DERBYTALE (AU) 作:フラウィー
昔々、地球には二種類の『人』がいたと言う。
片方は人間と呼ばれるごく普通のただの人。
そしてもう一方はウマ娘と呼ばれる、人間を遥かに上回る力を持っている少女たち。
人間とウマ娘は人間側が支配するような形で共に暮らしていた。
表面上は仲良く共に暮らしていたが、その強大な力を持つウマ娘は時に戦争に、時に……様々なことに使われていた。
だがそれが当然のようで、誰も違和感など抱かなかった。
だがある日、一人のウマ娘が気づいた。
何故我々は人間の言うことに従っているのだろう、と。
そしてそのウマ娘は武器を手に取った。
人間のためではなく、自らの尊厳のために。
最初は小さな争い程度だった。
だがその小さな火種は、次々の他のウマ娘に伝わって行き、気づけば大陸間を跨いだ大戦争へと発展していた。
戦いは数年間、長いこと巻き起こった。
その過程で人間もウマ娘も『魔法』と『
だがこれを上手く利用したのが人間だった。
ウマ娘は手にしたもののその力を上手く扱うことができず、人間に追い詰められて行くこととなる。
使えなかった理由は一つ、『
気づいた時にはもう遅く、ウマ娘たちは人間に完全に追い込まれていた。
そして人間たちは魔法の力を使い、ウマ娘たちを封印することに成功した。
ウマ娘たちの力を高める施設の全てを土で覆って、山の奥深くへと。
結界と共に。
──さて、それから数百年後。
既に人間から魔法が失われた時代。
その山はノーザンマウンテンと呼ばれていた。
かつては誰かの呼び名ではあったのだが、数百年経った今誰もその事実を知りはしない。
その山にはとある伝説があった。
立ち入れば最後、誰も帰ってくることはできないと。
ただの伝説に過ぎないが、今まで七人。
七人の人間が立ち入り誰一人として帰ってくることはなかったのだ。
故に皆恐れ、その山には近づこうとさえしなかった。
ウマ娘のことを調べるような研究者さえも、その山にだけは絶対に近づきはしない。
どんな狂人だって、絶対に。
だがある日、一人の人間がその山に訪れる。
ただの普通の青年はその山に来るべき理由があった。
彼は『トレーナー』一族の末裔だったからだ。
トレーナーと言うのはウマ娘の力を最大限までに引き上げる人間の職業である。
彼の一族は代々ウマ娘たちを育て、そして戦いへと送り出していた。
ウマ娘がいなくなってからは、ただの普通の人間として暮らしてきた。
だが彼はつい最近、トレーナーの一族であることを知ってしまった。
彼は知りたかった。
ウマ娘と呼ばれるものが、なんなのか。
自身一族がやってきたことはどう言うものなのか。
彼は狂人でもないし、研究者でもない。
ただ一人の『トレーナー』だった。
彼は全てを知るために、山へと足を踏み入れた。
山の麓には穴が開いており、そこを軽く覗き込めば地下深く、何も見えることはなかった。
ここから落ちるのは危険だと、少し戻ろうとしたその瞬間、彼は根っこに足を引っ掛けてしまう。
慌てて姿勢を正そうとするも地面は湿っており、思いっきり滑ってしまい穴の底へと落ちてしまったのだった。
そこから、物語は始まる。
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