DERBYTALE (AU) 作:フラウィー
歩いた先にまず見えたのはあからさまに距離のある谷だった。
下の方はどうやらレース場のような場所に繋がってるらしく道があった。
だがここから降りれはせず、落ちれば死ぬのは確定だった。
さて、どうしようかと考えていると、近くに板が立てかけてあるのを見つける。
青年はその木の板を触り強度を確かめる。
硬くしなやかでそう簡単に折れることはなさそうだった。
青年はそれを倒して谷を渡って行く。
ある程度不安定であったものの、無事渡りきることができた。
もう一つ同じようなものがあったため、同じように橋をかける。
そしその上を渡って先へと進んで行く。
しばらく歩いていると、突然電話がかかってきた。
青年は電話を取ってもしもしと言うと、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
『あ、人間さんっ! さっきぶりですっ! どうですか? 先へ進めてますか?』
電話の相手はスペシャルウィークだった。
さっきは落ち込んでいる様子だったが、いつもの調子を取り戻しているようだ。
青年は言葉に頷きつつ返事をした。
そして何か用か、と聞いた。
『え、用……ですか? あの、えっと……えーっと』
少し言い淀んで、静かな時が数秒流れる。
静寂な時間、訓練場では皇帝兵たちの声だけが響く。
スペシャルウィークは突然、何か思いついたように言う。
『い、今何していますかっ!?』
青年は少し首を傾げて周りを見る。
そして今は外に向かって歩いているところと言った。
少し元気なさそうに、スペシャルウィークは返事を返す。
そしてまた静寂な時間が訪れた。
青年は一体どうしたのかと思って聞こうとする。
だがそれよりも前に、スペシャルウィークが声を出した。
『今、えっと、どんな格好していますか? その……お友達が、聞きたがってましてっ!』
お友達、と聞いてなのだろうかと考えた。
だがウマ娘を全員知っているわけでもないので、さっきと同じ格好と言った。
『さっきと……特訓の時と同じですか?』
青年は頷いて返事した。
そして友達はなんでそんなことを聞きたがっているのか、と聞いてみた。
単純な疑問だったのだが、スペシャルウィークは答えにくそうに、少し口吃って言った。
『あー、そのぅ。人間さんを探してるみたいなんですよっ! あ、スズカさんが呼んでるんで行きますねっ!!』
と言って話途中で無理やり切られてしまった。
青年はなんだか嫌な予感がしつつ、先へと進んで行く。
道中ウマ娘たちと出会いつつも、うまいこと和解して避けて行く。
訓練場というだけあって、ここまで来るとウマ娘たちの攻撃も激しくなっていた。
ただスペシャルウィークのようなすごい攻撃をしてくるわけではなく、今まで通りの普通の攻撃だ。
ただ現状、武器がないのをどうにかしたかった。
グローブはスペシャルウィークとの戦いでぶっ壊れ、使い物にならなくなっているからだ。
そんなことを考え歩いていると、少し大きな道の通路のような場所に出る。
あっちこっち行っていたから気がつかなかったようだが、建物の中だったようで不思議な感じだった。
青年が少し見渡していると、突然背後になにかが着地したような大きな音が響く。
後ろを振り返るとそこには動きやすそうな鎧に身を包んだウマ娘が立っていた。
そのウマ娘はスペシャルウィークと話をしていた、あのウマ娘、エアシャカールだった。
「よォ、人間」
そう言うと笑みを浮かべて、右手に魔法の槍を持つ。
槍を構えると、思いっきり全力で青年に向けて投擲した。
空を飛んでいる間、槍は分裂し雨のように降り注ぐ。
それを見た青年は驚きの声を上げつつ走り出した。
エアシャカールが後ろから迫ってくることはないが、槍は青年の周囲に落ちる。
床や壁、様々な場所に穴を開けて青年の命を狙う。
青年は時に屈んだりしてその攻撃をやり過ごしていた。
そして青年は逃れるために一つの建物に入る。
中にも槍が飛んできていたが、青年は周りを見てあることに気づく。
そこは倉庫だったのだ。
色々と荷物が積み重なっており、隠れるにはちょうど良かった。
青年は近くの荷物の物陰に隠れ、その場をやり過ごそうと息を殺す。
だがエアシャカールは倉庫の中に入ってきた。
足音がだんだんと近づいてくるのを感じる。
そして青年のすぐ真隣に手が伸びてきた。
青年は驚いて声を出しそうになったが、無理やり飲み込む。
エアシャカールはなにかを掴むと引っ張り上げた。
青年はなにを引っ張ったのか気になって少しだけ顔を覗かせる。
「……おい。なんでまだここにいやがるんだ、ウララ」
「あははー……ダメ、かな?」
「ダメに決まってんだろうが。とっとと帰りやがれ、なァ?」
「はーい……」
少し残念そうにしながら、ウララは去っていった。
エアシャカールは頭をボリボリ掻いて、また間違えたかァ? と呟きながら出て行ったのだった。
設定資料出して欲しい?
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YES
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NO