栞子side
生徒会会長再選挙が終わった次の日、一人の少女が訪ねてきた
「失礼します」
白く長い髪、可愛らしいという言葉が真っ先に浮かぶ少女。確か……スクールアイドル同好会の…………
「高柳さんですね。同好会の件で来たのですか?」
「はい、三船新会長」
わざわざ来たということは……同好会廃部の件で来たのだろう。私なりにチャンスを与えるつもりと話せばこの話は終わる……そう思っていたが……
「話というのは、同好会廃部の件です」
「それなら私なりに……」
「色々と調べましたが……生徒会長にそう言った権限はないですよ」
「……何が言いたいんですか?」
「貴方が生徒会長になったところで…………スクールアイドル同好会を廃部にすることは出来ないということです」
彼女は……どうにか同好会を廃部にしないために直談判に来たのではない?
「私が同好会を廃部にしようとしていること……同好会の方々から聞いたのですね」
「はい、風邪で休んでいたときに、話は聞いていたので…………」
「そうですか……ですが虹ヶ咲は……」
「自由な校風をもっとうにしている。つまり奪うことも自由と言いたいと……」
「…………」
私が言おうとしていることを読まれた?
彼女の事はそれなりに聞いていた。その見た目と性格で天使というあだ名を付けられていることを……今の彼女からは……天使という感じは……
「ですが今回、同好会の件に関しては……」
「学校から認められていると…………それはおかしいですね。何か問題を起こしたというわけではないというのに…………個人の意思で廃部にするなんて…………それにその事を学校に許可を貰っている…………理事長辺りと何かしら取引でもしたのですか?」
「…………私がそう言うことをしていると……」
「証拠がないので、あくまで推測です。私の推測がどれ程信憑性を得るかは…………理事長に直談判した方が早いですね」
「……高柳さん、それは…………」
「それに選挙管理委員会にも手を回しました?」
「何を根拠に!!」
思わず大声を出してしまった。私が何かしらの取引をして、自分の有利になるようにしたとでも…………
「根拠?中川さんの演説を否定、しかも全校生徒の前で…………普通なら止めるべき事を選挙管理委員会は止めなかった。これが根拠です」
「そんなもの…………」
「根拠になり得るんですよ。三船さん…………人はそう言う話を聞くとそうだったんじゃないのかって、信じてしまう」
彼女は……本当に何者なのだろうか……ここまでやる人なのか…………
「廃部の件はどうしますか?」
「…………チャンスを……」
「チャンスを与えて、乗り越えれば廃部は撤回するというなら、今回の件は理事長に報告、もしくは学園内にその話をしても良いと言うことですね」
「っ!?」
「それでどうしますか?」
彼女は…………いくつもある逃げ道を塞ぎ、その上で提示された道のみしか選べなくさせている…………
「分かりました……廃部は撤回します」
「一応言っておきますが……この会話は録音してます」
「……私が嘘をつくと?」
「念のためです」
念のため……ですか……
「分かりました……必ず同好会にお伝えした上で……廃部は撤回します」
「それでは失礼します」
「待ってください」
彼女は去ろうとした瞬間、私はあることが気になり、呼び止めた
「なんですか?」
「あなたはどうしてそこまで…………」
「…………私は大切なものを奪われるのが嫌なんです」
「大切なもの……」
「同好会はみんなの大切な場所…………奪われないためには私は何でもします…………それで…………」
「それで……」
「いいえ、何でもないです。では三船さん、お願いしますね」
彼女は去り、私は……彼女から感じた明らかな拒絶を感じとり…………話に聞いていた彼女と会うことはないだろうと思ったのだった。
それから数ヵ月後……
「栞子ちゃん、おはよー」
「み、未唯さん!?」
人懐こい笑顔を見せる未唯さん。それになにも言わずに手を握ってくる
「朝から生徒会の仕事だよね?私も手伝うね」
「は、はぁ……」
何というか……彼女とここまでの関係になるとは思ってもみなかった…………
「どうしたの?」
「いえ、未唯さんと出会った頃の事を思い出して」
「出会った頃?あーあのときは……」
「あの時の未唯さんは拒絶が凄かったです」
「あ、あはは……その……あの頃は……」
「未唯さんとこうして仲良くなれて良かったです」
「私もだよ。栞子ちゃん」
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