第三十五話です。
それではどうぞ。
龍騎「あの〜、ごめんください」
レミリアに休み(半強制的に)を貰えた俺は、妖夢に剣を教わる為に白玉楼に来ていた。妖夢なら剣の扱いする方が上手いから頼もしいのだが、どうも宴会の事を思い出してしまう...。
龍騎「はぁ...、どうして白玉楼なんだよ...。他に居ないのかよ剣が使える人...」
ノックして誰か来ないか待っていると、門が開いた。
龍騎「あ、よう妖夢。朝早くから悪い...」
妖夢「曲者ぉ!」
龍騎「へ?」
門が開いたと同時に妖夢は俺に向かって斬り掛かって来た。俺は振り下ろした刀を両手で受け止めた。所謂『真剣白羽取り』ってやつだ。
妖夢「...!あれ?龍騎さん!?」
龍騎「いきなり斬り掛かって来るとは良いご挨拶だな...」
妖夢「す、すみません!てっきり曲者かと思いまして...」
龍騎「仮に俺が曲者でも直ぐに斬り掛かって来る奴なんていねぇよ!」
俺が文句を言うと、妖夢は刀を納めた。
妖夢「そ、それで...、今日はどのような御用で?」
龍騎「あー、実は...、お前に剣を教わろうと思ってな」
妖夢「......え?」
俺が訪れた理由を説明すると、妖夢は口を開いたまま固まってしまった。
妖夢「そ、それは...、弟子にしてくれって事ですか?」
龍騎「まぁそう言う事になるな。お前しか剣を使える知り合いなんていないし」
※尚、椛が剣を使える事に龍騎は知りません。
妖夢「ふぇ?ちょ....ええええええええええええ!!??」
妖夢が驚き叫ぶと同時に、俺は両耳を塞いだ。気持ちは分かるがうるさい...。
妖夢「むむむむむむ無理ですよ!?私はまだ修行の身ですし...」
幽々子「どうしたの妖夢?そんなに騒いで...。あら、貴方来てたのね」
龍騎「ど、どうも...。実は妖夢に弟子入りに来たんですが...」
幽々子「あら良いじゃない。折角此処まで来てくれたんだからなってあげなさい」
妖夢「ゆ、幽々子様まで!?」
幽々子さんは賛成みたいだが、肝心な本人は自身が無いのか断り続ける。あ、そうだ(唐突)
龍騎「幽々子さんにこれを渡すよう言われてるんだった」
幽々子「渡す物?」
俺は昨日レミリアに貰った手紙を幽々子さんに渡した。幽々子さんは手紙を読むと、大きく目を開いた。そしてプルプルと震え始める。え?どうしたんだ?
幽々子「妖夢」
妖夢「は、はい!」
幽々子「すぐに弟子にしなさい」
妖夢「はい!......え?」
幽々子「龍騎くん」
龍騎「何ですか?」
幽々子「弟子になるなら此処に住みなさい」
龍騎「え?」
幽々子さんがとんでもない事を言ってきて俺と妖夢は固まってしまった。
妖夢「ど、どう言う事ですか幽々子様!?」
幽々子「そのままの意味よ妖夢。これから剣の極意を習うのに彼を毎日自宅から冥界まで移動させる気かしら?」
妖夢「うぐっ...」
幽々子「なら此処で住んだ方が彼の負担が減るし、安心して修行も出来る。そして妖夢の男性への関わりも深まって一石二鳥でしょ?」
妖夢「!?」
幽々子さんの返事に妖夢は顔を赤くして俯いてしまった...。
幽々子「それに彼は本気みたいだし、やってみたら?」
龍騎「......因みに本音は?」
幽々子「龍騎くんが外の世界の料理作れるみたいだから食べたいのよ!」
龍騎・妖夢「「やっぱりそっちが目的じゃねぇか(じゃないですか)!!」」
だと思ったよこんちくしょう。レミリアが幽々子さんに書いた手紙の内容が気になってはいたが、レミリアの奴食べ物で釣りやがったな...。
龍騎「...そういや、俺の家
幽々子「連れてきても良いわよ。あの子達料理出来ないでしょ?流石に放って置くのも嫌だしね」
ほっ、それを聞いて安心した...。いくら貧乏神でも置き去りにしたくは無いからな...。
妖夢「.....あーもう!分かりましたよ!!やりますよ!!師匠でもなんでもやってやりますよ!!」
幽々子「さっすが妖夢♪頼りにしてるわ♪」
妖夢「とほほ...」
ヤケクソになったのか師匠になる事を決めた妖夢に幽々子さんはいつもの調子に戻り、肩をガクッと落とす妖夢の姿を見た俺は苦笑した。妖夢...、強く生きろ...。
それから俺は一度家に戻り、依神姉妹と直子さんに伝えると依神姉妹は着いて行く事になり、直子さんは留守番する事になった。直子さん曰く『泥棒が来た時に撃退する時に私が必要ですから』との事。
そして白玉楼に戻って来ると俺達は早速昼食の準備をする。約一時間掛けて料理を作ったが、見ただけでドン引きするぐらいの量だった。成人男性の約三日分のカロリーだぞ...。そしてテーブルに皿を並べてみんなで食べ始める。ちなみに俺が作ったのはカレーだ。
幽々子「〜♪美味しい〜♪」
紫苑「〜♪」ガツガツ
女苑「行儀悪いわよ姉さん...」
妖夢「美味しい...、これ何て言うんですか?」
龍騎「カレーだよ。外の世界のある国のやつだ。白米の上に掛かるとカレーライスになって、うどんとかとんかつとかに掛けるとまた上手いぞ」
女苑「カレーってそんなに種類があるのね」
まぁキーマカレーとかグリーンカレーとかあるからな。
幽々子「妖夢おかわり!」
妖夢「もっと味わって食べて下さいよ...」
楽しい(?)昼食を終え、皿洗いを済ませてついに剣の修行が始まる。
妖夢「えぇ〜、これから龍騎さんには剣の基礎を習って貰います」
龍騎「おっすお願いしまーす」
妖夢「取り敢えず、その木刀で素振りをしてみて下さい」
そう言って妖夢は木刀を渡す。俺はしっかり両手で握り、上下に振る。
龍騎「ふっ、ふっ、ふっ」ブンッ
妖夢「...龍騎さん、それではただ振ってるだけです」
早速ダメ出しを食らった。しょうがねぇだろ全然分かんないんだから。
妖夢「肩に力が入り過ぎです。凄いカクカクしてますよ」
そんなに酷いの?ロボットの真似してる訳じゃないからね?至って真面目だからね?
妖夢「まず肩の力を抜きましょう。その状態で素振りしてみて下さい」
龍騎「肩の力を抜く...、リラックスリラックス...、そいっ!」スポッ
ヒューン コン...
龍騎「......」
妖夢「......」
今何が起こったのか説明しよう。妖夢の言われた通り肩の力を抜いて素振りをしたが、手の汗で滑ったのかスポッと木刀が抜けて飛んでいってしまった。
龍騎「......」
妖夢「......」
龍騎「すみません許してくださいマジ勘弁して下さい」
俺は急いで木刀を取りに行く。妖夢の顔がとてつもなく怖かった...、『こいつやる気あんのか?』って顔してたよ。(ʘωʘ╬)⇦こんな感じだったよ。
それからひたすら素振りを繰り返していた。めちゃくちゃ腕が痛い。握力が無くなって手の感覚は無くなるし、気がついたら手にデカイタコが出来ていた。
龍騎「いっちち...腕がいてぇ...」
妖夢「今日は此処までにしましょう。夕飯の準備をするので先にお風呂に入って下さい」
龍騎「ん」
妖夢は先に戻って行くが、俺はもう一度木刀を拾って構える。
龍騎「今日は此処までと妖夢は言っていた。だけど
俺は何故か勝ち誇ったように笑って火属性を解放する。後で何言われようが知ったこっちゃない。自分の技を研究するのも修行の一つだ!!...何か誰か言ってそうなセリフだなこれ。誰かいないかな...。
龍騎「うーん、と言っても何するか...。折角だから思いっきり弾幕を撃ってみるか」
そう思った俺は両手を頭の上に上げて、目の前にある岩に狙いを定める。威力がデカイと動けなくなる可能性があるので低めで撃ってみよう。
龍騎「いっけぇ!!」
剣を振ると、細い斬撃が出てきた。そのまま斬撃は岩に向かって飛んでいき、真っ二つにはいかなかったが、深い斬り込みがあった。
龍騎「なーんだ、やれば出来るじゃん」
妖夢「そうですね。なのでこれからもっと辛い特訓メニューがあるのねお覚悟を」
龍騎「ははは、こりゃ俺の身体が保てば良いけ.....ど......」
妖夢「......」
あるぇ?( ゚д゚)?
妖夢「......」
龍騎「し、ししょーさま?」
妖夢「......」ニコッ
ワーナンテエガオナンダロー(諦観)
妖夢「この...馬鹿者ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
龍騎「ひぃぃぃぃ!?すんませんでしたぁぁぁぁぁぁぁ!!」
それから約一時間に及ぶ説教が始まった...。『休む時はしっかり休む事!』だの『
こいつ将来過保護になるぞ(確信)
龍騎「はぁ...、初日から疲れた...」
幽々子「あらあら、もう弱音吐いてるのかしら?」
風呂から出て、俺は部屋に戻る途中に幽々子さんが声を掛けてきた。
龍騎「別に修行が辛いって訳じゃないんですけど...、説教で精神的に...」
幽々子「分かるわ、妖夢って偶に過保護な時があるから怒られるとすっごい怖いのよ...」
龍騎「...幽々子さんもあるんですか?」
幽々子「つまみ食いでね」
......それは怒られて当然なのでは?
幽々子「まぁ、ゆっくりやっていけば良いわ。妖夢も貴方のペースに合わせてる筈だし」
龍騎「えぇ、そうします」
幽々子「ああ、そうそう」
そう言って部屋に入ろうとすると、再び幽々子さんに止められた。
幽々子「妖夢の事よろしくね♪」
龍騎「?分かりました」
そう言って俺は部屋に入った。一体何がよろしくね♪だよ...。そう思った瞬間、違和感を感じた。何故か布団は敷いてあるし、妙に膨らんでいる。
龍騎「もしかして紫苑か女苑か?全く自分の部屋あるんだから自分の部屋で.....」
文句を言いながら布団をめくると、其処は紫苑でも無く、女苑でも無かった。
妖夢「zzz」スヤァー
どうしてこうなった...。
〜数分前・妖夢side〜
夕食を終えて、私はお風呂に浸かっていた。今日はいつもより疲れた...。いきなり龍騎さんが弟子にしてくれと言ってきて幽々子様が食べ物目的で強制的に師匠になって...、そして龍騎さんが自主トレとか言って勝手に行動するわ...。自主トレするのは構いませんがそれで身体を壊したら元の子がないじゃないですか...。まぁ努力してるのは評価しますが教えるこっちの身にもなって欲しいです...。
妖夢「でも、どうしてあの人達は龍騎さんの事が好きなんだろ...」
私はふと、そんな事を思った。宴会の時に守谷神社の巫女が告白した時、私の側に居た博麗の巫女、銀髪のメイド、白狼天狗は絶望しきった顔になっていた事は覚えてる。私も何故か胸の中がモヤモヤしてて、少し苛ついた...。
妖夢「...はぁ、最近変だな......、自分らしくないと言うか、本調子じゃないと言うか......」
私は訳分かんなくなって潜るように頭を浸かった。
『殆どは俺の自己満足だけど、こんな俺でも人の役に立てるなら命を賭けても守りたいって思いが強かったから...』
命を賭けても守りたい思い...、か...。
それが龍騎さんの優しさなのだろうか...。
守谷神社の巫女が言っていた...、
『自己満足とか言いながら他人を優先して来た優しさが私を好きにさせた』
と...。
確かに彼は優しい...、何事も他人優先にするのは私も知っている。でも何処に惚れる要素があるのだろうか...。
妖夢「!?ふぱぁ〜」
息が苦しくなり、私は勢い良く起き上がる。はぁはぁ、と息を整いながら心を落ち着かせる。
妖夢「...もう寝よ」
私はお風呂を出て寝巻きに着替えて自分の部屋に寝た。
翌朝、目が覚めると私は着替えようと箪笥から服を取り出そうとするが、中身が何も無かった。
妖夢「あ、あれ?何で無いの?」
龍騎「ある訳ないじゃん」
妖夢「え?」
私は振り向くと、龍騎さんが両手を組んで立っていた。
妖夢「え、えぇ!?な、何で龍騎さんが此処に!?」
龍騎「それこっちの台詞。何で俺の部屋に寝てた訳?」
俺の部屋?私は周りを見渡すと私の部屋では無い事が分かった。つまり此処は私はの部屋では無いと言う事だ。
妖夢「も、もしかして部屋を間違えた...?」
龍騎「それしか考えられないだろ」
龍騎さんか何事も無いように返事すると、私は恥ずかしくなって顔が赤くなっていくのが分かる。
妖夢「す、すみません!///」
龍騎「気にするな、俺は気にしない。お前は今俺の師匠なんだから慣れない事で疲れるのは当然だ。今まで誰にも剣を教えた事なんて無いんだろ?だったらしょうがねぇよ。それに一々気にしてると身体に毒だぞ」
そう言って龍騎さんは私の頭にポンポン、っと軽く叩く。
龍騎「飯、早く食って修行しようぜ。俺だってまだ学びたい事があるんだ」
妖夢「...そんなにマイペースな人何て幽々子様みたいですね」
龍騎「その方が俺的には好きだからな。あとマイペースは知ってたのかよ...、まぁ良いや。今日も頼むぜ、妖夢先生」
そう言って龍騎さんは少し笑って部屋から出て行ってしまった。
妖夢「...本当に、
私は心の中で出てきた言葉を口にした。
霧影龍騎さん...、もっと彼の事を知りたい...、そんな気持ちがいっぱいだった...。
〜おまけ〜
幽々子に渡したレミリアの手紙の内容。
『拝見、西行寺幽々子様へ。本日貴女の元に霧影龍騎が来たら、彼を住み込みで剣の修行をさせて上げて頂戴。勿論、協力してくれたら彼の特性外の世界の料理をご馳走してあげるわ。別に断っても良いけど、そしたら外の世界の料理が食べられなくなってしまうわよ?引き受けるには、しっかり一人前にする事。これが絶対条件だからそれまで彼の事は好きにすると良いわ。でもまぁ、貴女にとっては素敵な時間でしょうけどね。
レミリア・スカーレット』
いかがでしたか?
誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。
主人公の二重人格くんの名前も募集してますのでよろしくお願いします。