東方龍優録〜心優しき少年の幻想郷生活〜   作:餡 子太郎

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どうもです。

第四十一話です。

それではどうぞ。


第四十一話 姉をたずねて

こいし「.....」

 

レミリア「......」

 

こいし、レミリアの為のお料理教室を開いて四日目、二人は自分のクッキーを焼いているオープンと睨めっこしていた。数分後、チーン、と出来上がった音が鳴り、二人は同時にオーブンの蓋を開けて自分のクッキーを見る。

 

龍騎「見た目はよし、後は...」

 

肝心の味だ...。だが、二人の腕は上がってきている。大丈夫な筈だ。まずはこいしのクッキーを一つ取り、口に入れる。

 

龍騎「......」

 

こいし「...どう、かな?」

 

龍騎「...うまい」

 

こいし「!じゃあ!」

 

龍騎「ああ、合格だ」

 

わーい!と喜ぶこいし、良く頑張ったぞと一声言って俺はこいしの頭を撫でる。

 

レミリア「...つ、次は私の番ね」

 

そう言ってレミリアは俺にクッキーを差し出す。俺はクッキーを受け取り口に入れる。

 

龍騎「......」

 

レミリア「......」

 

龍騎「...おまけだな」

 

レミリア「は?」

 

予想外の言葉にレミリアは口を開いたまま固まってしまった。

 

レミリア「お、おまけってどう言う事よ!?」

 

龍騎「少し砂糖入れ過ぎ、甘党な俺でも流石にちょっとキツい」

 

レミリア「うぅ...、貴方が甘い物好きだからいつもより多く入れたつもりだったのに...」

 

そう言ってレミリアは俯いてしまった。

 

龍騎「...お気遣いどうも。でもな、やっと基礎が出来たんだからもっと上手くなってからアレンジしろ。誰だって上手くいかねぇんだよ、だから落ち込むなもっと練習すれば咲夜さんみたいな料理が出来るぞ」

 

レミリア「...そう言って貰えると助かるわ。勉強になったわ」

 

そう言ってレミリアは微笑む。俺も少し笑って返す。そして、完成したこいしのクッキーをラッピングして『お誕生日おめでとう!』と紙を文字を書く。

 

こいし「完成〜!」

 

龍騎「これで姉貴も喜ぶだろ」

 

レミリア「なんてたって自分の妹が作った物だからね。喜ばない方がおかしいわ」

 

こいし「ありがとうお兄さん!」

 

龍騎「気にするな、俺は気にしない」

 

レミリア「さて、ならもう地下に行くのね」

 

こいし「うん、お姉ちゃんも心配してるだろうし」

 

レミリア「それもそうね。龍騎、迎えに行ってあげなさい」

 

龍騎「良いけど...、地下なんて言った事が無いから分からんのだが...」

 

こいし「私が案内するよ。クッキー教えて貰ったお礼で!」

 

龍騎「...分かった、着替えてくるから門で待っててくれ」

 

そう言って俺は部屋に戻り、いつもの服に着替えて、剣を背中に掛けて門に向かう。

 

龍騎「よう、おまたせ」

 

フラン「あ、お兄様!何処か行くの?」

 

外で遊んでたフランが声を掛けてきた。

 

龍騎「ああ、ちょっと外に出てくるから待ってろ」

 

フラン「もしかしてこいしちゃんの事?」

 

龍騎「そうだけど...、知り合いか?」

 

フラン「うん!さっきお友達になったんだ!ねぇ〜!」

 

こいし「ねぇ〜!」

 

俺の後ろからこいしが現れた。めっちゃビックリした...。魔力が感じられなかった...。

 

こいし「お兄さんビックリしたでしょ?私は『無意識を操る程度の能力』を持ってるんだよ」

 

龍騎「無意識...?」

 

うーん、と考えたが考えるのはよそう。日が暮れてしまう...。

 

龍騎「んじゃ行ってくるわ。留守番よろしく」

 

フラン「いってらしゃーい!」

 

こいし「バイバイフランちゃん!」

 

フランとこいしは手を振って別れを告げる。暫く歩いていると女性の叫び声が聞こえたが気にしない。

 

 

 

 

 

 

こいし「此処が地下に続く洞窟だよ」

 

龍騎「はぇ〜、すっごい大きい」

 

俺はこいしに案内されて大きな洞窟の穴に声を上げてしまった。いや割とでかいぞこの洞窟。

 

こいし「それじゃあ地底へごあんな〜い!」

 

龍騎「おっすお願いしまーす」

 

そう言って俺達は洞窟の中へ足を運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......行ったか?」

 

「ああ、行ったな......。はぁ...、何で俺達がこんな仕事しないと行けないんだが...」

 

「文句言うなよ、あのお方の命令なんだから...、俺だって今日は休日なのにいきなり面倒事に付き合わされてるんだぜ?」

 

「全く俺達の扱いが酷すぎるぜ...、何で俺達なんだよ...」

 

「仕方ないだろ...、お前の力が無いと出来ない仕事なんだからさ...。これ終わったら奢ってやるからさ、な?」

 

「...なら、さっさと終わらようぜ。確かあの男の()()調()()()んだったよな?」

 

「ああ、何でもこの下には鬼がうじゃうじゃいるらしいからな。戦闘は避けられるとは思えないし」

 

「そうだな...、おっとこうしちゃいられねぇ、早く追いかけようぜ」

 

「おう」

 

謎の男二人組は龍騎の後に着いて行った。勿論、龍騎はその事には気づかずに......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「結構降りてきてるけど...、まだまだなのか?」

 

こいし「うん、大分下の方だからね」

 

洞窟に入って数十分、ひたすら真っ暗な景色が続く中、俺達は休む事なく歩き続ける。

 

龍騎「...ん?」

 

俺はある看板を見つけた。其処には『頭上注意!!』と書かれてあった。

 

龍騎「なぁこいし...、これってどう言う事だ?」

 

こいし「うん?あーそれ?それはね...」

 

ヒュー......、ガンッ!

 

龍騎「がっ!?」

 

こいし「侵入者防止の為にキスメちゃんが落っこちて来るから気をつけてって事だよ」

 

龍騎「っ〜〜!それ早くってくれよ...」

 

キスメ?「(b`・ω・´)=o」⇦桶に入った状態でファイティングポーズ

 

こいし「キスメちゃん大丈夫だよ。このお兄さんは私のお客さんなの?」

 

キスメ?「(´・ω・)?」マジデ?

 

龍騎「...いきなり入ってきてすまなかった...。まぁそう言う事だ」

 

こいし「ところでお兄さん、頭大丈夫?」

 

龍騎「ああ、こう見えて頭の硬さには自信がある」

 

キスメ?「m(。≧ _ ≦。)m」ス、スミマセン!

 

龍騎「(この子喋れないのか...?)気にするな、俺は気にしない」

 

こいし「お兄さん、紹介するね。この子は『キスメ』ちゃんで釣瓶落としなんだよ」

 

龍騎「成程...、霧影龍騎だ。宜しく」

 

キスメ「(`・ω・´)ゞ」ヨロシクデス!

 

龍騎「んじゃ、警備?頑張れよ」

 

キスメ「(`・ω・´)b」マカセテクダサイ!

 

キスメと別れて再び歩き始める。そして橋が見えて来た。其処には一人の女性が立っていた。

 

?「あら?貴女が男を連れてくるなんて珍しいじゃない。それに人間...、妬ましいわね...」

 

妬ましい?何処に妬ましい要素あるの?

 

こいし「何〜?羨ましいの〜?」

 

?「そ、そんな訳ないわよ!妬ましい...!それより貴方名前は?」

 

龍騎「...その前に自分から名乗るんじゃないのか?」

 

?「ふん、...水橋 パルスィ《みずはし ぱるしぃ》よ」

 

龍騎「霧影龍騎だ...、んで?妬ましいってどう言う事だ?」

 

こいし「パルスィはね、『嫉妬心を操る程度の能力』を持ってるの」

 

...つまり口癖で良いのかな?

 

龍騎「まぁ良いや、取り敢えず通させて貰えないか?地霊殿に行きたいんだが...」

 

パルスィ「地霊殿?...ああ、そういやあの子誕生日か...。まぁ良いわ、それよりも貴方行き方分かるの?」

 

龍騎「こいしが居るから大丈夫だろ、多分」

 

パルスィ「多分って...、なんか心配になって来た、私も行くわ。ついでに買い物もしないといけないし」

 

そう言ってパルスィも着いて行く事になった。橋を渡り終えると辺りが明るくなり、声が聞こえ始めた。

 

龍騎「!此処は...」

 

パルスィ「ようこそ、地底の都、旧都へ」

 

俺は辺りを見渡すと、先程の真っ暗な洞窟の中とは違い、一気に賑やかになった。

 

パルスィ「そういえば、貴方何処まで地底の事知ってるの?」

 

龍騎「あ?ねぇよそんなもん」

 

パルスィ「は?」

 

パルスィが『こいつマジで言ってるの?』って顔を問い返して来た。いやマジで知らないんだが...。

 

パルスィ「...此処は気味悪い妖怪達の集まり場よ?なんとも思わないの?」

 

龍騎「別に...、ぶっちゃけどうでも良い」

 

パルスィ「!?どうでも良いって...、普通なら距離置くわよ」

 

龍騎「それは他人の場合だろ?俺は別に気にしないし他人と一緒にしないで欲しい。俺がどう思おうが俺の勝手だろ?それに俺はお前達を気味悪いなんて思ってないし」

 

パルスィ「......貴方って変わってるわね」

 

龍騎「お前らが変わり者なだけだろ」

 

こいし(......お兄さん、本当に優しい人だな...、これならお姉ちゃんもきっと...きゃ!」

 

そんな事話しながら歩いていると、こいしが誰かとぶつかった。俺とパルスィはこいしの方へ向くと、俺より身長が高い鬼が立っていた。

 

鬼「てめぇ何処見て歩いてやがる!?」

 

こいし「!?ご、ごめんなさい...」

 

鬼「ん?こいつよく見たらあの悟り妖怪の妹じゃねぇか。こんな所で出歩くとはな」

 

こいし「......」

 

こいしは身体を震えながら固まってしまった。これはヤバい...。

 

鬼「...?なんだこれ?」

 

鬼はある物を拾い上げだ。それは先程紅魔館で完成したこいしの手作りクッキーだった。鬼は袋を開封し一枚口に入れる。

 

こいし「!?辞めて!それはお姉ちゃんの!」

 

鬼「かぁ〜〜あっまっ!?なんだこれ!?不味すぎるわ!」

 

そう言って鬼は袋を握りつぶした。

 

こいし「!?」

 

パルスィ「...っ!」

 

龍騎「......」

 

鬼は握りつぶしたクッキーの袋を地面に捨てて、足でぐしゃぐしゃと踏み潰していく。粉々になったクッキーを蹴飛ばし、こいしは回収しに行く。

 

こいし「...折角、頑張って作ったのに...、お姉ちゃんの...プレゼントが...」ボロポロ

 

鬼「あ?プレゼント?あんな奴にプレゼントなんてやるとかテメェらふざけてんのか!?」

 

パルスィ「あんたねぇ...、これ以上言うとタダじゃおかいわよ!」

 

鬼「なんだ?俺とやるってのか?良いぜ相手になってやるよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

......................い

 

 

 

.................ない

 

 

 

...ゆ.......ない

 

 

 

     絶対に許さないっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎「......てめぇだけは...、絶対に...、絶対に...、絶対に許さねぇ!!」ギロッ

 

俺の怒りが頂点を超えて、無意識に魔力と霊力を解放する。鬼とパルスィは俺の圧に驚いている。

 

龍騎「てめぇはもう謝っても許さねぇからな...!地獄に落ちる準備は出来てるんだろうなぁ!」ギロッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおいこれはヤバいんじゃないか!?」

 

「ああ...、まさかあんな力があったなんて...。でもこれはチャンスなんじゃないか?」

 

「あ、そうか!俺達はあの男の力の調査しに来たんだった!これは絶好のチャンスだぞぉ!」

 

「そうと決まれば早速データ採取だ!」

 

そう言って男の一人はカメラを龍騎に向けて撮影を始めた。一体彼らは何の為に龍騎の力を調査しているのか...。それはまだ先の話し......。




いかがでしたか?

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。
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