DERBYTALE (AU) 作:フラウィー
次々と飛んでくる攻撃を避け、重い体で無理やり前に進む。
スペシャルウィークは出来るだけ近づかれまいと攻撃を続けるが、強い意志と共に進む青年を止めることはできなかった。
青年は顔面に飛んできた攻撃を屈んで避け、下の方から拳を振り上げる。
アッパーの一撃はスペシャルウィークの顔を掠めていた。
その一瞬をスペシャルウィークも見逃すことなく、先の尖っていないにんじんを地面から出す、青年の腹に向けて。
青年はあまりにも踏み込み過ぎていた、故にその攻撃は腹に入る。
青年はよろけつつ下がると、構え直す。
スペシャルウィークは度重なる攻撃の末、息切れをしていた。
青年も少し疲れているのか、軽く息切れしていた。
「流石……人間さん、ですねっ!」
それはそっちもだ。と青年は言う。
その言葉にスペシャルウィークは嬉しそうにニヤリと笑う。
そして腕を振り上げ地面からいくつものにんじんを出す。
速度は明らか様に遅くなっていたが、青く重い体に疲れが溜まり避けるのも難しくなっていた。
だが青年は負けられないと、根性だけで踏ん張る。
踏ん張って、前に進む。
その様子にスペシャルウィークは何か考え出す。
ほんの少しの時間だったが、何か覚悟を決めたような顔をしていた。
青年はその顔に強い警戒をする。
「人間さん、聞いてください」
青年は構えを解いて頷く。
その反応にスペシャルウィークは強気な瞳で青年を見る。
「これ以上抵抗するのであれば、私は……私は、必殺技を放ちますっ! 結構痛いですっ! ですからっ……!! お願いします。捕まってください」
スペシャルウィークの周りに大量のにんじんが生え出す。
その中でも一際目を惹くにんじんがあった。
多分あれが攻撃のためのにんじんなのだろう、と青年は考えていた。
止めようと考えるも、その距離は結構あり難しかった。
よって、構える。
青年は深く構え、攻撃に対してすぐさま反応を取るための準備をする。
体は重いが無理やりならば避けることは可能だった。
スペシャルウィークは青年の行動に目を瞑って腕を振り上げる。
「人間さん……覚悟してくださいっ!!」
その腕を振り下ろし、青年へと向けた。
向けた、のだが、にんじんは動かない。
と言うより萎れていた。
スペシャルウィークはちょっと驚いたような顔をして辺りを見渡す。
すると一際目を惹くにんじんに、齧られた後があった。
「あーっ!! 何してるんですかっ!!?」
にんじんは何故かそこにいたウサギによって齧られていた。
そして何故かにんじんを吐き出して苦しそうな顔をしていた。
だがスペシャルウィークの顔を見ると、ゆっくりとフェイドアウトして行き、走って逃げ出した。
スペシャルウィークは怒っていたが、戦いの最中であるため追いかけると言うことはしなかった。
「はぁ……なんでこうなっちゃうんでしょうか……」
スペシャルウィークはとても落ち込んでいた。
青年はどうしたらいいかわからなくなり、動きが止まってしまっていた。
だが一度ため息をつくと、顔を上げて青年のことを見る。
「こうなってしまっては仕方ありませんっ! 普通のっ! スペシャルなっ! 必殺技ですっ!!」
青年は構えて攻撃を避け始める。
スペシャルウィークは一気に詰めるつもりなのか、攻撃が今までのと比べてかなりの激しさになっていた。
青年もここぞとばかりに、全ての体力を使ってその攻撃を避けて行く。
上から下から横から、全ての攻撃を重い体で無理やり避けて行った。
スペシャルウィークもその攻撃に全てを賭けたのだろう。
巨大な攻撃が青年に迫る。
青年はぐっと構えてその拳を全力で振るった。
振るった拳はその巨大な攻撃、にんじんを貫いて破壊した。
一瞬、だけどもその瞬間、ソウルがオレンジ色に輝いた。
ように、青年は見えていた。
スペシャルウィークはその一撃に驚いて座り込む。
そしてお互いのソウルは姿を消した。
戦いが決した瞬間だった。
「……負けて、しまいました。私……これじゃエアシャカールさんに……っ!」
とても悲しそうで悔しそうな顔をして地面を叩いた。
青年も疲れから座り込み、スペシャルウィークに話しかける。
皇帝兵になるって、人間を捕まえる以外の方法はあるんじゃないのか? と。
スペシャルウィークはその言葉に頷くが、私はそれじゃないとダメなんです、と言う。
「私、認めてもらえないんです。『弱いからダメだって』、だから人間さんを捕まえて、強いって示す。そのために捕まえなきゃダメなんですっ!!」
ならば今以上に強くなればいい、と青年は言う。
自分はこれから地上に出るために先へ進まなければならない、けどまだ時間はあるから強くなるための特訓を手伝うことはできると伝えた。
スペシャルウィークはちょっと驚いたような顔をしていた。
「い、いいんですか?」
青年は頷いて立ち上がると、スペシャルウィークの目の前に行って手を伸ばす。
友達として君が強くなれるように手伝う、と青年は言った。
スペシャルウィークは嬉しそうに立ち上がり、青年の手を握る。
「はいっ!! 友達として、お願いしますっ!!」
青年はなんとか和解できたことにホッとして、ボロボロになって使い物にならなくなったグローブをしまう。
これからの行動として青年は、一先ず町に戻ってスペシャルウィークの特訓に付き合うことを決める。
そのためにスペシャルウィークに町へ戻ろうと言った。
だが彼女は青年に言うことがあると言う。
「人間さん。地上に出る……って言いましたよね。そのためにはこの先の訓練場を抜け、食堂と呼ばれるにんじん加工場のその先、皇帝寮に行かないといけません。するとそこには結界の境界線があるはずです。この地下に入るときは簡単ですが、出るのはとても……だから、皇帝は、人間さんを捕まえようとしているんですっ。皇帝は……とても優しいんですっ! だから話せば多分、わかってくれるはずですっ!」
青年はその言葉を聞いて、まだ道のりは長そうだと考える。
そして皇帝のことも。
「人間さん。私を応援しますからっ! 頑張ってくださいっ!!」
青年はその言葉に頷くと、スペシャルウィークと共に町へと戻っていった。
もうちょっとだけにんじんの大農園編は続くぞい。(これでも一応Nルート)
設定資料出して欲しい?
-
YES
-
NO