キャラ掴みきれてないのはゆるして。
その日のイノセントピースは少しばかり練習に熱が入りすぎてしまい何時もより遅い時間に食堂に向かっていた。
「いやー走った走った。 お腹ペコペコだし。 ・・・しかたないとはいえお友達がどんどんデビューしていくのを見るのは流石に焦るし」
なにか白っぽいものが落ちているのに気づいた。けっこう大きいようだ。
それはまるでウマ娘のように見えて・・・。
「おわー! 見間違いじゃねー!? マジで誰か倒れてるし!」
イノセントピースは慌ててその芦毛のウマ娘に駆け寄り抱き起こした。
「ちょっとアナタ! なんで倒れてるし!? ていうか大丈夫だし!? 事件? 事故? ほんとなにがあったし!?」
「うう・・・」
イノセントピースがそのウマ娘を揺すっていると騒ぎを聞き付けたらしい同じく芦毛、しかし小柄なウマ娘──タマモクロスがやってきた。
「なんやなんや、どうかしたんか・・・って、オグリ!?」
「あ、アナタ知り合いだし!? な、なんか通りかかったらここで倒れてて・・・?」
「なんやて!? どうしたんやオグリ?」
芦毛のウマ娘──オグリキャップは蚊の鳴くような声でポツリと言った。
「・・・お腹が、すいた」
「はい?」
その返事にイノセントピースはポカンと、タマモクロスはまたかと言いそうな表情で頭に手を当てた。
「いやまたかい!? 」
言った。
「またってこういうこと最初じゃない感じ? というかお腹空いたなら食堂に行けばいいし」
「・・・行く途中でお腹が空きすぎて動けなくなってしまったんだ」
「なんやそれ・・・ん? なにしとるん?」
呆れるタマモクロスの横でイノセントピースはごそごそと荷物を漁っていた。しかしがっくりと肩を落とした。
「だ、駄目だし。 ニンジンしかもってない!」
「いや持っとるんかい!」
とりあえずニンジンを渡すとオグリキャップはまるで砂漠で水にありついたようにあっという間にニンジンを食べてしまった。
「もぐ・・・もぐ・・・ふぅ、ありがとう。 これで食堂までなら持ちそうだ」
「食堂までしかもたないし?」
「そういうやつなんや・・・」
タマモクロスはどこか遠い目になっている。
そんなタマモクロスをよそにオグリキャップはマイペースにイノセントピースに話しかけた。
「よかったら一緒にどうだ?」
「あ、そういえばアタシもお腹ペコペコだったし」
「なら、はよ行こうや。 オグリがまた動けなくなる前にな」
そんなわけで三人は食堂にやってきた。少し遅い時間ということもあって食堂に人影はまばらだった。
イノセントピースの前には大盛りのオムライスが、タマモクロスの前にはお好み焼きと白飯が。
そしてオグリキャップの前には山盛り、というには多すぎる量の食事が並んでいる。
「さっきはありがとう。 私はオグリキャップだ」
「うちはタマモクロスや。 オグリとはルームメイトで・・・まあなんや、オグリが迷惑かけてすまんな」
「アタシはイノセントピースだし。 とりま無事で良かったし」
「まあ無事っちゅうかなんちゅうか・・・」
タマモクロスはなかなかの話好きなようでイノセントピースに積極的に話しかけていた。
話している間にもオグリキャップの前の食事はどんどん減っていく。
「ピースはもうデビューしたんか?」
「ううん、アタシは三月末に編入したばかりだからもうちょい後になるし」
「そうなんか? そん時期に編入ちゅーのは珍しいな」
オグリキャップはおかわりしに行った。
「というわけでお友達がどんどんデビューしてちょい焦り気味なんだし・・・」
「そらしゃーないやろ。 焦ってもいいことあらへんし今は実力つけてくしかないやろ。 心配せんでも別に置いてかれたわけじゃないんやから」
「うう、タマさんの助言が胸に染みるし」
「大袈裟やなー。 まっ!また悩むようなら相談のってやるさかい!」
また山盛りの料理を持ってきたオグリキャップはまた黙々と食べ始めた。
「いや喋れやオグリぃ!!」
タマモクロス、キレた。
「タマ、食堂で大声を出すのは良くないぞ」
「うっさいわ! なんで自分、ピースのこと飯に誘っといてなんでひたすら喰ってんのや!」
「でもタマ、もぐ、もぐ、そう、もぐ、は、もぐ、言って、もぐ、もな、もぐ」
「喰いながら話すなや!!」
「もぐ、もぐ、もぐ、もぐ、もぐ」
「喋れや!!!」
なんかコントを始めた二人を見てイノセントピースは楽しい先輩と仲良くなれたと喜ぶのだった。
レースを書くのが難しくてお茶濁し的に閑話書いたけど関西弁も思ったより書くの難しかったでござるの巻。
次はメイクデビューの予定。