリザードが止められたなんて、認められるか!!」
「ほう…?」
今度こそという想いを込めた吹雪のエターナルブリザードは、再びデザームへと向けられた。
しかし、またも簡単に止められてしまう。
「おい、吹雪!1人で突っ走るな!」
「うるせぇ!オレは必ず、ゴールを奪わないといけねぇんだ!!」
「おっと、そうなんども…」
「邪魔するんじゃねえ!!」
「きゃっ!」
「なっ!」
立ちはだかったマキュアとメトロンを突破し、再びボールを奪った吹雪。
アイツの執念、相当なものだ。
「……でも、少し危うさを感じる」
そう呟いたオレの声は届くことはなく、三度目のエターナルブリザードが打たれようとしていた。
「エターナルブリザード!!」
今度のエターナルブリザードは、オレから見ても、少しパワーを増したように見えた。
V2とまでは行かないが、確かに進化を続けている。
「……!」
その成果もあってか、またも簡単に止めたデザームを、少し後退させることができた。
それを見たデザームは、少し表情を変えたようだ。
「……ふむ。では、今回はこれまでだ」
「なに…?」
「吹雪士郎。貴様のこの一撃に敬意を評する。また相見えるとき、この私から点を奪ってみるがいい」
「…………」
「では、さらばだ。雷門イレブン。そして漫遊寺イレブン。校舎を傷つけはせんよ」
そう言って、イプシロンたちは消えた。
見逃してもらったというのが正しいが、ここまで突然退き出すと、妙に拍子抜けするな…。
「……オレ、何も出来なかった」
「木暮。でも、オレが無理矢理連れて来たとは言え、逃げ出さなかったのは、立派じゃないか」
「でも、この試合で、何も出来なかったのは…」
「いや。私はこの時を待っていた」
『監督!』
そこへ、漫遊寺の監督が姿を現す。
結論から言うと、木暮はオレたちについて行くことになった。
「確かに、キッカケは貴方が連れ出したこと。しかし貴方が言った通り、逃げ出すことなく、戦いの場へ出た。これだけで、立派な一歩なのです。故に、これからも木暮を鍛えていただきたい」
「……分かりました。アイツは、立派に強くなりますよ」
「ほほほ。これは、帰ってくるのが楽しみですな」
そして、オレたちは京都を旅立った。
イナズマキャラバンも、賑やかになったな。
「けっこう賑やかになったな」
「うん。そうだね」
「また少しずつ、人数も増えそうだ…っとお!」
「ぐええええ!?」
「こらー!また木暮くん、イタズラしようとして!」
「くっそー…!いつか絶対、ぎゃふんって言わせてやるからな!」
「やってみろ、クソガキ」
「あ、あはは…」
束の間の、賑やかな時間を迎える。
だけど、オレだけは知っている。
「次の目的地は、愛媛よ」
「そこに、何かあったんですか?」
「……影山が脱走し、真・帝国学園を設立したそうよ」
「なっ…!?」
真・帝国学園。
それはオレにとって、ある意味では、エイリア学園以上に避けられない相手だった。
中谷とか加えたり、影野たちを復帰させてるので、けっこう人数多いんですよね。
これがいつまで保つんですかね?
雰囲気台無し以下略
「……なんでその位置から、オレの目が見えるんだよ」
「なに。貴様らの戦いは見ていたからな。日本一となる瞬間も、この目で見たさ(そうだとも!あの時の決勝戦、実に見事だったぞ!!」
「そりゃどうも…」
(故にこそ、貴様のその目は、あの時見たものよ!さあ、折れてくれるなよ…?)
ここのデザームさん、この時点で雷門のファンボになってます。