東方龍優録〜心優しき少年の幻想郷生活〜   作:餡 子太郎

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どうもです。

第二十話です。

最初は椛視点から始まります。

それではどうぞ。


第二十話 お出かけと謎の男

〜椛side〜

 

 私は今、とある人の家にお邪魔している。その人は霧影龍騎さんと言って、半年前に幻想入りしてきた外来人らしい。その人については上司である文さんから聞いていたけど、外の世界で女性恐怖症になった彼を信用して良いのか少し不安だった。

 いざ実際に会ってみると、やはりと言うべきか幻想郷の男性とは違う何かを感じた。そして龍騎さんに今までの出来事を説明すると協力すると言ってくれた。まさか引き受けてくれるなんて思わなかった。それから文さんが勝手に龍騎さんの家に同居する話しになった。龍騎さんは否定したけど、何故か私は嫌という気持ちは無かった。寧ろ龍騎さんなら信用できる...、そう思うと顔が段々と熱くなる。でも龍騎さんは無理はするな、と言った。私は無理はしていない...、それに毎日のように手紙が届くのはもう嫌だ...!思わず本心を言ったら龍騎さんは少し焦った表情で同居を認めてくれた。私は嬉しかったのか今日から同居すると言ってしまった。何言ってんの!いきなりそんな事言ったら龍騎さんも困るでしょ!?でも龍騎さんの答えは断るどころか了承してくれた。あんな事言ったのにここまで受け入れてくれるなんて思わなかった...。

 それから私は一度自分の部屋に戻り、荷作りを始めた。ある程度終えると直ぐに龍騎さんの居る家に向かった。文さんの情報によると女性の霊が出る噂の家に住んでるみたいだ。龍騎さんの家に着いて扉をコンコン、とノックする。すると直ぐに龍騎さんが迎えに来てくれた。私は家の中に入ると、部屋の中に幽霊が居た事に驚いた。それから軽く自己紹介をすると、幽霊の間遠直子さんは地縛霊で例の噂の正体だった。それと依神姉妹は居候という形で住んでいるみたい。

 その後直子さんに部屋の案内をしてもらい、終わるととても良い匂いがした。リビングに戻るとテーブルの上には鍋が置いてあった。龍騎さんが鍋の蓋を取ると、とても美味しそうな醤油鍋だった。皆んなが集まると龍騎さんが先にいただきます、と一言言うと私達も後に続いていただきます、と言った。鍋をお皿によそって一口食べるととても美味しかった...。懐かしくて、暖かくて、安心する気持ちで一杯だった。気がつくと私は涙を流していた。鍋の具材を食べ終えると〆のうどんを入れて皆んなで堪能した。龍騎さんって料理上手だったんだ...。

 それから私達女性陣は先にお風呂に入った。少し狭かったけどこうして数人で入るのが久しぶりで楽しかった。お風呂を出ると直ぐに龍騎さんが入っていき、依神姉妹は冷蔵庫でお茶を飲んでいて私は直子さんと少し雑談をした。龍騎さんがお風呂から出てくると直ぐに布団を引き始めたのだが、一人分が足りないみたいだった。恐らく龍騎さんは私達を優先させる気だ、私は龍騎さんに一緒に寝ないかと言ってみたけど断られた。それから少し言い合いが続いたけど最終的に龍騎さんが諦めた。もしかして押しに弱いのかな...?

 それから布団に入って龍騎さんのスペースと取る為、半分ずれる。龍騎さんが電気を消すと半分開けて置いたスペースに入ってきた。暗い空間で寝るのは慣れているがどうしても手紙の事が思い出してしまう...、怖くなった私は龍騎さんの背中に抱きついてしまった。驚かせてしまったけど、とても安心する...。それから龍騎さんに許可を貰ってこのままの状態で寝る事にした。少し強めに抱きついちゃったけど大丈夫かな...?そんな事を思いながら眠りについた。

 

〜椛side out〜

 

 

 

 

チュンチュン、と鳥の鳴き声が聞こえる中、たった一人だけ朝早くに起きて目の下に隈がある男は誰でしょう。

 

そう、俺だ。...誰に言ってるんだろ。

 

俺は今超絶寝不足なのだ。原因は俺の側で寝息を立てながら寝ている白狼天狗、犬走椛である。昨日の夜、突然抱き枕にされた俺は全然寝れなかったのだ。いや、自分の理性を抑えていた、と言った方が正しいな。兎に角全然寝れなかったのでめちゃくちゃ眠い。二度寝しようにもそろそろ朝食も作らないといけないので寝るのは諦める事にした。久しぶりだよ夜更かし(オールナイト)したのは...。それから俺は朝食を作り、途中直子さんが起きたので皆んなを起こして貰う。幽霊の直子さんは皿とか箸とか持てないので皆んなを起こす事しか出来ないのだ。

 

直子「皆さん、起きて下さい。朝ですよ」

 

椛「ん...んん...」

 

紫苑「眠い...」

 

女苑「ふぁ〜...朝...?」

 

龍騎「よう、おはよう」

 

椛「おはようございま...、どうしたんですかその目は!?」

 

直子「本当だ、隈が出来てますよ」

 

龍騎「...気にするな、俺は気にしない」

 

それから朝食を済ませてこれからの事をどうするか考える。ちなみに紅魔館の仕事は土日休みなので今日は日曜日、やる事が無いのだ。まぁ無かったら寝れば良いだけなんだけどね。

 

椛「今日はどうしましょうか?」

 

龍騎「...どうする?お前が決めて良いぞ」

 

椛「な、なら一緒にお出かけでもしませんか?折角の休みなので羽を伸ばしたいし...、龍騎さんと一緒にいたいし...」ボソッ

 

龍騎「?」

 

最後小さい声で何か言っていたが良く聞き取れなかったので分からなかった。おかしいな、聴覚には自信があるんだが...。

 

椛「あ、でも無理して行かなくても良いですよ!龍騎さん寝不足ですし...」

 

龍騎「...お前は優しいんだな、ありがたいけど俺の事は気にするな。出かけるなら準備しようぜ」

 

椛「で、でも...」

 

龍騎「今のお前と比べれば俺なんて生易しいものだ。だから気にする必要はない」

 

椛「...」

 

椛は納得がいかないような顔をしている。...仕方ない。

 

龍騎「...なら布団も買いに行くついでに服選んで貰っても良いか?そう言うのは苦手でな...」

 

椛「!はい!」

 

俺がそう言うと嬉しそうに尻尾を振る椛。やっぱり尻尾って動かせるのか、すげぇな。

 

女苑「だったらお土産お願いね〜」

 

紫苑「私みたらし団子」

 

...ちゃっかりお土産頼んでんじゃねぇよ。それと紫苑、お前はいつから団子になったんだ?それから椛と一緒に人里を歩いた。布団は帰りに買うとしてそれまで店を見る事にした。まずは服屋に行って俺用の服を買う事にした。俺の服は何着か適当に買って着ているのだがセンスが無いのでどのような組み合わせで着れば良いのか分からなかった。その事を椛に伝えると、俺に合いそうな服を選んで貰った。幻想郷は和服しか無いのかと思ったが少し洋服があったのでそれを買う事にした。

 

店員「もしかしてお付き合いしてるんですか?」

 

龍騎「ブッ!」

 

椛「!?」

 

会計してる時、店員さんがそんな事を言ってきた。俺は思わず吹いてしまい、椛も顔を真っ赤になる。

 

龍騎「い、いえ...、付き合ってる訳では...」

 

店員「そうなんですか?とてもお似合いですよ」

 

椛「あ、ありがとうございます///」

 

会計を済ませて店の外に出る。すると椛が俺の袖を軽く掴んで引っ張った。

 

龍騎「どうした?」

 

椛「あ、あの...、私達ってカップルに見えますかね?」

 

龍騎「......知らん。でもさっきの店員さんがそう言ってたんだから見えていたんじゃないか?」

 

椛「...そう、ですか......。何かカップルって良いですね///」

 

龍騎「...人間と天狗の組み合わせか...、中々面白いな」

 

えへへ、と嬉しそうに笑う椛。でもな...、俺は昔の事があるから辞めて欲しいんだよ...。そんな事思っていると、

 

「おや?もしかして...」

 

何処からか聞き覚えの無い声が聞こえた。

 

「やっぱり椛さんじゃないか!」

 

椛「ま、真琴さん...」

 

椛がそう言うと、俺は椛が見ている方向に身体を向ける。其処には黒い羽がついた男が飛んでいた。その男は地面に着地すると羽を小さく畳んで椛に近づく。

 

真琴「最近仕事に来ていないから心配したんだよ?どうして人里に?」

 

椛「そ、それは...」

 

龍騎「...ってかお前何者だ?見た感じ妖怪だろ?」

 

真琴「君こそ一体何者なんだい?それに何故椛さんも一緒にいる?」

 

龍騎「...後者はこちらの事情で一緒にいるだけだ。前者はまず自分から名乗るのが普通だろ?」

 

真琴「...伊東真琴《いとう まこと》鴉天狗だ」

 

.........ん?(´・ω・)?

 

今なんて言った?イトウマコト?何か聞き覚えのある名前だぞ?某アニメとゲームの主人公じゃないよね?

 

真琴「さあ今度は君の番だ」

 

龍騎「...霧影龍騎」

 

真琴「霧影?例の外来人か...」

 

椛「真琴さん...、どうして此処に?今は仕事中じゃあ...」

 

真琴「今は休憩中なんだ、人里で一服しようと思って来てみたら椛さんが居たんだ」

 

休憩中、ねぇ...。時間帯的に少し早いのでは?

 

真琴「それはそうと、どうして人間なんかと一緒に居るんだい?」

 

龍騎「居ちゃいけない理由でもあるのか?」

 

真琴「君には聞いていない、少し黙っててくれないか?」

 

龍騎「なら教えてくれよ。俺が彼女と一緒に居ちゃいけない理由を」

 

真琴「......」

 

真琴は黙ってしまった。こいつ益々怪しいな...。

 

真琴「と、兎に角椛さんから離れろ!」

 

龍騎「何で怒ってんの?何?そんなに椛と一緒に居たい訳?」

 

椛「真琴さん落ち着いて...、龍騎さんも」

 

椛が止めに入り、真琴は俺を睨んでくる。だから何で怒ってんの?

 

真琴「...そろそろ僕は戻るけど、椛さん何かあったらいつでも言ってね」

 

椛「は、はい...」

 

そう言って真琴は羽を広げて飛び立とうとする。

 

真琴「...椛さんに何かあったら許さないからな」ボソッ

 

俺の耳元でそう呟いた。

 

龍騎「...ご忠告どうも、さっさと消えろ」ギロッ

 

真琴に睨みつけると逃げるように去っていった。伊東真琴...、取り敢えずマークしとくか。

 

龍騎「...大丈夫か?」

 

椛「は、はい...。でもどうして真琴さんが?」

 

龍騎「さあな、取り敢えず買い物を済ませるか...」

 

それから布団と枕、甘味処で団子を買って帰宅した。依神姉妹に渡すと大喜び。本当に食べ物に目が無いな...。その後皆んなで昼寝をした。俺が起きた頃には既に日は落ちていたので直ぐに夕飯の支度をしようとするが皆んな俺を抱き枕のように抱きつかれていた。あれ?これデジャブ?三密だよ三密、ソーシャルディスタンスだよ。俺は何とか脱出して夕食を作る。暫くして皆んなが起きてから遅めの夕食を食べて、明日は紅魔館の仕事があるので直ぐに休む事にした。

 

 




いかがでしたか?

伊東真琴については皆様が知っている人物とは全くの別人なのでご了承下さい。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。
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