前回の続きです。
それではどうぞ。
夕食を済ませた俺たちは自己紹介をしていた。
レミリア「改めて、レミリア・スカーレットよ」
パチュリー「私も一応しといた方が良いわね。パチュリー・ノーレッジよ」
咲夜「改めてまして、十六夜咲夜と申します」
こあ「小悪魔《こあくま》と言います。気楽にこあとお呼び下さい」
ナイフが刺さった女の人「私は紅 美鈴《ホン メイリン》と言います。この紅魔館の門番をしています」
頭にナイフが刺さった女の人、美鈴さんが頭を擦りながら言った。さっきまで頭に刺さってたからな...。
龍騎「...改めまして、霧影龍騎です。外の世界から来ました」
霊夢「...終わったかしら?」
龍騎「...お前らはもうやったのか?」
魔理沙「もうとっくに終わったぜ」
マジかよ...。ってかさっきまで戦ってたのにいつの間にか仲良くなってんだよ...。やっぱこいつら普通じゃない。
それから霊夢と魔理沙は咲夜さんにお風呂場を案内され、パチュリーと小悪魔は図書館に戻ってしまった。食堂に残ったのは俺とレミリアだけ。
レミリア「...少し話しがあるのだけど、良いかしら?」
レミリアがグラスに入ったワインを飲んで聞いてきた。
龍騎「...俺も、聞きたい事があります」
レミリア「そう...、それと敬語は辞めて頂戴。堅苦しいのは嫌いなのよ」
龍騎「分かり...分かった」
駄目だ見た目が子供でも歳上だ。そう思うと余計緊張する...。
レミリア「...霊夢から聞いたけど、貴方は女性恐怖症らしいわね」
その話か...。霊夢の奴余計な事を...。
龍騎「まぁ、少し長くなる話になるけど...」
俺が中学の時、一人の女の子に告白された。もちろん俺は嬉しかった。でもその時の俺は恋愛とか良く分からなかったから断ったんだ。翌日、俺は女子にいじめられた。告白を断ったのが理由では無かったけど小学校の時から俺の事が気に入らなかったらしい。確かに俺は一人暮らししてたから料理やら裁縫やら色々できる自分でも自覚してる。女子には『本当に男?女子力高すぎw』だの『なんで女に生まれてこなかったのがマジ不思議w』だの『一層のこと去勢すればwww』なんて言われた。告白してきた女の子は止めようとしたけど最終的に加害者の仲間になった。それが二年半続いて精神的に追い込まれた俺は女子に会うのが怖くなって、信用できなくなった。
中学を卒業して、俺は男子校に入学した。女子との関わりが減ったお陰で精神的にも落ち着いて過ごす事ができた。でも俺の通っていた高校が今年から男女共学になった。偶に後輩の女子から声を掛けられると震えが止まらなかった。その時は適当に誤魔化して逃げた。それが暫く続いてある日に俺は事故で死んだ。
龍騎「気がついたら森で寝ていた、ってことだ」
レミリア「...」
レミリアは黙って話を聞いていた。
レミリア「大変だったのね...。今でも続いているの?」
龍騎「うん...、昔より恐怖心は無くなってるけど完全じゃない。こうやって話してるけど実際は心臓の鼓動が早くなってる。...でも俺は決めた。トラウマを克服するって、いつまでも怯えるのは嫌だから...、時間が掛かるかもしれないけど克服してみせる。克服して幻想郷の人間として生きる。それが俺の覚悟だ」
レミリア「...良い心がけね。それに良い眼をしている」
俺の覚悟を伝えるとレミリアはフッ、と笑いテーブルの上に置いてあるワイングラスを持つ。
レミリア「何か困ったことがあればいつでも私達に頼りなさい。力になるわ」
俺はレミリアの言葉に驚いた。
龍騎「...良いのか?さっきまで敵同士だったのに」
レミリア「『昨日の敵は今日の味方』と言うでしょ?それに此処は幻想郷、全てを受け入れる場所よ。貴方が
龍騎「...」
俺はレミリアの言葉に涙が出そうになった。そう言ってもらえる人がいなかったからとても嬉しかった。
龍騎「...もっと、早くお前達みたいな人に会いたかった...。ありがとう、俺を受け入れてくれて」
レミリアはニコッと笑うとワインを飲む。飲み終えるとテーブルの上にグラスを置く。
レミリア「...この話はここまで。もう一つ話があるのだけど良いかしら?」
レミリアは真剣な顔で俺の顔を見る。
龍騎「...ああ」
レミリア「...フランとの戦い、あれはなんだったのかしら?」
やはりその話か...。俺もその話で聞きたい事があるので答える事にした。
龍騎「...実際、俺にも分からないんだ。レミリアは二重人格って信じるか?」
レミリア「二重人格?信じる信じないかは別として幻想郷に一人や二人はいると思うわよ?」
あっ、そうか...(納得)
龍騎「...あの時は俺がやったんじゃなくて、二重人格の方の俺がやったんだ。その時に俺は意識がなかったから覚えてないけど...」
レミリア「成る程...、中々興味深いわね」
龍騎「多分、二重人格の俺が出てくる事はないと思うけど、お陰で力の封印が解けたみたい」
レミリア「力の封印?」
龍騎「なんでも俺は元から力があったらしい。それを二重人格の俺が解いてくれたんだ」
...今思ったんだが俺は赤ん坊の時から力を持っていたって事なのか?なんで俺の半身が存在する?どうしてその半身が俺の力が封印されたと分かった?考えてみると色々とおかし過ぎる...。
レミリア「...それは能力の事かしら?」
龍騎「分からない...。でもそうだと思う」
レミリア「そう...。ならパチェに頼んでくると良いわ。パチェなら能力を調べることが出来るわ」
龍騎「...後でな。話変わるけど俺からも良いか?」
レミリア「えぇ」
龍騎「...なんでフランを地下に閉じ込めた?」
レミリア「!...そう言うと思ったわ」
レミリアは一瞬驚いた表情を見せたが直ぐに元の表情に戻った。
レミリア「今回の異変、なんで起こしたか分かるかしら?」
龍騎「...まずはお前達が吸血鬼だから。吸血鬼は日光に弱い、だから幻想郷全体に赤い霧を出して日光を遮断した。後は...フランの能力を恐れていた...、あの能力は他の奴らとは違う危険な能力だ。それに吸血鬼と言ってもフランはまだ幼い、コントロールも碌に出来ないから下手したら紅魔館のみならず幻想郷全体に被害が及ぶ。それを防ぐ為にフランを地下に閉じ込めた」
レミリア「...凄いわね。大体合ってるわ」
やっぱりか、どうやら俺の予想が当たっていたようだな。
レミリア「そう...、私は、私達はフランの能力を恐れていた。フランの能力は『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』を持っているの。貴方の言う通りフランは495年生きてるけど吸血鬼ではまだ幼いのよ。その所為で紅魔館の皆んなに、幻想郷全体に被害が及ばない為にフランを地下に閉じ込めた。私だってこんな事はしたく無かった...」
龍騎「...確かにお前はやった事は許される事じゃない。妹に怯えて500年近くも閉じ込めた。長年閉じ込められたら気が狂うのは当然だ。お前は俺と同じだ、ただ怯えて逃げていた。俺が言うのもあれだが主としてどうなんだ?家族を守るのも、大切にするのもお前の仕事だろ?」
レミリア「...そうね、貴方の言う通り。紅魔館の主も、姉も失格ね」
龍騎「...でもお前は凄いよ」
レミリア「えっ?」
龍騎「理由はどうあれ妹の為に幻想郷に喧嘩売ったんだろ?今回の異変が上手くいけばフランを解放させて、自由にさせてやりたかったんだろ?」
レミリア「!?」
龍騎「普通そんな事出来ないよ。でもそこまでしてお前は行動した。俺がお前の弟だったら誇りに思うよ」
レミリア「...」
レミリアは俯いた顔を上げて微笑んだ。
レミリア「ありがとう...龍騎」
龍騎「俺を受け入れてくれるんだろ?だったら俺もレミリアを受け入れる。お前を信じる。ただそれだけだ」
それからレミリアと雑談して風呂に入った。風呂場めちゃくちゃ広かった...。こんな広い風呂を独り占めできるとは思わなかった。良い経験ができた。
風呂に出て部屋に戻るとフランは居なくなっていた。自分の部屋に戻ったのだろうか...。あれ?そういえばフランの部屋って何処なの?まさか地下室じゃないだろうな?そんな事思いながらベッドに飛び込む。飛び込んだ瞬間すぐに睡魔が襲ってきてそのまま俺は眠りについた。
〜翌朝〜
龍騎「...ん、朝か......ん?」
目が覚めると俺は違和感を感じた。何故なら布団に人一人分の膨らみがあったのだ。
龍騎「......」
恐る恐る布団をめくると...。
フラン「...」zzz
...何故かフランがいた。そして俺はそっと布団をかける。
龍騎「...疲れているのかなぁ(現実逃避)」
そう思った俺はもう一度寝る事にした。30分くらい寝てもう一度布団をめくる。
フラン「...」zzz
はいフランちゃんいましたー(白目)まずいですよ!?こんなの誰か来たら誤解を招く事になる!
フラン「ん、んん...」
フランは起き上がると瞼を擦りながら周囲を見る。俺と眼を合わせると瞼を擦りながら挨拶した。
フラン「おはよう、お兄様」
龍騎「あ、ああ...おはようフラーーー」
ゑ?( ゚д゚)?
この子なんて言った...?お兄様?
工工エエェェ((; ゚д゚))ェェエエ工工!?
その時、俺の心の叫びが紅魔館に響いたような気がした。
いかがでしたか?
フランの監禁理由については自分の妄想なのでご了承ください。
誤字脱字、アドバイス等よろしくお願いします。
次回もよろしくお願いします。