東方機械幻想記~紅きハンターの幻想入り~   作:赤バンブル

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ビーストウォーズメタルス配信しないかな?


生きる気力

イーグリードの案内で無事、河童の住処に到着したゼロたち。彼は、辿り着くなりすぐにスキャンをかけられ、身体の破損具合の確認が行われた。

 

「う~ん~~~~これは思っていたよりも重傷だね。」

 

にとりは、コンピュータで内部構造を見ながらやや厳しそうな表情を浮かべる。

 

「どこが悪いんだ?」

 

「外装も結構傷だらけだけど、内部構造も至るところに破損があるよ。右腕の変形機構なんて内部フレームが微妙に歪んで駆動回路と干渉しているし、動力炉付近なんて一度溶解しかけた跡が残っている。よく今まで戦えていたね・・・。」

 

スクリーンに映されている彼の内部図解を見て彼女は頭を掻く。アイリスに手を握られながら作業台に寝かされているゼロは、二人を見ながら一声かける。

 

「・・・・直せないのか?」

 

「ん?いや、大変だなって思っただけ。確かに私だけだと手に負える代物じゃないけど、ライノックスが協力してくれれば何とかできると思うよ!でも、これなら新しく体を作り直した方が早いかもしれないね。一体どんな人が設計して作ったんだろう?」

 

「・・・・」

 

その言葉にゼロは、無言になった。

 

自分は、ある目的のためにあの夢の中に現れた老人によって生み出された。

 

己の憎き相手の全てを破壊するために。

 

だが、後にイレギュラーとなるシグマとの戦闘で負傷したのを機に今の自分となった。

 

確かに科学者たちから見ればこの体はまさに神秘に満ちた『好奇心の塊』に見えるだろう。しかし、その正体を知ってしまった自分には悪魔の科学者が残した『呪物』しか言いようがない。実際、シグマは自分と接触したことでイレギュラーとなり、手を握っているアイリスを始め、多くのレプリロイドの命を奪うことになった。

 

(この体がある限り、俺はまた大事なものを失うかもしれない。そして、この地に災いを・・・・)

 

そう考えている間に、天狗たちを運び終えたのかライノックスたちが戻ってきた。余程、頭を下げることになったのかダイノボットの方はひどくグッタリしている。

 

「今、戻ったよ。どうだい、にとり。何が悪いかわかったかい?」

 

「それがねぇ・・・このままだと結構難しそうだんだよ。」

 

「どれどれ?」

 

彼は、スクリーンに映されている映像を見ながら確認をし始める。

 

「・・・・確かにこれは結構厳しそうなんだダナ。右腕の変形機能が正常に働いていないことに目を瞑っても、身体の各所の破損具合はかなり無理をしていたせいでパーツを取り換えてもすぐに壊れちゃうんダナ。」

 

その言葉を聞いて余程ショックだったのかアイリスは、手を放して二人の方へ行く。

 

「それって・・・もうダメと言うことですか!?」

 

「彼がどんな戦い方をしていたかは分からないけどかなり摩耗している箇所がある。」

 

ライノックスは、図面を拡大しながら彼女に見せる。体の各フレームに歪みがあり、亀裂が入ったパーツがいくつも確認できる。

 

「特に動力炉付近は無理な修繕をしたのかこのままだとメルトダウンを引き起こして爆発してしまうかもしれないんダナ。」

 

「そんな・・・・」

 

「ダァ・・・・俺のせい?」

 

重傷だと言うことを理解したのか、ダイノボットは気まずい顔をして聞いてくる。だが、その現象についてゼロは、察しがついていた。

 

恐らくここに来る前の戦いで行ったシグマウィルスを吸収して行った自己再生とパワーアップのツケが回っていたのだろう。そう考えれば明らかに不自然な修繕も理解できる。

 

悲しい空気に包まれる中、ライノックスは元気づけるかのように一声付け加えた。

 

「・・・・でも、まだ手は残されているんダナ。成功するかどうかは不安があるけど。」

 

「えっ?」

 

その言葉にアイリスは、目を丸くする。ライノックスは、立ち上がると洞窟の奥へと入り、巨大な金属のカプセルを運んでくる。

 

「なんだよぉ・・・・何かすげえものがあると思ったらただの救命ポッドじゃねえか!!」

 

カプセルを見るなり、ダイノボットはガッカリした顔で言う。

 

この救命ポッドとは、ライノックスたちの時代に普及したもので他惑星に探査要員となるトランスフォーマーをプロトフォーム状態を送り込むための代物である。

 

「このポッドは、僕たちが『ビーストウォーズ』の時に地上に堕ちなかったものなんダナ。長い月日を経てこの地に落ちたけど素体のプロトフォームを残して・・・スパーク、僕たちの命の源ともいうべき存在が消えてしまったんダナ。」

 

彼は、悲しそうな表情をしながら説明する。

 

「でも、これを何に使うんですか?」

 

「確かにこのポッドの中のプロトフォームは、スパークを失われてしまっている。けど、ボディの機能自体はまだ生きているんダナ!」

 

「つまり、この素体にゼロのデータをインストールすることで全く同じ機能を有したボディを新造しようと言うことか?」

 

「大当たり!腕の変形機能は勿論、身体をそっくりそのまま作り直すことができるんダナ!」

 

イーグリードの答えにライノックスは、親指を突きたてながら答える。その答えを聞いてアイリスもホッとしたような顔をする。

 

「ま、待ってくれ・・・・」

 

だが、その喜びも束の間ゼロは、体を起こして待ったをかける。アイリスは、思わず彼の答えに動揺する。

 

「ゼロ、どうしたの?これで貴方が・・・・」

 

「・・・俺の体は呪われている。こんな体と同じものを作るなんて真っ平ごめんだ。」

 

「呪われている?呪いのビデオでも観てたの?」

 

ライノックスは、冗談を言いながらも訳を聞く。ゼロは、自分が知る限りの情報を話す。

 

自分の作られた理由にこれまでの戦い。そして、この地に来るまでの経緯を。

 

「ゼロがシグマのイレギュラー化の原因とはな・・・・」

 

「なんでその人はそんなひどいことを・・・・貴方は・・・貴方はそんなこと望まなかったのに。」

 

話を聞いたイーグリードは複雑な心境となり、アイリスは涙を浮かべる。

 

「さっきも言った通り、この体のコピーを作ると言うことは爆弾を作るようなものだ。だから・・・・このままでいい。」

 

「馬鹿言わないでよ!だからって、見殺しになんてできない!」

 

拒むゼロに対してライノックスは、思わず大声で怒り始める。

 

「だが・・・・」

 

「ここには君のことを大事に思ってくれる人がいるんだ!それなのに自分から死のうとしているのはおかしいだろ!!」

 

「うっ・・・・」

 

「それにそんな危険な回路なら僕が安全な物へ取り換えてあげるんダナ!どんなに難しいシステムでもみんなで力を合わせれば解ける!!やる前から諦めるんじゃない!!」

 

彼は、ゼロに言葉をぶつけながらかつての行いを思い出す。

 

 

あの日、『ビーストウォーズ』ともいうべき戦いを終えて自分たちは故郷のセイバートロン星へ帰った。

 

だが、セイバートロン星はワープ移動中に逃げた黒幕によって支配され、自分も仲間たちと共にウィルスに侵されてしまい、スパークを抜き取られた挙句、私兵に仕立て上げられた。

 

そして、かつての仲間たちの活躍で記憶が完全に戻るものの、絶え間なく続く争いに辟易としていたことと黒幕の理念に賛同し、自らが新たな支配者になるべく暗躍の限りを尽くし始める。

 

だが、それも所詮は黒幕の掌に踊らされていたに過ぎず、消えゆく魂の流れの中でかつての仲間に檄を飛ばして未来を託した。

 

 

そんな彼だからこそ、自分の存在を消そうと考えているゼロのやり方は認めるわけにはいかなかった。

 

「にとり、このデータをコピーして!そして、みんなを集めて!今日から徹夜作業なんダナ!お祭りじゃないぞ!!」

 

「あいよ!面白いことになりそうじゃん!!」

 

にとりは、急いで外へ行く。

 

「おい・・・」

 

「過ちなら誰だって起こす!僕もダイノボットも!」

 

「お前、何やったんだよ?」

 

先に戦死したこともあってダイノボットは、事情が分からず聞く。

 

「とにかく、自分から消えようなんて思っちゃいけなんダナ!彼女のためにも。いいね?」

 

「・・・・」

 

ゼロは、勢いで自分の目の前に顔を近づけるライノックスを見て何も言い返せなくなる。しかし、彼の言葉に何かを感じたのか妙な安心感があった。彼が離れるとアイリスが勢いよく抱きしめてくる。

 

「アイリス・・・」

 

「・・・・私、ゼロに消えてほしくない!折角、また会えて謝れたのに。もう一度やり直せるかもしれないから・・・・だから、自分から消えようなんて言わないで。」

 

「・・・・わかった。もう、言わない。だから、泣かないでくれ。」

 

泣きながら抱きしめる彼女の頭を優しく撫でる中、ゼロは自分の中でまだ消えたくないと言う意思が生まれた。

 

その日から彼の呪縛を解くための活動が開始された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・あのぅ~~~アタチの出番はまだスか?ずっと、スタンバっているんスけど?」

 

しかし、その裏側ではまた新たな影が動こうとしていた。

 




最期の声の人?

知らん!(すっとぼけ)
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