東方龍優録〜心優しき少年の幻想郷生活〜   作:餡 子太郎

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どうもです。

遂に七十話に突入しました。

アンケートの結果、賛成派が多かったのでタイトルを変更します。

それではどうぞ。


第七十話 信じる者

 

衝撃の事実から一日経った夜、目を覚めてから皆んなの様子はこれと言った変化は無かった。しかし、俺が鬼神龍である事は隠しているみたいだ......。まぁ、もう知ったしまったのだからどうだって良い......。

 

俺は今、夜に浮かぶ月を眺めていた。

 

龍騎「........俺は、どうしたいんだろ...」

 

思わず声に出してしまった。俺は一体何を望んでいるのか......。それが分からずにいた...。

 

早苗「りゅーくん......」

 

龍騎「...早苗?どうしてこんな時間に?」

 

何故かこの時間帯に早苗がやってきた。

 

早苗「りゅーくんの事、心配になって......」

 

龍騎「.........」

 

そう言って早苗は俯くと、俺は早苗の隣に移動し再び月を眺める。

 

龍騎「......悪かった、心配掛けて......」

 

早苗「......ううん、私こそごめん......。早く助けに来られれば........」

 

龍騎「もう良いよ......、お前達が無事なら.....」

 

そう言うと早苗は俺の肩に頭を乗せる。よっぽど寂しかったんだろう......。

 

早苗「............月が、綺麗だね......」

 

龍騎「.........この場合、早苗の方が綺麗だよって言えば良いのか?」

 

早苗「...............りゅーくんが本気で思ってくれるならね」

 

龍騎「............」

 

早苗「............」

 

それから俺達は黙ってしまった...。告白するには絶好のシチュエーションなのかもしれないがタイミングが悪過ぎる。

 

早苗「.........その、りゅーくん」

 

龍騎「無理に話す必要は無いぞ、早苗」

 

早苗「え.......」

 

龍騎「知っちゃったんだよ.......、俺が鬼神龍だって事」

 

早苗「!?」

 

早苗は驚くと肩に乗せていた頭を離れる。

 

龍騎「だから......、気を使う必要はない。逆に使わないでくれ......」

 

早苗「......ごめん」

 

龍騎「謝るなよ......、別に怒ってる訳じゃないんだから......」

 

早苗「でも......」

 

龍騎「気にするな、俺は気にしない......」

 

早苗「......りゅーくん、無理してない?」

 

龍騎「.........え?」

 

早苗がそんな事言うと、俺は素っ頓狂な声を出してしまった。

 

龍騎「い、いや別に無理してないけど......」

 

早苗「してるよ......、私達に合わせようとしてないかな?」

 

龍騎「......何で合わせる必要が...」

 

早苗「だって、さっきまで龍騎が鬼神龍だって事黙ってたんだよ?でもりゅーくんはあの時に知っちゃった.........、私達に気を遣って知らないフリをしてきたんでしょ?」

 

龍騎「......まさか」

 

早苗「りゅーくん......」

 

そう言うと早苗は俺に優しく抱きしめて来た。

 

早苗「私......、りゅーくんの本心を聞きたい.........」

 

上目遣いでそう言ってくる早苗に思わずドキッとしてしまう。

 

龍騎「......お、俺の本心って言われても..........、正直良く分からない.........」

 

早苗「なら...、りゅーくんが今叶えたい事って何?」

 

龍騎「叶えたい...、事?」

 

早苗「何でも良いよ、例え叶わない事でも良いの......。りゅーくんがどうしたいか、知りたいの」

 

俺が、どうしたいか.........。俺は真剣に考える......、大人ぶってた心を一度子供にしてみる.....。

 

...................あぁ、そうか......。俺は......、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正義のヒーローに、憧れていたんだな......。

 

早苗「......りゅーくん?」

 

俺は自分の心を理解すると、涙が出て来た。

 

龍騎「やっと分かったんだ......。俺、ヒーローに憧れていたんだよ...。でも、ヒーローぶってるのが恥ずかしくて、だから『自己満足』という理由で逃げていたんだ......。今でも、そう思ってる......、だってもう大人なんだぜ?もうそんな年じゃないんだぜ?でもよ......、憧れは..........、止められねぇんだ......。誰かの役に立ってるヒーローに、なりたいんだよ......。こんな男でも、助けたいんだよ......。だから.........」

 

俺は涙を流したまま早苗に向く。

 

龍騎「俺は......、幻想郷を救いたい......。皆んなを助けたい......、そして......、戦いの望まない鬼神龍を守りたい......。誰もが...、戦わない世の中にしたい......、でも、戦いたくない自分が居る......」

 

俺は両手を両腕を掴んで膝をつく。

 

龍騎「元から戦いなんて好きじゃないんだよ...。喧嘩だったり、弾幕ごっこだったり......、だから......、戦争だなんて嫌なんだよ......」

 

俺は言いたい事を言うと、ひたすら泣き続けた。これが俺の本音、包み隠さず言った。二十歳になって厨二病やら言われるのが怖くて自己満足と言う言葉を使って逃げていたんだ。

 

ヒーローに憧れてるなんて、誰も信じてくれないって思っていたから......。

 

 

 

早苗「......りゅーくん、小学校の頃憶えてる?」

 

龍騎「え......」

 

早苗「私わね、りゅーくんの事はヒーローのような人なの。りゅーくんはずっと自分の心を押し殺していたから他の人からの気持ちが分からないと思うけど、本当に感謝してるんだよ」

 

龍騎「......よく、分かんない.....」

 

早苗「無理もないよ、りゅーくんは他の人より大人っぽく接していたから我儘になれなかったんだよ」

 

龍騎「でも.....、もう今更......」

 

早苗「大丈夫」

 

そう言って早苗は再び優しく抱きしめる。

 

早苗「幻想郷は全てを受け入れる......。私もりゅーくんの事を受け入れる、皆んなりゅーくんを受け入れる......。だから......、りゅーくんも私達を受け入れて......」

 

そう言って早苗は俺の顔を掴んで、顔を近づけて早苗の唇が俺の唇に当てた。そしてそっと唇を離すと早苗も涙を流していた。

 

早苗「私は、りゅーくんの為なら何だってやるよ...。りゅーくんの為なら鬼神龍と戦う、私の身も心も全部りゅーくんに捧げられる」

 

龍騎「!?止めてくれ!俺はそんなの望んでない!」

 

早苗「私は本気だよ。だって、私がこうして生きていられるのはりゅーくんが居てくれたからだよ。今度は、私がりゅーくんを守る番だよ」

 

龍騎「早苗.........」

 

早苗「.........」

 

どうやら早苗は本気のようだ...。

 

龍騎「...........俺は」

 

 

 

 

「「「龍騎さん(様)!」」」

 

 

 

龍騎・早苗「「!?」」

 

突然三人の声が聞こえた。俺と早苗は声がした方向へ向くと、咲夜と椛、妖夢が慌てた様子でやって来た。

 

龍騎「ど、どうして此処に......?」

 

咲夜「龍騎様が大怪我をなさったと聞いて駆けつけて来ました!」

 

妖夢「何でもあの鬼神龍と戦ったとか........」

 

椛「良かった〜〜!!本当に良かったですよ〜〜!!」

 

俺が鬼神龍にやられた事を聞いてすぐに駆けつけて来たようだ。どうやらまだその事は知らされてなかったようだ。

 

龍騎「...すまん、迷惑を掛けた」

 

咲夜「........紫様からお聞きしましたが、龍騎様はどれぐらいご存知ですか?」

 

龍騎「殆ど知ってるよ......、俺が鬼神龍だった事も」

 

咲夜「そう、ですか......」

 

妖夢「私は幽々子様からお聞きしました。とても信じられませんでしたが.....」

 

龍騎「ごめん、元は俺の...、俺達鬼神龍の責任だから...」

 

咲夜「そんな事はありません!全て龍騎様が背負う事は無いんです!」

 

龍騎「でも.........」

 

咲夜「私は今までお嬢様の為に尽くして来ました。でも龍騎様との出会いが私の人生を変えて下さったのです。今の私は、龍騎様に全てを捧げられます!」

 

龍騎「咲夜......」

 

妖夢「私も、今まで幽々子様のお世話や庭師の仕事しかして来ませんでした。でも龍騎さんと会ってから私は仕事以外にも楽しい時間を過ごす事が出来たんです。私も龍騎さんの為なら鬼神龍だろう何だろうと戦います!」

 

龍騎「妖夢......」

 

椛「私もこうして生きていられるのは龍騎さんのお陰です!龍騎さんが居なかった恐らく、ストーカーに殺されていたでしょう.......。見ず知らずの私を助けてくれた龍騎さんが居たから今の私は生きているんです!今度は私が龍騎さんをお守りします!」

 

龍騎「椛......」

 

三人の言葉に心を打たれる。どうして......、そんなに俺の事を......。

 

早苗「りゅーくんは一人じゃないよ」

 

そう言って早苗に肩を叩かれる。

 

......ありがとう、皆んな......。

 

俺、決めたよ......。

 

龍騎「......この騒動が終わったら、皆んなに伝えようと思う...。俺の気持ちを......」

 

 

「「「「!?」」」」

 

龍騎「その為にも、俺は死ぬ訳にはいかない......。幻想郷も、皆んなも、失いたく無い.......。だから......、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦うよ、俺は...。鬼神龍を............、倒す。力を貸してくれ......」

 

 

 

 

 

〜霊夢side〜

 

龍騎が鬼神龍だったと言う事実を知って三日目、私は部屋で横になっていた。未だに龍騎が鬼神龍だった事に受け入れられないのだ。

 

霊夢(一番辛いのは....、龍騎なのに......)

 

この件で一番の被害者は龍騎だ...。だから龍騎を側に居てあげて少しでも安心させてあげたい......。けど.........、

 

霊夢(龍騎が鬼神龍だなんて.........、言える訳ないじゃない.............)

 

私は涙を流して毛布を隠すようにして蹲る。そんな事言ったらショックを受けるに違いない...。

 

私は、どうしたら.........。

 

龍騎「霊夢?入るぞー」

 

部屋の扉が開くと、龍騎が顔を出した。

 

霊夢「......龍騎?龍騎なの!?」

 

龍騎「あ、あぁ......。永琳先生に無理言って外出許可を貰ったんだ。それよりどうした?具合でも悪いのか?」

 

龍騎はそう言って私の側に近寄る。こんな状況でも優しくしてくれるのね.......。

 

霊夢「だ、大丈夫よ......。心配には及ばないわ」

 

龍騎「...そっか、なら良いんだけど」

 

そう言って龍騎は床に座り込む。そして真剣な目で見てきた。

 

龍騎「その、さ......。俺が鬼神龍だったって事なんだけど......」

 

霊夢「!?」

 

嘘....、いつ知ったの....?

 

龍騎「俺さ、戦うよ......。鬼神龍と......」

 

霊夢「.........え」

 

戦う.........?鬼神龍と.........?

 

霊夢「あ、貴方正気なの!?」

 

龍騎「......あぁ、俺は本気だ」

 

霊夢「何で!?元は貴方と同じ仲間でしょ!?」

 

龍騎「同じ仲間でもやって良い事とやってはいけない事だってある」

 

霊夢「同族と戦うなんて嫌じゃないの!?それに貴方負けたじゃない!?」

 

龍騎「確かにまだ抵抗があるよ......、それにボロ負けしたしな.......」

 

霊夢「なのに......、どうして......」

 

龍騎「.........俺にとって、幻想郷は故郷でもあって守りたいものの一つなんだ。それに霊夢、お前を死なせたくない」

 

霊夢「え.........」

 

その言葉を聞いて固まってしまった......。

 

龍騎「俺は幻想郷で生きたい......、戦いを望まない鬼神龍達を救いたい......、そして、霊夢も魔理沙、咲夜や妖夢、早苗も椛も紫さんも......守りたい。それが出来るかどうかは分かんないけど、俺も......、一人の人間として...、叶えたい願いがあるんだ」

 

霊夢「.........」

 

龍騎「その為には......、お前の力を貸して欲しいんだ。霊夢」

 

霊夢「私を......?」

 

龍騎「前の俺だったら、一人で何とかしようとしてただろうな.....。でも、俺には信じてくれる人が居た、それを改めて知ったよ。こんな我儘な俺を受け入れてくれるなら、力貸してくれ」

 

そう言うと龍騎が深々と頭を下げる。

 

霊夢「............そんな事」

 

龍騎「...........」

 

霊夢「そんな事、言われたら......、断れないじゃない.........」

 

龍騎「霊夢.........」

 

霊夢「......何処へでも着いて行くわ。貴方の力になれるなら、例え相手鬼神龍だろうと閻魔だろうと着いて行く......。だから......、私を、貴方の心の柱にさせて.........」

 

そう言って私は龍騎に抱きつく。龍騎に抱きついた事で今まで悩んでいた事が嘘のように無くなりだす。

 

龍騎「......ああ、よろしく頼む」

 

すると龍騎から私にキスして来た。私は一瞬驚いたが直ぐに受け入れた。ああ.....、今の私は愛されてる......。そして一緒になっていた唇を離すと龍騎は顔を赤くしてこう言った。

 

龍騎「......続きは、この騒動が終わってからで......///」

 

霊夢「そ、それって......///」

 

龍騎「.........///」

 

私は思わず期待してしまった。もしかして............///

 

 

シア「お取り込みの所申し訳ありませんが失礼します」

 

龍騎・霊夢「「!?」」

 

すると横からシアが現れた。全く気配を感じなかった......。

 

シア「アルカード様、霊夢様。皆様に大切なお話しがございます。ご同行願います」

 

龍騎「.........分かりました。霊夢も良いな?」

 

霊夢「う、うん......」

 

シア「ありがとうございます。それと私の事は呼び捨てで構いません」

 

龍騎「なら......、俺の事もアルカードなんて呼ばないでくれ」

 

シア「しかし......」

 

龍騎「良いんだ、鬼神龍のアルカードはとっくの昔に死んだ。仮に生きているとしても今の俺は霧影龍騎さ」

 

シア「......分かりました。それでは龍騎様、霊夢様。ご案内致します」

 

それから私達はシアの後に着いて行った......。何が起こるのかは分かんないけど、もう何も怖くない......。

 

霊夢(だって、側には彼が居るから.........)




いかがでしたか?

今更ですがUAが60,000突破しました。本当にありがとうございます!

少し駆け足気味ですが、必ず完結させるのでよろしくお願いします。

誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。

次回もよろしくお願いします。

最終回、次回で終わらせるか次々回で終わらせるか(どちらかが20〜30を過ぎたら決定します)

  • 次回で締めよう!映画風にな!
  • 二つに分けよう!TVアニメ風にな!
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