虹が咲き、白が交ざる 外伝 白と翡翠   作:水甲

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105話 虹色とヒーローガール ⑧ 絶望を知った貴方

未唯side

 

ソラちゃんとましろちゃんの二人はライブに向けて練習を続けていった。徐々にだけど二人の動きも良くなってきていた。

これならライブも成功するはずだよね。

私はエルちゃんをあやしながらそう思っていた。

 

「える~」

 

「エルちゃんも楽しみなのかな?」

 

「えぅ!」

 

「そっか!」

 

笑顔で返事してるから楽しみなんだよね。きっと……

ただ気になることはあのカバトンがあの日以来攻めてこないけど……諦めたのかな?それとも……まさかね。

 

 

 

 

そしてライブの日。私達の出番は最後。同好会みんなで話し合った…………と言うよりくじ引きの結果そうなった。うん、まぁこういう決め方も同好会らしいけど…………

 

「緊張します……」

 

「う、うん……歩夢さんたち……これまでもステージに立ってるから緊張してる感じがしないね」

 

「ううん、緊張してるよ」

 

「え?」

 

ましろちゃんがそう思うのも無理もない話だ。みんな、堂々とステージに立っている。緊張なんてしてないって思えるけど……

 

「歩夢たちはいつも緊張してるよ」

 

「侑さん……」

 

「でも……」

 

「緊張してるけど、ステージに立って、観客のみんなを見て……緊張よりも歌を届けたいって想いが強くなってるから」

 

だからこそみんなは堂々としている。だから……

 

「二人も失敗とか考えずに……歌を届けたいって気持ちを強くしていこう」

 

「「はい!」」

 

ぽむお姉ちゃんの番が終わり、次は私達の番だけどその前に侑お姉ちゃんからみんなにソラちゃんたちの紹介をする。

侑お姉ちゃんはステージに行き、マイクの前に立った。

 

『皆さん、今日は同好会のライブに来てくれてありがとうございます。次でラストの曲になりますが……最後を飾るスクールアイドルは高柳未唯とひょんなことから私達と出会い、そして今日だけスクールアイドルとなった二人。紹介します…………』

 

私はソラちゃんたちと手を繋ぎステージに向かおうとした瞬間、

 

「カモン!アンダーグエナジー!」

 

それを遮るように黒いエネルギーがマイクに宿り、巨大な怪物に変わった

 

「ランボーグ!」

 

「ランボーグ!?」

 

「まさか!」

 

このタイミングで来るなんて……

ランボーグの頭の上にはカバトンの姿があった。まさかなんの前置きもなく現れるなんて……

 

「さぁ来い!プリキュア!」

 

ソラちゃんとましろちゃんの二人は顔を見合わせ、頷くと……

 

「皆さんは観客の皆さんの避難を!」

 

「ここは私達が!」

 

「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」

 

二人はプリキュアに変身し、ランボーグの前に立った。

 

「せっかくのライブを邪魔するなんて許せません!」

 

「はん!ライブを邪魔したのはちゃーんとした理由があるのねん!」

 

「理由?」

 

「さぁ来い!協力者!」

 

カバトンが高らかに宣言するけど……その協力者が出てこなかった。あれって割と恥ずかしいやつでは?

 

「未唯!」

 

「どうしたの?侑お姉ちゃん」

 

「観客のみんな、会場から出れないみたいなの」

 

侑お姉ちゃんの報告を受けるけど、出れないって……あのカバトンの仕業?でもわざわざ閉じ込める必要なんて……

 

「今はうらちゃんに頼んで、この状況はライブの演出だってアナウンスしてもらおうと……」

 

『侑さん、聞こえる?』

 

タイミングよくうらちゃんから連絡が入った。直ぐにアナウンスを頼まないと……

 

『大変なの!急に会場の機械類がハッキングされてるみたい』

 

「えぇ!?」

 

「どう言うこと?いや、うらちゃん、どうにか出来る?」

 

『試してるけど、普通のハッキングじゃないみたい。璃奈ちゃんの方でも試してみて』

 

侑お姉ちゃんは直ぐ様璃奈ちゃんに頼むが……

 

「無理……本当に普通のハッキングじゃない」

 

カバトンの襲撃に閉じ込められた観客と私達。それにハッキング……

 

「ハッキングはなんのためにやってるかわかる?」

 

『えっと……え?今この会場の光景が……流されてる?』

 

どう言うこと?そんなことしても何も意味が……

 

「準備は出来た」

 

突然会場に響いた声。観客のみんなも私達も……戦っているスカイたちもその声の主を見た。

 

「おぉ!来たのねん!さぁお前の力でランボーグを強化……」

 

「ありがとう。あなたはもう必要ないから……元いた世界に戻っていいよ」

 

「はぁ?」

 

突然カバトンが黒い渦に飲み込まれて消えていった。残ったランボーグの頭の上に黒いローブが立った。

 

「依代としてこのランボーグが必要だったの」

 

「カバトンの仲間ではないみたいですね!」

 

「誰なの?それにカバトンを消したって言うことは……」

 

「初めまして、巻き込まれたヒーローたち。そして……この世界の虹ヶ咲スクールアイドル同好会の皆さん。そしてライブを楽しんでいる観客の皆さん。私は…………」

 

黒いローブはローブを脱ぎ捨てると私たちは黒いローブの顔を見た瞬間驚きを隠せないでいた。

 

「え?」

 

「あれって……侑ちゃん?」

 

真っ黒に染まった姿だけど、顔ははっきり侑お姉ちゃんだった

 

「驚くのも無理もないよね。だけど私は高咲侑ではないよ。ただこの姿の方が馴染みやすかっただけ」

 

「あなたは一体……それに巻き込まれたヒーローってことは……」

 

「あなたが私達をこの世界に来た原因を作った人なの?」

 

「そうなるね。私は…………もう名前は忘れちゃった。貴方でも何でも好きに呼んでよ」

 

貴方は笑みを浮かべながら、ランボーグに触れる。するとマイク型のランボーグの身体から12本のマイクが生えてきた。

 

「私の目的は……この世界の虹ヶ咲の歌を…ううん、それは達成したから、後はこの世界のスクールアイドルの歌を消す去る」

 

スクールアイドルの歌を消す?そんなことをして何に……

 

「どうして……どうしてスクールアイドルの歌を……それに歩夢たちの歌を消すなんて……」

 

「私……私達からしてみればスクールアイドルは絶望の象徴だからだよ」

 

「絶望の象徴……?」

 

「高咲侑。貴方は知らないよね。優木せつ菜の行動で同好会はなくなった。希望を見出だした私はそれを知り、絶望した。三船栞子の自己満足な行いで、廃部にされた」

 

「「!?」」

 

「鐘嵐珠とミア・テイラーのわがままにより、絆は引き裂かれた。宮下愛と朝香果林の裏切りにより、その絆は修復できないようになった。桜坂しずくの裏切の決断で更に絶望を深めた。近江彼方の行動で、エマ・ヴェルデの行動で、中須かすみの行動で、天王寺璃奈の行動で、上原歩夢の…………私たちは怒りも憎しみも全ての絶望を知った。スクールアイドルは……存在してはならない!!」

 

 

 




謎の人物……貴方ちゃんの設定は次回前書きで

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