東方機械幻想記~紅きハンターの幻想入り~   作:赤バンブル

2 / 7
遅れたけど二話目。

あの声優無法地帯は何度見ても吹いちゃうな。


博麗神社だブ~ン

魔法の森で目覚めたゼロは、周囲の変化に戸惑いを隠せない中、風変わりな二人に連れられて『霧雨魔法店』へとやってきた。

 

中は年頃の少女の住む家とは思えぬほど散らかっており、テーブルの上には古びた分厚い書物が無造作に積まれていた。

 

「クンクンクン、いいにおいがする~~。」

 

そんな積まれた書物をどかしながらワスピーターは、嬉しそうに言う。奥の台所では魔理沙が今日取ってきたキノコを調理している。

 

「今日は、何かな~。まりさは言うことを聞いていればご飯出してくれるから安心だな~。」

 

「お前・・・・機械なのに食事をするのか?」

 

「えっ?ゼロは食べないの~?」

 

自分の言葉に対して驚いた顔をするワスピーターの反応にゼロは、ますます混乱を極める。

 

「食べないのって・・・・エネルギーの変換効率が著しく悪いからな。生憎エネルギーの補給は凝縮ボトルで済ませるのがほとんどだ。」

 

「わぁ~~~人生の半分以上損してるぶ~ん~!?セイバートロン星で聞かれたら笑いの的だブ~ン、ははは~!」

 

「セイバートロン星?」

 

「ぼくちゃんたち『トランスフォーマー』は、み~んなセイバートロン星で生まれるんだ~。まあ、ぼくちんは、メガトロン様に雇われてしばらく帰れなかったんだけどね~。」

 

ワスピーターは、軽く頭を叩きながら喋る。メガトロンが何者かは知らないがどうやら彼もどこかの組織の所属していたらしい。そんなことを聞いてゼロは、興味本位で一言尋ねる。

 

「それでお前は、そのメガトロンと言う奴の所で何をやってたんだ?」

 

「えっ?なんかに憑りつかれたり、エイリアンツアーズしたり、お猿さんの谷を焼いたり、何度もバラバラにされたりで碌なことがなかったぶ~ん?」

 

「?」

 

「その後、王様扱いされて楽しかったな~~。だけど故郷が恋しくなって、『帰らないで~!』って言われながらも押し切って自分でセイバートロン星に帰ったんだ~。その後のことはほとんど覚えてないけど。あっ、でもイチャイチャカップルの周り飛んでいたらネズミにデコピンされたのは覚えてるぶ~ん。」

 

彼は、のんびりとした口調で話すが全く理解できなかった。

 

「何を言っているのか全然わからん。」

 

「そうだ。ゼロも何か言うブーン。僕ちんにだけ話させて自分のこと言わないなんて不公平だー。」

 

「・・・・・」

 

ゼロは、その言葉に対して何も言えなかった。

 

ワスピーターが何をしていたのかはよくわからなかったが少なくとも暗い過去ではなさそうだ。それに対して自分はどうなのだろうか。

 

「俺は・・・・・」

 

「おい、客人なんだからそんなに困らせるなよ。」

 

彼が言いかけると同時に魔理沙が料理を乗せた皿を運んできた。

 

「わあぁ~~~~ごはんだぁ~~!!」

 

ワスピーターも興味が変わったのか早速目の前に置かれたキノコと魚の炒め物を食べ始める。

 

「本当に食べるのか・・・。」

 

「ゼロの分も作っといたけど食べるか?いらないならコイツに回すけど。」

 

魔理沙に言われてゼロは、再度自分の前に置かれた炒め物を見る。

 

シャトルの作戦前を最後にエネルギーを補充していない。更にエックスとシグマと連戦をしたため、エネルギーをかなり消耗しているはずだ。

 

「(この様子じゃエネルゲン水晶すら手に入るか怪しいな、頂いておくか。)いや、もらおう。」

 

そう言うと彼は持ったこともない箸を恐る恐る手に取る。

 

「ぶん?あれれ~?お箸の持ち方違うよ~?」

 

「えっ?こうか?」

 

ワスピーターに言われて箸を持ち直す。

 

「あはは~~箸もちゃんと持てないなんてゼロって意外に子供だぶう~ん。」

 

「しょうがねえな、スプーンとフォーク持ってきてやるから。」

 

魔理沙は、面倒くさそうな顔をしながらも台所に戻ってフォークとスプーンを取ってくる。ゼロは受け取るとスプーンにうまくすくい上げて炒め物を口に運んで食べてみた。

 

「・・・・・」

 

「どうだ?うまいか?」

 

「・・・・悪い。そもそも食事をすること自体初めてだからよくわからない。」

 

そもそもレプリロイドにとって食物を摂取するのは非常手段だ。そのため、味覚回路は不完全で味が分からない。

尤もレプリロイドの多くは『食事』と言う概念に乏しいということもあるが。

 

「ぶぅ~ん、味が分からないなんてゼロは可哀そうだなぁ~。」

 

「・・・・・」

 

「おい、ワスピーター。それ以上いじめるなよ。さもないと明日から飯抜きにするぜ。」

 

「ぶん!?そんなのやだぶぅ~ん!!何でもするから許して~~!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食事後、昼間の作業に疲れたのか魔理沙は、後片付けをワスピーターに任せてソファーの上で先に就寝に着いた。

 

「ぶんぶん、まりさーはメガトロン様とよりマシだけど人遣いが荒いぶーん。ぼくちんもヘトヘトなのに~。」

 

ブツブツ文句を言っている彼の後姿を見ながらゼロは腕を組み、今日得た情報を頭の中で整理し始める。

 

まず、魔理沙が言うにはここは『幻想郷』と言う自分たちがいた世界とは違う隔離された場所で周囲を囲む結界、つまりバリアは『八雲紫』と言う大妖怪?と『博麗の巫女』が管理しているということ。

 

ここから元の世界に戻るにはこの二人のどちらかに接触するしかないということ。

 

そして、『幻想郷』はあらゆるものを受け入れる。例えそれが外では危険だったとしても。現にこの森から少し離れた霧の湖の畔にある『紅魔館』、妖怪の山にある『守矢神社』は元は外の世界からやって来たという。

 

(何はともあれ、元の世界に戻るには明日行く『博麗神社』に行くしかないようだな。だが、戻って何になるんだ?)

 

内心戻るべきなのかを悩みながらも彼はそのまま深い眠りへと着く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

三人は、今日の目的地である博麗神社へ向けて出発する準備を整えていた。

 

「じゃあ、ワスピーター。ちゃんとゼロのこと乗せてやるんだぜ。」

 

「りょうか~い~!ビーストモード~。」

 

ワスピーターは、巨大なハチの姿になり上にゼロを乗せる。

 

「それじゃあ、行くぜ。」

 

「夢の超特急『ワスピーター号』はっし~ん~!ブブブぶぅう~~ん~!!」

 

一行は空へと飛びあがり、悠々と森の上を通り過ぎていく。今までは森の中だったこともあり、ゼロは辺りを眺めるがやはり自分の世界に存在する人工物は一切存在せず、自然豊かな風景が広がるのみであった。

 

(やはり、昨日の話は嘘じゃなかったようだな・・・・・)

 

彼がそんなことを考えている間に目の前に小山に建てられた小さな神社が見えてきた。

 

「間もなく~博麗神社~博麗神社に止まりま~す~。」

 

鳥居の前に着くとゼロは飛び降り、ワスピーターは、変形しながらロボットモードに変形した。

 

「でんぐり返って、へんし~ん~。ブゥウ~~ン~。」

 

敷地では、丁度紅白の巫女服の少女が掃除をしているところだった。

 

「お~い~霊夢。賽銭は入ったか?」

 

魔理沙は、親しげに少女に声をかけに行く。。そんな彼女に対して霊夢は興味なさそうに返事をした。

 

「またからかいに来たの、魔理沙?」

 

「ははっ、冗談だぜ☆今日は頼みごとがあって来たんだ。こう云うのはお前と紫の専門だしな。」

 

魔理沙は、後ろにいるゼロに指を指す。

 

「・・・・アンタ、また変なもの拾ってきたの?」 

 

「変とはなんだよ、変とは。まあ、それは置いといてコイツを外の世界に帰してやってほしいんだ。」

 

「ゼロだ。アンタが例の『博麗の巫女』と言う奴か?」

 

ゼロは、自己紹介しながら彼女の前に来る。

 

「えぇ、そうよ。私は博麗霊夢。よろしく。」

 

霊夢は一応簡単な挨拶をすると彼をじっと観察し始める。

 

「う~ん・・・・・最近の奴らの比べたらマシだけど。アンタ、人間じゃないの?」

 

「あぁ。俺はレプリロイドと言うロボットの一種だ。」

 

昨日、間違われたこともありゼロは、きっぱりと言う。それを聞くと霊夢は再度観察し、しばらく黙り込んだ。 

 

「・・・悪いけど無理そうね。」

 

「何?」

 

「えっ!?それってどういうことだよ?」

 

彼女の意外な言葉に魔理沙は、驚いた。しかし、それには訳がある。

 

「ゼロ、一つ聞くけどアンタの最後に確認した日はいつ?」

 

「えっ?確か21XX年のはずだぞ?」

 

ゼロの言葉に二人は、沈黙する。

 

「まあ・・・・確かにワスピーターよりは大分近いけど・・・・・ゼロ。お前、頭大丈夫か?」

 

「何を言っているんだ?俺のメモリーは正常だ。誤作動は起こしていないぞ。」

 

「・・・・・あのね、言っちゃ悪いんだけど・・・今、20XX年よ。」

 

「なっ!?」

 

霊夢の一言にゼロは絶句する。

 

20XX年と言えば、自分たちの時代の数十年前の年代で丁度ロボット開発の暗黒期。つまり、レプリロイドの製作者であるDr.ケインがまだ子供あるいは生まれていない時期の可能性がある。霊夢の言う年号が正しいのなら自分はシグマの爆発、あるいは零空間の影響で、過去にタイムスリップしてしまったということになる。

 

(俺は過去に来てしまったのか!?時期的に考えてケインの爺さんが生まれているかどうかも怪しい。しかし、どうやって・・・・・)

 

帰れないという現実よりも過去に来てしまったという事実にゼロは頭を押さえる。

 

「そう落ち込むなよ。まあ、タイムスリップしてきたって言うのはショックだと思うけどよ・・・・・そのうち帰れる方法が見つかるって!だから前向きに行こうぜ?」

 

魔理沙は、励ますように声をかけるが今の彼には何の慰めにもならなかった。

 

帰れないとなるとしばらくここに滞在しなくてはならない。だが、そうなるとボディのメンテナンスやエネルギーの補給に問題が起こる。補給については効率が悪いことを除けば食物からの摂取で何とかなる。しかし、メンテナンスについては専門知識のない自分にとって致命的だ。増しては、戦闘用レプリロイドはパーツの摩耗が激しい。予備パーツも入手できないこの地で武装が機能しなくなればそれこそ命取りになる。

 

「・・・・あぁ、大丈夫だ。・・・・だが、やることが山積みで困ったことになりそうだ。」

 

「ぶぅん、そんなに悩んでたら頭が禿げるぶぅん。もっとリラックスして生きないと~。」

 

「それはお前が能天気すぎるからだろう?」

 

ワスピーターの問題発言に対し、魔理沙はツッコミを入れる。その漫才に霊夢はプッと吹きかけた。

 

「プッ、アンタたちのやり取り見ていると本当に飽きないわ。・・・・・あっ、そう言えば、少し前にアリスが連れてきた子がアンタみたいに人に結構近い形だったの思い出したわ。」

 

彼女は、手をポンと叩きながら言う。

 

「えっ?アリスの奴が来ていたのか?」

 

「えぇ、確かその子もなんかゼロに似たようなことを言っていたわ。」

 

「そいつもレプリ・・・・・・」

 

「メトロイド?」 

 

「レプリロイドだ。」

 

「そうそう、レプリロイドだったのか?」

 

「う~ん・・・・少なくともアンタと比べて人間に近かったのは確かね。」

 

霊夢は、肩を回しながら答える。

 

ゼロは、もしや自分と同じようにタイムスリップしてきたレプリロイドかもしれないと考えた。

 

「それでそのレプリロイドは、まだそのアリスという奴のところにいるのか?」

 

「多分ね。別に行く宛もないんだし。」

 

「そうか。魔理沙、アリスの家の場所はわかるか?」

 

「知ってるけど私はこれから紅魔館のパチュリーのところへ本を盗・・・・・・じゃなくて借りに行きたいからな・・・・ワスピーター、お前が案内してやれ。」

 

「ぶぅん!?ぼくちんもこれから用事があるんだぶぅ~ん。」

 

「どこにだよ?」

 

「太陽の畑。」

 

「お前、よくあんな化け物の所へ行くな。」

 

「ぶうん?ゆうかりん優しいぶぅ~ん。この間、リグルぅーとルーミアと一緒に花畑の世話手伝ったら褒めてご褒美にお菓子くれたんだぶぅう~ん。メガトロン様よりずっ~と優しいもんね~。」

 

「・・・・・まあ、お前アイツの攻撃でバラバラになってすぐに復活するからな。幽香の奴、お前のこと不死身と思って引いているのかも。」

 

魔理沙は、ワスピーターのことを呆れながら言う。こうなったら途中まで自分の箒に乗せて降ろすしかないかと考える。だが、彼女が気を遣おうとしていると察したのかゼロの方から答えた。

 

「場所さえ教えてくれれば自分で行く。」

 

「えっ?いいのか?」

 

「アンタには昨日から世話になりっぱなしだからな。これぐらいは自分で何とかする。」

 

「そっか・・・・・まあ、お前がそう言ってくれるなら構わないぜ。私の家からちょっと離れたところに別の家があるんだ。そこがアリスの家だぜ。普段は見張りの人形がいるけど警戒させなければ何もしないと思うぜ。」

 

「わかった。」

 

「じゃあ、霊夢。また今度な。」

 

魔理沙は箒にまたがり、どこかへ飛んで行ってしまった。

 

「ぼくちんも行くんだブーン。ビーストモード!ブブブゥウ~~ン!!」

 

ワスピーターもハチの姿に戻って別方向へと飛び去って行く。 

 

「アンタも大変ね。あの二人の世話になるなんて。」

 

「いや、ここまで案内してくれただけでも感謝しているさ。」

 

「そう。まあ、気が向いたらまた来なさいね。お賽銭も持って。」

 

「あぁ。(お賽銭?チップのことか?生憎今ゼニーは・・・ここじゃあ通貨が違うから意味ないか。)」

 

そう言うとゼロは霊夢と別れて森の中を駆けて行った。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして神社の鳥居をまた何かが通り抜けてきた。

 

「あっ、お帰り。」

 

掃除を終え、お茶を飲みながら一服していた霊夢は入ってきた縞模様の巨大なトカゲのような生物に対して言う。トカゲは、少し面白くなさそうな顔をしながら持っていた入れ物の中身を水で満たされたたらいの中へ移す。中からは釣ったのか獲ったのか分からないが魚が出てきた。

 

「あら、今日はいつもよりも多いのね。」

 

「ダ~~~何がいつもよりも多いのねだ!?ここに来てからずっとこんな下らねえことやらせやがって!!」

 

トカゲは、我慢しきれなくなったのか霊夢に対して文句を言い始めた。

 

「いいか、俺は戦士だ!!戦士って言うのは戦ってこそ価値があるもんだ!それなのに・・・・ここに来てから薪割るやら魚釣らせるやら雑用ばかりやらせやがって~~!!」

 

「戦士も何も居候している身なんだからしょうがないでしょ。私は、住居を提供している。そして、アンタはその対価を払う。当然の義務でしょ?」

 

「ダァ~~~!!こんなことになるんだったら戦士らしく死んだままにしてもらった方がよかったぜぇ!!」

 

「何言ってんのよアンタ?」

 

「それにいつになったら、アイツらを片付けるつもりなんだ?あいつらはデストロンなんだぞ!?」

 

「片づけるも何も別に悪いことしているわけじゃないんだから消すことないでしょ。」

 

「ダァ~~ゴリラの大将と同じくどうしてこの女は、そんな悠長なことを言っていられるんだぁ!?」

 

トカゲは、霊夢のペースに対してかなり不満のようだ。彼女は、そんな彼に特に反発することなく次の仕事を伝える。

 

「まあ、アイツらが異変を起こしたときはちゃんと片付けるわよ。その代わり、次はお布団干してね。」

 

「また雑用かよ!?」

 

「そこにかけるだけなんだから別にいいでしょ?」

 

「ダァアア・・・・正義の味方に雑用をやらせるなんてひでえ主人公だぜぇ~~。」

 

なんかメタ発言を言いながらトカゲは、近くに置かれている布団の所まで行き、ひと叫びする。

 

「ダイノボット、変身!ダァアアアア!!」

 

すると姿がワスピーター動揺に変形を始め、また異なるロボットの姿へと変わった。

 

「みんな、久しぶり!俺だ、ダイノボットダー!えっ?今回の話もう終わり?そりゃあ、ねえだろう・・・・」

 

「早く干してね。」

 




ワスピーターってスタスクに憑依されたせいで不死身になったとか言われているんだけど確かにメガトロンでは機能停止レベル状態で普通に動いて自力で直してたってことあるんだよな。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。