「お邪魔します」
「そんなにかしこまらなくてもいいよ」
今日は栞子ちゃんがお泊まりに来てくれた。元々そう言う予定ではなく、同好会が終わったあと、栞子ちゃんから突然頼まれたのだ
『今日、未唯さんの家に泊まってもいいでしょうか?』
本当に突然すぎて驚いたけど、何となく察しがついた。そうしてほしいと頼んだ人が二人ほどいる。本当に二人には敵わないな…………
私は直ぐにいいよと答えた。
「美味しい?」
「はい、未唯さんが料理できるというのは聞いていましたが、ここまで美味しいとは……」
「こう見えてぽむお姉ちゃんに鍛えられたからね」
自慢げに言うと栞子ちゃんはくすくす笑っていた
「本当に歩夢さんのことを……いえ、歩夢さんたちと仲がいいんですね」
「まぁ幼馴染みだからね。でも一時期はちょっと距離は置いてたけど」
「そうなんですか?」
「別に嫌いになったとかじゃないよ。ただ年を重ねるにつれて何か今まで通りでいいのかなって考え出しちゃったから」
でもお姉ちゃんたちがスクールアイドルを始めて、私も誘われて…………昔みたいにでいいのかなと思ったんだよね。まぁ二人のちょっとした喧嘩が起きたのは止められなかったけど…………
「未唯さんは誰よりも寄り添うようにしているから、きっとお二人も未唯さんのことが好きなんですね」
「寄り添うなんて…………」
「そうじゃないですか……だってお二人が喧嘩したときに直ぐ様止めて仲直りさせたでは……」
「あれは……失敗したと思ってる」
「失敗?そうは……」
「私はね……大切なもののためなら怒ったりしてる…………大切なものが傷ついてほしくないから……でもあの時は全然気づけなかった……」
起きてから……ぽむお姉ちゃんの心が少しずつ傷つきそうになっていることに気がついたんだから…………
「失敗は誰にでもあることでは?」
「そうかもしれないけど……やっぱり私はね……傷つくのが嫌なの…………」
「未唯さん…………」
「何か暗い話になっちゃったね。ほら、食べよう食べよう」
私は笑ってそう言うけど……なんでこう栞子ちゃんに対してはこんな話とかしちゃうんだろう?
夕御飯を食べ終え、お風呂に入ることになったけど、一緒に入ろうと誘うが栞子ちゃんは恥ずかしいからと断るのであった。
こう言うとき裸の付き合いとかしてもいいと思うんだけどな~まぁ無理矢理はダメだから諦めたけど…………
栞子ちゃんがお風呂から上がるまで、私は布団を用意していた。
「上がりました」
「さっぱりした?今、栞子ちゃんの布団用意したから……」
「……あの一緒に寝ないのですか?」
この子……お風呂は断ったのに…………一緒に寝るのはいいんだ…………まぁ、これも頼まれたからなのかな?
「うん、いいよ」
それから二人で一緒の布団に寝始める。やっぱりこうやって一緒にっていいかも
「未唯さん、眠れないんですか?」
「ん……まだ……ありがとうね。栞子ちゃん」
「何がですか?」
「お姉ちゃんたちに頼まれたんだよね?」
「はい……」
やっぱり……まぁ予想はしていたから驚きはなかったけど……
「お二人から未唯さんが寂しがるから泊まってあげてほしいと頼まれました……」
「そっか……」
「未唯さんが寂しいがるなんて思えないです……」
「普段からそう言う弱いところは見せないようにしてるからね」
「弱いところを?」
「うん……いつからかそうしないとダメかなと思い始めたの…………」
だから私はあんまりわがままとか寂しいって伝えることを止め始めた……それが良かったのかどうかは分からないけど…………
「こんな私で……何かショックだったりするよね?」
「いえ、そんなことはないですよ」
「そう?」
「弱いところを見せないのが未唯さんのいいところかもしれません」
「そうかな?」
「だからこそ……お願いしたいことがあります」
栞子ちゃんがお願いしたいことってなんだろう?
「侑さん、歩夢さん、苺さん、そして私には弱いところを見せてください」
「え?」
「私は未唯さんが弱いところを見せるのがダメだとは思いません……だから……少しでも見せてもらえればきっと未唯さんの心は……」
「……栞子ちゃん…………」
私は栞子ちゃんにぎゅっと抱きついた。
「我が儘……言うね。こうして一緒に寝て」
「はい……」
こうして夜が更けるのであった。この日を境にもしかしたら私は変われたのかな?
感想待ってます!