DERBYTALE (AU) 作:フラウィー
青年は一、二時間ほど休憩し、地雷原での疲れを癒した。
完全に癒えた頃に、自身の体に傷がないことを確認して足を進め出す。
土を踏み、ウマ娘たちと話し、戦い抜き、そして前へと進んで行く。
しばらく歩いていると、もう何度目かわからないが二人がいた。
サイレンススズカ にスペシャルウィークだ。
「スズカさん……なんでこんな、こんなことに?」
「あー、見張りはしてたのよ? 私としては、ちゃんと」
「じゃあ、なんでこんなことになったんですか?」
「……あの二人よ。ほら、いつも追いかけっこしてるでしょ?」
「グラスちゃんとエルちゃんですか……そう言えば向こうで気絶してましたね」
そんなことを薙刀で一刀両断された機械の近くで話していた。
どうやらスズカが見張りを任されていたようだが、グラスワンダーともう一人のウマ娘の追いかけっこにて破壊されたようだった。
青年は機械を見て、自身もああなっていた可能性があることを思い出し恐怖していた。
そんなこんなで二人が喚いていると、二人の視線が青年に向く。
青年も二人の視線に気づいて軽く手を振る。
スペシャルウィークは少し汗を垂らして申し訳なさそうな顔をしている。
スズカは相変わらずいつもの顔だった。
「……えっと、人間さん。そのこ、今回は、なしです」
「まぁ色々あって壊れちゃったのよ。ごめんなさいね」
「ですがっ! 次のっ! 最後のっ!! ラストのっ!!! ふっふっふっ……ファイナルでスペシャルな試練……そこで私の勝ちで終わりますから、楽しみにしていてくださいっ!」
気を取り直したようで高笑いととも去って行った。
あれでよかったのだろうか、と青年は考え機械に近づく、
そんな青年の隣にスズカは立つ。
青年はそんなスズカに一応、何があったのかと聞く。
「見ての通りね。人間さんも襲われたからわかってるんじゃないかしら?」
まぁね、と言って機械に触ってみる。
「もしかして直せるの?」
見てみないとわからないと、青年は言葉を返す。
青年の仕事、それはこれである。
機械を弄って上手い具合に直す、要は機械技師と言う奴である。
外見の大部分が破損してはいるが、中身がスカスカで動いていたおかげで、そこまで酷いわけではなかった。
適当に応急処置をして、余計な部分の部品をカバンに突っ込む。
もしかしたら何かに使えるだろうと思って。
ちなみに、彼の仕事で扱うものは基本、大型機械である。
トランシーバーのような携帯などはあまり得意ではなかったりする。
「へぇー……人間ってすごいのね」
スズカは感心した様子で機械を見ていた。
軽く触ってみると、どうやら動いたようで青年の体に強力な電気が走る。
その電気をモロに食らった青年は大きく痺れた後、機械から急いで離れた。
「それ、ウマ娘には反応しないのよ。人間だけに反応して動くのよ……それよりも、なんで直したのかしら? こんなもの、直したところであなたの得にはならないでしょ?」
そう言って機械を撫でるように触る。
そんなスズカに、痺れながらも青年は答える。
人助けが好きだから、と答えた。
スズカは一瞬キョトンとして、笑った。
「人助けが好き、ね……そう、見極める価値はあるようね」
青年は最後のボソボソ声が聞き取れず、スズカに聞いたがなんでもないわ、と言ってた有耶無耶にされた。
そして気づけば、スズカの姿はどこかへと消え去っていた。
青年は機械を一瞥した後、道を歩き出す、
道中ウマ娘から話を聞いたり、戦ったりしつつ、足を進めて行く。
すると何度か見た見張り小屋が目につく。
見張り小屋の下ではマスクをつけたウマ娘が気絶していた。
あのグラスワンダーと追いかけっこしていたウマ娘だった。
青年は彼女を起こすと戦いになるだろう、そう考えて刺激をしないよう、静かにその場を通った。
なんとか無事通れた青年は、遠くに橋のようなものを見つける。
橋の向こうには二人の姿。
青年はさっき聞いた、最後の試練という言葉を思い出す。
きっとこれが最後なんだろう、これで終わりだろう。
そうなれば多分、戦うことになるのだろう。
そう考えたことで、足を進めることを躊躇してしまう。
もし足を進めれば戦いになる。
戦いになるということは、エアグルーヴの時のように行く保証もないわけで。
だが青年に、人を、ウマ娘を殺すような勇気もないわけで。
しかし青年は、胸に決意を秘めていた。
家に帰ると、この地下世界から出ると。
その思いはだんだんと強くなって行く、考えれば考えほど強く。
気づけば青年の足は前に出ていた。
二人の、最後の試練の元へ。
設定資料出して欲しい?
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