第三十八話です。
それではどうぞ。
龍騎「...よし」
身支度を整え、俺は地上に帰る準備をしていた。剣術も覚えた事だし、また一つ強くなった気がする。
妖夢「もう行かれるんですか?」
門の前に向かうと、妖夢と幽々子さんが立っていた。
龍騎「ああ、流石に
幽々子「そう...、少し寂しくなるわね」
妖夢「そんな事言っておいて本当は外の世界の料理が食べられないのが残念なだけですよね?」
幽々子「ソ、ソンナコトナイワヨー」
図星を突かれた幽々子さんは慌てて目を逸らす。棒読みの時点でアウトな気がする...。
龍騎「...世話になったな」
妖夢「また手合わせお願いできますか?お互い良い経験になると思うのですが...」
龍騎「おう、その時が来たらな」
妖夢「!はい!」
妖夢が笑顔で返事をすると、俺は少し笑って門に手を着く時に妖夢に止められた。
妖夢「龍騎さん!」
龍騎「ん?」
振り向いた瞬間、妖夢が抱きついてきた。
龍騎「......え?」
幽々子「あら♪」
妖夢「...ありがとうございました。お陰で良い経験になりました」
??????経験?何の?
龍騎「???まぁ、どういたしまして?」
何の経験をしたのか分からんが適当に返事をする。妖夢の事だからR-18な事では無い筈だ。そう思うとなんか残念な気持ちが出てくるんだが...。
妖夢「...これはほんのお礼です」
そう言って妖夢は一気に顔を近づけて目を瞑った。すると唇に柔らかい感触が伝わった。
龍騎「!?///」
幽々子「妖夢ったら大胆〜♪」
妖夢の顔が離れると、俺は右手の甲に唇を当てて、後ずさる。
龍騎「お、おまっ!?何考えて..///」
妖夢「こ、これが私が出来るお礼です...///」
龍騎「...良くそんな事出来るよな///初めてなんだろ?」
妖夢「こ、こんな事するのは龍騎さんだけです///それとと初めては嫌ですか?///」
龍騎「......ありがとうございます///」
妖夢「...///」
それから暫く黙ってしまい、気まずい空気が流れる。俺は門を開けて外に出る。
龍騎「そ、それじゃあ俺は帰ります///」
幽々子「えぇ♪地上でも頑張ってね」
妖夢「お、お元気で...!」
俺は軽く手を振って門を閉じた。階段を降りながら俺は片手を顔を当てて恥ずかしさを爆発させた。
龍騎(何だよあの笑顔は!?めっちゃ可愛い過ぎるだろ!?チクショク全然頭から離れねぇ!///)
そんな事を心の中で呟きながら地上を目指した。
龍騎「ふぃ〜、やっと着いた」
自宅に到着し、玄関の前で背伸びをする。白玉楼に暫く居たから何て言われるやら...。そして玄関に触れようとした時、足に何かを蹴った感じがした。
龍騎「?何だこれ?」
俺は蹴った物を掴む。それは瓦屋根が付いていて、その下に水晶のような入ってあった。誰かの落とし物だろうか...?
龍騎「...取り敢えずこのガラクタは持っておくか。たでーま」
俺はガラクタを持って家に入った。すると直子さんが出迎えてくれた。
直子「龍騎さん、お疲れ様です」
龍騎「ただいま、あいつらはどうしてる?」
直子「それなら椛さんが面倒を見てくれましたよ。私では料理も洗濯も出来ないので」
椛が来てくれたのか...。礼を言っておくか。そう思ってリビングに向かうと依神姉妹は朝食を食べてる最中だった。
紫苑「あ、おかえり」モグモグ
女苑「口に含んだ状態で喋らないでよ姉さん...。早かったわね」
龍騎「まぁな、長居するつもり無かったし」
椛「あ!お帰りさない龍騎さん!」
椛がエプロンを付けてやって来た。
龍騎「おう、悪いな面倒見てもらって」
椛「全然問題ありませんよ。それよりも...」
そう言って椛は顔を近づいて、少し怒った表情になる。
椛「どうして早く私に言ってくれなかったんですか!」
龍騎「え?...剣術の事か?」
椛「そうです!私だって剣を使えるんですから教える事だって出来るんです!それに...」
椛が俺に抱きついてクンクン、と匂いを嗅ぎ始めた。
椛「女の匂いがします...、抱きついた、又は抱きつかれましたね!?」
何で分かるんだよ...、警察犬よりレベルが高いぞ...。
龍騎「...そ、そんなに匂うか?」
椛「勿論ですよ!それはもうプンプンと!」
頬を膨らませてプンプンと怒りながら尻尾を振る椛。可愛い、まるでうちで飼ってる犬みたいだ」
紫苑「犬だ」
女苑「犬ね」
直子「犬ですね」
椛「犬じゃないです!狼です!」
どんどん怒りを増す椛。あ、そうだ(閃き)
龍騎「だったら今日一日付き合ってやる。それで許してくれるか?」
椛「!良いんですか!?」
龍騎「ああ、実は玄関の前にこいつが落ちてたな。持ち主に届けてやろうかなって」
俺は玄関で拾ったガラクタを見せる。
椛「あ、それって宝塔じゃないですか」
龍騎「宝塔?」
椛「命蓮寺って所に住んでる毘沙門天の代理がいつも持ってる物でよく落とすんです」
よく落とすって...、そんなんで毘沙門天代理やって大丈夫なのか?
龍騎「あー、ならその命蓮寺ってとこ案内して貰えるか?俺知らないんだよ」
椛「分かりました!」
そして俺と椛は命蓮寺に向かう事になった。
龍騎「此処が命蓮寺か...」
命蓮寺の門の前に立つ俺と椛。にしてもデカイなぁ...、こんなデカイ寺は初めてかもしれない...。俺が呆気に取られていると、椛が門を叩く。
椛「すみませーん、毘沙門天の代理さん『また宝塔を無くしたんですかぁ!?』」
門の奥に怒鳴り声が聞こえてきた。気になって少し門を開けて覗いてみると、鼠の女の子が、頭の上に花の形をした飾りを付けた少女を説教していた。恐らくあいつが毘沙門天の代理だろう。
鼠の少女「何度無くせば気が済まんですか!?聖にバレたら拳骨だけで済まされませんよ!」
毘沙門天代理「うぅ...、本当にごめんなさい...」
龍騎「...これは早く渡した方が良さそうだな」
椛「ですね...」
もう一度椛は門を叩く。すると、鼠の少女や毘沙門天代理とは別の人が出てきた。
?「はーい、今日はどの様な御用で?」
椛「これ、毘沙門天代理さんの宝塔ですよね?お届けに参りました」
?「!ありがとうございます!星ー!宝塔あったわよーー!」
謎の女性の一言に毘沙門天代理と鼠の少女は急いでこちらに向かってくる。
毘沙門天代理「ほ、本当ですか!?」
?「えぇ、このお二人が持ってきてくれたのよ」
毘沙門天代理「ありがとうございます!!助かりましたぁ!!」
毘沙門天代理は俺に抱きついて泣きながら感謝の言葉を言う。いや辞めて?鼻水着くから。そして椛がムゥ〜、と頬を膨らませてこちらを見てくる。そんな顔されてもどうしようもないだろ...。
鼠の少女「何はともあれ良かった。ありがとね人間さん」
龍騎「気にするな、俺は気にしない」
毘沙門天代理「本当にありがとうございました!!私寅丸 星《とらまる しょう》と言います!」
?「入道使いの雲井 一輪《くもい いちりん》です」
鼠の少女「私は『ナズーリン』だ。よろしく、あと間違ってもミ◯キーなんて言ったらぶち56すからな」
悪ふざけで言おうと思ったけど、これはマジのやつだ。うん絶対に言わない。
龍騎「霧影龍騎です」
椛「犬走椛です」
星「霧影って...、新聞に書かれてあった外来人ですか?」
龍騎「ああ」
一輪「もしかして、能力はお持ちなんですか?」
龍騎「『属性を操る程度の能力』です」
ナズーリン「ふーん、それは便利なんじゃないか?」
それから軽く雑談をすると、新たに女性二人が入ってきた。一人は金髪に紫が掛かった女性、もう一人は船長みたいな少女だった。
金髪に紫が掛かった女性「あら、お客さんですか?」
一輪「えぇ、観光に来たみたいです。姐さん」
観光で来た訳じゃないんだよなぁ...。どんだけ宝塔をなくした事を隠したいんだよ...。
船長少女「それにしても何処かで見た顔だね...。何だっけ?」
椛「この人は霧影龍騎と言って、去年の夏頃に幻想入りした外来人です」
龍騎「ど、どうも...」
椛が紹介してくれたお陰で手間が省けた。
金髪に紫が掛かった女性「まぁ!貴方が例の外来人さんですね!私は聖 白蓮《ひじり びゃくれん》と言います」
船長少女「村紗 水蜜《むらさ みなみつ》だよ。よろしくね」
白蓮「所で龍騎さんは、妖怪とは仲がよろしいのですか?」
聖さんが俺に近づいて問いかけてくる。まぁ、仲は良いと言ったら良いんだろうな。
龍騎「そう、ですね...」
白蓮「そうですか!実は私は人と妖怪が手を取る世界を目指しているのですよ!どうですか!?龍騎さんも参加なされませんか!?」
そう言って聖さんは俺の両手を掴んで目を輝かせながら聞いてくる。えっ?これってもしかして詐欺?
水蜜「また始まったよ...」
ナズーリン「全く懲りないなぁ...」
溜め息付いてるなら助けてくれ...。なんて思ってたら後ろから妖怪の魔力を感じた。俺は振り向くと、背中に変な形をした少女が槍みたいな物で俺を貫こうとした。
龍騎「!」
俺は横に転がって槍の攻撃を回避する。
?「嘘!?今の避けるの!?」
龍騎「気が緩んだ所為で魔力が感じられた。其処まできたなら始末するまで姿を隠す事をオススメするぜ」
そう言って俺は雷属性を解放させて、急接近する。
?「ちっ!人間の癖に!」
龍騎「人間を馬鹿にするなよ」
謎の少女が持っていた槍を掴み、電気を流すと謎の少女は感電してしまった。
?「アバババババババババババババババ!?」
一輪「一体何が...」
椛「龍騎さんの『属性を操る程度の能力』には火・雷・氷・風・光・闇・無属性の七種類があって、その一つである雷属性はどんなものでも感電させる事が出来るんです」
白蓮「どんなものでも...」
星「す、凄い...」
ナズーリン「なんでも感電出来るとかチートだろ...」
水蜜「...まぁこれでぬえが悪戯しなくて済むね」
ぬえ?「あ、あがが...」ビクビクッ
少しやり過ぎただろうか...。俺が感電させた妖怪は封獣 ぬえ《ほうじゅう ぬえ》と言ってどうやら俺を驚かせる為に槍を使ったらしい。俺じゃなかったら串刺しになってたな...。あれ?その言い方だと人間辞めてるって事だよね?何か悲しくなってきた...。
白蓮「本当に申し訳ありません。ぬえがご迷惑を」
龍騎「気にしないでください。俺は気にしてないので」
白蓮「...それで話しは戻りますが」
龍騎「ああ、参加の事ですね...。お誘いの所申し訳ありませんが俺は結構です。俺もやりたい事があるので...」
白蓮「そうですか...、その気になれたらいつでも歓迎しますよ」
龍騎「...まぁ考えておきます(参加するとは言っていない)」
椛「...龍騎さん」
椛が俺の袖を掴んで引っ張る。早く行こうって事か。
龍騎「あいよ、それじゃあ俺達は失礼します」
白蓮「もう行かれるのですか?もう少しゆっくりしていっても...」
龍騎「うちのペットがうるさいので」
椛「ペットじゃないですって!」
椛がツッコミを入れると、聖さんは小さく笑った。
白蓮「本当に仲がよろしいのですね」
龍騎「...俺の数少ない仲間なので」
そして俺は命蓮寺を後にし、椛と買い物をした。昨日まで剣を振ってたから良い休息になった。にしても...、
龍騎「...近くね?何で腕に抱きついているの?」
椛に腕を組まされてるのだ。いや何で?
椛「龍騎さん今日一日付き合ってくれるって言ったじゃないですか。だから夕方になるまで私の我儘に付き合って貰いますからね♪」
龍騎「......マジかよ」
軽はずみで言うんじゃなかったな...、これじゃあデートじゃないか...。いや、男女がこうしてる訳だからデートか...。それから椛の要望に答えながら俺の休日は体力と金が無くなり一日を終えた。
いかがでしたか?
誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。
主人公の二重人格くんの名前も募集してますので、よろしくお願いします。