DERBYTALE (AU)   作:フラウィー

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基本的にウマ娘達は原作同様一部を除いて足が速いです。
そのため時系列的にはこの後、皇帝sideの話になります。




スペシャルな試練③

 青年は道中、にんじんの突き刺さったハンバーグが置いてあるのを発見した。

 軽く食べて見たが、これが案外美味しかったらしく、平らげてしまっていた。

 そこで彼は見てしまった。

 皿の下に書かれたメッセージに。

 

『ふっふっふっ……これは罠なんですっ! どんな罠かというと……人間さんは私の作ったハンバーグによって、足止めされてしまうんですっ!』

 

 確かに足止めには成功していた。

 だが人間は不思議に思った。

 何故、食べていることに夢中になっている時に捕まえないのかと。

 ここまで来て二人のことをある程度理解した青年は、なんとなくその理由もわかっていたのだが。

 

 と言うわけで体力もそれなりに回復した青年は先を急ぐ。

 下方向に進んで行くとスペシャルウィークの姿が見えた。

 何やら悩んでいるらしく、頭を抱えていた。

 

 青年はスペシャルウィークに近寄って声をかける。

 

「うひゃぁっ!?」

 

 後ろから話しかけてしまったせいか、大きく驚き跳ねた。

 そしてすぐさま後ろを見る。

 

「な、なんだ人間さんですか……はぇっ!? に、人間さんっ!?」

 

 二度見の驚きとともにばっとその場を離れ、遠目に青年を見る。

 青年もその動きに驚いて、躓きかけてなんとか立ち直す。

 

「ぐ、グラスちゃんはどうしたんですかっ!」

 

 倒した、とは言い難く、和解したとも言い難く。

 少し言い淀んだ末に言ったのが、取り敢えず話を付けた、とだけ。

 その言葉にスペシャルウィークはまたもやびっくりしていた。

 青年は一先ずその話はやめ、何をしているのか、と聞く。

 

「実はパズルをこの辺りに作ってたんです。ですが、その……見ての通り……」

 

 いつもの元気は何処へやら、パズルがあったと思わしき場所を指差して落ち込んでいた。

 青年は指をさした方を見たが、そこにあったのはとてもじゃないがパズルとは言い難いものだった。

 明らかにチラチラ見えている地雷のようなもの、他にもなんか危なそうなものが地面から見えているのだ。

 きっとあの場所を進めば傷は免れないだろう、青年は直感でそう感じた。

 

「どーせ、スズカさんですっ! 私の作った罠にまた悪戯したんですよっ!」

 

 青年はスペシャルウィークに災難だったね、と慰める。

 そうですよねっ! と言って青年には同意を求めていた。

 

「とにかくっ! 一時休戦です。スズカさんの罠を抜けるために一緒に行きますよっ!」

 

 青年はわかった、と言ってはあることを聞く。

 あることと言うのはスズカは一体どのような悪戯をするのか、と言うものだ。

 スペシャルウィークは少し悩んで言う。

 

「そうですね……例えば機械を少し故障させたり、踏んだら粘着テープが貼りついたり……それで転んだこともあるんですよっ!」

 

 そう言ってスペシャルウィークは少し怒る。

 スズカの悪戯は結構酷いものらしい。

 もしかして死んじゃうんじゃないだろうか、と思いつつも二人で地雷原へと足を踏み入れた。

 

 そこからは、とにかく大変だった。

 青年の踏んだ先で刺さるにんじんが降ったり、踏んだものから電気が流れたり。

 死ぬ思いしつつも、二人は先へと進んだ。

 大体時間は一時間ほどだろうか、彼らは奥へとたどり着いていた。

 半ば満身創痍で。

 

「な、なんとか突破できましたね……」

 

 青年は頷いて、先ほどもらったにんじん棒を食べる。

 そうすることで不思議と傷は癒えていた。

 青年はこれはきっと、自身のソウルの力によるものだろうと、なんとなく考えた。

 

「人間さんっ! 私はスズカさんを探しに行きますっ! また後で会いましょうっ! ……一体、どこに行ったんですか……っ!!」

 

 とても怒った様子でスペシャルウィークは青年の元を去って行く。

 青年は少し周辺を見渡し、何もないことを確認すると先へと進み出す。

 少し遅れての出発だったが、既にスペシャルウィークの姿はなかった。

 代わりにいたのはスズカだった。

 

「ふふっ、楽しかったかしら? 私の仕掛けた悪戯道具たちは」

 

 青年はスズカにスペシャルウィークがかなり怒っていた、と伝える。

 スズカは相変わらずニヤニヤしていたが、少し焦っているようにも見えていた。

 

「スペちゃん怒ってた? ……あー、まぁ、その。私は大丈夫よ。なんとか誤魔化すわ」

 

 無事で済むと良いけど、と青年は思っていた。

 それだけ言うとスズカは歩き出そうとする。

 青年は何処かに行くのか、と聞く。

 スズカは少し振り向いて答えた。

 

「ちょっと昔の知り合いに会いに行くのよ。グラスちゃんもいるのよ」

 

 その言葉に青年はさっきの戦いを見ていたのか、と聞く。

 だが帰ってくるのは曖昧な返事だけ。

 スズカは適当に答えを濁していた。

 

「何か伝えたいことがあるなら言っとくわよ?」

 

 青年は特にない、と言う。

 青年はただ、この先の行く末を彼女に託しただけだから。

 グラスからの答えが返ってくるのをただ待つのみだった。

 

「そ、じゃあ私は行くわね。スペちゃんのことよろしく頼むわね」

 

 そう言って木の影へと消えて行った。

 青年はそんなスズカの後ろ姿を見届けて、また歩き出した。

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