DERBYTALE (AU)   作:フラウィー

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スペシャルな試練②

 スペシャルな試練から歩くこと数十分、色々なウマ娘に出会った。

 特に印象的だったのは芦毛のウマ娘だった。

 理由としては些細なもので、『にんじん棒』なるものを貰ったからだった。

 アイスバーのように食べ物だった。

 

 そして渡されたと同時にこう言った。

『ウチ、オグリキャップっちゅうウマ娘を探してんねん』

 だから見つけたら、タマモクロスが探していた、と知らせくれると嬉しい、とも。

 この後、そのウマ娘は関西弁で色々長話していたのだが、先を急ぐと行って別れたため大したことは覚えていない。

 ただ袋に入ったにんじん棒をカバンにしまって前へと進んだことだけは覚えていた。

 

 道中サッカーボールのようなものを蹴って遊ぶ場所もあったが、先を急がねばならないので無視して足を進める。

 すると二人のウマ娘が……また、あの二人が見えた。

 案の定、スペシャルウィークとサイレンススズカだ。

 

 ここには二人しかいないのだろうか、って頻度で出会っている。

 実際は色々なウマ娘が青年のソウルを狙って襲いかかってきているのだが。

 その度にグローブで応戦し、和解し続けているのだが。

 

 スペシャルウィークは青年に気づくと、いつも通り指を指して言う。

 

「よく来ましたね、人間さん。ここは絶対に通しませんよっ!」

「さっきと同じこと言ってるわよ?」

「いいんですっ! これが私のセリフなんですよっ!」

 

 そう言って胸を張る。

 胸を張るようなことなのかと青年は首を傾げつつも、次に来るであろう試練に身構える。

 スペシャルウィークは小走りでこちらに近づいていて、一枚の紙と鉛筆を手渡した。

 青年は素直に、その紙と鉛筆を受け取る。

 そしてスペシャルウィークは急いでスズカの横に戻っていった。

 

「人間さんっ!! 覚悟はできていますか? ふっふっふっ……今回はスズカさんが考えたんですよっ! さぁ、開けてみてくださいっ!」

 

 言われるがままに紙を開く。

 そこに書かれていたもの、それはなんとっ! 

 

 幼児パズルだった。

 青年は一瞬、それに困惑して二人の方を見る。

 スペシャルウィークは、どうだ、と言わんばかりに胸を張っている、

 一方スズカはニヤニヤしていた。

 

 取り敢えず解いてみることし、近くにあった切り株に座った。

 

 ──解き始めること大体五分。

 青年は全て解き終えてしまった。

 スペシャルウィークのところまで行き、紙と鉛筆を手渡す。

 

「す、スズカさん? 解かれちゃいましたよっ!?」

「あれ? おかしいわね……? 今日の新聞のパズルを持ってきたのだけれど……」

「新聞のパズルってショーキですかっ!? あんなの赤ちゃんがやるようなパズルですよっ! やるなら断然っ、間違い探しですっ!!」

「ほんき? あんなの数秒もあれば解けちゃうわよ?」

「むむむ……こうなったら人間さんに決めてもらいましょう! 人間さんっ! どっちが難しいと思いますかっ!」

 

 青年は気迫のあるその声に、少し後退りする。

 どうにも、どっちが決めねば離れられない、と二人の顔を見て理解する。

 そして同時に、スペシャルウィークに同意すべきとも。

 何故ならば、スズカはスペシャルウィークの後ろでいつもとは違う笑みでこちらを青年を見ていたからだった。

 青年は二人に、間違い探しの方が難しいと伝える。

 

「やっぱりそうですよねっ! ……スズカさんっ! 次は間違い探しを持ってきてくださいっ!」

「ええ、わかったわ……次があったらね」

 

 青年とスペシャルウィークからは最後の言葉は聞こえなかったが、青年はサボる気なんだろうな、と理解する。

 何も知らないスペシャルウィークは高笑いとともに、その場から去っていった。

 青年はスズカに近寄る。

 

「間違い探しって案外悩むわよね。あなたもそういう経験ないかしら?」

 

 青年はスズカに、新聞の間違い探しはやったことがないと伝える。

 

「うそっ。あなた人生損してるわ」

 

 そう言うと新聞の切り抜きを青年に押し付けて去っていった。

 青年は手渡された新聞の切り抜きを見る。

 それはなんと、間違い探しだった。

 間違い探しをカバンにしまって歩き出す。

 

 それからまた少し歩いていると一枚の看板が見えた。

 看板には何度か直したような跡があり、その跡の部分は綺麗に線が入っていた。

 まるで、一刀両断しかのように。

 

 看板の文字を見るために近く、すると後ろから一人のマスクをつけたウマ娘が飛び出してきた。

 

「私、何もしてないデースっ!!!」

 

 そのウマ娘は何処かへと去って行く。

 その瞬間、後ろから素人でもわかるほどの殺気を感じ、飛ぶように避けた。

 ギリギリだったのだろう、青年のいた場所にあった看板が綺麗に真っ二つになっていた。

 

「ふふっ。エル〜、どこに行ったんですか〜?」

 

 そのウマ娘は薙刀を手に、微笑みを浮かべていた。

 その目線は俺ではなく、何処か遠くへ行ったウマ娘に行っていた。

 青年は目をまん丸くしていたが、狙われていないことにホッとして、スッとその場から離れようとする。

 

 だが彼女の背後に行った瞬間、その薙刀を床に叩きつけ金属音を鳴らす。

 その音にビビって青年の足が止まる。

 

「人間さん、ですね?」

 

 反射的に返事してしまう。

 薙刀を持ったウマ娘はゆっくり振り向いて、青年に近づく。

 

「私、グラスワンダーと言います。人間さん、お覚悟はよろしいでしょうか?」

 

 青年は命の危機を感じ、カバンから取り出したグローブを早急につけて、グラスワンダーに立ち向かう。

 グラスが武器を振り駆け出し、青年は出来るだけ和解しようと、その場で身構えたのだった。

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