栞子side
「未唯!勝負よ!私が勝ったら…………同好会は廃部よ!」
「………………」
突然のランジュの申し出に未唯さんはただただ冷たくランジュを見つめていた
未唯side
事の発端は数十分前の事、またまた遊びに来たミアちゃんに私はあることを聞いた
「そう言えばミアちゃんは何で日本に来たの?」
「え?」
「いや、普通に馴染んでるけど、どうしてかなって」
「あー、そう言えば…………forgot」
「え?」
「そもそもランジュにスクールアイドルをやるから手伝えって言われてたんだ」
そう言えばランジュさんもそうだったね…………完全に忘れていたみたいだけど
「普通に馴染んでたから忘れてたよね」
「うん、未唯と遊んでたくらいだし」
あー、お姉ちゃんたちもそんな感じに思ったんだ…………まぁ仕方ないか
「このまま同好会に入ってくれれば…………」
私がそう言い掛けた瞬間、勢いよく扉が開かれるといつもと雰囲気が違うランジュさんが…………
「ランジュさん?」
「未唯!勝負よ!私が勝ったら…………同好会は廃部よ!」
「………………」
がっかりだよ……
栞子side
「嫌とは言わせないわよ!私はスクールアイドルをするためにここに来たのよ!なのに……貴方のせいで栞子は変わり…………」
「ランジュさん、少し黙ってくれませんか?」
未唯さんから感じたのは、殺気に似たようなもの……一度だけ私はこれを感じたことがある。
「いいえ!黙らないわ!勝負よ!」
「……分かった。内容は?」
普段なら楽し気に話す二人だけど、今回だけは違った。
このまま前みたいに戻らないんじゃ…………
「ライブよ……どちらがより観客から票を集められるか…………」
「分かった…………私が勝ったら……ランジュさんには私の言うことを聞いてもらう」
「勝負は三日後……分かったわね」
ランジュはそう言い残して去っていく。残ったミアさんはどうしたらいいのか分からないでいるし…………
「…………少し走ってくるね」
未唯さんはそう言って出ていくのであった。
「未唯さん…………」
「ランジュちゃん、どうしたんだろう?」
「ミアちゃん、何か知らない?」
「さぁ?僕は何も…………ただ何か思い出したのかもね」
思い出したって…………ランジュがここに来た目的を?だとしても何であんな…………
「かすみんたちはどうします?」
「今回は……お二人の対決ですから…………私たちは応援するしか……」
しずくさんの言うとおり、私たちは応援するしか…………
でも……私はランジュのあの態度がどうにも気になった
「何か用?」
私はランジュの様子を見に、ランジュが作った部室へと来ていた。
「どうしてあんな態度を?」
「…………いい加減自分の目的を達成するためよ。あんなぬるま湯に使っていたらこっちがおかしくなる」
「ぬるま湯にって……何でそんなことを…………」
「悪いけど…関係ない栞子はどっか行って」
「ランジュ…………」
本当にどうしたのだろう?何でこんなことに…………
家に帰ると姉さんが帰っていた。
「やっほ~栞子」
「はぁ、姉さん、帰っていたんですね」
「我が妹ながら冷たいね~」
昔から姉に対していい思い出がない。なんと言うか色々と掻き乱してくる…………
「そう言えばランジュにあったけど、ちょっとややこしいことになったんだけど」
「どういうことですか?」
「いや、普通に昔みたいな感じじゃないから、ランジュが本気で向き合える相手が出来たんだね~って言ったら…………『……そんな人いない。誰も完璧の私を見て離れていく』って言ったから、まずはその完璧のランジュを見せてきたらって…………」
……姉さんが原因だったか……いや、事情を知らないから仕方ないけど…………
「ランジュは昔からそうでしたから……」
「そうね。あの子が楽しくなってきたら、みんな離れていったからね。栞子位じゃない?何でも言うこととか聞いて……そんなの幼馴染じゃなく……」
「あ、それなら本人にはっきり言ったので大丈夫です」
「え?本当に?」
「はい、大切な親友が……教えてくれました」
そっか、どうしたらいいのかじゃない。未唯さん…………貴方なら救ってくれますよね
「あの友達が少なかった栞子に……親友が…………会ってみたいわね」
「三日後、ランジュとその子がライブで対決します。姉さんも見届けた方がいいですよ」
「へぇ、気になるわね。栞子がそこまで信頼してる子」
未唯さん…………頑張ってください
未唯side
「ごめんね。何か利用するようにして……」
「いえ、力になってほしいと紗桜莉さんに言われたので」
「信頼してるから?」
「ふふ、信頼と言うより……出会った頃は互いに言い争うくらいで…………今はそこまでではないのですが、紗桜莉さんに対して恩返しが出来たらと思いまして」
「そっか、それにしても……そっちの理事長さんがよく……」
「合同ライブの打ち合わせは理事長同士でも顔合わせをしてるので…………それで参考に?」
「うん、なったよ。今度のライブ……みんなにも見てほしいから……」
「はい、頑張ってください」
さて…………頑張りますか…………
そしてライブ当日、侑お姉ちゃんが会場に集まってる人たちに説明をしていると……ランジュさんが声を掛けてきた
「私が勝ったら……同好会は廃部。貴方たちはランジュが作った部に入部。それでいい?」
「いいよ。私が勝ったら……私の言うことを聞いてもらう」
「無理ね。貴方のステージを見たけど、ランジュの方がすべてにおいて勝ってる」
絶対に勝つことはできないって言いたいのかな?まぁいいけど…………
「見てなさい……ランジュのパーフェクトなステージを!」
ランジュさんのステージが始まった…………パフォーマンスも歌も観客の心を掴んでいる…………ただ私は1つだけ気になっていた
「…………」
「未唯さん……大丈夫ですか?」
「みーちゃん、もしあれだったら……あんなステージを見せられたら……」
栞子ちゃんと愛ちゃんが心配してるけど…………私が勝つために必要なことが1つだけある
「みんな、お願いがあるの……」
「みい子がお願い?かすみんたちに出切ることなら何でも!」
「そうね。同好会のこと、未唯に背負わせちゃってるしね」
「何でも言って!未唯ちゃんの力になる!」
「ばっちこ~い~」
「未唯さんの力になれるならですね」
「応援もする『ファイト』」
「いいですね!私たちの想いを受けてステージに立つ!」
「未唯ちゃん……言って」
「私たち力になるから」
みんながそう言ってくれて泣きそうだけど……我慢しないと…………
「あのね………………………………」
紗桜莉side
正直不安だった。あんなステージを見せられたら……未唯さんが勝つ姿が…………
「紗桜莉ちゃん?」
「珍しいね。震えてる」
「あはは、ごめん……」
一番緊張してるのは……未唯さんだよね
すると未唯さんがステージに…………
「え?」
ステージに上がった瞬間、未唯さんの背中から白い翼が生えてるように見えた…………
「今の……錯覚?」
「錯覚だよね」
かのんちゃんたちも見えていた。今の未唯さんは……勝とうとしている思いとかではなく…………ただライブを楽しもうとしてる?
そして始まった未唯さんのステージ………………これって………………
未唯side
ステージを終えて、みんなの所へと戻ると…………何でみんな泣いてるの?
「未唯ちゃん……凄いよ……」
「そ、そうかな?」
「これほどとは……」
みんなが驚きを隠せないでいるけど…………今回のライブは…………
「みんながいたから……出来たんだよ」
笑顔でそう言うと、集計が終わり……私とランジュさんは舞台に上がると…………
「勝者は………………圧倒的な票を集めた!高柳未唯さんです!」
司会の人がそう告げた瞬間、会場中に拍手が響いた。
「…………私の負けね」
「ランジュさんは楽しかったですか?」
「え?」
「楽しみましたか?」
「…………全然。貴方に勝とうとしていたから…………それが勝敗の差かしら」
「ううん、違うよ……それもあったけど…………私は一人じゃなかったから…………」
みんながいたから……みんなの思いと共に……ステージに立てたから
「私の負けね……私は故郷に帰るわ…………と言うか負けたらそのつもりで……ミアは同好会で…………」
「…………私が勝ったら、言うことを聞いてもらうって言いましたよね?」
「えぇ、部費とかならなんとか…………」
「ランジュさん、同好会に入ってください」
切り時が難しかった……次回は短めかも?
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