元特殊部隊のトレーナーが中央トレセン学園でウマ娘を育てる話   作:マクさん

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第4話

第四話 信頼と距離感と偏向

 

何事にも距離感が大事だ。近すぎず、遠すぎず……一定の距離が大事だ。

 

彼女らは夢に向かって進んでいる年頃の女の子。

 

近すぎれば変に意識させてしまい、遠すぎれば心細くさせてしまう。

 

ト「また担当ウマ娘によるトレーナーの誘拐、今月で何回目だ……」

 

俺ら新人が距離感を気を付けなければ行けないのはこういうことが起こる可能性が高いからだ。

 

信頼を通り越してしまいこのような問題になると双方の絆にヒビが入ってしまう。

 

それだけは避けなければ行けない。

 

「槇下 空太郎トレーナー、会長がお呼びです。」

 

予想外だった。シンボリルドルフから用があるとは。とりあえず生徒会室に行こう……

 

ーーー移動中ーーー

 

扉を軽く叩く

シンボリルドルフ「入っていいぞ」

 

生徒会室に入る。

 

シンボリルドルフ「トレーナー君。よく来てくれたね。」

 

ト「何の用だ。」

 

シンボリルドルフ「あぁ、とても大事な用でね。……その……な?」

 

顔を赤らめている

 

ト「言いたいことがあるなら言え。」

 

今気づいた。生徒会室には俺とシンボリルドルフだけ……これは……非常にマズイ状況なのでは……

 

シンボリルドルフ「私と二人きりの時は……その……"ルナ"と呼んでくれないか?」

 

そう来たか。

 

ト「それは……"命令"か?」

 

シンボリルドルフ「えっと……その……命令じゃなくて……」

 

ト「それじゃあな。」

 

部屋から出ようとする

 

シンボリルドルフ「生徒会長命令だ!」

 

そんな使い方有りか……と思ってしまったが。

 

ト「命令なら仕方ない。これから二人きりの時はルナと呼べば良いんだな?」

 

シンボリルドルフ「あぁ!よろしく頼むぞ!」

 

選択肢を間違えてしまったのかもしれない。だが命令だから仕方がない。

 

シンボリルドルフ「ふふ……言ってしまった……」

 

ーーー昼食ーーー

 

シンボリルドルフ「トレーナー君!」

 

扉が勢いよく開く

 

ト「ルナ。どうした?」

 

シンボリルドルフ「お昼ご飯を一緒に食べようじゃないか!」

 

ト「食堂でか……?」

 

シンボリルドルフ「もちろん来てくれるよな?」

 

ト「すまないが今日は持参してきているんでな。」

 

シンボリルドルフ「……でも食堂で食べよう!さぁ、ほら!」

 

押しが強い。

 

ト「仕方ない……」

 

仕方なく食堂に行くことにした。

 

ーーー移動中ーーー

 

シンボリルドルフは機嫌が良さそうだ。

 

あと昨日より俺との距離が3cmくらい縮まっている。

 

気づかれずに少し離れ。

 

食堂に着く

 

ト「じゃあ俺は席を確保しておくよ。」

 

シンボリルドルフ「ありがとう。トレーナー君。」

 

二人用の席に座りシンボリルドルフを待つ。

 

「会長のトレーナーさんだ!」

 

「今日も綺麗な横顔……」

 

「私も指導してほしい……」

 

前より注目されている……俺にとっては苦痛でしかない。

 

様々なレースでシンボリルドルフが一着を取った。

 

そのついでに俺も目立ってしまっていたようだ。もちろん。良い意味、悪い意味で。

 

一人のウマ娘が近寄ってくる。

 

「あの……!今後もトレーナー業をするのですか?」

 

ト「検討中だ……」

 

「そ、その時は私を担当に……」

 

ト「居たらな。」

 

適当に返事を返す。

 

シンボリルドルフ「トレーナー君になんか用か?」

 

「あ、会長……す、すいません!」

 

去っていった。

 

シンボリルドルフ「今のは……なんだい?」

 

ト「知らないな。勝手に寄ってきただけだ。」

 

不機嫌になってしまってる。

 

シンボリルドルフ「トレーナー君は……その……ずっと続けるのかい?」

 

二回目だ。

 

ト「検討中だ。」

 

適当に返事を返し、レーションの口を開ける。

 

シンボリルドルフ「今日はそれだけか?」

 

ト「そうだが?」

 

シンボリルドルフ「お腹……空かないのかい?」

 

ト「たまにはこういう日も大事なんだよ。」

 

もちろん適当に言った嘘である。

 

シンボリルドルフ「トレーナー君は凄いな。」

 

そう言われてすぐに食堂内にある新聞を取りに行き。

 

【シンボリルドルフ、怒濤の走り!】

 

とデカデカと書かれ文を読み進めていく内に

 

〈槇下 トレーナーの実力は低いのではないか?〉

 

と書かれている。

 

トレーナー業とはそういうものだ。

 

担当ウマ娘が優秀な成績を残すと金魚のフン呼ばわり、逆に残念な成績を残すと責任を取ってやめろとか抜かす。

 

そうやって食ってきた奴等だ。まぁ、一部良い人も居るのも事実だからなんとも言えない。

 

あとベテラントレーナーからの風当たりも強くなってくる。

 

そういうことで同期のトレーナーがストレスに耐えきれなくなり辞めてしまって行ったのもある。

 

この事は理事長も頭を抱えてるようで、「貴重な人材が貴重な人材を潰していく……」と言っていたな。

 

同期で残っているのは俺と桐生院……、そして残りの5名くらいだったか。

 

前までは25人くらい居たはずだが大体がストレスで辞めたか担当ウマ娘に誘拐された……

 

大体がそんなもんだ。

 

シンボリルドルフ「トレーナー君はいきなり私の前から居なくならないでくれよ?」

 

ト「目標達成するまで居なくならないさ。」

 

シンボリルドルフはホッとしている。

 

思えば色んな秘密を話した。特殊部隊出身だったこと、理事長とどこで知り合ったか、何故今もずっと硝煙の匂いがするのか。

 

最後の方は射撃場で練習しているからと答えたから問題なく質問は終わった。

 

シンボリルドルフ「おーいトレーナー君。」

 

ト「すまない。考え事をしていた。」

 

現実に引き戻される。

 

シンボリルドルフ「トレーナー君。今日のトレーニングは何をするんだい?」

 

ト「シンボリルドルフ。トレーニングとレースで疲れきっているだろ?怪我されたら困る。今日は休むんだ。」

 

シンボリルドルフ「そ、そう……か。じゃあ買い物に付き合ってくれないか?」

 

ト「買い物……?それくらいなら問題ないが。」

 

シンボリルドルフ「じゃあ午後は買い物だ!よろしく、トレーナー君!」

 

実はそんなに俺は乗り気ではない。注目されるし、悪意を持った奴が来るかもしれない。

 

ここ数日、脅迫と殺害予告が届くようになった。

 

「お前はシンボリルドルフに相応しくないトレーナー」

 

だとか

 

「消えろ、出世しか脳に無い無能」

 

だとか

 

極めつけは

 

「さっさと辞めろ、さもなくば命は無いぞ。」

 

とかだ。

 

まぁ、全部同じ奴が送ってきたっていうのは分かっている。

 

一応最低限の武装はしよう。

 

シンボリルドルフ「では校門前に集合しよう。」

 

ト「あぁ、分かった。」

 

動きやすいインナー、その上に防刃ベストとショルダーホルスターを装着し念のためゴム弾が装填されたハンドガンをホルスターに入れ、黒のベストを羽織る。

 

黒の手袋を用意しマスクも着けてズボンは紺色のジーパンにする。

 

ト「これでいいかな」

 

準備がおわり、校門の前で待っているシンボリルドルフと合流し、

 

ト「待たせたか?」

 

シンボリルドルフ「いや、私もさっき来たところだ。」

 

そんな会話を交わしつつ商店街に赴き、洋服屋、書店などに行きルドルフは満足したようだ。

 

……駄洒落大百科とか買ってたけど。

 

ーーー帰り道ーーー

 

シンボリルドルフ「今日はありがとう。トレーナー君。」

 

ト「どういたしまして。」

 

ーーー来てる。後ろに。多分手紙の主だろう。

 

ト「ルナ。」

 

シンボリルドルフ「!?どうしたんだい、ト、トレーナー君……」

 

ト「隠れるぞ」

 

シンボリルドルフの腕をつかみ物陰に引っ張る

 

シンボリルドルフ「トレーナー君!?わ、私はまだ……心の準備が……」

 

ト「喋るな」

 

シンボリルドルフ「トレーナー君……」

 

黒の手袋を装着し待機する。

 

足音が近づいてくる。

 

物陰に隠れるのを見ていたのか足音ペースがゆっくりになってきている。

 

3,2,1……

 

男をガッと掴み物陰に引っ張り地面に叩き伏せる。

 

手紙の主「テメェ!なにしやがん・・・だ・・・」

 

男は青ざめた。引っ張って来た人物は自分が殺害予告を出したトレーナーだったこと。それと同時にチャンスだと思った。

 

手紙の主「ハハハ……テメェか……テメェさえ居なければ……シンボリルドルフは俺の物に……!」

 

手紙の主はポケットからナイフを取り出す。

 

そしてそのナイフで突いてくる……が拳でナイフは弾き飛ばされてしまう。

 

ト「週刊紙や新聞に影響されたかは知らんが……こんなことをしたらどうなるか理解はつくはずだろう。」

 

手紙の主「シンボリルドルフの功績にすがり付く金魚のフンめ……!」

 

ト「……シンボリルドルフ。警察に連絡してくれ。」

 

シンボリルドルフ「あ、あぁ、分かった……トレーナー君。」

 

数分後警察が到着し男の身柄は確保された。

 

ト「一件落着だな。」

 

シンボリルドルフ「ごめん……トレーナー君。私のせいで。」

 

ト「ルナのせいではないさ。これは俺の注意不足だ。怖い目に合わせてすまなかった。」

 

シンボリルドルフ「ううん……トレーナー君、私、怖くなかったよ……。」

 

ト「……そうか。門限もあるだろ。さっさと帰ろうか。」

 

ーーートレセン学園に到着しーーー

 

ト「ルナ。なるべく早く寝ろよ。」

 

シンボリルドルフ「あぁ、分かってるさ……」

 

その日の夜のシンボリルドルフはというと……

 

シンボリルドルフ「トレーナー君が……手を握ってくれた……温かくて……大きかった……フフ……」

 

シンボリルドルフはあまり眠れず寝不足で登校しトレーナーに寝不足ということを見抜かれトレーニングは休みにしてもらったとさ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最初に言ってたことと最後にやってたこと違うじゃないか!となりますがあれはまぁ、シンボリルドルフの身の安全を守る行動ってことで。
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