このまま無一郎が十一歳で柱になると、原作の柱になった順番が狂い、それに伴い竈門家の襲撃も狂い、既に出した実弥の柱になった時期も狂い、更に最終決戦も狂い、トドメに練っていた構想も狂うと、その他諸々連鎖的に狂うことになると気付きました。なんだこれぷよぷ○じゃねぇんだぞ。ゲームならリセ案件。と言う訳で奥義時飛ばし。
一発だけなら誤射かもしれない。
なんとも良い言葉ですね。(これからやらないとは言ってない)
これからは捏造の呼吸常中でいきましょう。えぇ、そうしましょう。
それでは早速、捏造の呼吸、弐ノ型、鎹鴉捏造。
話変わって原作が欲しい、切実に。買うお金はあるのに買いに行く時間がない。誰か買ってきてくれないものか………。
それと高評価ありがとうございます。やる気に変換して頑張ります。もちろん感想もお待ちしております。
時期的に下弦と戦う時がやってきました。次の話は下弦との戦闘を書きます。じっくり書きたいので更新は遅めです。そもそも来週(23日)からテストが始まるので、どのみち更新は遅くなります。
朝日が昇るとともに試験は終わりを迎え、集合場所には選別を乗り越えた生き残りが集う。
始まる前には多くいた人数も、ここには俺と無一郎を含めて十人ほど。ざっとニ、三十人は死んだのか。不謹慎だがまったく心は痛まない。所詮死んだ奴らはその程度だったってことだ。
「皆様、お疲れ様でした。最終選別を乗り越えた事に心よりお祝い申し上げます」
そして隊服のこと、階級のこと、鎹鴉のことと説明がなされ、刀の元となる玉鋼を選ぶ所まで話が進んだ時だった。
「私、隊士にはなりません」
俺たちの前方にいた蝶の髪飾りをしている女子が、控え目に手を挙げてそう言った。
確かあの人は、鬼から逃げていた人だ。特徴的な髪飾りで覚えてる。
その女子の申し出にあまね様の返事はあっさりとしたもので、こういうことはよくあるんだろう。
ふ~ん、と二人のやり取りを見ていると、俺たちのすぐそばに居た三人組の男たちが嘲笑った。腰抜け貧弱弱虫って。
聞こえてきたその言葉にカチン、てくる。けれど無一郎は俺以上に頭にきたのか、無一郎が男の方を振り返る。
「誰が腰抜けだって? 誰が貧弱で弱虫だって? もう一回言ってみろ」
止めようと思ったが、無一郎がやるなら俺もやろうと便乗することにした。
「誰のことを言っている? まさかあの女子のことでも言っているのか?」
俺たちの冷ややかな視線を受けて、男どもが言い返す。
「アイツのことに決まってんだろ。鬼から逃げてばっかで何の役にも立ちやしない」
「そんなやつを貧弱、弱虫と言って何が悪い」
「お前らも心の中ではそう思ってんだろ」
次第に空気が凍りつく中、鼻で嗤う男どもに俺たちは言う。
「お前らも役立たずだろ。無一郎に助けられ、そのお零れで鬼の頸を斬れたにすぎない」
「無様に腰を抜かして呆けていたのは他ならぬお前らだろ」
その物言いに言い返そうとする男らだが、口を開かさないとばかりに畳み掛ける。
「それに比べてあの人は自分の力量を分かってる。剣士の道を歩まないことを決めた。それと比べてお前らはどうだ? 自分の力量を弁えず吠えてばっかで、何も分かってない。そのうち鬼の餌になって死ぬのがよく見える。お前らの育手が不憫だな、哀れだな。何の役にも立たない奴らに時間を掛けて、無駄になっている。お前らみたいな何の価値も無い無能に時間と金を掛けてる育手が心底不憫だ」
ツラッツラと出てくる罵倒は三人組の心を鑢のようにガリガリ削る。
圧され気味だった三人組の一人が、キッと無一郎を睨みつけた。
「育手は関係ないだろ! それに俺たちは努力している! 素振り千本打ち込み千本毎日やってるんだぞ!!」
「だからなんだ? その程度努力とは呼ばない。素振り千本? 打ち込み千本? 当たり前だろ。終わったなら岩押し、丸太運び、崖登り等々やれること全部やれよ気絶するまで。そんな甘っちょろい鍛練で鬼に勝てるとでも思っているのか? 笑止千万、誰かを守れることなく死ぬぞ」
「っ、できる!!」
「いいや無理だな。己の身一つ守れない弱者が誰かを守り通すことなどできるものか。身代わりとなって喰われてそれで終わりだ。守った奴も喰われてしまいだ」
まだまだ罵倒が足りないぜ、とばかりに出てくる出てくる。有一郎の罵倒力がエベレスト並に高い。
「……流石に兄さん言い過ぎじゃない?」
無一郎が袖を引っ張り窘めたが、幾分か遅い。
既に男どもは洟をすすり、ブルブル震えている。
それを蠅を見るような目で見る有一郎は、何を泣いているんだ、本当のことを言っただけなのに、と舌打ちした。
「こんなので泣くなよ。単なる事実だろ」
「そこまでです」
まだまだ言い足りない有一郎だが、流石にあまね様に遮られては続けることは出来ず、切り上げた。
「ふん、精々惨たらしい死を迎えないように努力するんだな」
最後までチョコたっぷりならぬ罵倒たっぷりでお届けした結果、三人組は地に伏した。HPバーで言えば彼らの体力はミリ残し。
「あの、ありがとうございます」
蹲る三人組から視線を切った矢先、女子が深々と腰を折った。
「気にするな。単に苛ついたから言っただけだ」
「うん。僕もそうだったし、気にしなくて良いよ」
「それでも、ありがとうございました」
元々ハキハキとした人だったんだろうその人は、名を神埼アオイと名乗った。
―――………
選別を突破して帰ってきた俺たちを、待ち構えていたのは鬼より怖い悪魔だった。
なんでアンタ化粧してんだよ。戦化粧かよ。
ますからとかいうものと、紅を塗りたくったその顔面は、今までで一番破壊力が凄まじかった。もう悪魔だこれ。人の心を砕く悪魔だ。しかもそのツラで抱き締めてくるもんだから、俺と無一郎は瞬く間に気を失った。起きて目の前に悪魔の顔があってまた気絶した。
これを目と脳と心が慣れるまで十回くらい繰り返した。これもまた修行だと思わなければ多分まだ気絶していた。
「幾つもの手が生えた異形の鬼がいた?」
「はい。俺も聞いた話ですが」
「すごい大きかったそうです」
ご馳走が並べられた晩ご飯をつっつきながら、俺たちは藤襲山であった事を悪魔に伝えた。
助けた奴が教えてくれた、手が沢山生えた異形の鬼。幸か不孝か俺たちは出会わなかったけど。
「あぁ、それ手鬼だわ」
「「手鬼?」」
「そう、身体中から手を出してるから手鬼。点検係が居ないこともないけど、この鬼は敢えて放置しているのよ。血鬼術が使えていたら即頸を斬るけどね」
「何故そんなことを?」
悪魔が真面目な顔をして、箸をお椀に置いた。
「最終選別の合否条件は鬼を斬ることじゃない。生き残ることよ。極端な話一体も鬼が斬れなくても生き残れば合格なの」
「そういえばそうでしたね」
「これから先の任務で、いつか逆立ちしたって勝てない鬼と戦うことになる。その時、自分の力量を弁えず突っ込んでいけば、鬼の餌となって無駄死にだわ。寧ろ鬼を強くさせてしまって逆効果。そこですべき選択は救援を呼ぶことよ。一人で倒せなければ二人、二人で足りなければ三人、四人と力を合わせて戦うの」
「「なるほど」」
「もちろん誰かが襲われてたり、守るべき人が居たりした場合は、直ぐに戦って貰うけどね」
そう言って再び箸を手に取った悪魔はニカッと笑った。
「「うばぁ……」」
「あらちょっと二人とも急に寝ちゃってどうしたのよ? どこか頭でも打った?」
―――………
選別が終わってから十数日後、無一郎は井戸から水を持ってこようと家の前に居た。
肩に担いだ天秤棒の両端にくくりつけた桶が、風に吹かれてぶらぶら揺れる。
おーい………
どこからか人の声がして、音が聞こえた方に顔を向ければ、山道を誰かが下ってくる。
顔はひょっとこのお面で窺えない。
その人は次第に近づき、無一郎の前で止まった。
「お前さんが時透無一郎か有一郎で間違いないか?」
「………………」(知らない人が僕たちの名前を知っている………ということは)
「どうした?」
一言も話さず、じっとひょっとこのお面を見つめる無一郎。その頭の中では色々と推論が走っていた。そして一つの結果が出た無一郎はこく、と頷き、唐突に桶を下ろしたかと思えば家の中へと駆けこんだ。
「兄さぁぁぁん!! 不審者がやって来たぁぁぁぁ!!!」
・
・
・
「「勘違いで刀を抜いてすみませんでした!!!」」
「いいさね。元気そうで何よりだ」
ひょっとこのお面を被った不審者は、俺たちの刀を持ってきてくれた刀鍛冶の人だった。
あとアンタ。
「アッハッハハハハ!!!」
「何時まで笑ってんだよ。アンタが俺たちに何も言わなかったから勘違いしちゃったんだよ!!」
「オッホホホごめん遊ばせ、アタシも忘れてたわ」
忘れてはいけないやつだろ。何忘れてんだよ。
鉄井戸さんは俺たちのやり取りを朗らかに笑って、そして俺たちに刀を差し出した。早速抜いてみれば俺の刀は紫に、無一郎の刀は白色に染まった。
俺の紫は珍しい色だから、鉄井戸さんはとても驚いていた。聞けば初めて見たそうだ。綺麗な色だとも言ってくれた。
「「カアアアッ初任務ゥゥゥゥ!! 鬼狩リトシテノ初任務ゥゥゥゥ!」」
俺たちが刀を貰うのと同時に、二羽の鎹鴉が入ってきた。無一郎の鎹鴉の銀子と、俺の鎹鴉の金子だ。
口伝にて伝えられた任務内容は、北北西の山里で人が消える事件が多発している。潜んでいるであろう鬼を探し出し、頸を斬れというものだった。
一方で無一郎は、西南西での任務。俺と無一郎は別れて任務にあたる。
「無一郎、次会う時が何時かは分からない。お互い怪我をしないように頑張ろう」
「うん!」
―――………
金子に道案内され、目的の村へと到着した俺はここからどうしようかと当てもなく彷徨う。
取り敢えず耳に入ってくる通行人の話に注力し、それっぽい話が出てくるのを待つことにしよう。
―――ねぇねぇ、あそこのお店、最近新商品が出たらしいわよ、一緒に行きましょう?
―――あ~早く帰りたい。明日の昼までぐっすり寝てたい。
―――ふふふ、この柄可愛いでしょ、お父さんに買って貰ったの!
―――お前、鬼って知ってるか?
時間がかかると思っていたが、意外と早くそれっぽい話が耳に入ってきた。
さりげなく発信者の二人組みの男性に近き、耳を澄ます。
「鬼って、あれだろ? 御伽の化け物。なんだよお前、子供でもあるまいしそんな与太話を信じてるのかよ」
「いや本当なんだって。既に五、六人近く消えてるみたいなんだ。それだけじゃないぞ、その全てが女性で、ある人を中心にして起こってるらしいんだ」
「へー」
「本当だよ、ほらあの有名な団子屋の、髪の長い一人娘が起点だって言われてんだ……お前聞いてる?」
「うん聞いてる聞いてる怖いよね……おいやめろ無言で首絞めるな悪かった!!」
もう話は出なさそうだ。
寄りかかっていた壁から背を離し、布で包んである日輪刀に手を触れる。
「……まずはその団子屋を見付けないとな」
現在時刻は太陽の位置からしておおよそ三時と言った所か。ちょうどいい、その団子屋で小腹を満たしておこう。
近くの人に団子屋の所在を聞き、訪れた俺は注文したみたらし団子を食べている。
件の娘は十中八九あの人で間違いない。だがどうやって話しかけたものか。率直に鬼について尋ねるのは憚れる。
「う~ん……」
「何かお困りですか?」
うんうん唸っていると、娘が俺の隣に座ってきた。だがなんと話したものか。……ああ、旅人の設定で噂話を耳にしてやって来たことにしよう。
「最近奇妙な出来事ってないか? 人が消えたとか、人の生き死にが頻発したとか」
「そうねぇ……ところで、あなた一人? 迷子になったの?」
「いや、俺は旅人なんだ。以前寄った所で噂になっててさ、気になってここにやって来たんだ……だから迷子じゃないから安心して」
「へぇ~それはまた子供なのに随分と」
しっかりしてるわねぇ、と言ってるけど、早く本題に入ってくれ。
「あぁ、思い出したわ!」
手を叩いた彼女は、こそこそ話をするように俺の耳元に口を近付けた。
「最近、女性の人が居なくなるの。他にもある日目覚めたら髪の毛が全部失くなってて、寝込んだ人も居るの」
「髪の毛?」
「ええ、全員綺麗な髪で、背にかかる程長いのよ。だからあなたも気をつけた方がいいわよ、あなたも羨むほど髪の毛綺麗だし長いから」
「うん、ありがとう。他には?」
「あとはそうね、髪の毛が失くなった人の数人は死んだわ。熊か猪か何かに襲われて、それは凄惨な場面だったそうよ」
「なるほど……ありがとうございました」
店主に支払いをして、次いでに被害者の所在地を地図に書いてもらい、その場を離れた。
にしても女性で髪の毛か。
鬼によっては嗜好が異なるって悪魔が言ってたし、そういう鬼なんだろう。
とりあえず村の大体の地理を把握するためにぶらぶら歩きつつ、思考の海に潜る。最悪、不謹慎だけれど解決のために話を聞きに行かなければならない。はぁ~……考えただけで面倒くさい。ぶっ殺してやるから鬼の方から現れないかなぁ。
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「妬ましい羨ましい憎々しい忌々しい美しい」
「欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい」
「アレハワタシノモノダ」
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ぶらぶら鬼が居そうな所を探していると、気が付けば日が落ちていた。通りには俺以外人がいない。異様なほど静かだ。
風が戸を叩く音、草むらで名も知らぬ虫が奏でる音が、よく響く。
鬼が出そうな雰囲気を感じ取り、何時でも刀を抜けるように柄に手を置く。
注意深く歩いていると、あまりに無遠慮な気配が俺の背後に現れた。咄嗟に振り向きざまに斬り飛ばしたら、案の定鬼。そいつは腕を切断され切り口から血を吹き出している。
「お前鬼狩りだな!?」
「そうだけどそれがなんだ? 喋ってないでとっとと死ね」
随分と反応が鈍い鬼だ。俺が参ノ型を出せば呆気なく頸は斬れた。
はい任務終了。あとは宿でもとってそこで報告書でも作成するか、と刀を納めて歩きだし、何気なく空を見上げる。
今宵の月は、新月だった。
―――………
宿を取った部屋で報告書を作成した俺は、金子の脚に報告書をくくりつけて運んで貰い、布団を引いてごろん、と寝転がった。
………無一郎は今頃、なにをしてんだろう……。
遠く離れた場所にいる弟のことを思い、瞼を閉じた。
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草木も眠る、丑三つ時。一説によれば此の世のモノではないモノが闊歩するとかしないとか。
ヒタ、ヒタ、ヒタ。
外から聞こえてきた誰かの足音に目を覚ました。
なんだ? 厠にでも行った帰りか?
気にせず一眠りしようと寝返りをうったら、
ヒタ、ヒタ、ヒタ。………ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ……
「ッ~~!!!?」
ゾクッとうなじの産毛が逆立った。
直ぐ様起き上がり枕元に置いといた日輪刀を構え、入口の襖へと向ける。
なんだ鬼か? 鬼なのか?
俺の心臓は何故だか嫌な予感にバクバクと音を立てる。たらり、とこめかみに汗が伝った。
………止まった?
不意に俺の口からヒッと悲鳴が漏れた。スー……と襖が開き、暗闇から細く白い女性の指先がぬっと入り、徐々に手、腕が入り、ついには全身が俺の部屋に入り込んだ。その容姿は、白装束に背中にかかるほど長い黒髪。顔は干からびて土気色。眼窩は深く窪んで半開きの口の中は、深淵のような闇だった。俺は恐怖で息をするのすら忘れて固まった。
「ッ動け、動け、動けよ俺の足!」
逃げようとしても足は何故か動かず、心ばかりが先走り、ついには後ろ向きに腰を着いた。女はゆらゆらと余りに白いその手を伸ばして近付こうとする。どう見てもこの世のものでは無いそれに、俺は涙目になりながら八つ当たり気味に日輪刀をぶん投げた。従来ならてんで的外れの方向に飛ぶ筈だが、幸運にも投げた日輪刀は真っ直ぐ女の頸に直撃した。その瞬間足が自由を取り戻した俺は、振り返ることなく窓から外へと飛び出した。
「ふざけるな鬼殺隊!! こんなこともすんのかよ!? 幽霊退治までするの!? 俺聞いてない!!! 俺は鬼殺隊で霊殺隊じゃない!! 無一郎助けてぇ!!」
もはや自分でもなに言ってるか分からず、きっと生まれて初めて限界を越えて全力疾走し続けた。
どこをどう走っているのか、俺はどこに向かおうとしているのかも朧気で、我に返った時には金子を抱き締めて夜明けを迎えていた。
金子はあの村に戻らなくて良い、て言ったけど、日輪刀を回収しなくちゃいけない。あれは鬼殺隊で一番大事なものだ。
念のため昼になるまで待ち、恐る恐るあの部屋に戻れば幽霊は居らず、日輪刀は壁に突き刺さったままだった。ホッと一安心して回収し、無性に甘いものを食べたくなって、あの団子屋に訪れた。
「あれ? あの人が居ない」
俺に噂を教えてくれた女性が居なかった。
そして、思わず溢した俺の一人言に、客の一人が声を掛けてきた。
「何か昨日、凄まじい悲鳴が挙がったんだとよ」
「悲鳴が?」
「ああ、しかも娘の喉に何か突き刺さったような痣ができていたそうだ」
「エッ」
もしかしてあの幽霊はあの女性の人だった?
「なんでだろうなぁ? お前さんはどう思う?」
「いや、なんか、虫に噛まれたとか??」
適当に返しつつその場をしのぎ、俺は急いで村を出た。
これは噂で聞いたことだが、あの女性の髪の毛は本物ではなく、鬘だったそうだ。
人間は並外れた欲望を持つと、生き霊になるとかならないとか。
時透さんちの有一郎くん。
時飛ばし被害者その1。今回鬼退治と幽霊退治を成し遂げた人。早速投擲スキルが役立った。
時透さんちの無一郎くん。
時飛ばし被害者その2。今回出番無し。
「ん? 兄さんの助けを呼ぶ声が聴こえたような気が……」
団子屋の娘。
かつては自慢だった髪の毛は病の後遺症で抜け落ち、それ以降は鬘で過ごしていた人。その為髪が長く、綺麗な人の髪の毛を羨み、妬んでいた。そして自分さえ気付かずうちに生き霊となり、妬んだ人の元へと向かっていた。髪の毛の被害者は全員この人のせい。鬼は単に髪の毛がなかった人を喰っただけ。別に髪フェチではない。
佐藤さんちの勇太さん。
化粧は不安で流した涙の跡と隈を誤魔化すためにやってた。ただ化粧のセンスが壊滅的で、今回妖怪から悪魔へとランクアップを果たした。
買い出しに麓の町に出掛けた際、萌え袖というヤベェものを知った。迸る情熱と溢れる使命と流れる鼻血を掲げ、裁縫係の戸を叩く。
産屋敷さんちのあまね様。
丸くなったと思った有一郎がますます尖っていたことに狼狽え、思わず止めるのを遅れてしまった人。
有一郎くんちの鎹鴉、金子。
無一郎の鎹鴉の銀子とは姉妹の関係。金子が姉で銀子が妹。
有一郎が涙目で抱き締めてくる姿を見て、姉心を刺激された。以降何かと理由をつけては甘やかし、せっせと世話を焼きたがる。そして銀子と衝突する。