貴方ちゃん
複数の世界の中で最悪な展開を迎えてしまった貴方ちゃんの絶望が一つに集った存在。その姿は侑に似ている。
絶望を知るきっかけとなったスクールアイドルを世界から無くすことで、自分達と同じような未来をなくそうとしているが、何処かでそれが復讐に変わった。
貴方ちゃんが転移したことにより、本来交わるはずのなかったソラたちの世界と繋がり、ソラたちの転移のきっかけを作った。
貴方ちゃんたちにはそれぞれ支えになっているメンバーがいる。
スクールアイドルに出会わなければ、こんな苦しみを知らずにいられた。スクールアイドルに出会わなければ、こんな怒りを知らないでいられた。スクールアイドルに出会わなければ、絆が引き裂かれることを知らないで済んだ。
スクールアイドルに出会わなければ………………
ソラside
変異したランボーグと私達がこの世界に来た原因を作った人物。あの人はスクールアイドルは存在してはならないって……そんなこと……そんなことあり得ません!
「貴方が言うことは間違ってます!スクールアイドルはみんなに思いを届ける存在です!絶望なんて与えたりしません!」
「貴方には分からないでしょうね。私の中にある多くの絶望の記憶を……こんな絶望を知らなければ……私は……私たちは生まれなかった。こうして私たちが生まれたことが何よりの証明!」
「プリズム!いきましょう!私たちであの人に証明してみないと!」
「うん!スクールアイドルは素晴らしいものだって!」
私とプリズムは同時に攻撃を仕掛けようとする。だが変異ランボーグのマイクから歌が聞こえた瞬間、私たちは吹き飛ばされた。
「「きゃあああああ!!?」」
今の歌は……歩夢さんの……いや、歩夢さんの歌だけじゃない
「同好会の皆さんの歌が……」
「何?この歌……聞いてるだけで……何だか苦しい」
深い絶望を、憎しみを、怒りを……暗い感情が込められてる。観客の皆さんも苦しそうにしている……
「同好会の歌は……もう書き換えた。この歌を聞いた人々は私が受けた絶望と同じものを感じとる。そしてスクールアイドルたちは歌で何も届けなくなる」
「そんなこと……」
侑side
ソラちゃんたちが必死に戦ってる。私達も何とか出来ないの?私は必死に考えた。そしてある方法を思い付いた。
「教えればいいんだ。みんなの歌で……あの子に絶望なんかじゃないって!」
「侑ちゃん、そうだよね」
「それならランジュから……あれ?」
ランジュちゃんが歌おうとしたが、何故か戸惑っていた。どうして歌わないの?
「歌えない……歌おうとしても……声が出ない」
「bad!ボクもだよ。あのモンスターから聞こえる歌のせい?」
「かすみんもなんで?」
「もしかして……私達の歌を奪ったから……」
そんな……それじゃ届けられない……あの子に私達の思いを……
「無駄だと分かったみたいだね。同好会の歌は奪った。みんなの歌は私達のもの!もうおしまい!」
こんな……こんなことって……ないよ……私はスクールアイドルに出会って、自分の夢を見つけられた。確かに辛いことがあったけど、それでもみんなの歌は支えになった。でもあの子には……届けることが出来ないなんて……
「………………うらちゃん。お願いがあるの。私達の曲をかけて」
ただ一人だけ……あの子に届けようとしていた。
「未唯?」
「スカイ……ううん、ソラちゃん、ましろちゃん。こっちに来て」
「え?」
「何を?」
二人は未唯の所に集まると、未唯は二人の手を握った。
「二人は……ううん、みんなはあのランボーグから聞こえる歌をどう思った?」
「どうって……」
私は……やっぱり深い絶望を感じ取っていたけど、未唯だけは違っていた。
「私は……届けたい。あの子の中にある……悲しみの思いに」
そう告げた瞬間、未唯は歌い出した。未唯は歌える?そうか、未唯だけは……ううん、ソラちゃんとましろちゃんも歌う前だった。だからこうして歌えているんだ。
「無駄なことを……貴方たちの歌声は私達には届かない。ただ歌を奪われるだ……」
突然あの子の苦しみ出した。それに合わせるかのようにランボーグも……
「やめろ……出てくるな……お前は私達の中ではいらないもの……出てくるな!」
未唯は何を感じ取ってるの?
未唯side
みんなの歌声を奪われ、更に自分勝手な思いでスクールアイドルを消そうとするなんて……普通は怒るところだけど……私だけは違った。ランボーグから聞こえる歌は深い絶望なんかではなく、ただただ深い悲しみがあるのを……
どうしてそんなに悲しそうなの?私は知りたい。あの子たちの中にある悲しみを……その悲しみに届けるように私は……私たちは歌う。
歌い続けていく。そんなとき、あの子の身体から眩い光が出てきて、私を包み込んだ。
気がつくと真っ暗な場所にいた。そこには膝を抱えて泣いているあの子の姿があった。
「初めまして……」
「貴方は……」
「私は高柳未唯。侑お姉ちゃんとぽむお姉ちゃんの幼馴染みだよ」
「…………貴方があの歌を?」
「うん、貴方に届いて良かった。教えてどうして……そんなに悲しんでるの?」
「…………私は……大切な人の手を払い除けてしまった」
「大切な人?」
「…………きっかけは忘れちゃったけど……」
私は誰もいない暗い部室に一人でいた。ほんの些細なきっかけでみんなは同好会をやめていった。私は必死にみんなを止めようとしたけど……ダメだった。
だからなのかもしかしたらみんなが戻ってくると思って一人で部室で待ち続けていた。そんなとき……
「……ちゃん。ここにいたの?」
「歩夢ちゃん……どうしたの?」
「あのね…ここで待つのやめない?」
歩夢ちゃんはみんながいなくなってからも私と一緒にいてくれた。私の気持ちを誰よりも理解してくれていたのに…どうしてそんなことを言うの?
「ここで待っていても仕方ないよ…だから……」
「歩夢ちゃんは……もうどうでもいいの?」
「え?」
「どうでもいいからそんなことを言うんだよね!」
「ち、違うよ。私は……貴方にもう一度立ち上がってほしいの……だから……」
歩夢ちゃんは手を差し伸べてくれていた。きっとこの手を握れば何か変わるかもしれない。だけど私は……
「いや……私は……ここにいる」
払い除けてしまった。歩夢ちゃんはただただ悲しい顔をしていた。
「そう……なんだ。ごめんね。私……行くね」
これで私は一人ぼっち……一人でみんなを待つ。それがどれ程悲しいものなのかわからずに…………
『貴方も裏切られた』
そんな時、声が聞こえた。この声は……誰?
『貴方も裏切られた。だからそんなに深い悲しみに堕ちている』
「そうかも……しれないね」
『なら私達と行こう』
「え?」
『私達も同じ……大切な場所を失ったものたち……一緒にいるべきだから……』
「気がついたら、私は……私たちはひとつになっていた。そして知った。誰も失わず、誰も離れ離れにならない世界があることを……」
「それで貴方たちは……でもスクールアイドルを消すなんてことは……」
「私は最後まで反対していた。だけどあの子たちは…………私達にこの深い絶望を知るきっかけになったスクールアイドルを…………似たような出来事があったのにも関わらず、幸せそうな貴方たちを許せなくなった」
あの子たちは嫉妬しているのかもしれない。その嫉妬が歪みに歪んで……その結果が……
「ねぇどうしたい?」
「どうしたいって……もう私はあの子たちに抗うことは……」
「……分かった。それじゃ私は勝手にするね」
「勝手に?」
「貴方が望もうが望まないが関係なく、助ける!」
「助ける?でも貴方にはそんな力は……」
「うん、力はなくても貴方を……貴方たちを助ける!だから貴方は……こう言って……この先も……きっと誰かが手を差し伸べてくれる。それを信じて……言って……」
貴方のほんの細やかな願いを……今は私に伝えてほしいの
「…………助けて……私達を……私達を助けて……」
気がつくとステージに戻っていた。ランボーグの身体には13本目のマイクが生えていた
「何をしたか知らないが、もうお前たちはおしまいだ!」
「……ソラちゃん、ましろちゃん」
「未唯さん?」
「私は……助けたい。悲しんでるあの子を……深い絶望に飲み込まれたあの子たちを……助けてほしいのでもなく、助けたい!だから力を貸して……一緒にあの子を助けよう!」
「わかりました……未唯さんの願いは私達が!」
「私達プリキュアが!ううん、ヒーローが助ける!」
その瞬間、私の胸から眩い光が現れ、その光は形を変えてソラちゃんたちが持つミラージュペンに変わった。
「そのペンは……」
「未唯さんが……プリキュアに?」
私のミラージュペンはソラちゃんたちと違って虹色に光続けている。私はペンを握りしめると
「ぷりきゅあーーーーー」
エルちゃんの叫びから一筋の光が放たれ、私は受けとると虹色のスカイストーンに変わった。
待ってて、貴方たちの悲しみも怒りも憎しみも絶望も全部!私が……私達が晴らしてあげる!
「ここからはスクールアイドルとしてではなく、ヒーローの出番!」
私はミラージュペンにスカイトーンをはめ込んだ。
「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!エンジェル!」
髪は長く伸び、白いワンピースドレスを身に纏い
「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」
両手には黒いリボンが、背中には12個の同好会みんなのメンバーカラーのリボンがつけられ、胸の中心には虹色のリボンがあしらわれる。
「みんなの心を救う。虹色の天使!キュアエンジェル!」
これが私の……ヒーローガールの姿!
「貴方たちを!助ける!」
変異ランボーグ
貴方ちゃんの闇の力により、変異。貴方ちゃんの最初の目的であり、自分達を絶望に落とした同好会に対しての復讐のために、未唯、ソラ、ましろ以外の歌を奪い、歌えなくさせるだけではなく、その歌を聞いた人間全員が暗い感情に落とし、スクールアイドルたちの歌に希望を抱かせないようにしていた。
次回を合わせて、残り2話!
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