DERBYTALE (AU) 作:フラウィー
スズカとは別れてから歩くこと数分、またもや人影が見えた。
少し盛り上がった土の向こう側、そこに人影は立っていた。
二人組の人影、一人はスズカで、もう一人はスペシャルウィークだ。
何やら二人とも話し込んでいるようだった。
「スズカさんはどうしていつもこーなんですかっ! 人間さんも逃しちゃってっ!」
「お昼寝の時間だったのよ。いつも同じ時間に寝ないと体調が悪くなっちゃって……」
「嘘つかないでくださいっ! 四六時中寝てるじゃないですかっ!」
どうやらさっきのことで怒られているようだ。
大丈夫だの言っていたはずなのだがと、心配しつつ青年は二人の前に行くべきだろうかと一瞬悩む。
だが動くよりも先に、スペシャルウィークの視線が青年に向く。
スペシャルウィークは慌てて姿勢を正すと、咳払いして青年に指を向ける。
「よく来ましたね、人間さん。ここは絶対に通しませんよっ! ここにはなんと、スペシャルな試練……そう、罠が仕掛けてあるんですっ!」
「仕掛けるのはなかなかキツかったわ」
「スズカさん何もしてないじゃないですか……」
「応援はしたわよ。応援はね」
少し離れているものの、青年から二人の様子はよく見える。
スズカは軽く笑って、その様子にスペシャルウィークは怒っていた。
「そんなことはどーでもいいんですっ! とにかく。ここの罠を通り抜けるにはそれなりの覚悟が必要ですっ! さぁ人間さん。こっちまで来てくださいっ!」
そう言われたものの青年は動かない。
と言うより動けなかった。
なんせどんな罠が仕掛けられているのかわからないからだ。
それだけではない、何をどうしたら罠が動き出すかも、なにもかもわからないのだ。
そこで取った最良の選択肢が動かないだった。
スペシャルウィークはそんな青年を不思議そうに見つめていた。
「……なんで動かないんでしょうか?」
「なにもわからないからじゃないかしら? 説明してあげないと」
「あっ、そうですねっ! 人間さんっ! よく聞いてくださいっ! ここにはなんと、踏むとビリビリする仕掛けがありますっ! しかもっ! 土に埋めているため、どこにその仕掛けがあるかわかりませんっ! ふっふっふっ……さぁ! 踏まないようにこっちまで来てみてくださいっ!」
と言うことだった。
青年は盛り上げられた土の下に埋まっているのだろうと予想する。
青年は一旦、周囲を見渡す。
回り道して行こうかと考えたものの、盛り上げられた土の両端はかなりの量の木が植えられていて通れそうにない。
どうやらこの盛り上げられた土の上を行かねばならないようだった。
青年は盛り上げられた土の上を進み出す。
一歩目、何も起こることはない。
二歩目、三歩目も同様。
そのままどんどん進んでいて、結局何も起こることはなかった。
青年はあることを予想していた。
それは、罠が作動しないのではないのか、と言うことだった。
スペシャルウィークは酷く驚いた様子で目をまん丸くしていた。
「あ、あれーっ!? 動いていないっ!?」
「もしかして……埋めすぎたのかしら?」
「お、おかしいですね……?」
そう言って土の中に手を突っ込み、そしてスペシャルウィークは痺れた。
結構大きく、光る勢いで。
だがそれも大したダメージではないようで、スペシャルウィークは咳とともに黒焦げの煙を吐くだけだった。
「…………ゲフッ」
「やっぱ下に行きすぎてたみたいね」
「……こ、今回は引き分けですっ! て、手加減したんですよっ! こんなところで負けられては困りますからねっ! 次は倒しますから、覚悟しておいてくださいっ!!」
そう言って痺れた足取りで高笑いとともに去っていった。
青年はその後ろ姿に心配するが、スズカは変わらずニヤニヤしていた。
「そんな心配そうにしなくても大丈夫よ。あの子、あれでも結構タフなんだから」
そう言ってスズカは青年の方を見る。
「スペちゃん、結構楽しそうよ。あなたのおかげね。ありがとう」
スズカはそれだけ言ってその場から去って行った。
青年は二人について行くように、歩き出す。
これから更に待ち受ける罠を知らずに。
設定資料出して欲しい?
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