東方龍優録〜心優しき少年の幻想郷生活〜   作:餡 子太郎

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どうもです。

第十七話です。

それではどうぞ。


第十七話 こんな採用試験は嫌だ

貧乏神、依神紫苑が家にやってきて約二ヶ月が経ち、俺が幻想郷に来て半年が経過しようとしていた。夏も終わり食欲の秋のシーズンが始まった。現在、家には元家主の地縛霊、間遠直子さんと貧乏神である依神紫苑。そして何故か頭にサングラスをつけてまさかの茶髪に縦ロールをした自称紫苑の妹が居た。

 

?(ちょっと!ちゃんと説明しなさいよ!!)

 

こいつ、直接脳内に...!気を取り直して、彼女は依神女苑《よりがみ じょおん》紫苑の妹で疫病神らしい。彼女と出会ったのは紫苑を家に入れて翌日、姉を探しに人里に行ったら偶然出会ったのだ。女苑は最初紫苑を連れて帰ろうとするが、俺の家が気に入ってしまった為帰りたくないと駄々こねた。お前歳いくつだよ...。あれ?一応神様だから年齢なんて関係ないのか?まぁ良いか、そんな事より......。

 

龍騎「生活費が...、やばい...」

 

そう、お金が無くなってきているのだ。依神姉妹が住むようになって食費やらなんやらお金の減りが凄まじく早いのだ。お陰様で外の世界のお金も残り僅か、働いてる訳では無いので冗談抜きでヤバい。

 

龍騎「はぁ...、マジでどうしよう...」

 

今俺は求人票を見ているのだが、どれも俺がピッタリの職が無かった。何なの?薬の実験台なんて誰がやるもんか。宝塔探しはどんなものか分からんのでNG。寺子屋で教師をやっても良いが給料は期待できないし何よりチルノの相手をするとなると精神的にキツい。

 

龍騎「一層の事レミリアに頼んでみるか...」

 

そう決めた俺は早速出かける準備をする。依神姉妹に昼食代のお金を渡して紅魔館に向かった。あ、言い忘れたけど依神姉妹は直子さんの事見えるみたい。

 

数分後、俺は紅魔館に到着した。

 

龍騎「久しぶりだな...、此処に来るのも」

 

パチュリーに出禁出されて二ヶ月が経ったがもうそろそろ能力の特訓しても良いよね?そんな事思いながら門の前に立つ。

 

龍騎「...お久しぶりです。美鈴さん」

 

美鈴「......」

 

龍騎「...美鈴さん?」

 

美鈴「......」zzz

 

龍騎「ね、寝てる...」

 

何と美鈴さんは立った状態で居眠りをしていた。普通だったら無理だからね?なんて事を考えていたら突然美鈴さんの頭の上にナイフが刺さり悲鳴をあげた。

 

咲夜「全く美鈴ったら...、おや龍騎様、お久しぶりです」

 

龍騎「...お久しぶりです」

 

......なんか慣れたなこのやりとりも。

 

咲夜「今日はどのような御用で?」

 

龍騎「えっと...、レミリアって居ます?」

 

咲夜「お嬢様ならお部屋におります。ご案内します」

 

こうして俺は咲夜さんにレミリアの居る部屋へ案内された。相変わらず美鈴さんをほったらかしにされている。...本当に扱いが雑すぎない?咲夜さんに案内された俺はレミリアが居る部屋の前にいた。コンコン、と咲夜さんが扉をノックする。

 

咲夜「お嬢様、龍騎様がお越しになられました」

 

レミリア「入りなさい」

 

レミリアの許可を取り、咲夜さんはドアノブを捻り部屋に入る。俺も後に続いて部屋の中に入った。

 

レミリア「久しぶりね、龍騎」

 

龍騎「久しぶり...、レミリア。いきなり訪問して悪いな」

 

レミリア「気にしなくて良いわ、それより今日はどうしたのかしら?」

 

龍騎「...あー、実は紅魔館(此処)で働けないか聞きに来たんだが...」

 

レミリア「うちで?どうして?」

 

俺はこれまでの事をレミリアに伝えた。

 

レミリア「噂の霊が居る家...、それと貧乏神と同居...」

 

咲夜「しかしどうして依神姉妹と同居を?」

 

龍騎「なんか...、ほっとけないと言うか何と言うか...。自己満足でやってる感じですね」

 

レミリア「貴方も物好きね...。でもおかしいわね、貧乏神と同居してるなら不幸の一つや二つは起こる筈なのに何の起こらないなんて...」

 

それは俺も思った。何故紫苑の効果が発生しないのか...。紫苑の能力は『自分を含めて不運にする程度の能力』紫苑と一緒に居ると不運になるのだが一度も起こっていない。ついでに妹の女苑の能力は『財産を消費させる程度の能力』を持っているのだがこれと言った不運は起きてはいない。もしかして...。

 

龍騎(直子さんが能力に目覚めて無意識に発動している...?)

 

そう考えれば納得いく...。って今はそんな事言ってる場合じゃない。

 

龍騎「レミリア、求人の件だが...」

 

レミリア「あぁ、ごめんなさい。まぁ貴方なら大歓迎だわ」

 

マジで?それって面接試験は受けなくて良いって事か!?

 

龍騎「じゃ、じゃあ明日から通えるって事か?」

 

レミリア「えぇ、でも一つ条件があるわ」

 

龍騎「条件?」

 

レミリア「簡単よ、貴方の実力を知りたいの」

 

実力?それって家事の事か?なんだろう...、物凄い嫌な予感がするんだけど...。

 

龍騎「...それって何をすれば良いんだ?」

 

レミリア「今から咲夜と戦ってもらうわ」

 

龍騎「......ゑ?」

 

レミリア「家事も大切だけども紅魔館で働きたいならそれなりの実力が無いといけないの。それに、貴方が何処まで強くなったか気になるし」

 

...これって採用試験だよね?何?新人殺し?

 

龍騎「う、嘘だよね...。嘘だと言ってよレミィ!!」

 

レミリア「嘘みたいでしょ?事実なのよ、これ」

 

龍騎「もうだめだ...おしまいだぁ...(戦意損失)」

 

レミリア「安心しなさい、流石に本気では戦わせないわ。咲夜、準備をお願い」

 

咲夜「畏まりました」

 

龍騎「と"お"し"て"た"よ"お"お"お"!!」

 

採用試験の内容に納得がいかない俺だったが結局戦わないといけないので広場に向かった。広場に到着するとレミリアがルールを説明した。

 

レミリア「それじゃあルールを説明するわ。龍騎は何を使っても良し、咲夜はスペルカードは禁止、それ以外は許可するわ。どちらか戦闘不能、降参したら負け、以上よ」

 

咲夜「分かりました」

 

龍騎「...はい」

 

マジで勝てる気がしない...。でもやるしかないよな...。仕方ない覚悟を決めるか。

 

レミリア「それでは...、始め!」

 

レミリアの合図に咲夜さんとの戦いが始まった。

 

咲夜「参ります...」

 

咲夜さんはナイフを三本俺に向かって投げた。いきなりかよ...。

 

龍騎「くそっ!」

 

俺はギリギリ身体を捻りナイフを避けた。が、前を向くと咲夜さんがいなかった。

 

龍騎「!?何処に!?」

 

咲夜「そこ!」

 

声がした方向を向くと、咲夜さんは更にナイフを投げた。

 

龍騎「貴女の能力は便利だけど、敵になると本当に厄介だな!」

 

咲夜「それはどうも、まだまだ行きます!」

 

龍騎「ちぃ!」

 

咲夜さんが三本のナイフを投げる。俺はもう一度避けようとしたが三本のナイフが一瞬で数え切れない程の数で襲ってきた。

 

龍騎(落ち着け...、トリックはもう知っているんだ...)

 

俺は一度咲夜さんから離れて壁まで走る。

 

咲夜「壁まで走って何をしようと...」

 

そんな事言いながら咲夜さんは俺にナイフを投げる。俺はナイフを避けて一度距離を置く。そして壁に刺さったナイフを二本回収する。

 

龍騎「よし、これなら...」

 

レミリア(成る程、咲夜のナイフを使う為に壁まで誘導したのね)

 

咲夜「...ナイフ二本で私に勝てますか?」

 

龍騎「...無理ですね、明らかに経験不足な俺に勝てるとは思いません。でも、例え負けると分かっていても最後まで抗ってやる」

 

...何死亡フラグ建ててんの?馬鹿なの?アホなの?死ぬの?まぁそんな事は置いといて俺は二本のナイフを片手に一本ずつ持って右手に火属性、左手に雷属性を解放させてナイフに纏わせる。

 

咲夜「これは...」

 

レミリア「ほぅ...」

 

龍騎「...さて、第二ラウンドと行くか!」

 

俺は属性を纏わせたナイフを持って咲夜さんに近づく。

 

咲夜「接近戦で挑もうと...ならば!」

 

咲夜さんも便乗して俺に近づき、大量のナイフを投げる。こうなったらヤケクソだ!俺はナイフに当たりながら咲夜さんとの距離を縮める。所々痛みを感じるが気にしない。

 

咲夜「なっ!?」

 

レミリア「嘘!?」

 

龍騎「ここだ!」

 

俺は雷属性のナイフを投げた。咲夜さんは投げたナイフを避けるが服が少し裂けた。その時、咲夜さんの身体全身に電流が走った。

 

咲夜「がっ!?」

 

レミリア「!?一体何が...」

 

龍騎「俺の能力、『属性を操る程度の能力』の一つ、雷属性はどんなものでも感電する事が出来る。例え金属以外の感電しない物だとしても無意味、少しでも服が裂けても雷属性に触れた以上感電は免れない!」

 

咲夜さんは感電すると地面に膝を着いた。ちなみに電流も自由自在に操れるのだが、そんなに高いと感電死してしまう恐れがあるので後遺症が残らない程度の電流で流している。

 

これに気づいたのは一ヶ月前、冷蔵庫の電源コードの差し込み口が壊れてしまい、どうにか出来ないか考えてみたら俺が属性を操る能力を持ってる事に気がついた。冗談混じりに電源コードのプラグに能力で電流を流すと冷蔵庫が起動した。これもう凄くない?戦闘だけでなく日常生活にも使えるよ?

 

咲夜「うっ...くっ...」

 

咲夜さんは立ちあがろうとするが、感電している所為か上手く立てない。

 

龍騎「降参して下さい...。これ以上は戦いたくない」

 

俺は火を纏わせたナイフを咲夜さんに突きつける。

 

咲夜「......降参です」

 

レミリア「この勝負、龍騎の勝ち」

 

レミリアの言葉を聞くと、俺はだらけるように寝転んだ。マジで疲れた...。

 

龍騎「はぁ...はぁ...、魔力が足らない...、死んじゃう...」

 

レミリア「予想以上の実力ね...。正直驚いたわ」

 

龍騎「そ、そりゃどうも...、咲夜さん大丈夫ですか...?」

 

咲夜「は、はい...もう大丈夫です」

 

レミリア「二人とも、ご苦労様。龍騎、貴方を歓迎するわ」

 

龍騎「...それは試験に合格したって事で良いのか?」

 

レミリア「えぇ、明日からよろしく頼むわね」

 

龍騎「分かった...取り敢えず手当するか」

 

俺は回復魔法で咲夜さんを回復し、その後自分に回復魔法をかける。

 

龍騎「これで良し...」

 

咲夜「あ、ありがとうございます///」

 

龍騎「どういたしまして」ニコッ

 

咲夜「!?///」

 

何故か咲夜さんは顔を赤くした。何で?もしかして熱があるんじゃあ...。

 

レミリア「龍騎、今日は疲れたでしょ?家に帰って明日に備えなさい」

 

龍騎「えっ?でも咲夜さんは...」

 

レミリア「私が見ておくわ。初日から体調不良なんて笑えないわよ?」

 

龍騎「わ、分かった...、それじゃあまた明日」

 

何でレミリアは俺を追い出そうとしたんだ?良く分からん...。まぁ良いか、何とか無事に職場は見つかったし。咲夜さんをレミリアに任せた俺は家に帰る事にした。

 

 

レミリア「咲夜も大変ね...、彼に惚れるなんて」

 

咲夜「も、申し訳ございません...」

 

レミリア「別に謝る事じゃないわ。でも咲夜が男に惚れるなんて初めてじゃない?」

 

咲夜「...そうですね、龍騎様には他の男性とは違う何かを感じまして...、暖かいというか、安心するというか...」

 

レミリア「そう...、龍騎に惚れたなら落とすまで頑張りなさい。これから先ライバルは増えて行くわよ」

 

咲夜「!はい!」

 

レミリア「ふふ、これからどうなるのか楽しみだわ」

 

 

 

龍騎「くしゅん!...風邪?まさかな...」

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。
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