DERBYTALE (AU) 作:フラウィー
許してくだちい。
練習場へ
にんじん大農園でやるべきことを終わらせた青年は今、訓練場の入り口に立っていた。
すぐ近くの屋台ではスズカが座っており軽く手を振っている。
青年も手を振り返して先へと進む。
先にあったのは滝だった。
下の方まで流れているようで、レース場のようなところに繋がっているらしかった。
ただこのまま下に行くのは危険すぎるため、別の道を探すことにする。
壁面の建物にあっちこっちにかかる橋。
橋の下をしばらく進んでいると声が聞こえた。
誰の声かはわからないが、二つの声で片方は聞き覚えがあった。
青年は立ち止まり、曲がり角で少し顔を覗かせて会話を聞こうとする。
そこにいたのはスペシャルウィークと、もう一人知らないウマ娘だ。
もう一人のウマ娘はスペシャルウィークを見て、なにやら気難しい顔をしていた。
「あ、あのエアシャカールさん。に、人間さんの、話なんですが……」
「あァ、既に聞いてる」
「そ、その皇帝兵に……」
「なれるわけねェだろ。オレを、オレたちを、なんだと思ってるんだ?」
そう言った黒いウマ娘は右手内に何やら武器を取り出す。
少し遠目で見えなかったが長い武器なのは見えていた。
青年はもう少し声を聞こうとして、一歩を踏み出し足音を出してしまう。
その瞬間、武器がこちらに飛んできて近くの壁に刺さる。
「……スペ、今日はもう帰りやがれ。オレはこれから仕事だからな」
何か言いたげだったが、諦めてトボトボとスペシャルウィークは帰って行く。
青年は身動きを止め、息を殺し、近づいてくる足音をただ聞き分ける。
だがこのまま止まっていては攻撃されると、行動しようと考える。
向こうから青年の側は見えてなく、そこで青年は離れようとすり足で音を出さずに動き出そうとする。
だがその前に曲がり角で腕が伸びてきた。
「おい、そこに……誰がいやがンだ。とっとと出てきやがれッ!!」
青年は咄嗟に壁に張り付くようにして息を殺す。
だが。腕はさらに伸びてきて、何かを掴もうと、こちらに伸びて──。
そして誰かを掴んだ。
青年ではない、青年の目の前にいる誰かだ。
そしてその誰かは、引っ張られて黒いウマ娘の前に引っ張り出された。
「はぁ……また来たのか。ウララ」
「うん! 来ちゃった!」
えへへと笑って、ウララと呼ばれたピンク色のウマ娘は笑う。
どうやらバレなかったようで、そのことに青年はホッとして耳を傾ける。
「帰れ。今この地下には人間が居やがる。だから襲われちまうかもしれねェぞ」
「えー、でも……」
「でもじゃねェ。とっとと帰りやがれ」
「はーい。じゃあね!」
そう言うとピンクのウマ娘はこちらにやってきて、青年の隣に行く。
そして人差し指を口元にやって、しーっと青年に言った。
青年はその動作が黙っててくれ、と言うことだと悟る。
「ったく、危険だってつってるのになァ……」
ブツブツ言いながらその場を離れていった。
そのことを確認すると青年は、ピンク色のウマ娘もとい、ウララと道に出る。
ウララは少し興奮した様子で青年に言った。
「やっぱりエアシャカールさんはかっこいいねっ! 皇帝兵長って憧れちゃうなぁ……!」
青年はウララにエアシャカールの事を聞く。
これから行く場所、そこで障害となるのは確実だったからだ。
ならばせめて、殺されないように事前の情報を集めておこうと思っていた。
そしてできれば、戦わずに和解できる方法もないかと。
「エアシャカールさんは、この訓練場を纏め上げてるすごい人なんだ! えっとねぇ。沢山の部下? ……がいるんだよ! そして私たちのことを守ってくれるんだ! あ、私ハルウララ! よろしくね!」
エアシャカールの紹介ついでに自己紹介され、青年も挨拶を返す。
そしてウララはエアシャカールを追いかけるために、彼女の進んだ方向へ走って行く。
とにかくエアシャカールが強いと言うことだけを理解し、青年も歩きながらその方向へと向かっていった。
設定資料出して欲しい?
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YES
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NO