ソラside
私達が別の世界に飛ばされた次の日、私は目を覚ました。時間はまだ5時。陽がようやく登り始めたくらいですね。
私の隣にはエルちゃんとましろさんが眠っていた。そういえばこうして同じ部屋で眠るのは初めてのような……
私は二人を起こさないようにそっと布団から抜け出し、ジャージに着替えた。別の世界とは言え、日課のトレーニングを休む訳にはいきません!
昨日のうちに未唯さんからこの街の地図を貰ったのでランニングをしても迷子にはならないはずです!
「行ってきます」
小声でそう言ってランニングに出掛けた私だった。
けど……
「あ、ソラちゃん。おはよう」
マンションの入り口には歩夢さんの姿があった。歩夢さんはジャージ姿だけど……
「あ、歩夢さん?早いですね」
「うん、ライブが近いから。後未唯ちゃんに頼まれてソラちゃんの付き添い」
「そうなんですね。何だか申し訳ないです」
「気にしなくていいよ。ほら、早く行こう」
「はい!」
歩夢さんと一緒にランニングを始めた。
少し走っていて気がついたのは、歩夢さんは意外と体力がある方なんですね。そういえばスクールアイドルは体力が大事だと聞きましたが……
私は折角だから歩夢さんに聞いてみた。
「うんとね。ステージの上で歌うだけじゃなく、踊ったりもするからね」
「確かに……体力は重要ですね」
「あとはそれだけじゃないの」
「え?」
「ステージの上ではどんなに辛くても笑顔でいられるようにしないとダメだったりするから」
「そうなんですか?」
「うん、ファンの人に辛い顔なんて見せたらファンの人たちは不安になっちゃうからね。ちゃんと私たちの想いと笑顔を届けないと」
スクールアイドル……というよりアイドルは奥が深いものなんですね。勉強になります!
「ソラちゃんはどうしてトレーニングを?」
「ヒーローになるためです」
「そっか、ソラちゃんならきっと凄いヒーローになれるよ」
笑顔でそう告げる歩夢さん……なんでしょう?歩夢さんの笑顔と言うよりかは雰囲気がどうにもましろさんに近いような……落ち着く感じがします。
ランニングが終わり、歩夢さんにお礼を言って戻ると未唯さんとましろさんの二人が起きて料理をしていた。
「あ、ソラちゃん。ランニング行ってたの?」
「はい、すみません。ましろさんにも声をかけるべきでしたか?」
「ううん、きっとソラちゃんの事だから気を遣ったのかなって」
確かに気を遣いました。私の場合は二度目の別世界移動でしたが、ましろさんは初めてだから、もしかしたら私や未唯さんには話さずに不安でしょうがないのではと……だから少しでもゆっくり休んで貰いたいと思った。
「ソラちゃん、ありがとうね。心配してくれたんだよね」
「あ、その……」
「私はソラちゃんがいるから不安になったりしないよ」
「える!」
「うん、エルちゃんも一緒だよね」
「ましろさん///」
本当にましろさんは私のことを信頼してくれている。それだけで私は嬉しくってしょうがない
「…………なんだろう?二人から感じるこの既視感と言う……私が放っておけなくなる気分は……」
未唯さんは何を言ってるのでしょうか?
朝食を食べ終え、学校へと行くことに!
虹ヶ咲に通っているのは未唯さんとうらさんの二人で、苺さんは東雲という学校に通っているみたいです。姉妹だから同じ学校で良かったのでは?と思いましたが話に聞くと苺さんは自分の人見知りの部分を直したいと思って別の学校に通っているとか……とは言え苺さんは昨日話しているうちに人見知りな所が抜けているような気がします。
因みに未唯さんの荷物にはシニエさんを連れ歩くためのケージもありました。シニエさんはエルちゃんと仲良くなっていて、なついている感じです。
学校につき、未唯さんとうらさんと別れた私たちはシニエさんとはんぺんさんと一緒に学校の見回りを……いえ、お散歩をしています。勿論ちゃんと世界を繋ぐものを探しています。
「それにしても世界を繋ぐものってどんなんだろうね?」
「分かりませんが……もしかしたら物凄く特殊なものかもしれません。それに形や大きさも分からないのでちゃんと探さないと!」
「みー」
「にゃー」
シニエさんとはんぺんさんが私たちに向かって鳴きました。もしかしてしっかりお散歩をと叱ってるのかもしれませんね
「あはは、頑張ろう、ソラちゃん」
「はい!」
はんぺんさんとシニエさんに付いていき、午前のお仕事は続けました。
お昼、部室で未唯さんが作ってくれたお弁当をましろさんと一緒に食べているとかすみさん、しずくさん、璃奈さん、栞子さん、未唯さんがやって来ました。歳が近いからましろさんとも話が合う感じですが……
「そういえばミアさんは?」
「ミアちゃんは音楽室にいるよ」
「そういえば飛び級して、3年生なんだよね?凄いな~」
「そうですね。あとしずくさんは年上なのにかすみさんたちと仲良しなんですね」
私がそう言うと何故かかすみさん、しずくさん、璃奈さん、栞子さんが不思議そうな顔をして、未唯さんが苦笑いを浮かべていた。
「あのソラさん。しずくさんは私たちと同じ一年生ですよ」
「そうなんですか!」
「えっと、私って年上に見えるのかな?」
「まぁしず子はお尻が……」
「かすみさん?」
「ひぃ!?じょ、冗談だよ~」
「ソラちゃん、何でそう思ったの?」
「え?しずくさんは落ち着いた感じがして……大人ぽく見えたので」
「えっと、ありがとう///」
「しず子照れてるね~」
かすみさんは終始しずくさんをからかっていました。どうしてでしょう?私は思ったことを言ったまでなのに……
「未唯ちゃん、どうしたの?」
「何だか『暫くは二倍疲れそうだよ』って顔をしてますよ」
「あはは……うん、ソラちゃんはと言うよりましろちゃんが自覚しない限りはまだ大丈夫かもしれないけど…………」
午後も同じようにお散歩委員会の活動をしてましたが、やはり目ぼしいものは見つかりません。
そして放課後、同好会の皆さんは歓迎会を開いてくれました。
『ソラちゃん、ましろちゃん、ようこそ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会へ!』
たくさんのお菓子が用意されており、私もましろさんも楽しみました!エルちゃんも楽しそうです。ただ……
「ソラちゃん!ソラちゃん!しっかりして!」
「ま……しろ……さん……」
紫色のクッキーを食べた瞬間、意識が遠のきました。何でしょう?あのまずいと感じさせずにただただ不思議な味のクッキーは…………
「どうですか!家で作ってきたんですよ!」
せつ菜さんが作ったものらしいですが……無邪気な笑顔を向けているから悪戯などではないみたいですが…………私は…………
「お、おいしい……です……」
せつ菜さんの笑顔を悲しい顔にしたくないため、私はただそう言うだけだった。
歓迎会を開いてくれてから三日後、うらさんは何とか世界を繋ぐものがなくても帰れる方法も考えてくれているみたいです。
普通なら私たちも焦る所ですが、私たちはうらさんを信じることで自然と焦る気持ちはなくなっていた。
ただ……
「すみません。同好会の活動と関係ないお仕事を頼んで」
「いえ、これくらいは!」
私とましろさんは栞子さんの手伝いで買い出しに出ていた。未唯さんも一緒に来ている。
「私もソラちゃんも出来る限りの手伝いはしたいから」
「本当に頼もしいよ。そういえばエルちゃんは?」
「エルちゃんはエマさんにお願いしてます」
本当に同好会の皆さんは優しい方々です。ただ一時期ちょっと揉めたという話を聞きましたが、きっとぶつかり合ったからこそ、私たちに手をさしのべられる優しさを持ち、絆を結ぼうとしているのですね。
「本当にこの世界は平和だね~」
「あはは、そんなましろちゃんたちの世界が荒れてるみたいな」
「あはは、そんな荒れてる訳じゃないけど……」
ましろさんがそう言った瞬間…………
「見つけたのねん!プリキュア!」
平和な時間が破られた
次回ソラとましろの変身です!
感想待ってます!