DERBYTALE (AU) 作:フラウィー
しばらく歩いていると、大きな橋のような場所に出た。
下にはレース場から離れた場所で、川が見えている。
人気もなく、妙な気配に青年は少し警戒を続けていた。
ハルウララとともに来れたらよかったものの、彼女は別の用事がある。
無理を言うことはできなかった。
妙な気配はだんだん近づいてきている。
しばらく進んでいると、謎の音が耳に届く。
小さな、小さな音でとても聞こえづらい。
だが音は、どんどん大きくなって近づいてきている。
ふと、背後に嫌なものを感じた青年は振り返る。
すると眼前には槍が迫っていた。
すんでのとこで体を逸らし、橋から落ちそうになりつつも、青年は避け切る。
一体何事かと周囲を見渡すと、大きな音と衝撃とともに、少し離れた場所で上からウマ娘が降ってきた。
「よォ、人間」
一言そう言うと思いっきり構えて、槍をぶん投げた。
槍は途中で大量に分身して、青年めがけて飛んで行く。
青年はなんとか体を動かして避けると、逃げるために走り出した。
焦燥、恐怖、背後に伝わるものを無視してただひたすらに前へと走って行く。
後ろから飛んでくる槍が、横へ前へ後ろへと刺さるも青年は一心不乱に走った。
「待てよ、なァッ!!」
一際大きな声とともに槍が頰を掠める。
突然のことに一瞬を足止めてしまう。
青年はやばいと思いつつ、走り出そうとした。
だがその瞬間、目の前の地面が青く光り槍が飛び出した。
「チッ。ミスった、かッ!!」
背後から更に槍が飛んで来て、青年は地面の槍を避け走り出す。
槍はひたすら、ただ絶え間無く飛んで来る。
走っていて青年は気づいた。
周囲からウマ娘の気配がなくなっていることに。
それどころか建造物すらなくなっていっていることに。
橋はボロボロで少し崩れそう、ところどころ古びた建物が見えるくらいでレース場は完全に見えなくなっていた。
地面からまた槍が生え、急停止して後ろを見る。
エアシャカールは槍を片手に歩いてきていた。
青年は更に離れるべく前へ行こうとして気づいた。
道の先がないことに。
下の方には川が流れており、危ないのは明らか様であった。
後ろを振り返ると、そこにはエアシャカールが立って、笑みを浮かべ青年を見つめていた。
「計算通りだ、人間。ここまで来たら逃げ道はねェからなァ……テメェ、一体ここに何の用だァ? 何しにこの地下に来やがった」
青年は、ここには落ちてきたと言う。
元々この地下に来るはずではなかったと。
エアシャカールは軽く笑って答えた。
「じゃあなんだ。ここに落ちてきたは事故です。助けてください……とでも言うつもりか? あァ? だがそうはいかねェ。残念ながらここで、死んでもらう」
エアシャカールは槍を高く振り上げると、上から槍が降ってきて橋を壊す。
青年の場所だけを切り離すようにして、青年を深い底へと落としたのだ。
落ちて行く中、青年の意識も一緒に暗い闇の底へと落ちて行ったのだった。
「こっちから音がした、と思うんだけどなぁ……」
そのウマ娘は音のした方へと向かっていった。
落ちてくるような、大きな音。
そこらへんに転がっている石よりも、ずっとずっと大きなもの。
それが落ちてきた音だった。
音のした場所、その場所を覗くとそこには人が倒れていた。
ウマ娘ではない人、人間。
人間の少女がそこに倒れていた。
「……! キミは……もしかして、落ちてきたの?」
そのウマ娘は人間に近づいた。
初めて見る存在だったが、怪我をしている様子に心配だったのだ。
「だ、大丈夫!? 立てる、かな? ほら、ボクの肩に捕まって……」
ウマ娘は少女を助けるべく肩を貸し、立てるよう補助する。
そして人間に名前を聞いた。
「■■■って、言うんだ。いい名前!」
ウマ娘は笑顔で答えると、少女は少し安心したような顔をする。
そして今度はボクと、ウマ娘は自己紹介を始めた。
「ボクの名前は……」
少女にとって、その名前は忘れ難き名前となる。
いつの時も、どんな時も。
例え、死すとも。
設定資料出して欲しい?
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