後日談その5です。
ラストは妖夢視点オンリーです。
それではどうそ。
〜妖夢side〜
『俺の生涯を全部お前に捧げたい.....。だから、お前の人生を俺に預けてくれないか?一緒に暮らして、俺達の子供を作って、そして.......、死ぬ時は俺と同じ墓に入って欲しい......』
あの日の夜、私はその言葉を聞いた。とても嬉しかった、それと何故私なのだろうか......。二つの気持ちが同時に私の心を襲った。今でもそう思っていた......。
〜白玉楼〜
幽々子「ん〜、いつも食べても妖夢の料理は美味しいわ♪」
妖夢「ありがとうございます、幽々子様。それと並び終えてから召し上がって下さい」
私は幽々子様に朝食を並べていると、全て並び終える前に幽々子様が食べ始めていた。鬼神龍との戦いから一年...、私と幽々子様は龍騎さんを白玉楼に招いて一緒に生活をしていた。あの宴会に龍騎さんに告白されて、晴れて私達は恋人同士になったものの、恋愛に疎い私はどうしたら良いのか分からなかった。
幽々子「そういえば、龍騎くんはどうしたの?さっきから見かけないけど」
妖夢「龍騎さんなら今さっき香霖堂へ向かいましたよ。何でも新しい剣が仕入れたと言って」
幽々子様が一度箸を止めて聞いてくると、私は食べ終わった皿をお盆の上に重ねながら答えた。
幽々子「新しい剣?もう彼はもう戦えないんじゃ......」
妖夢「私も思ったんですよ、でも『一応護身用として』って言って行っちゃったんです」
幽々子「大丈夫なのかしら......、何事も無ければ良いのだけど......」
妖夢「だと良いんですけど......」
私は不安な気持ちを抑えながらお盆を持って台所へ向かおうとすると、幽々子様に止められた。
幽々子「.......妖夢、お皿を置いて来たら龍騎くんの所に行って来なさい」
妖夢「......へ?」
幽々子様がそんな事を言うと、私は思わず返事をしてしまった。
幽々子「彼を心配してるのでしょ?恋人ならそのぐらいして来なさい」
妖夢「幽々子様......」
幽々子「残りは私がやっておくから、ね?」
妖夢「.........ありがとうございます。それよりも、お皿洗い出来るんですか?それに洗濯も掃除もあるんですよ?」
幽々子「今とても良い雰囲気だったじゃない!?どうして逆戻りするの!?それと私を何だと思ってるの!?そのぐらい私にも出来るわよ!?」
妖夢「言いましたね?なら幽々子お一人で!!頑張って下さいね?決して紫様や藍様には頼らないで下さいよ?」
幽々子「分かったわよ!分かったから行って来なさい!」
少し怒り気味の幽々子様のお言葉に甘えてお盆をテーブルの上に置いて自室へ移動、身支度と刀を持って白玉楼を出発した。
妖夢(待っていて下さいね......、龍騎さん.....!)
〜香霖堂〜
妖夢「ごめんください」
龍騎「あれ?妖夢?」
香霖堂に到着した私は中へ入ると、龍騎さんがカウンターの前に立っていた。
龍騎「どうしたの?此処まで来て」
妖夢「そ、その......、龍騎さんの事.........、心配で.........」モジモジ
龍騎「え?」
龍騎さんに説明するのが恥ずかしくり、顔が熱く感じる。うぅ.......、無理に言わない方が良かった......。
龍騎「.......ふっ」
龍騎は恥ずかしがってる私を見て小さく笑った。
妖夢「わ、笑わないで下さいよ!///」
龍騎「ごめんごめん、恥ずかしがってる妖夢が可愛かったからつい..」
妖夢「うぅ......///」
龍騎(涙目で睨みつける妖夢...、可愛い)
霖之助「おや、君が来るなんて珍しいね」
龍騎さんを睨みつけると、奥の部屋から霖之助さんが現れた。その手には二本の刀を持っていた。
龍騎「霖之助さん、それは?」
霖之助「これが新しく入った刀さ。青い刀は『爪龍刀』赤い刀は『牙龍刀』と言うらしいんだ」
龍騎「ほぅ......」
龍騎さんが霖之助さんが持って来た刀を手に取ると、興味津々に刀を眺める。確かに龍の文字が付くのに相応しい刀だった。
龍騎「これ良いですね、貰っても良いですか?」
霖之助「構わないよ、持って行くと良い」
龍騎「それじゃあこれを......」
そう言って龍騎さんは財布を取り出すと、霖之助さんは首を横に振る。
霖之助「お代は良いよ、元々は君に譲る気で居たから」
龍騎「でも客ですよ?」
霖之助「この店は僕が法律さ、だからどうしようが僕が決める。それだけさ」
龍騎「......なら、お言葉に甘えて頂戴します」
そう言って龍騎さんは二つの刀を背中に背負う。普通は腰に着けるのに......。
龍騎「それじゃあ俺達は行きますね、刀ありがとうございました」
妖夢「お、お邪魔しました.....」
霖之助「うん、またのお越しを」
霖之助さんに見送られ、私達は外へ出た。
龍騎「ごめんな?心配掛けてたみたいで」
妖夢「いえ、ご無事なら良いんです......」
確かに龍騎さんが無事で良かったけど、このまま帰って良いのかな........。そんな事を思っていたら龍騎さんが口を開いた。
龍騎「なぁ妖夢.........、これからデートしない?」
妖夢「......はい?」
〜人里・服屋〜
妖夢「ど、どうでしょうか......?」
龍騎「とても似合ってて可愛いよ」
妖夢「か、可愛い......///」
私は龍騎さんに連れられて人里にある服屋に来ていた。デートと言われた時はどうしたら良いのか分からなかった為、まだ仕事があると言って逃げようとしたが、龍騎さんに手を掴まれて『俺に任せて』と言ったので龍騎さんに頼む事にした。そして私は服屋で洋服を着せらたが、龍騎さんが可愛いと言ってくれたので嬉しかった。
龍騎「折角だし、それ着て行く?」
妖夢「い、良いんですか?」
龍騎「ああ、寧ろ着てくれ」
妖夢「......龍騎さんがそう言うなら///」
龍騎「ありがと、それじゃあ会計してくるよ」
そう言って龍騎さんはお金を払うと私の手を握って店を出る。
妖夢(これが......、デートなのかな......)
良く分からない感情が込み上げてくるが、悪い気はしなかった。寧ろ......、楽しいと思っている。それから龍騎さんと甘味処へ移動する。そして適当に注文し、甘い物が届くと......、
龍騎「はい」
私に甘い物を差し出して来た。
妖夢「.........え?」
龍騎「だから口開けて、あーん」
妖夢「みょん!?///」
何と龍騎さんからあーんさせて来た。私は咄嗟に変な声を出して手を振る。
妖夢「ま、待って下さい龍騎さん!///別に此処でやる事は......///」
龍騎「いや、ラブラブなリア充なら当たり前だぞ?」
妖夢「む、無理です!///それなら白玉楼に帰ってでも出来ますよ!///」
龍騎「そんなにキッパリ断られると泣いちゃうよ?それに俺だって恥ずかしいんだよ......///」
龍騎さんは顔を赤くして下を向く。やっぱり恥ずかしかったんだ......。ちょっと可愛いかも......、そう思いながら私は龍騎さんに差し出された甘い物を口にする。
龍騎「......どう?」
妖夢「......良く分かりません///」
龍騎「ははっ......、前の俺と同じ答えだ」
前と同じ?どう言う事だろう.....、今は良いか。
妖夢「つ、次は私ですね...!///は、はい龍騎さん///」
そう言って私は龍騎さんに私のを差し出す。すると龍騎さんはありがとう、と一言言って差し出した甘い物を口に咥える。
妖夢「みょん!?///」
龍騎「驚くと思った?残念ながら驚かないのだよ」
妖夢「そ、そんな......」
何故か悔しい......、負けた感じがする......。
龍騎「でも嬉しいよ、ありがとう」
そう言って龍騎さんは私に頭を撫でてくる。撫でられると恥ずかしさが増す。
妖夢「うぅ........///」
龍騎「可愛い」
妖夢「〜っ!もう〜!さっきから揶揄わないで下さいよ!///」
可愛いと言われると、更に恥ずかしさが増し、耐えきれず龍騎さんの腕を叩く。
「だ、誰かゴーヤは持ってるか!?ピーマンでもほうれん草でも良い!!苦いのを!苦いのを頼む!!」
「ダメだ!抹茶じゃ効かねぇ!店員さん頼む!もっと苦いのを!!」
「む、無理だ!あの空間と一緒には居られねぇ!俺は帰るぞ!」
何やら周りが騒がしくなっており、龍騎さんも何故か遠い目をしていた。
龍騎「......そろそろ別の所へ移動しようか」
妖夢「そ、そうですね.....」
そう言って私達は代金を払って店を後にした。それから人里で歩いていると私は龍騎さんにある事を質問した。
妖夢「あの......、龍騎さん......」
龍騎「ん?」
妖夢「......どうして、私を選んだんですか?」
龍騎「.......は?」
私の質問に龍騎さんは素っ頓狂な声を出した。それでも私は言い続ける。
妖夢「正直な所、私が選ばれる事なんて無いと思ってたんです...。確かに私は龍騎さんの事は好きです。これは何一つ変わってません......、でも、私と過ごした時間はそこまで長くないじゃないですか......。だから.........」
龍騎「妖夢」
私が言ってる途中に、龍騎さんが私の名前を呼ぶと優しく抱きしめて来た。そして唇に柔らかい感触が伝わった。
妖夢「え......」
龍騎「そんな事言うなよ......、これは俺が決めた選択だ。後悔なんて無い、する筈が無い。時間が足りないならこれから埋めていけば良い、そうだろ?」
妖夢「で、でも.......、私は他の皆さんよりスタイルは良くないし、家事とか剣を振る事しか出来ないし......、それに女子力が無いというか......」
龍騎「馬鹿だな......、俺はそんなお前に惚れたんだよ」
妖夢「.........え?」
龍騎「スタイルが良かろうが良くなかろうが関係ない、家事や剣を振る事しか無いなら新しい事に挑戦してみれば良い、それに妖夢は女子力が無い訳じゃない。だって......」
そう言って龍騎さんは私の頬を軽く摘んで引っ張る。
妖夢「みょん?」
龍騎「妖夢の全部が好きだから、俺が妖夢を選んだ理由だ」
妖夢「っ!」
龍騎そう言って私の頬を摘んだ手を外すと、頭を撫でる。それと同時に私は無意識に涙が出た、それと今までモヤモヤしてたものが嘘のように消えた。
妖夢「............」ポロポロ
龍騎「!?ど、どうした!?俺変な事言った!?」
妖夢「.....違うんです、嬉しいんです...」ポロポロ
龍騎「.....どう言う事?」
妖夢「私、不安だったんです......、龍騎さんの恋人に相応しいのかどうか......。ずっと悩んでたんです......、ちゃんと恋人として上手くやっていけてるのか.........」ポロポロ
龍騎「.........そっか、心配だったのか。俺と釣り合うのかどうか」
妖夢「はい......」ポロポロ
龍騎「......すまなかった、何も気づけてやらなくて......。これじゃあ恋人以前に男失格だな...」
妖夢「龍騎さんの所為じゃないです...。私の勝手な思い違いだったんですから......」ポロポロ
龍騎「妖夢......」
妖夢「......だから、仕切り直しましょう。改めて、私を......、恋人になってくれませんか...?」ポロポロ
龍騎「......勿論だ」
そう言って龍騎さんは私に優しく抱きしめてくれた。あぁ......、今なら分かる......、今がとても幸せなんだと......。
龍騎「愛してる......、妖夢」
妖夢「私も、愛してますよ......。龍騎さん」
それから私達は恋人らしいデートを再開した。先程とは打って変わって緊張感が無くなり、幸せな時間を過ごす事が出来た。これからもこうして幸せな時間が続くとなると更に気分が上がる。結婚はまだ早いけど、今から式を上げても良いかな......。そんな事を思いながらデートを続けた。
〜妖夢side out〜
紫「おかしい......、ゴーヤ食べてるのに甘く感じる......」
藍「紫様、特性スムージーは如何ですか?」
紫「ナイスよ藍、頂くわ」
幽々子「良かったわね、妖夢......」
上空から妖夢達の様子を伺いながら紫はゴーヤを丸齧りをし、藍は苦い物を集めた特性スムージーを差し出す。幽々子は妖夢の様子を見て安心しながら金平糖を齧っていた。当然、デートに夢中になっている妖夢と龍騎は気づく事は無い......。
いかがでしたか?
以上、妖夢編でした。
そしてこの作品も完全完結です!
後日談も読んでくださり、誠にありがとうございました!
これから活動報告にて皆様にお知らせがあります。是非見に来て下さい!
以上、餡 子太郎による『東方龍優録〜心優しき少年の幻想郷生活〜』でした!!本当にありがとうございました!!